イギリス ブレンガンキャリアー (強行偵察)
「イギリス ブレンガンキャリアー (強行偵察) (プラモデル) (タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.249 )」です
●「イギリス ブレンガンキャリアー (強行偵察)」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●第2次世界大戦時におけるイギリス軍の汎用装甲兵員輸送車「ユニバーサルキャリアー Mk.2」を再現したキットです
・ 「ブレンガンキャリアー」とは、元来機関銃を装備した「ユニバーサルキャリアー」の前身の車輌を示しますが、「ユニバーサルキャリアー」を示す名称として定着しています
●小型の車体にオープントップ式の兵員室を持つ独特の雰囲気の「ユニバーサルキャリアー」を再現、強行偵察任務として戦闘中のフィギュアが付属し、そのフィギュアと車輌の織り成すシーンは、そのストーリー性や緊迫感に心揺さぶられることでしょう
【 「ブレンガンキャリアー (ユニバーサルキャリアー)」について 】
●1927年から生産が開始されたイギリスの「ガーデンロイド機銃車」は、世界恐慌による軍縮ムードの中、手軽に数を揃えることができるために世界的なベストセラー車輌となります
●しかし、この「ガーデンロイド機銃車」は、戦車として運用するのは車格が小さすぎ、武装も機銃程度しか搭載することができず、貧弱さが否めませんでした
●各国は、同車を参考にした小型戦車を開発しましたが、イギリス軍ではやはり戦車としての活用は考慮されず、牽引及び兵員輸送車として発展して行きます
・ この「ガーデンロイド機銃車」を参考にした戦車は、イタリアの「L3 タンケッテ」、ポーランドの「TK」、日本の「94式軽装甲車」などが存在します
●1934年に「ヴィッカース社」は、牽引任務も兼ねた機関銃搭載車輌「ブレンガンキャリアー」を開発、一方で、兵員輸送型、偵察型、砲兵用型などの専用のタイプも作られました
●しかし、このように各兵科用に専用の車体を製作するのは効率的ではなく、汎用車体としての「ユニバーサルキャリアー」が開発されます
●この「ユニバーサルキャリアー」は、小型の車体に7mm~10mm厚の装甲を装備、65馬力のフォードV8エンジンを搭載して、最高速度48km/hという軽快な機動力を持っていました
●同車は、1940年から量産が開始され、大戦中に65,000両が生産、イギリス連邦軍の機械化部隊の足、もしくは主力対戦車砲である「6ポンド砲」の牽引用などとして全戦線に渡って活躍しました
●ただ、「ユニバーサルキャリアー」は小型の車体のために搭載能力が低く、小銃分隊を乗せるには3両程の「ユニバーサルキャリアー」が必要となりました
●そこで、大型のアメリカ製の「M3ハーフトラック」系列が供与され始めると機甲歩兵の主力装備車輌は同ハーフトラックとなり、「ユニバーサルキャリアー」は、小型の車体と全装軌式の機動力を活かした、偵察、牽引、前線への弾薬運搬などの役割りを受け持つこことなります
●特に、強行偵察や弾薬の強行輸送などに多く用いられ、前線部隊ではこの車輌の有用性を認められています
・ 当時の戦記では、孤立した友軍陣地に対して弾薬を届けるために、数両で強行突入したという記述が良く見られます
●「ユニバーサルキャリアー」は、「Mk.1」~「Mk.3」の3タイプが作られました
●「Mk.2」は、「6ポンド砲」を牽引するために作られたタイプで、後部に大型の牽引装置を装着、前照灯も1灯式に変化しています
●この「ユニバーサルキャリアー Mk.2」は、大戦後期における「ユニバーサルキャリアー」シリーズの主力となっています
【 「イギリス ブレンガンキャリアー (強行偵察)」のキット内容について 】
●この汎用装甲兵員輸送車「ユニバーサルキャリアー Mk.2」を再現したプラスチック組立てキットです
●小型の装軌式装甲車「ユニバーサルキャリアー Mk.2」をシャープに再現、小型のオープントップ車輌の魅力、そして装軌車輌独特の存在感を味わうことができます
●キットは、同社の旧「ブレンガンキャリアー」をベースに、新規のフィギュアと一部の武装パーツを追加したものです(同社「イギリス ブレンガンキャリアー (ヨーロッパ戦線)」のバリエーションキットとなります)
●その旧製品は1976年製という古いキットですが、現在のMMシリーズの基礎とも言えるシャープ且つ実車のポイントを押さえた傑作キットで、同シリーズの最大の美点である初心者からベテランモデラーまで「作る楽しさ」、そして「作り易さ」が実感できる内容となっており、現在においてもその魅力は色褪せていません
・ ベテランモデラーの人はキットを元にディテールを追加すると良いでしょう
・ キットの素性が良いので、そのディテールを付加していく作業がきっと楽しくなるものと思います
●キットには、緊迫した表情の戦闘中の兵士フィギュアが付属しており、このキットだけで、ヨーロッパ戦線での強行偵察などのシーンが再現できるようになっています
●「ユニバーサルキャリアー」の車体は各パネルを組み合わせる箱組み方式となっています
・ 車体の主要躯体は、底板、左右側面、前面、後面、操縦席前面板の6パーツで構成されています
・ 側面パーツには、フェンダーと兵員室側面とが一体成型
・ 側面前部のサイドフェンダーと、側部の足掛けは別パーツです
・ 車体前部の前照灯、バックミラー、予備転輪は別パーツにて再現
・ 牽引ワイヤーは、アイの部分がプラパーツで、ワイヤー本体は付属のナイロンのロープを使用します
・ 車体後部のシャベル、バールなどの車載工具類は別パーツ化されています
・ 後部のデファレンシャルは4パーツで構成
・ 左右の排気管は3分割式です
●オープントップ部分の車体内部が再現されています
・ 操縦手及び前方機銃手の座席は別パーツとなっています
・ ハンドル、変速レバー、計器盤がパーツ化
・ 前方機銃、後方機銃架の機銃、車内の予備機銃の3丁の「ブレン軽機関銃」が付属
・ 後部の座席がパーツ化されています
・ 無線器は1パーツで構成され、表面のディテールは実感豊かに表現されています
・ 車内に取り付けられる各携行缶、弾薬箱、消火器などが別パーツとなっています
●足回りは、起動輪、誘導輪、各転輪が1パーツで構成されています
・ サスペンションは左右分割式で、転輪を挟み込んで作製します
・ 履帯は、接着が可能な素材によるベルト式の履帯が付属しています
●畳んだ状態のキャンバスカバーと、後部のキャンバス製の収納袋が付属
●「ブレンガンキャリアー」を飾るアクセサリーパーツが付属
・ 「エンフィールド No.4 Mk.1」ライフル ×2
・ 背嚢 ×1
・ マガジンポーチ ×2
・ 銃剣 ×1
・ 水筒 ×1
・ 拳銃ホルスター ×1
●搭乗員を再現したフィギュアが5体付属しています
・ フィギュアの内訳は、ヨーロッパ戦線の兵士フィギュアが3体と、北アフリカ戦線の兵士フィギュアが2体(旧キット)となっています
●ヨーロッパ戦線の兵士フィギュア3体は、強行偵察任務において戦闘中の緊迫感を持ったシーンが表現されています
・ フィギュアの服装は、野戦服を着用(機関銃手は革製のジャケットを羽織っています)し、ヘルメットを被っています
・ フィギュアは、上半身、両腕、両足のパーツ構成です(機関銃手のフィギュアは上半身と下半身が一体成型)
・ フィギュアの服の皺の表現はスケールに沿っており、細部のディテールもシャープに彫刻されています
・ フィギュアの顔は戦闘中の緊迫感、高揚感、恐怖感などの心理状態までもが表された造形となっています
●各フィギュアについて
・ 操縦手のフィギュアは、緊張感と恐怖感を抱きながら両手でハンドルを持って操縦しているポーズです
・ 後部座席に座る無線手のフィギュアは、片手にマイクを持ち、もう一方の手でヘッドフォンを押さえて、身を屈めながら必死に通話しているポーズです
・ 機関銃手のフィギュアは、緊迫感で表情を歪めながら、機関銃を射撃しているポーズとなっています
●北アフリカ戦線の兵士フィギュア2体は、若干緊張した面持ちで、走行中の状態が表現されています
・ フィギュアの服装は、シャツに半ズボン姿、熱帯用のソックスを履き、ヘルメットを被った状態となっています
・ フィギュアは、上半身、下半身、両腕のパーツ構成です
●各フィギュアについて
・ 操縦手のフィギュアは、両腕でハンドルを持って操縦しているポーズ
・ 車長のフィギュアは、上体を前面装甲板に持たれ掛かるようにして姿勢を保持しているポーズです
●マーキングは、4種類の塗装例が説明書に記載されています
・ イギリス陸軍 第6機甲師団 自動化歩兵大隊 ライフル旅団 第10大隊 (チュニジア / 1943年)
・ イギリス陸軍 近衛機甲師団 自動化歩兵大隊 近衛擲弾兵 第1大隊 (北ヨーロッパ戦線)
・ イギリス陸軍 第7機甲師団 第131歩兵旅団 第5クイーンズロイヤル連隊 第1大隊 (北西ヨーロッパ戦線)
・ イギリス陸軍 第3歩兵師団 第185歩兵旅団 キングスシュロップシャー軽歩兵 第2大隊 (北西ヨーロッパ戦線)
●2001年 一部新金型