アメリカ M1A1戦車 ビッグガン・エイブラムス
「アメリカ M1A1戦車 ビッグガン・エイブラムス (プラモデル) (タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.156 )」です
●現用のアメリカ軍の主力戦車「M1A1 エイブラムス」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キットです
●戦後第3世代の戦車として、その高い能力を世界に誇る「M1A1 エイブラムス」を再現、複合装甲を身に纏った直線的なフォルムが表現されています【 「M1A1 エイブラムス」について 】
●アメリカ軍は、主力戦車である「M60」の後継車両として西ドイツとの共同で「MBT70」を試作、しかし双方の用兵上の違いから量産されることはなく、独自に新規開発が行われました
●「M1 エイブラムス」は、これにより誕生した新型戦車で、戦後第3世代の戦車として複合装甲を採用、ガスタービンエンジンを装備しているのが特徴となっています
●同車は、当初主砲として予定されていた「120mm滑腔砲」が間に合わず「105mmライフル砲」を搭載した状態で「M1」として1981年制式化、1985年に「120mm滑腔砲」が完成するとともに装備が開始され、このタイプが「M1A1」となります
・ 従来の「105mmライフル砲」搭載型の「M1」も、砲を換装して「M1A1」仕様となっています
●「M1A1 エイブラムス」は、高度な射撃統制装置に組み合わされた「120mm滑腔砲」の攻撃力と優れた防御力、そして高い機動性能により、西ドイツの「レオパルド 2」と並んで西側諸国の主力戦車の双璧的存在となります
●ところが、ライバルであるドイツ製の「レオパルド 2」が従来型エンジンの燃費の良さなどにより海外セールスが好調なのに対して、燃費の悪いガスタービンエンジンの「M1A1 エイブラムス」は、なかなか輸出の受注が伸びず、その結果から性能自体が優れていないという誤った認識まで持たれるようになりました
●しかし同車は、1991年の湾岸戦争で実戦投入されて活躍、稼働率も極めて高く、砂や埃に弱いという巷のガスタービンエンジンへの不信感を払拭しました
●特に顕著だったのが、圧倒的な攻撃力と強靭な防御力で、その「120mm滑腔砲」は遠距離において防御陣地に潜む「T-72」を陣地ごと破壊、更に正面装甲は「T-72」の主砲で貫くのは難しく、将兵から絶大な信頼を得ることとなりました
●この戦闘結果により「M1A1 エイブラムス」の評価は上昇、中東地域の国々を中心として導入が進んでいます
・ 反対に、「T-72」の評価は地に落ちてしまい、「T-70」の性能向上型である「T-90」などが誕生するきっかけとなっています
●その後も「M1A1 エイブラムス」は、コソボ紛争、2003年のイラク戦争に参加し、アフガニスタンなどにも展開、アメリカ軍の主力戦車として活躍しています
【 「アメリカ M1A1戦車 ビッグガン・エイブラムス」のキット内容について 】
●このアメリカ軍の主力戦車「M1A1 エイブラムス」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●タミヤタッチによって「M1A1 エイブラムス」を再現、同社らしいシャープかつカッチリとしたモールドと、確かな造形力によってその魅力が表現されています
●タミヤMMシリーズとして、ディテールのポイントを押さえながら、パーツ数は極力控えられており、キレのあるモールドにより十二分に精密感が演出された内容となっています
●また、同社のキットらしく作り易さも考慮、パーツ同士の合いは良好で、大型車輌ながら比較的組立ては容易であり、戦車モデルビギナーからベテランモデラーまで広く模型の「楽しさ」を味わうことが可能で、更には付属させる装備品などの充実や、腕の立つユーザーではディテールアップやジオラマ化など様々な展開を目指せる好キットとなっています
●そして、付属しているフィギュアは、造形力と表現力とを兼ね備えた良質なものであり、同社MMシリーズらしい、車輌とフィギュアが織り成すシーンを楽しむことができるでしょう
●「M1A1 エイブラムス」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」「後部パネル」の4ブロックで構成されています
●「120mm滑腔砲」の砲身は左右分割式で、砲口部分は別パーツとなっています
・ 砲口パーツには砲身先端のセンサーが一体成型されています
・ 防盾は3パーツで構成
・ 同軸機銃は先端部分が開口処理され、内側のフィンも再現されています
・ 砲身は基部を固定する金属ビスにより、完成後も上下可動とすることが可能です
●砲塔は上下分割式です
・ 車長キューポラ及びペリスコープは砲塔上部に一体成型され、ペリスコープ上部のガードは別パーツとなっています
・ 車長ハッチ、装填手ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 装填手ハッチの機銃リングは別パーツです
・ 砲手用サイトは、前部扉の開閉状態が選択可能です
・ 砲手用サイトのガラス部を再現するクリアーパーツが付属
・ 後部のバスケットは4パーツで構成、下部のメッシュは付属のナイロンメッシュを切り出して再現します
●車体上部は一体成型となっています
・ 操縦手ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 操縦手ハッチのペリスコープは付属のクリアーシート(一部切り取り加工済み)を切り出して再現します
・ サイドスカートは、左右各1パーツで再現
●車体下部はバスタブ式に一体成型されています
・ サスペンションアームは車体下部に一体成型
・ 起動輪、下部転輪、誘導輪は左右分割式で、内蔵させるポリキャップにより可動します
・ 履帯は、接着及び塗装が可能な素材によるベルト式履帯が付属しています
●後部パネルは一体成型となっており、牽引フック、牽引装置がパーツ化されています
・ 後部の補助動力装置(APU)のボックスは各パネルを貼り合せる箱組み方式で、その装着の有無を選択できます
●「M1A1戦車」を飾るアクセサリーパーツが付属しています
・ 装弾ケース ×2
・ 機銃弾ケース ×4
・ 機銃弾薬箱 ×4
・ 予備転輪 ×1
●車長1体と、装填手1体の合計2体のフィギュアが付属しています
・ 車長は全身像、装填手は半身像です
・ 車長のフィギュアは、ハッチ部分に両手を置いているポーズ、装填手のフィギュアは、前方に寄り掛かるようにハッチから身を乗り出しているポーズです
・ 服装は、「BDU迷彩服」を着用、戦車ヘルメットを被り、装填手のフィギュアは防塵マスクを付けている姿となっています(「BDU迷彩服」は2005年頃まで使用された服装です)
・ 服の皺の表現はスケールに沿っており、ポケットなどの細部は繊細且つ立体的なモールドで彫刻、更に顔の造形も欧米人らしさが表現されています
●「M1A1 エイブラムス」のマーキングとして、アメリカ軍仕様の2種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 第1機甲師団 (デザート仕様)
・ 第3機甲師団 (NATO軍仕様)
●説明書の塗装例に基づく、車輌番号、小隊表示、部隊表示、部隊マークなどを再現したデカールが付属しています
●1992年 一部新金型
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【 「アメリカ M1A1戦車 ビッグガン・エイブラムス」のワンポイント 】
●前述の通り、同キットは1992年の製品ながら現在においてもニューキットに劣らない魅力を持った内容となっています
●現用車輌は、その複雑な造りから、その模型としてのディテール表現や忠実性から、ややもすると膨大なパーツ数へと膨れ上がってしまいます
●同キットは、タミヤ製キットらしく、パーツ数を抑えながら現用車輌らしい精密感とディテール、面構成を再現、その表現は一見すると物足りなさを感じるかもしれませんが、良く見てみると、作り易さとディテール表現が両立した絶妙なバランスで成り立っているのが分かります
●パーツ数の多い最近のニューキットと格闘しているユーザーや、完成品が伸び悩むユーザー、そしてハードなディテールアップに疲れたユーザーに手に取って見て頂きたいキットです