アメリカ M60A1 リアクティブアーマー
「アメリカ M60A1 リアクティブアーマー (プラモデル) (タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.157 )」です
●「アメリカ M60A1 リアクティブアーマー」です
●戦後第2世代戦車となるアメリカ軍の主力戦車「M60A1」の「リアクティブアーマー」装備型を1/35のスケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●「M60A1」シリーズの最終進化形である「リアクティブアーマー装備型」を再現、比較的背の高い「M60A1」に、砲塔と車体に爆発反応装甲のパネルを多数取り付けた迫力在る姿を再現した内容となっています【 「M60A1戦車」について 】
●第2次世界大戦末期に登場したアメリカ軍の重戦車「M26」は、最大装甲100mmを超える防御力と、重戦車ながら中戦車と同等な機動性性能を有していたため、戦後のアメリカ軍戦車のベースとなりました
●「M26」は、朝鮮戦争時において北朝鮮軍の主力戦車である「T-34/85」をその性能で圧倒、しかし、重量とエンジン出力の比率が「M4A3E8」よりも低く、山間部の多い場所での運用では支障が発生することとなります
●これを受けて、エンジンを中心に改良が施された「M46」が登場、続いて「M46」の車体をベースとして砲塔を新型へと変更した「M47」が登場します
●「M47」は、アメリカ陸軍での本命的な主力戦車として期待されましたが、装備するステレオ式レンジファインダーの不調などにより短命に終わり、砲塔と車体を一新した「M48」の開発、生産が始まります
●この時代のアメリカ・ソビエト連邦の東西冷戦状態は過当な性能競走を生み、この「M48」の配備が進む頃、ソ連軍は先手を取って「115mm滑空砲」を搭載した「T-62」を開発します
●「M48」は、「M26」から続いていた「90mm戦車砲」を搭載していましたが、「115mm砲」を搭載する「T-62」に対して火力的に不利であるため、「105mm戦車砲」を搭載する新型車体の「M60」の開発が急ピッチで進められました
●この「M60」は戦力化を急ぐあまり、砲塔は「M48」とほぼ同型のタイプを搭載していましたが、この砲塔は「90mm戦車砲」用であるため、砲塔容積を広くして、避弾経始を重視した先鋭的なデザインを持つ新型砲塔へと変更した「M60A1」が登場します
●この「M60A1」は、戦後第1世代戦車である「M48」から発展したことにより、戦後第2世代戦車として1から設計されたイギリスの「チーフテン」やフランスの「AMX-30」、そして西ドイツの「レオパルド 1」の後期シリーズと比べて、シルエットの高さや銃塔の運用方法など問題点を抱えていたものの、この後改良を重ね高い信頼性と汎用性を持ち合わせていました
・ 「M60A1」自体は戦後第2世代戦車と定義されています
●次期主力戦車と目論まれていた「MBT70」計画が高度な機能を詰め込み過ぎたために中止となり、その上複合装甲を採用した戦後第3世代戦車が登場するに至り、「M60A1」はアメリカ軍の主力戦車としては力不足となり、性能向上のための改良が行われることになります
●まず、1970年代に射撃指揮装置の改良や履帯などを変更した「M60A1 RISE」と呼ばれる近代化改修が実施、1978年にはこの「M60A1 RISE」を更にバージョンアップさせた「M60A3」が登場します
●これらの改修を経て、「M60A1」シリーズは主力戦車として一流の性能を保ち、1981年の「M1 エイブラムス」の登場までその座を守り続けたのでした
●その後「M1 エイブラムス」の生産が進むにつれ既存の「M60A1」シリーズは徐々に退役が進みましたが、この「M1 エイブラムス」はガスタービンエンジンを装備している関係で排気の圧力が低く、エンジンに水が流入する可能性が高いことから、上陸作戦をその活動の主体としているアメリカ海兵隊では同車の導入は控えられました
・ 後に、「M1 エイブラムス」には改良が施され、海兵隊にも採用されています
●このため、アメリカ海兵隊では「M60A1」シリーズへの更なる改良が施され、化学エネルギー弾の装甲貫通能力を減退させる爆発反応装甲「リアクティブアーマー」を砲塔及び、車体前面に装備、下部転輪も「M48」と同じ高張力鋼製タイプへと変更、これらの装備を追加された「M60A1」は「M60A1+(プラス)」とも呼ばれています
●1990年に始まった湾岸戦争では、アメリカ海兵隊は2個師団と3個戦車大隊とをクウェート方面に投入、地上戦が開始されると「M60A1+」を装備した戦車部隊は戦車戦や歩兵の支援攻撃に活躍、30年以上の永きに渡って運用され、改良が繰り返された「M60A1」シリーズのその実力を如何なく発揮したのでした
【 「アメリカ M60A1 リアクティブアーマー」のキット内容について 】
●この現用アメリカ軍の主力戦車「M60A1」の「リアクティブアーマー」装備型を再現したプラスチックモデル組立キットです
●タミヤ社製「アメリカ M60A3 戦車」をベースとして、「M60A1 リアクティブアーマー装備型」を再現するために、リアクティブアーマーのパーツを追加、転輪などを新規パーツへと変更したバリエーションキットとなります
●車体下部など1970年に発売された「M60A1」のキットパーツをベースとしていますが、砲塔や車体上部などの主要部は1988年に作り起こされた「アメリカ M60A3 戦車」のパーツを使用、これに更に「リアクティブアーマー装備型」用としてのパーツが付加されており、全体の雰囲気、ディテール表現共に、現在の目で見ても遜色無い仕上りとなっています
●特に、防盾カバー、銃搭の機銃カバーなどはタミヤタッチの質感豊かな彫刻で再現されており、防塵カバーが標準装備となっている「M60A1」としての姿がタミヤらしい造形により表現されています
●また、タミヤのミリタリーミニチュアシリーズらしく、組易さがしっかりと考慮されており、違う年代に製作された金型を複数使用しながらパーツ同士の合いは良好、組立てのポイントとなる砲塔後部のバスケットには作製用の治具も用意され、リアクティブアーマーを装備した迫力ある「M60A1」の姿を戦車模型初心者からベテランユーザーに至るまで広く楽しむことができる内容となっています
●「M60A1 リアクティブアーマー装備型」は、「砲塔」「銃塔」「車体上部」「車体下部」の4ブロックで構成されています
【 砲 塔 】
●砲塔は、その鋳造肌を豊かに再現、防盾カバーのキャンバス地の独特の皺の表現、照準口、機銃口などがシャープな彫刻によって再現され、後部のバスケットも繊細な仕上がりとなっています
●「105mm戦車砲 M68」の砲身は左右分割式で、砲口部分は別パーツとなっています
・ 防盾部分はカバーが付いている状態を再現、砲塔部分にもカバー部の一部が彫刻されています
●砲塔は上下分割式です
・ 前方のスモークディスチャージャーが別パーツにて再現
・ 砲塔バスケットは細めのパーツで構成、治具も用意されており、複雑な形状が確実に形となるように考慮されています
・ バスケット部のメッシュは、付属するナイロン製のメッシュを型紙に合わせて切り出して装着させます
・ バスケット部分に取り付けられる予備の履帯パッドが5個付属しています
・ 装填手ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 側面のレンジファインダーは別パーツで再現
●砲塔のリアクティブアーマーは、各ブロックごとにパーツ化されています
・ 各パーツは、表面部と裏面部との分割式で、裏面の支柱は別パーツです
【 銃 塔 】
●銃塔は、その特異な形状と鋳造構造を再現、防盾部分の防塵カバーも独特の深い皺がリアルに再現されています
●車長の銃搭は上下分割式となっています
・ 銃搭は鋳造肌が表現されています
・ 機銃の基部にはカバーが付けられている状態が再現
・ 機銃先端部の特徴的な形状のフラッシュハイダーがシャープな彫刻で表現されています
・ ペリスコープのカバーは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 車長ハッチは別パーツにより開閉状態が選択可能です
【 車体上部 】
●車体上部は、パーツ数を抑えて再現、車体本体とフェンダーとの質感の違いが表現され、エンジングリルのスリットがシャープな彫刻で再現されています
●車体上部は、フェンダー部分も含めて一体成型されています
・ フェンダー上の雑具箱の蓋は別パーツです
・ 操縦手用のペリスコープは、中央部が開いている状態、左右の部分は蓋が閉じられている状態となっています
・ 操縦手ハッチは車体裏側に装着させるパーツによって可動式とすることができます
●車体のリアクテイブアーマーは、各ブロックごとにパーツ化されています
・ 各ブロックは、本体のパネル状パーツと支柱部分とで構成
【 車体下部 】
●船底形の車体下部は、バスタブ式に一体成型され、側面上部と後部パネルは別パーツとなっています
・ 操縦席部分の床、座席、タンクなどが別パーツで再現されています
・ 後部パネルは、点検ハッチが一体成型され、牽引装置は別パーツとなっています
・ 渡河能力向上のためのシュノーケルパーツが付属
・ サスペンションアーム、ダンパー、ショックアブソーバーは別パーツです
・ 下部転輪、誘導輪、 起動輪は内蔵させるポリキャップにより回転可動します
【 履 帯 】
●履帯は、軟質素材(ポリ製)によるベルト式となっています
・ 履帯同士の接着は焼き止め式です
【 フィギュア 】
●車長1体と装填手1体の合計2体のフィギュアが付属しています
・ 2体共にハッチ周囲に腕を置いたリラックスした状態を再現
・ 服装は、「BDU迷彩服」を着用、車長のフィギュアは戦車ヘルメットを被り、装填手のフィギュアは頭部にバンダナを巻いた姿です(装填手はメガネを掛けた状態となります)
・ フィギュアは、胴体、両腕のパーツ構成です
【 アクセサリー類 】
●「M60A1 リアクティブアーマー装備型」に搭載されたアクセサリー類が付属、任意の位置に装着することができます
・ 予備転輪 ×4
・ ジェリカン ×2
・ ポール収納袋 ×2
・ 水筒 ×1
・ 牽引ワイヤー ×2
【 塗装とマーキング 】
●「M60A1 リアクティブアーマー装備型」のマーキングとして、アメリカ海兵隊仕様となる1種類の塗装例が説明書に記載されており、マーキング指示に基づく、部隊表記、車体番号、車台番号などを再現したデカールが付属しています
●1992年 一部新金型