旧日本海軍 航空母艦 飛龍 1941年 太平洋戦闘開戦時
「旧日本海軍 航空母艦 飛龍 1941年 太平洋戦闘開戦時 (プラモデル) (フジミ 1/350 艦船モデル No.600086 )」です
●「旧日本海軍 航空母艦 飛龍 1941年 太平洋戦闘開戦時」です
●太平洋戦争時における帝国海軍の「航空母艦 飛龍」を1/350スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●中型空母として日本の空母のスタイルを確立した「航空母艦 飛龍」、スマートな船体に、左舷中央部に艦橋を設けた均整の取れた姿、そして「ミッドウェー海戦」において単艦でアメリカ機動部隊と渡り合った勇姿をビックスケールで再現した内容となっています【 「旧日本海軍 航空母艦 飛龍 1941年 太平洋戦闘開戦時」のキット内容について 】
●フジミ社が1/700スケールの特シリーズによって培われた艦船模型の技術をフィードバックする形式で航空母艦「飛龍」を再現、1/350というスケールを活かして細部を追求し、同艦が持つ航空母艦としての機能美とその姿、そしてディテールとが大スケールによって甦ります
●航空母艦としての見所である飛行甲板はもとより、日本の航空母艦の特徴である船体側面の各種スポンソンとその支柱、そして艦首と艦尾の飛行甲板の支柱部分とが織り成す複雑な表情がスケールを活かして細かく再現されており、航空母艦「飛龍」の魅力を味わうことができる内容となっています
●キットは、喫水線以下の部分も再現されたフルハルモデルです
●「航空母艦 飛龍」の船体部は左右分割式で、これに船首、船尾甲板、飛行甲板、ボート収納甲板などを取り付ける構成となっています
●船体部には、格納庫側面が一体成型されています
・ 船体部の内部には船体の歪みを防ぐ大型の桁のパーツが多数用意されています
・ 船体部には、舷側の舷窓、鋼板の継ぎ目、扉、フェアリーダー、塵捨管などの細部が再現
・ 舷窓には雨樋の彫刻が施されています
・ 船体下部にはビルジキールが一体成型され、艦尾の4軸の推進軸、スクリュー、舵がパーツ化されています
・舷外電路は、エッチングパーツとなっています
●上甲板は、船首部分、船尾部分、そしてボート収納デッキに分割されています
・ 甲板上には、滑り止め表現の他に、アンカーチェーン導板、ボラード、ボート用架台などの細かなディテールが再現されています
●飛行甲板は、一体で成型されており、エレベーター部分は別パーツとなっています
・ 飛行甲板上には、木甲板、周囲の滑り止め表現、甲板継ぎ手などがモールドされています
・ 側部の兵員用スポンソンは別パーツです
・ 飛行甲板裏側のトラス状の支柱は別パーツにて再現
・ 前後に存在する飛行甲板支柱は、それぞれ別パーツとなっています
・ 飛行甲板の遮風柵は別パーツで、収納装置なども再現
・ 飛行甲板上の着艦制動装置、滑走制止装置は表現されていません(「飛龍」用の着艦制動装置、滑走制止装置は、フジミ社製「日本海軍航空母艦 飛龍 専用木甲板シール」に付属しているエッチングパーツに含まれています)
●展示用のスタンドが付属しています
「航空母艦 飛龍」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋下部構造物は一体成型となっており、スライド式金型により舷窓などがモールドされています
・ 艦橋上部構造物は、羅針艦橋部と防空指揮所の2層で構成
・ 羅針艦橋の窓の部分はクリアーパーツとなっています
・ 艦橋前部のスポンソンは、スポンソン本体と2本の支柱で構成されています
・ ラッタルは別パーツ化されています
・ 艦橋部分に装着された舷外電路はエッチングパーツで再現
・ 艦橋部に装備された、、「方位測定器」(×1)、「94式高射装置」(×1)、「1.5m測距儀」(×1)、「60cm探照灯(クリアーパーツ)」(×2)、「小型探照灯(クリアーパーツ)」(×2)、「信号灯」(×1)、「双眼鏡」(×19)がパーツ化
●マスト
・ マストは下部が三脚楼型、ヤード部を挟んで上部が単楼型となります
・ 下部は前後分割式で、最下方部のトラス構造は別パーツです(エッチングパーツとプラパーツの選択式)
・ ヤード部は、エッチングパーツとプラパーツとが用意されており、選択して使用します
・ 上部の単楼は一体成型で、後部の張り出し部は別パーツです
●通信アンテナ支柱は、上部の単楼部、ヤード部、下部の3分割式となっています
・ ヤード部は上下分割式によりトラス構造を再現
・ 通信アンテナ支柱は起倒可動式とすることができます
● 煙突
・ 本体部分は上下2分割式となっており、トップと整流板が別パーツとなっています
・ 上部には緊急用排煙口などのモールドが彫刻
・ トップは開口処理済みで、雨水カバー金網が表現されています
●艦首部分
・ 艦首部分は、上甲板に前部機銃座、飛行甲板支柱などを取り付ける構成となっています
・ アンカーチェーンは付属のチェーンをカットして再現します
・ 前部機銃座は、スポンソンの補強板も再現
・ 前部機銃座に設置された構造物は2パーツで構成
・ 艦首部分の機銃座などに装備される「25mm 3連装機銃」(×2)、「射撃指揮所」(×1)等が付属
●艦尾部分
・ 艦尾部分は、上甲板にボート収納甲板、飛行甲板支柱などを積み上げる構成となっています
・ 艦尾上甲板、ボート収納甲板に装備される「高角砲弾装填演習砲」(×1)、「12m内火艇」(×3)、「13m運貨艇」(×2)、「12m内火ランチ」(×2)、「6m通船」(×1)などが付属
●機銃用スポンソンはブロックごとに別パーツとなっており、下面の補強板がモールドで再現
・ スポンソン部の支柱は別パーツで、その複雑な構造が再現されています
・ スポンソン部に設けられた水面見張り所は上下分割式です
・ スポンソン部に装備される「25mm 3連装機銃」(×7)、「25mm連装機銃 (シールド付き)」(×3)、「94式高射装置」(×1)、水面見張り所に装備される「双眼鏡」(×2)などが付属
●高角砲用スポンソンはブロックごとにパーツ化されており、下面の補強板がモールドで再現
・ 下面に大型の補強板を備えたスポンソンは、補強板部分が別パーツです
・ スポンソンの支柱は別パーツで、その複雑な形状を再現
・ スポンソン内側には補強板がモールドされています
●高角砲 「40口径 89式 12.7cm連装高角砲」 ×8
・ 右舷後部は煙突の煙除けのシールド付き(A1型改2)、左舷と右舷前部はシールド無しの状態が再現(A1型)
・ シールド付きの高角砲は、1本ずつがパーツ化された砲身と、シールド部で構成されています
・ シールド無しの高角砲は、連装式に一体成型された砲身部と、駐退器、3分割された砲架部で構成されています
・ シールド無しの高角砲の砲身の砲口が開口処理済です
・ 高角砲用のスポンソンは、スポンソン本体と支柱で構成されています
●対空機銃
・ 「25mm 3連装機銃」 ×9
・ 「25mm 連装機銃 (シールド付き)」 ×3
・ 3連装機銃は、3連装式に一体成型された銃身部に、前後方向に3分割された銃架で構成されています
・ シールド付きの連装機銃は、連装式に一体成型された銃身と、シールド部との2分割式です
●探照灯
・ 「110cm 探照灯」は、本体とレンズ部の2分割式で、クリアーパーツとなっています
・ 「60cm 探照灯」と「小型探照灯」は一体成型で、クリアーパーツです
●艦載機
・ 艦載機は、本体、キャノピー、脚、尾脚、プロペラのパーツ構成となっており、機種による爆弾類の武装(増槽)が別パーツ化されています
・ 艦載機はクリアーパーツとなっています
●艦載機内容
・ 零式艦上戦闘機21型 ×3
・ 99式艦上爆撃機 ×3
・ 97式艦上攻撃機 ×3
●内火艇、カッター
・ 内火艇は、船体、甲板部、後部キャンバス部の3分割式で、操舵室がモールドで再現
・ カッターは上下分割式で、上部パーツにはオールが一体成型されています
●内火艇、カッター内容
・ 12m内火艇 ×3
・ 13m運貨艇 ×2
・ 12m内火ランチ ×2
・ 9mカッター ×2
・ 6m通船 ×1
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 錨、副錨
・ 菊花紋章(前部フェアリーダー含む)
・ パラベーン
・ ボートダビット
・ 舷々門
・ ラッタル
・ 艦尾信号灯
・ リール
・ ボラード
・ ケーブフホルダー
・ フェアリーダー
・ クレーン
・ 着艦指導灯
などがセットされています
●舷外電路、マストのヤード部分などを再現したエッチングパーツが付属しています
●飛行甲板上に書かれた表示線、艦尾の軍艦旗(直線タイプとなびいているタイプ)、艦名表示、甲板に描かれた日の丸、艦載機の日の丸マーク、識別帯、偏流測定線、機体番号などを再現したデカールが付属しています
●2011年 完全新金型 (武装、カッター類を除く) 【 「航空母艦 飛龍」について 】
●1922年、帝国海軍は世界に先駆けて空母として専用設計された「鳳翔」を竣工、その後改造空母「赤城」、「加賀」が加わり、空母としての形態や運用方法が研究されました
●ワシントン軍縮会議、ロンドン軍縮会議の結果、世界各国は当時としては戦力的に未知数であった空母の保有トン数も決められており、帝国海軍では「鳳翔」「赤城」「加賀」の3隻を合わせたトン数よりも余裕があったので、残りの枠を利用して排水量10,000tクラスの中型空母を2隻建造することを決定します
●一方で、前述の3隻の空母の運用により、当時発達の著しい航空機を多数収納するには10,000tクラスの枠内に収めることは不可能であることが判明しており、1番艦「蒼龍」は1937年に竣工、その排水量は15,000tを超えていました(当然のことながら、対外的には秘密裏にされました)
●2番艦の「飛龍」は、当初「蒼龍」の同型艦として建造される予定でしたが、条約切れが迫っていたために排水量の制限を大きく考慮する必要はなくなり、「蒼龍」を若干拡大する形で設計、建造が行なわれています
●これにより「蒼龍」と比べて、艦の幅が太くなり、飛行甲板も少し大型化、排水量も20,000tクラスに達しました
●同艦の最大の特徴は、「蒼龍」が艦首寄りの右舷に艦橋を配置したのに対して、「飛龍」では左舷の中央部に艦橋を配置、艦首方向への視認性を確保するために艦橋自体も大型化されました
・ 「飛龍」の、この艦橋配置は右舷に配置された煙突に対してバランスを保つために考案されたものですが、実際の運用では煙突の排煙が艦橋に流れ込むなどの結果となり、以後の艦は左舷前方への配置に統一されています
●ただし、この艦橋の配置以外は「飛龍」の設計は完成域に達しており、以後の日本の空母のスタイルを確立、軍縮条約が切れた後に建造された航空母艦「翔鶴型」は「飛龍」の発展拡大型、戦時急造された「雲龍型」空母は「飛龍」の設計を元にしていました
●「飛龍」は1939年に竣工、早速「蒼龍」と共に第2航空戦隊を編成、日中戦争の航空支援や仏印進駐の支援作戦に従事します
●ところが、仏印進駐はアメリカとの関係を一挙に悪化させ、1941年の中頃には内地において対米戦争開戦を意識した航空隊の訓練が本格的に行なわれるようになりました
●帝国海軍では、仮想敵国であるアメリカ、イギリスと比べて艦艇数では大幅に劣っていることは承知しており、それをカバーするために個艦の能力の引き上げに傾倒していました
●また、当時の他国と同様に、昼間での艦隊決戦において雌雄を決するという思想は根深いものがあり、数的劣勢を補うために、航空母艦と潜水艦により艦隊決戦前に敵艦隊の戦力を削ぐという戦法が考慮されていました
●このように、航空母艦自体は元々戦艦などの主力艦艇に対する補助戦力として考えられていましたが、各国海軍では航空機の重要性を唱える先進的な考えを持つ上級士官が現れており、帝国海軍内部でも従来の大艦巨砲主義に捉われない人物が育ちつつありました
●アメリカとの戦争への気運が高まると、帝国海軍ではその劣勢を挽回する戦力として保有する正規空母6隻を集中させた「第1航空艦隊」を編成、竣工まもない大型空母「翔鶴」「瑞鶴」が加わったことによりその保有する航空機は400機を越えており、その戦力だけでも中小国の一国の空軍力に勝る程でした
●そして、アメリカとの開戦が不可避となり、帝国海軍はこの「第1航空艦隊」の航空戦力を利用して、アメリカ太平洋艦隊の最大拠点「真珠湾」への奇襲攻撃を実施することを決定します
●1941年12月8日、「第1航空艦隊」から発進した航空隊は、停泊中のアメリカ太平洋艦隊の主力艦艇に甚大な損害を与え、戦艦群をほぼ壊滅することに成功します
・ 奇襲攻撃を行なう航空隊は、自分達の立場から最大の目標の空母であることを認識していましたが、訓練や輸送のために奇襲攻撃時には「真珠湾」にアメリカ空母は1隻も存在していませんでした
●その後、「第1航空艦隊」は西進して、ウェーキ島攻略、アンボン空襲、ポートダーウィン空襲に参加、続いて西部太平洋にて連合軍艦艇の掃討作戦に従事します
●1942年4月には、インド洋のセイロン沖に進出、セイロンのイギリス軍基地とイギリス艦隊を攻撃、小空母1隻、重巡洋艦2隻、その他多くの艦艇、商船を撃沈し、これによりイギリス艦隊の活動は極端に低下することとなりました
●これらの「第1航空艦隊」の戦いにおいて、その航空戦力による破壊力の凄まじさは圧倒的であり、海戦の主役が戦艦から航空母艦に移ったことを全世界に知らしめています
●しかし、戦艦を沈められたアメリカ海軍が一転して航空母艦重視に傾いたのに対して、当の本人である帝国海軍内では従来の戦艦至上主義が健在であり、そのことが以後の戦いに影響することとなります
●1942年6月、連合艦隊はミッドウェー島の占領とアメリカ艦隊の撃滅を狙って、その戦力の大半を投入した大作戦を立案、「第1航空艦隊」は制空権を確保するために、その先鋒となってミッドウェー島沖へと侵攻します
・ この時、「第1航空艦隊」は、「珊瑚海海戦」の損害により「翔鶴」「瑞鶴」を欠いており、空母4隻の陣容となっていました
●日本側の作戦では、「第1航空艦隊」がミッドウェー島のアメリカ軍の航空兵力を壊滅させ、「攻略艦隊」により同島を占領、反撃に出てきた、アメリカの機動部隊と艦隊を、空母艦載機と後方から進出させた戦艦部隊で叩くという方針でした
●「第1航空艦隊」は予定通りにミッドウェー島を攻撃、ただしアメリカ軍は日本軍の意図を見抜いており、空母機動部隊を近海に展開させて日本艦隊に航空攻撃を開始します
●当時の日本の空母艦載機の搭乗員の技量は最高レベルであり、最初に攻撃を掛けたアメリカ軍の雷撃機は、直衛の「零戦」によりほとんど壊滅してしまいました
●しかし、アメリカの雷撃機に対処するために低空に移った零戦隊の間隙を突いて、急降下爆撃隊が日本空母を襲い、「赤城」、「加賀」、「蒼龍」の3隻は直撃弾を受けて火災が発生、空母としての機能が失われました
●無傷で残った「飛龍」は、復讐に燃える「第2航空戦隊」の司令官「山口多聞」少将の指揮の下、アメリカ空母艦隊の撃滅を狙って攻撃隊を繰り出します
●この攻撃には収納不能となった他の空母の艦載機も投入され、アメリカの空母「ヨークタウン」を大破する戦果を挙げます
●しかし、数波に渡った航空攻撃は、対空砲火による被弾で航空機の消耗が激しく、「飛龍」の艦載機は「零戦」以外はほとんど稼動機が無い状態となってしまいました
●そのような状況下、「飛龍」はアメリカ艦載機の攻撃を受け、4発の爆弾を被弾、全体が火災に覆われてしまいます
●乗員は鎮火に努めましたが、火の勢いは衰えずに誘爆も発生したために自沈処分が決定、駆逐艦の魚雷によりその栄光の姿を沈めて行ったのでした
●この「ミッドウェー海戦」の結果、栄華を誇った「第1航空艦隊」は事実上壊滅、残存した「翔鶴」「瑞鶴」によって再興されましたが、当初の6隻の正規空母分の戦力には遠く及ばず、ソロモン海域での消耗戦などにおいて苦戦を強いられています