日本海軍 戦艦 長門 1933 屈曲煙突 対空武装強化
「日本海軍 戦艦 長門 1933 屈曲煙突 対空武装強化 (プラモデル) (アオシマ 1/700 ウォーターラインシリーズ No.050620 )」です
●帝国海軍の戦艦「長門」を再現したキットで、第1次改装により屈曲煙突を装備、その後1933年に対空兵装を強化した姿を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●アオシマ社製「日本海軍戦艦 長門 1942 (リテイク)」のバリエーションキットではなく、喫水線部分を塞ぐ部分も含めて完全新金型の内容となっています【 戦艦「長門」について 】
●帝国海軍は、日露戦争においてその海軍力によりロシア海軍を破ると、昼間の砲撃戦で戦争の決着を付けるという大艦巨砲主義に基づいた海軍戦力の拡大を図るようになります
●第1次世界大戦では日本は連合軍国側として参戦、国としての損害は無い状態で戦勝国となり、軍需景気に支えられ、海軍力の増強に拍車が掛かります
●第1次世界大戦後の1920年に計画されたのが通称「88艦隊」で、艦齢8年未満の8隻の戦艦と8隻の巡洋戦艦を保有するというものでした
●この計画は、建造が開始されていた「長門型」戦艦の「長門」、「陸奥」を始めとするものでしたが、1921年に「ワシントン軍縮会議」が開催、その開催の告知を受けた日本は、「長門型」が削減されるのを防ぐ為に建造を急ぎ、「長門」は1920年に、「陸奥」は1921年に竣工させます
●この「ワシントン軍縮会議」により主力艦の保有制限が設けられ、完成していた「長門」、「陸奥」はからくも保有が認められましたが、「88艦隊」計画により建造中の艦は建造中止、もしくは他の艦種へと変更されました
●もっとも、「88艦隊」の計画自体が当時の国力を超えたものであり、国家予算を直視する現実派から見れば、この「ワシントン軍縮会議」は日本の海軍力を抑えるものではなく、アメリカ、イギリスの海軍力を抑えるものと映りました
●新造時の「長門」は、当時の列強の最強力艦と同等もしくはそれ以上の火力を誇り、防御力、速力共に優秀で、世界最強の能力を持っていました
●この新造時の「長門」の姿は、2本式の煙突を持ち、前檣楼には戦闘艦橋と羅針艦橋程度しか存在していませんでした
●しかし、当時の建造技術は急速に発展しており、早くも1924年には第1次の近代化改装が行なわれます
●この改装以前、第1煙突の排煙が前檣楼に流入するということがあり、煙突上部にフードを付けて対処していましたが、抜本的な解決に至らず、改装によって煙突は後方に屈曲した形状へと変更、また、前檣楼にも構造物が追加されています
●この屈曲煙突を装備した姿は10年もの長い期間であり、帝国海軍の最強艦として当時の国民に広く親しまれた姿となりました
●1933年には小規模な改装が実施され、対空兵装の強化として「89式 12.7cm連装高角砲」を4門搭載、艦載機用のカタパルトも装備されました
●ただし、直後の1934年から1936年にかけて第2次の近代化改装が実施され、外観的には2本式の煙突が大型化した1本へと集約され、前檣楼には、艦橋や各種構造物が積み上げたように隙間無く配置されました
●また、防御力の強化も図られ、主砲塔は陸上保管されていた「ワシントン軍縮会議」の未成艦「土佐」、「加賀」の装甲強化型へと変換、船体防御力もバルジの装着などが実施、艦尾も延長されています
●この状態が、我々が最も意識する「長門」の姿であり、その後、この姿を以って太平洋戦争に突入したのでした【 「日本海軍 戦艦 長門 1933 屈曲煙突 対空武装強化」のキット内容について 】
●この1933年時に屈曲煙突を装備した「戦艦 長門」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●シャープなモールドにより屈曲煙突装備時の戦艦「長門」を再現、太平洋戦争時とは異なる少しクラシカルな趣を持つ「戦艦 長門」のシルエットが表現されています
●ウォーターラインシリーズとして作り易さが考慮されながらも、パーツ分割や細かなディテールにより、「戦艦 長門」実艦の持つ雰囲気が表現された内容となっています
●艦体喫水線までが再現されたウォーターラインモデルです
●「長門」の船体部は上下分割式で、これに上甲板、上部構造物、各艤装類を取り付ける構成となっています
●船体部には、副砲収納デッキが一体成型され、細部では舷側の舷窓、ホースパイプ、フェアリーダー、艦尾スタンウォークなどが再現、そして外板の継ぎ目が繊細なラインで彫刻されています
・ ウォーターラインモデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属、オモリとなるバラストも付属しています
●上甲板は、船首楼甲板、艦橋甲板、後部甲板で分割されています
・ 甲板上には、木甲板の表現の他に、航空機軌条、錨鎖導板、ケーブルホルダー、キャプスタン、ボラード、昇降口、通風筒などの細かなディテールが再現
・ 前檣楼下部デッキ、後部副砲収納デッキ、主砲塔台座(船体パーツに一体成型)は別パーツとなっています
●上甲板上の構築物となる「艦橋部」「主砲部」「カタパルト部」「煙突部」「後部構造物」などを個別にブロック化して構成、それぞれを甲板上に取り付けて完成させます
「長門」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋は9層で構成され、トップには方位盤が一体成型で再現
・ 艦橋の窓の部分は別パーツで、クリアーパーツとなっています
・ 艦橋上部の天幕を再現するための型紙が説明書に記載されています
・ 艦橋を構成するための基本躯体である前檣楼支柱(6本)が別パーツ化されています
・ 艦橋部分を構成する、10m測距儀、4.5m測距儀(×2)、110cm探照灯(×2)、双眼鏡(×3)、12.7cm連装高角砲(×2)などがパーツ化され、探照灯はクリアーパーツです
● 煙突
・ 本体部分は左右分割式です
・ 煙突トップ部分の雨水カバー金網と内側の整風板は別パーツで再現され、雨水カバー金網は開口処理済みです
・ 煙突周囲の各管は別パーツにて再現
・ 煙突部の探照灯台座は、ブロックごとにパーツ化されています
・ 探照灯台座の支柱部分は、シャープなモールドによりトラス構造を再現、トラスは開口されています
・ 「110cm探照灯」×4(クリアーパーツ)が付属
●後部艦橋
・ 後部艦橋の主要部は5パーツで構成、後檣が別パーツで再現されています
・ 後檣は、下部が3脚檣型、上部は単檣で、ヤードは別パーツ化されています
・ 文字盤、「12.7cm連装高角砲」(×2)、「110cm探照灯」(×2)(クリアーパーツ)、「4.5m測距儀」が付属しています
●カタパルト「呉式2号3型射出機」 ×1
・ カタパルトは一体成型のパーツで、トラス部分と上部のディテールが再現されています
●主砲塔部「45口径3年式 40cm連装砲」(改装前型) ×4
・ 砲身部分は1本づつの分割式で、砲口が開口処理され、砲身基部には防水布が再現されています
・ 測距儀は別パーツとなっています
・ 主砲塔はポリキャップにより旋回可能です
●副砲「50口径3年式 14cm単装砲」 ×20
・ 砲塔部分と砲身部とは一体成型となっており、砲身基部の防水布が再現されています
●高角砲「40口径89式 12.7cm連装高角砲(A1型)」 ×4
・ 高角砲はシールド部分と砲身本体との分割式で、砲身部分は連装式に一体成型されています
●対空機銃
・ 「ビッカース40mm連装機銃」 ×2
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 9mカッター ×7
・ 6mカッター ×4
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 錨、副錨
・ 菊花紋章
・ 塵芥投棄管
などがセットされています
●艦載機として
・ 95式水上偵察機 ×2
が付属しています
・ 艦載機は、胴体、副翼、フロート、プロペラのパーツ構成となっています
●艦尾の軍艦旗(直線タイプとなびいている状態の2種)、艦載機の日の丸マークを再現したデカールが付属しています
●2012年 完全新金型