Sd.Kfz.171 パンサー D型
「Sd.Kfz.171 パンサー D型 (プラモデル) (ドラゴン 1/35 '39-'45 Series No.6164 )」です
●第2次世界大戦時におけるドイツ軍の中戦車「パンサー D型」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●長砲身の主砲による強力な火力と、傾斜装甲を多用して良好な防御力を誇った「パンサー D型」を再現、それまでのドイツ戦車のデザインから脱し、以降のドイツ戦闘車両デザインの先鞭となった鋭角的なフォルムを再現した内容となっています
【 「Sd.Kfz.171 パンサー D型」について 】
●ドイツ軍における本格的な戦車開発は1935年に開始され、その当時の戦車デザインがそのまま第2次世界大戦初期まで継承されていました
●ポーランド戦、フランス戦などの戦訓により戦車自体の装甲厚は増やされていき、基本的に装甲の厚みで防御力を向上させるという方法が採られ、これは1941年5月から開発が開始された重戦車「タイガー 1」でも同様でした
●しかし、1941年に独ソ戦が開始されると、ドイツ軍は避弾経始を重要視した中戦車「T-34」に遭遇、その防御力の高さに悩まされることになります
●独ソ戦初期では、ドイツ軍は練度の高さと戦術や作戦によりこの「T-34」を撃破して行きますが、早々に問題となるのは確実であり、既存の戦車の性能向上と併せて新型戦車の開発を開始します
●この新型戦車は「5号戦車 パンサー」という名称が付けられ、1942年5月に制式化、1942年秋には試作車が完成し、1943年初頭頃から量産が開始されます
・ この「パンサー」には、「T-34」に準じた避弾経始を採り入れ、主要な装甲には傾斜角が付けられました
・ その装甲は、車体前面装甲は80mm厚、砲塔前面と防盾の装甲は110mm厚というもので、傾斜装甲も相まって当時の中戦車としては破格の防御力を持ちました
・ 当初、この「5号戦車」には「75mm対戦車砲 Pak40」の車載型が搭載される予定でしたが、より長砲身で強力な戦車砲「70口径 75mm戦車砲 KwK42」が開発され、これを搭載することが決定、この砲は「パンサー」の強力な「牙」となります
・ また、機動性能も高出力なエンジンの搭載により良好さを示し、その機動性能は同時代の各国の中戦車から一歩抜きん出ており、攻撃力と防御力は重戦車に匹敵、機動力は中戦車以上の性能を誇り、第2次世界大戦時の最良の中戦車と言われています
●「5号戦車 パンサー」シリーズの最初の量産型である「パンサー D型」は1943年7月に開始されたクルスク戦に登場、その性能により活躍が期待されましたが、全くの新設計の車両だったことから機械的な初期トラブルに見舞われ、脱落車両が続出してしまいます
●しかし、少数ながらも稼動車両は従来のドイツ軍の中戦車とは次元が異なる戦闘能力を発揮、対峙したソ連軍に強烈なイメージを植え付けました
●クルスク戦以後の「パンサー D型」は初期トラブルが克服されて徐々に稼働率が向上、その高い能力により連合軍戦車を圧倒する強さを発揮します
●1943年8月からは改良型である「パンサー A型」、そして1944年3月からは更なる改良型の「パンサー G型」の生産が開始されましたが、既存の「パンサー D型」も引き続いて運用が行われ、ドイツ戦車の強さを代表する車両の一つとして活躍したのです
【 「Sd.Kfz.171 パンサー D型」のキット内容について 】
●このドイツ軍の中戦車「パンサー D型」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●ドラゴン社 2002年の一部新金型キットで、パーツを細分化したフォーマットではなく、パーツ数を抑え、クリアパーツ、エッチングパーツも付属しておらず、作りやすさを考慮した内容となっています
●「パンサー D型」は、「砲塔」「車体上部」「車体後部パネル」「車体下部」の4ブロックで構成されています
【 砲 塔 】
●砲塔は、円筒状の車長キューポラを持つ「パンサー D型」の砲塔形状を再現、防盾の鋳造肌、各部の溶接跡などが繊細な彫刻を施したパーツで再現しています
●「70口径 75mm戦車砲 KwK42」の砲身は、マズルブレーキを含めて左右に分割したパーツで再現
・ 防盾は、一体成型のパーツで再現しています(双眼式の照準口が付いた「パンサー D型」タイプとなります)
・ 同軸機銃は別パーツ化
・ 防盾(砲身)は、完成後も上下に可動させることができます
●砲塔は、天板と側面パネルとが一体成型されたパーツに前面パネル、後部パネル、床面を取り付けて作製します
・ 上部のベンチレーターとガードは別パーツ化して再現
・ 後部ハッチは別パーツ化して、開閉状態を選択して作成することができます
・ 側面の小ハッチ、ピストルポートは、雨樋が付いた状態と付いていない状態の2種のパーツが付属、選択して使用することができます
・ スモークディスチャージャーは1本ずつ独立してパーツ化されています
●車長キューポラは4層で構成されています
・ 車長ハッチは別パーツ化、開閉状態を選択して作成することができます
【 車体上部 】
●車体上部は、側面後部が下部に張り出した「パンサー D型」の車体レイアウトを再現、溶接跡をはじめ、天板部やハッチなどの細かなボルト穴などが繊細なモールドで再現されています
●車体上部は一体成型のパーツで再現
・ 前面パネルは別パーツとなりますが、車体上部パーツに内壁が一体成型され、確実に形となるように工夫されています
・ 前部のフェンダーはスポンソン下部パーツに一体成型されています
・ 前方のガンポートは2種のタイプが付属、選択して使用します
・ 操縦手用の視察ハッチは別パーツで、開閉状態を選択可能、内部のハッチ開閉ダンパーは別パーツ化しています
・ 操縦手ハッチ、無線手ハッチは別パーツで、開閉状態を選択できます
・ トラベリングロックは、砲身を固定した状態と、砲身から外された状態とを選択可能することが可能です
・ ペリスコープ及びペリスコープガードは別パーツ化して再現
・ 車載工具類は、固定具を含めた状態を一体化して成型したパーツ、これをブロックごとにパーツ化された取り付けベースへと接着します
●側面のシュルツェンは、1枚ごとにカット処理(一部ゲートあり)されたプラ板を貼り付けて作製します
【 車体後部パネル 】
●車体後部パネルは、一体成型のパーツで再現しています
・ 排気管は1本ずつ独立したタイプを再現
・ ジャッキは4パーツで構成、固定具は別パーツ化しています
・ ゲペックカステンは前後に分割したパーツで再現しています
【 車体下部 】
●車体下部はバスタブ状に一体成型したパーツで再現
・ サスペンションアームは別パーツです
・ 転輪は1枚ずつ個別にパーツ化
・ 起動輪は前後に分割したパーツで構成、ハブキャップは2種が付属し、選択して使用します
・ 誘導輪は、前後に4分割したパーツで再現
【 履 帯 】
●履帯は、1枚ずつを分割した接着連結式履帯が付属しています
・ 履帯は、接地部分にハの字状の滑り止めパターンが無い「パンサー」用の「前期型」履帯が再現されており、モデルカステン製「パンター戦車用 履帯 初期型 (可動式)」がこれに対応しています
【 「Sd.Kfz.171 パンサー D型」の塗装とマーキング 】
●「Sd.Kfz.171 パンサー D型」のマーキングとして、ドイツ軍仕様となる2種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 第52戦車大隊 (クルスク戦時 / 1943年7月)
・ 第51戦車大隊 (クルスク戦時 / 1943年7月~8月)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、車体番号などを再現したデカールが付属
・ デカールのプリントはカルトグラフ社製
【 「Sd.Kfz.171 パンサー D型」のパッケージ内容 】
・ ドイツ軍 中戦車 パンサー D型 ×1
・ デカールシート ×1
●2002年 完全新金型