水陸両用装軌車 LVT-4 ウォーターバッファロー 後期型
「水陸両用装軌車 LVT-4 ウォーターバッファロー 後期型 (プラモデル) (AFV CLUB 1/35 AFV シリーズ No.AF35198 )」です
●「水陸両用装軌車 LVT-4 ウォーターバッファロー 後期型」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●第2次世界大戦時におけるアメリカの水陸両用装軌車輌である「LVT-4」を再現したキットで、その「後期型」を再現した内容となっています
●AFVクラブ社製「LVT-4 ウォーターバッファロー (初期型)」のバリエーションキットで、形状が変更された操縦席前面パネル、後部ランプ部などのパーツを新規に追加した内容となっています【 「LTV-4 ウォーターバッファロー 後期型」について 】
●アメリカの水陸両用車輌の開発は戦前の早い時期から開始されており、「クリスティーサスペンション」で有名な戦車開発者「クリスティー」は1920年代の中頃に水陸両用の装軌車の試作が行なわれました
●大戦において活躍した「LVT」シリーズの直接の祖先となったのが、1930年代の中頃に開発された軽量化のためのアルミ製の車体を持った「アリゲーター」で、元来は救難用として作られました
●「アリゲーター」の最大の特徴は、履帯上に付いた水掻きにより水上を推進する方式で、他国の水陸両用戦車がスクリュー推進方式を採用したのに対し、動力を切り替える複雑な機能を必要としないという利点を持っていました
●この「アリゲーター」は軍の興味を惹き、1940年には海兵隊用の試作車両が製作され、各種の試験を受けています
●1940年後半には、防御力の向上のために薄い鉄板を貼り付けたタイプが登場し、軍に採用、翌年には「LVT-1」として制式化されました
●この「LVT-1」は、試験的意味合いが強い車輌で、続く「LVT-2」が実質的な実戦タイプで、前方に大きな操縦キャビンが設置された「LVT-1」に対して、車体上部の前方に装甲化された操縦席が設けられ、この「LVT-2」が同シリーズのスタイルを確立したものとなっています
●当初、軍は「LVT」を物資輸送用として位置付け、敵前に上陸する「兵器」としての考慮はされておらず、また、水陸両用としての機能を維持するために厚い装甲は持っていませんでした
●この「LVT」が本格的に実戦に参加したのが「タラワ島上陸作戦」で、上陸用舟艇(「LCVP」)を使用した部隊が珊瑚礁による障害で上陸がままならなかったのと対照的に、「LVT」を使用した部隊は無事上陸を果たし、その有効性を軍に認められました
●しかし、この作戦に使用された「LVT-2」は、防御力の欠点を露呈、投入した車輌の75%が日本軍の砲火による損害を受けてしまうという結果を出してしまいます
●この結果から、装甲を強化した「LVT(A)-2」が登場、そしてこの「LVT(A)-2」を元にエンジンを前部に配置し、後部のランプから乗降が可能な「LVT-4」が1943年から量産化されます
●「LVT-4」は、「LVT」シリーズの完成形であり、太平洋戦域だけではなく、ヨーロッパ戦線へも投入され各種上陸作戦や、渡河作戦に活躍しました
・ 「LVT」シリーズは、現地部隊からは「アムトラック」という名称で呼ばれました
●ただ、大型の車体に充分な装甲を持たすことは難しく、太平洋戦域では必死の抵抗を行なう日本軍に苦しめられ、各地で少なくない損害を出しています
・ 大型で装甲が薄い「LVT」は、日本軍の対戦車砲の格好の目標となり、その構造上、根本的な解決は不可能でした
●この「LVT-4」は、戦訓などにより改良が施され、「後期型」では車体前方にボールマウント式の機関銃を装備、操縦席には視察装置の増設などが行なわれています【 「水陸両用装軌車 LVT-4 ウォーターバッファロー 後期型」のキット内容について 】
●この「LVT-4 後期型」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●AFVクラブの細かな表現力により「LVT-4 後期型」を再現、大型で複雑な構造を持つ同車が、そのディテールを中心に細かく表現されています
●「LVT-4 後期型」の車体は、車体底部、車体上前部、左右スポンソン部、後部ランプ部の5ブロックで構成されています
●車体底部パネルは前後分割式、車内側の底板は別パーツとなっています
・ 追加装甲板が別パーツにて再現
●操縦席部分が再現されています
・ 操縦席底板、及び側面収納庫が再現
・ 各種ペダル、操行レバー、変速レバーなどがパーツ化
・ 操縦席、助手席は各4パーツにより精密に表現されています
・ トランスミッション、デファレンシャル、エアークリーナーなども詳細に再現
●車体上前部は、前部フェンダーが一体成型された基本躯体パーツに、操縦席部分の装甲パネルを貼り合わせる構成となっています
・ 操縦手ハッチ、助手席ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ ペリスコープ、及び上部の防水カバーはクリアーパーツです
・ 操縦手用の視察ハッチは別パーツで、開閉状態が選択可能です
・ 前照灯のガードはプラパーツにて再現
・ 前方機銃は、機銃1パーツ、マウント部3パーツで構成されています
●スポンソン部は、車体側面パネルとスポンソン外部パネルとで構成、車内構造などの複雑な面の構造物は別パーツで再現されています
・ 上部の収納箱の蓋は別パーツで、開閉状態が選択できます
・ エンジングリル部のメッシュを再現するエッチングパーツが付属
・ 各転輪部は、4パーツで構成されています
・ 起動輪は内蔵させるポリキャップにより可動します
・ 誘導輪基部は3パーツで構成
・ 履帯は、接着可能な素材によるベルト式履帯が付属しています
●後部ランプは、表裏2パーツで構成、可動式とすることが可能です
・ 後部に存在する左右の水切り板は、7パーツにより複雑な形状を再現
・ 「後期型」の特徴である上部のU字形のワイヤー固定具がパーツ化されています
●武装として「M2重機関銃」2丁と、「M1919A4機関銃」が2丁付属しています
・ 各機関銃は銃口が開口処理されています
・ 「M2重機関銃」は、分割化されたパーツ構成で、複雑な機関部を再現
・ 各機関銃の銃架は詳細に再現されています
・ 「M2重機関銃」用の防盾は、平形、丸形、角形の3タイプが用意され、選択して使用します
●前照灯のガラス部、ペリスコープ、防水カバーなどを再現するクリアーパーツが付属
●エンジングリルのメッシュを再現するエッチングパーツが付属しています
●マーキングは、4種類の塗装例が説明書に記載されています
・ アメリカ陸軍 718水陸両用大隊 (沖縄 / 1945年6月)
・ アメリカ海兵隊 戦時博物館 (2009年)
・ 中華民国陸軍 装甲旅団 (台湾 / 1949年)
・ タイ海兵隊
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、部隊記号、車体番号などを再現したデカールが付属しています
●2012年 一部新金型