ものぐさプラモデル作製指南 ミニスケール戦車模型の作り方
「ものぐさプラモデル作製指南 ミニスケール戦車模型の作り方 (本) (新紀元社 プラモデル No.0965 )」です
●「ものぐさプラモデル作製指南 ミニスケール戦車模型の作り方」です
●戦車模型のライターとして知られる「仲田裕之」氏による模型製作のHOW TO本「ものぐさプラモデル作製指南」シリーズとして、1/72、1/76スケールの戦車模型の作り方を解説した書籍が「ものぐさプラモデル作製指南 ミニスケール戦車模型の作り方」です【 「ものぐさプラモデル作製指南 ミニスケール戦車模型の作り方」の内容について 】
●1/35スケールが主流となっているAFVモデルの世界ですが、古くはマッチボックス、エアフィックスの1/76スケール、ハセガワの1/72スケールのAFVモデルで展開された、いわゆる「ミニスケール」と呼ばれるジャンルは確固として存在しています
●この1/72スケールを中心とした「ミニスケール」の戦車模型の作り方を紹介する模型製作の解説書です
●「仲田裕之」氏により、ミニスケールならではの作り方、塗り方を、その工程を順を追ってカラー写真により丁寧に解説、キット、塗料などは国内で比較的入手し易い素材を使用し、初心者からベテランモデラーのアプローチ向けなどに広く参考となる内容となっています
●新紀元社「ものぐさプラモデル作製指南」シリーズとして、模型として完成することを主眼に置き、特別なテクニックや難解な技法を紹介するのではなく、基本工作やベーシックとなる塗装方法によりミニスケールを楽しむことができる内容となっています
●始めに、ハセガワ社の1/72スケールの「M1 エイブラムス」を作例として、製作行程を紹介、基本製作の過程と注意点、修正点などが解説されています
●第1章として、この「M1 エイブラムス」をモチーフに、缶スプレー、エアブラシ、筆塗りによる3種類の塗装作例が掲載され、それぞれの長所と方法、コツなどを紹介
●第2章は、よりハイレベルなキット製作として、最新キットのフジミ社の「陸上自衛隊 10式戦車」など、ディテールアップ作例のハセガワ社の「オストヴィント」、ガレージキットのミリキャスト社の「Sd.Kfz.251/20D」を紹介、それぞれのキットの特徴を活かした製作記事となっています
●第3章は、ハセガワ社の「4号駆逐戦車 ラング」を使用してジオラマを作製、ミニスケールでの地面の作り方や植栽の表現方法など、俯瞰で見られる同スケールのジオラマの楽しさが表現されています
●第4章として、ミニスケールの究極の楽しみ方として大型のジオラマ「ベルリン攻防戦”神々の黄昏”」を紹介、当時の戦場写真を参考にベルリン市街を再現し、これをベースとしてドイツ軍、ソ連軍双方の作例を掲載しています
・ ミニスケールの大型ジオラマとして大量の車両とフィギュアが登場、同スケールならではの大きな世界観が広がります【 「ものぐさプラモデル作製指南 ミニスケール戦車模型の作り方」の内容目次 】
●第1章 M1エイブラムス製作記
・ 砲塔の製作
・ 車体の製作
・ 塗装 1 ~缶スプレー編~
・ 塗装 2 ~エアブラシ編~
・ 塗装 3 ~筆塗り編~
●第2章 最新キット&ガレージキットに挑戦
・ フジミ 1/76陸上自衛隊 10式戦車
・ ACE 1/72キングタイガー
・ フジミ 1/72ドイツ軍用3tトラック
・ ハセガワ 1/72 37mm4号対空戦車「オストヴィント」
・ ミリキャスト 1/76 Sd.kfz.251/20D
●第3章 ミニジオラマを作ってみよう
・ ダイオラマ製作の手順
●第4章 「神々の黄昏」製作記
・ 巨大ダイオラマ製作記【 「ものぐさプラモデル作製指南 ミニスケール戦車模型の作り方」奥付 】
●著者 : 仲田裕之
●版型 : A4版 ソフトカバー
●ページ数 : 全160ページ / オールカラー
●発行日 : 2012年2月14日 初版発行
----------------------------------------------------------【 エムズからのワンポイント「ミニスケールの戦車模型」について 】
●1/72や1/76のミニスケールの戦車模型は、以前は入門者用もしくはジオラマセットや、アクチュアルウォーゲームの駒用などとして広い人気を持っていました
●また、価格的にも1/35のスケールキットの1/4から1/3程度と安価で、組み立ても容易であり、コレクション性が高いのが特徴でした
●このミニスケールキットは、1/35のキットのラインナップの充実と、そのディテールとフォルムの再現度の高さから人気が陰り、戦車模型としての主軸は1/35となって行きます
●しかし、1/35でのディテールやスケールの正確さを追求するあまり、一部マニアから「そのままでは作ってはいけないキット」や、「このディテールは変更しなければならない」という風潮が公然と広まり、模型としての楽しさや、完成する喜びは徐々に失われてしまいました
●そんな中、1980年代における模型雑誌の記事により、ミニスケールの戦車模型のブームが再燃、これは無改造の作例とディテールアップした作例を併記し、それぞれの長所と楽しみ方を提案することで、戦車模型本来の楽しみ方の多様性と可能性を再認識させるものでした
●これにより、それまでのミニスケールキット=入門者用のイージーキットという図式ではなく、模型のひとつのジャンルとして定着化、模型をユーザーそれぞれの方向性によって楽しむということがようやく確立されます
●1989年、タミヤがMMシリーズとして「タイガー 1 後期型」をキット化、ドイツ軍のメジャーアイテムのリニューアル化はモデラーから絶大な支持を受け、それを契機に1/35スケールの戦車模型が息を吹き返し、時代は再び同スケールが戦車模型の中心へと移ることとなります
・ 模型誌では、1/35の模型とミニスケールの模型とを両方紹介することが行なわれましたが、同じ誌面上で同じ大きさの写真にアップした関係上、ミニスケールはディテールが劣るものと捉えられてしまい、またしてもミニスケールは急速に人気が下火となってしまいました
●ただ、この1/35のスケールも、現在ではドラゴン社を中心とする中国勢のメーカーのキットの台頭により、ディテール重視のキットが多く出現、それらのキットはパーツ数が600を超えるのが当たり前となり、模型誌もそのハイディテールを後押しするような現状です
●このようなディテール重視は模型誌の写真では良く見えるのですが、通常のユーザーは組立てだけの期間が1ヶ月を超えるようになるとモチベーションが下がるため、結果として「完成しない」という状態となり、キット製作を気軽に楽しむことが難しくなってきました
●そんな中、1/35スケールの模型と比べて気軽に製作できるミニスケールキットに再び静かな光が差してきており、自由な時間が少ない現代人にとって戦車模型本来の「作る楽しみ」や「塗る楽しみ」、そしてジオラマ化などの「完成してからの楽しみ」などを味わうことができる対象として、再び注目されつつあるのです