ソビエト重戦車 JS-2 1944年型 ChKZ
「ソビエト重戦車 JS-2 1944年型 ChKZ (プラモデル) (タミヤ 1/48 ミリタリーミニチュアシリーズ No.071 )」です
●第2次世界大戦後期に登場したソ連軍の重戦車「JS-2」を1/48スケールで再現したキットプラスチックモデル組立キットで、操縦手席前方装甲板が斜めとなった「1944年型(「JS-2m」)」が表現されています
●ドイツ軍の重戦車に対抗するために、巨大な122mm砲を装備した迫力在る姿を再現、コンパクトな車体に長大な主砲を載せた、ロシア的合理性の象徴的なフォルムが表現された内容となっています【 「JS-2」について 】
●ソ連軍は独ソ戦の開戦時、重戦車として「KV-1」を装備し、同車は当時としては破格の防御力を誇っていました
●その防御力は当時のドイツ軍の戦車砲、対戦車砲では貫通が不可能であり、ドイツ軍は対抗手段として88mm高射砲や航空攻撃で撃破する方法が採られました
●しかし、この「KV-1」は大重量であり、機械式トランスミッション(手動式)を後部に装備する関係から変速操作が極めて難しく、実質上の機動力はカタログデータよりも遥かに劣るものでした
・ この足周りの故障により放棄される車両は、撃破された量を上回りました
●このため、重量を軽くしたタイプの「KV-1S」が登場、これにより機械的信頼性は大きく向上しましたが、「KV-1」の美点である装甲の厚さは減じられ、同じ攻撃力を持つ「T-34」を考慮すると存在意義が問われることとなりました
●一方、「KV-1」と「T-34」の両方の後継車両となる汎用戦車「KV-13」が試作され、この設計と「KV-1S」を融合させる形で「JS-1」が開発されます
●この「JS-1」は85mm砲を搭載していましたが、「T-34」の85mm砲搭載型が開発されたことと、85mm砲ではドイツ軍の重戦車に対抗できないことにより、搭載砲を122mm砲に換装した「JS-2」が1943年12月に登場しました
●この「JS-2」は、ドイツ軍の「タイガー1」や「パンター」よりもコンパクトな車体ながらも後輪駆動式により分厚い装甲を装備、更に避弾経始が考慮された形状から強靭な防御力を持っていました
・ 後輪駆動式は、ドライブシャフトを車体内部に通す必要が無いために、車高を低くできるという利点があり、トランスミッションを前部に装備していない関係で、重量配分的に前部の装甲を厚くすることもできました
・ ただし、この後輪駆動式を採用するには高い工業技術力を必要としました
●搭載する122mm砲は、野砲を改造した砲であり、分離装薬のために発射速度が遅いのが欠点で、装甲貫通能力もそれほど高いものでは有りませんでしたが、大口径の砲弾による破壊力は大きく、この砲弾が命中すると、ほとんどのドイツ戦車は戦闘能力を喪失しました
●当初「JS-2」は、操縦席前面装甲に段差が有り、操縦手用のバイザーが取り付けられていましたが、この部分が防御上の弱点となったために、1944年8月からはこの部分の形状を斜めとしたタイプ「1944年型」が生産されました
・ このタイプは、当時のソ連は「ローマ人の鼻」、戦後の研究者では「JS-2m」とも呼ばれています
・ キット表記の「ChKZ」は、主生産工場である「チェリャビンスク・キーロフ工場」を表しています
●「JS-2」は、独立親衛重戦車連隊へと配備、攻勢時の先鋒として戦いの先頭に立ち、その重装甲と、重戦車に対抗できる火力によりドイツ軍を圧倒、大戦後期におけるソ連軍の勝利の立役者となっています
【 「ソビエト重戦車 JS-2 1944年型 ChKZ」のキット内容について 】
●このソ連軍の重戦車「JS-2 1944年型」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●タミヤタッチにより「JS-2 1944年型」をシャープ且つ表情豊かに再現、大戦後期のドイツ軍の最大の脅威であった、大型の122mm砲を搭載した「JS-2」の迫力在る姿が表現されています
●「JS-2」の砲塔や車体前部には特徴的な鋳造肌や荒々しい鋳造の湯口などが再現、実車の雰囲気を演出しながらもタミヤ1/48MMシリーズらしく作り易さが考慮されたパーツ構成となっており、同車の魅力を簡単に「楽しむ」ことが可能で、初心者モデラーからベテランモデラーまで広くお勧めできる内容となっています
●「JS-2 1944年型」は「砲塔」「車体上部」「車体下部」の3ブロックで構成されています
●砲身は、先端のマズルブレーキを含めて左右分割式となっています
・ 砲身はポリキャップにより上下可動式です
●砲塔は、前部、上部、下部の「3分割式」です
・ 車長キューポラは別パーツです
・ 車長ハッチ、装填手ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 砲塔は左右旋回できます
●車体上部は、フェンダー前端部を除いて一体成型となっています
・ 操縦手視察口、ペリスコープ、マフラーが開口処理されています
・ エンジングリルの吸気口のメッシュはモールドにて再現
・ 前照灯とホーンは、再現する塗装例の車両によって装着位置を変更します
・ シャベル、ノコギリは別パーツです
・ 牽引ワイヤーは、アイの部分がプラパーツ、ワイヤー部を付属のナイロン製の糸で作製します
●車体下部は、各パネルを貼り合わせる箱組み方式です
・ 模型に重量感を与える金属のウエイトが付属、その装着を選択できます
・ サスペンションアームは別パーツです
・ 起動輪は内蔵させるポリキャップにより可動します
●履帯は、プラパーツによる一部連結式履帯が付属しています
・ 履帯は、上下の直線部は繋がった状態、前後の曲線部は2枚が繋がったパーツとなっています
・ 履帯の上部には、上部転輪による弛みが表現されています
●車長のフィギュアが1体付属しています
・ 服装は、詰襟式の「ルパシカ型野戦服」を着用、戦車ヘルメットを被った姿です
・ 服の皺の表現はスケールに沿ったものとなっています
・ フィギュアは、頭部、胴体、両腕のパーツ構成です
・ フィギュアは、キューポラから身を乗り出し、両手を組んでいるポーズとなっています
●マーキングは、4種類の塗装例が説明書に記載されています
・ ソ連軍 第7独立親衛戦車旅団 (ベルリン / 1945年4月)
・ ソ連軍 第88独立親衛戦車旅団 (ベルリン / 1945年4月)
・ チェコスロバキア 第1戦車旅団 (プラハ / 1945年5月)
・ ポーランド 第4重戦車連隊 (ドイツ / 1945年4月)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています
●実車の解説が書かれたリーフレットが付属
●2012年 完全新金型