T-34/76 1942/43年 第183工場製 フルインテリアキット
「T-34/76 1942/43年 第183工場製 フルインテリアキット (プラモデル) (AFV CLUB 1/35 AFV シリーズ No.AF35144 )」です
●第2次世界大戦時におけるソ連軍の中戦車「T-34/76」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット。
●ソ連軍の反攻の象徴的な存在である「第183工場」製の「T-34/76 1943年型」を再現、6角型の砲塔を搭載し、その形状から「ミッキーマウス」とあだ名された円形の小型ハッチを2個装備した特徴的なフォルムを再現した内容となっています。
【 T-34/76 1942/43年 第183工場製 フルインテリアキット (AFV CLUB 1/35 AFVシリーズ AF35144) プラモデルの内容 】
●ソ連軍の「T-34/76 1943年型」の「第183工場」製タイプを再現したプラスチックモデル組立てキットです。
●AFVクラブが持つ実車の再現性を反映して「T-34/76 1943年型」を再現、細部のディテール再現に重点を置きながらも、同車を特徴付ける鋳造や圧延鋼板、そして溶接跡を繊細かつリアルに表現しており、同車の魅力を1/35スケールに凝縮した内容となっています。
●キットは、エンジン部分や砲弾ラックなども含めて詳細に渡り戦車内部を再現しており、ハッチを開放した状態で作成したり、内部構造にまで至る「究極のT-34」作りを目指したり、車内パーツを活かしたクラッシュモデルとしたりと、様々なシチュエーションで楽しむことができるでしょう。
・ 一方で外部を構成するパーツ数は少なめですので、単純に外側のみを組立てて、「T-34/76 1943年型」のシルエットのみを楽しむこともできます。
●「T-34/76 1943年型」は、大きく「砲塔」「車体上部」「車体下部」の3ブロックに分割して構成しています。
■ 砲塔
●砲塔は、同じ鋳造方式を用いながら、砲塔部分と防盾側部の鋳造肌の違いを再現、金属製砲身のシャープさも相まって引き締まった雰囲気に仕上げることができます。
●「76.2mm戦車砲 F-32」の砲身は金属製砲身が付属、砲口部分は開口した状態となっています。
・ 防盾は一体成型のパーツで再現、スライド金型を使用して側面のリベットなども再現しています。
・ 防盾(砲身)は、完成後も可動させることができます。
●砲塔は、本体、天板、防盾側部、底部の4パーツで構成。
・ 砲塔本体には鋳造表現の他に、側面の視察口、後部のピストルポートをモールド化して再現しています。
・ 車長ハッチ、砲手ハッチは別パーツ化、開閉状態を選択することができます。
・ 上部のペリスコープは前後に分割したパーツで構成しています。
■ 車体上部
●圧延鋼板で囲まれた車体上部のディテールを実車を反映して再現、前方機銃部分の鋳造表現、その接合部と車体前部の跳弾板の接合部、そして車体前端部の溶接跡なども繊細なモールドで再現しています。
●車体上部は、側面フェンダーと一体成型、前部フェンダーとエンジンデッキ部、後部パネルを別パーツ化しています。
・ エンジンデッキ部は、ブロックごとにパーツ化しており、グリル部分は、スライド式金型を使用してスリットの形状を再現しています。
・ 後部のエンジングリル部分の金網状のメッシュは、エッチングパーツで再現、プラスチックパーツはエッチングパーツに合わせて開口部をカット済、内側の整流板も別パーツ化して再現しています。
●操縦手ハッチは別パーツ化、内部側のディテールも再現しており、開閉状態を選択できるようになっています。
・ 操縦手ハッチ上部の装甲カバーも別パーツ化、開閉状態を選択することができます。
・ ハッチのビジョンブロックはクリアパーツで再現。
●後部パネルは一体成型のパーツで再現、後部の点検ハッチを別パーツ化しています。
・ 点検ハッチを外した部分の後部パネル上のディテールも再現。
・ 排気管の先端部は開口した状態で成型、上下の溶接跡はモールド化して再現しています。
●車体後部には、箱型の予備タンクを装着するようになっています。
■ 車体下部
●車体下部は、クリスティーサスペンションと、そのサスペンションによる側面の2重構造を再現しています。
●車体下部は、後部パネルを除いたバスタブ状の一体成型のパーツ、床部分の配線はモールド化して再現しています。
・ サスペンションアームは別パーツ化して再現。
・ クリスティーサスペンションは実車構造を反映して再現、コイル式サスペンションを再現するために金属製のバネを同梱しています。
●鋼製転輪は前後に分割したパーツで構成、ゴムの部分とホイール部分とは別パーツ化しています。
・ ゴムの部分はラバー製で、パーツにはトレッドパターンを深めにモールドしています。
・ 転輪のハブキャップは別パーツ化して再現しています。
■ 履帯
●履帯はプラスチック素材のベルト式履帯。
・ 履帯は、接着及び塗装をすることができます。
・ 500mm幅のワッフルパターンをつけた「M42型」履帯を再現しており、モデルカステン製「T34戦車 M42型 履帯」がこれに対応しています。
■ 車内内部再現
●「T-34/76 1943年型」の内部構造を再現しており、再現箇所は以下の通りとなっています。
●砲塔内部の再現内容
・ 砲尾は11個のパーツにて再現
・ 車長席、砲手席
・ 照準器
・ 機銃用の予備弾倉
・ 操作ハンドル
・ 視察用ビジョンブロック
・ ペリスコープ接眼部
など
●車体内部について
・ エンジンは30以上のパーツで構成、細かなディテールを再現しています。
・ エンジンルーム後方のトランスミッション類も15以上のパーツで構成、「T-34」特有の大型のフィンも再現されています
・ 操縦席、前方機銃手席、及び周囲のメーター類、操向レバー、各種機器類もパーツ化
・ 前方機銃手席前の脱出ハッチは別パーツとなっています
・ 車体下部のバッテリーケース、側面の燃料タンク
・ 砲弾ラック
・ エアフィルター
・ ラジエター
など
【 T-34/76 1942/43年 第183工場製 フルインテリアキット (AFV CLUB 1/35 AFVシリーズ AF35144) 塗装とマーキング 】
●「T-34/76 1943年型」のマーキングは、5種類の塗装例を説明書に記載しています。
・ ソ連軍所属車輌 (1942年冬)
・ ソ連軍所属車輌 (ハリコフ / 1943年冬)
・ ソ連軍 ボロネジ方面軍 (クルスク / 1943年2月)
・ ソ連軍所属車輌 (1943年冬)
・ ドイツ軍捕獲車輌 ブランデンブルグ装甲擲弾兵師団 (オストプロイセン / 1945年1月)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、車体番号、スローガンなどを再現したデカールが付属。
●2013年 一部新金型
【 T-34/76 1942/43年型 について 】
●「T-34 中戦車」は、当初「BT戦車」の装甲強化型として開発を始めました。
●直線的なデザインの「BT戦車」よりも装甲の強化を図るため、傾斜装甲を全面的に採用、車体は大型化しましたが、装甲厚も強化され、被弾経始に優れた理想的な車体を持つ戦車となりました。
●開発当初は「BT戦車」と同じ「45mm対戦車砲」を搭載していましたが、砲塔の大きさを活かし「76.2mm 対戦車砲」を搭載することになりました。
●「T-34/76」は、最大装甲厚45mm、最大速度55km/h、「30.5口径 76.2mm戦車砲 L-11」を装備、このスペックは同時代の他国戦車と比べて、防御力、攻撃力、機動力に優れ、世界を1歩もしくは2歩もリードした戦車でした。
・足周りには、「BT戦車」で優秀さが証明された「クリスティーサスペンション」を継承、エンジンは「ノモンハン戦」などの戦訓により、炎上しにくいディーゼルエンジンを採用しています。
●独ソ戦が始まると、ドイツ軍はソ連軍の「T-34」に苦戦、当時のドイツ軍の戦車と対戦車砲は歯が立たず、ドイツ軍内に「T-34ショック」と呼ばれる動揺を引き起こし、その後の対応兵器の開発に拍車が掛けられることになりました
●ドイツ側の戦車の改良などに伴い、「T-34」は実戦の戦訓から度々マイナーチェンジが行い、「1942年型」は主砲をより強力な「76.2mm 戦車砲 F-32」にバージョンアップ、防盾も角張った形状のものに変更しました。
●続く「1943年型」では、砲塔形状を一新し、6角型砲塔へと変更、開口部が大きく戦車兵から不評を買っていた砲塔上部の1枚物のハッチは、小型化した2枚タイプになりました。
・ このタイプは従来「1943年型」と呼ばれていましたが、近年ではその生産が1942年から開始されたことが判明したために「1942年型」と呼ぶ資料もあります( この場合、前述の「1942年型」は「1941年戦時簡易型」とされています)。
●この「T-34/76 1943年型」は、独ソ戦中期におけるソ連軍の戦車戦力の主軸として活躍、その後の反攻作戦でも主力を務め、終戦時までソ連軍将兵の友として奮闘を続けています。
●「T-34」は、戦時突入による増産計画により大量生産が行われ、設備の関係や、生産のし易さなどから、生産工場ごとによって微妙な形状の変化が見られました。
●「第183工場」は、「国営 第112クラスナエ・ソロモヴォ工場」「第9工場」「第100工場」、そしてスターリングラードの「ジェルジェンスキー・トラクター工場」などと並び、「T-34」の主力組立て工場でした。