日本海軍 砲艦 橋立
「日本海軍 砲艦 橋立 (プラモデル) (アオシマ 1/700 ウォーターラインシリーズ No.553 )」です
●「日本海軍 砲艦 橋立」です
●太平洋戦争時における帝国海軍の「砲艦 橋立」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●河川や沿岸地域で活動する艦として建造された「橋立型砲艦」の1番艦「橋立」を再現、従来の砲艦とは異なり、通常艦艇に似た均整の取れたシルエットの艦形を再現した内容となっています
●アオシマ社製「日本海軍 砲艦 宇治 1941 スーパーディテール」をベースとして、エッチングパーツを省き、「橋立」を再現するために艦橋下部構造物とマストなどを新規パーツへと変更したバリエーションキットとなります
・ ボーナスパーツとして同スケールの「95式軽戦車」が2台付属しています
【 「砲艦 橋立」について 】
●砲艦とはもともと、砲火力を重視した艦であり、各国の海軍は大小様々な砲艦を建造していました
●帝国海軍では、他国のように移動式砲台となる「モニター艦」という砲艦は建造せず、沿岸用の砲艦、河川専用の砲艦(河用砲艦)、モーターによる機動性を重視した砲艦(砲艇)の3種類の砲艦を建造しました
●第1次大戦後の中国大陸は各国の覇権及び権益争いの場となっており、上海を中心として外国の租界が形成、各国はその警備用として河用砲艦を派遣します
●日本は、中国をその進出、進攻先として重要視しており、揚子江を中心として行動する中国海軍に対抗するため、小型の河用砲艦だけではなく、大型の沿岸用砲艦も投入しました
・ 中国海軍は、日本製の軽巡洋艦や砲艦を多数保有しており、そのために大型艦(あくまでも河用砲艦と比べて大型)の派遣の必要がありました
・ 帝国海軍の通常艦艇は外洋での艦隊戦用の高コスト艦であり、このような河川を中心とした紛争に参加するのは本来の目的ではなく、費用対効果の点でも得策ではありませんでした
・ また、このような河川での戦闘では地上からの攻撃に対しての耐弾性が重要視され、駆逐艦のように装甲が薄い艦(駆逐艦は耐弾性が低く、主砲塔部も波除け、風除けの機能しか持っていませんでした)では運用に問題がありました
●このような沿岸用の砲艦は、帝国海軍の中でも優先順位が低く、大正初期に建造された砲艦「嵯峨」、大正後期に建造された砲艦「安宅」がその主力となっていましたが、さすがに旧式化は免れず、1930年代後半に計画されたのが砲艦「橋立型」です
●この「橋立型」は、それまでのアンバランスなシルエットを持っていた沿岸用砲艦とは異なり、通常艦艇と同様な均整の取れた艦形となりました
●同艦は、河川のみの運用ではなく、沿岸部を中心として通常艦艇と同様な活動を行うことも考慮されており、砲火力の強化と航行能力の向上が図られているのが特徴となっています
●航空機攻撃の可能性も高い河川での運用により、主砲として「40口径 12cm高角砲」を3門搭載、対空機銃には対地上戦闘用にシールドが付けられました
●舷側部には10mm厚の装甲板、艦橋部には7mm厚の装甲板が貼られ、小口径弾に対する防御力を持ち、主砲、対空機銃、単装機銃により良好な攻撃力と防御力を擁していました
●砲艦「橋立型」は、2隻の建造が進められ1番艦「橋立」が1940年、2番艦「宇治」が1941年に竣工しました
●「橋立」は、竣工直後の1940年に上海へと派遣、太平洋戦争開戦時にはイギリス統治領であった香港へに進攻してイギリス船9隻を捕らえる戦果を挙げます
●その後、「橋立」は揚子江周囲や沿岸部分の警戒任務、中国沿岸部の輸送任務に従事しました
●1944年5月22日、船団護衛中にプラタス島沖でアメリカ潜水艦の雷撃を受けて被雷、その生涯を閉じています
【 「日本海軍 砲艦 橋立」のキット内容について 】
●この帝国海軍の砲艦「橋立」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●アオシマ社の現行のウォーターラインシリーズのフォーマットに沿って砲艦「橋立」を再現、1/700スケールとして一体成型化や省略化をしながらも、繊細なモールドとディテール表現力によりその細部が表現されています
●また、ディテール表現を重視しながらも、スケールに合った控えめなモールド、そして過度にパーツを詰め込むのではなく、ウォーターラインシリーズとして作り易さが考慮されており、小型艦としての同艦の姿を気軽に楽しむことができる内容となっています
●艦体喫水線までが再現されたウォーターラインモデルです
●「橋立」は、上甲板及び船体部の上下分割のパーツで構成されています
・ 船体部は一体成型のパーツで構成され、舷側の舷窓、主錨、フェアリーダーなどが再現されています
・ ウォーターラインモデルに欠かせない平らな船底部分は船体パーツに一体成型されています
●上甲板は船橋楼甲板部、後部甲板部の2分割式となっています
・ 甲板上には、木甲板表現、滑り止め表現、煙突下部構造物、リール、ボラード、アンカーチェーンなどがモールドで再現されています
●上甲板上の構築物となる「艦橋部」「主砲部」「煙突部」「後部構造物」などを個別にブロック化して構成、それぞれを甲板上に取り付けて完成させます
「橋立」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋は3層で構成され、トップの測距儀、射撃指揮所が別パーツにて再現
・ 艦橋構造物の側面には、舷窓、扉、梯子などが彫刻されています
・ 艦橋甲板にはリノリウム押さえのモールドが再現
・ 艦橋窓はクリアーパーツとなっています
・ 艦橋後部の機銃用ブルワーク部分は別パーツです
・ 艦橋部分を構成する、25mm連装機銃(シールド付き)×1、留式7.7mm機銃×2などがパーツ化されています
●メインマスト
・ メインマストは三脚檣型で、前後分割式です
● 煙突
・ 本体部分は一体成型で、トップは別パーツとなっています
・ 副管は別パーツです
●後檣
・ 後檣は三脚檣型で、前後分割式です
●後部構造物
・ 後部構造物は前後2ブロックで構成され、それぞれ両側面パーツと天板パーツとの3分割式です
・ 側面部には、舷窓、扉、梯子などが彫刻されています
・ 後部ブロックの最上甲板にはリノリウム貼り表現、前部ブロックは滑り止め表現がモールドされています
・ 前部の探照灯基部はブルワークがパーツ化
・ 後部構造物を構成する、25mm連装機銃(シールド付き)×1、留式7.7mm機銃×1、測距儀×1、方位測定器×1、探照灯(クリアーパーツ)×2が付属
●主砲塔部「45口径 10年式 12cm連装高角砲」 ×1、「45口径10年式 12cm単装高角砲」 ×1
・ 連装高角砲は、連装式に一体成型された砲身部と砲架、シールドの3分割式
・ 単装高角砲は、砲架を含めた砲身部とシールドの2分割式です
・ 前部の主砲台座は別パーツとなっています
●対空機銃「25mm連装機銃」 ×2、「留式7.7mm単装機銃」 ×3
・ 25mm連装機銃は、銃身部とシールド部との2分割式です
・ 留式7.7mm単装機銃は、一体成型となっています
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 内火ランチ ×1
・ 通船3種 ×各1
・ 内火ランチ、通船には、下側の台座部分がモールドされています
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 菊花紋章
・ プロペラガード
などがセットされています
●「95式軽戦車」が2台付属しています
・ 「95式軽戦車」は、スケールに沿った省略を行いながらも車体形状やボギー式サスペンション、車長キューポラなどの同車の特徴が表現された内容となっています
・ 履帯部分には表面のパターンが彫刻され、「戦車」としての魅力が演出されています
・ 「95式軽戦車」は、車体、砲塔、左右の足周りの4パーツで構成
●艦尾の軍艦旗(直線タイプと、なびいているタイプの2種)などを再現したデカールが付属しています
●2013年 一部新金型