日本陸軍 97式中戦車改 (新砲塔チハ)
「日本陸軍 97式中戦車改 (新砲塔チハ) (プラモデル) (タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.137 )」です
●太平洋戦争時における帝国陸軍の主力戦車「97式中戦車改」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●日本戦車らしいフォルムと構造を持つ「97式中戦車」をベースに、大型の「47mm戦車砲」搭載砲塔を持つ「97式中戦車改」を再現、別設計とは感じられない均整の取れたシルエットと、従来の日本戦車とは趣が異なる力強い姿が表現されています【 「97式中戦車改」について 】
●1937年、帝国陸軍は「89式中戦車」に代わる新型戦車として「97式中戦車」を制式化します
・当初、この「97式中戦車」の選定にあたっては、大型の「チハ」と、小型の「チニ」が試作されましたが、日中戦争の勃発により、軍事予算が増額、その結果「チハ」が採用されています
●この「97式中戦車」は、当時の中戦車としては優秀な能力を持っており、機動力、防御力共に遜色無いものでした
●ただし、主砲は「89式中戦車」に搭載されていたタイプと同じ性能の57mm砲を搭載、この砲は砲手が照準しながら片手で装填することができることが前提で開発され、あくまでも歩兵を支援するための対人目標用の火砲でした
●従って、徹甲弾は用意されていたものの、装甲貫通能力は極めて低く、「95式軽戦車」が搭載していた37mm戦車砲の方が対戦車能力に優れていました
●1939年頃になると、各国の戦車開発の趨勢から対戦車能力の重要性が認識されるようになり、新型戦車砲の研究と開発が開始されます
●同年5月~9月、中国東北部において満州国とモンゴルとの国境線を巡り、日ソ両軍が武力衝突したノモンハン事件が勃発します
●この戦いにおいて、当時の新鋭戦車であった「97式中戦車」も参戦、ソ連軍の戦車相手に苦戦し、多くの損害を出します
●この戦訓から、一部では強力な火砲の必要性が唱えられましたが、軍の首脳部は一紛争として処理し、戦争や戦闘自体を省みることなく、戦車砲の開発が急がれることは有りませんでした
●1940年中頃、新型戦車砲は「試製47mm戦車砲」として完成、事後テストを繰り返しながら1942年4月にようやく「1式 47mm戦車砲」として制式化されました
●1941年12月に太平洋戦争が開戦、戦車部隊は南方へと送られ、戦争準備が整っていないイギリス軍、オランダ軍に対して破竹の勢いで進撃、大戦果を挙げます
●しかし、フィリピン戦においては、アメリカ軍が装備していた「M3軽戦車」に苦戦、「97式中戦車」での集中射撃でも効果は有りませんでした
●そこで、危機感を持った参謀本部は、まだ制式化前の「47mm戦車砲搭載型 97式中戦車」(「97式中戦車改」)を急遽先行生産させ、1個中隊分をフィリピンに送ります
●同車は、その主砲により「M3軽戦車」を正面から撃破、同地のアメリカ軍を降伏させる原動力となりました
●しかし、戦争の中盤以降では、アメリカ軍は「M4中戦車」、イギリス軍は「M3中戦車」、オーストラリア軍は「マチルダ戦車」を投入を開始、「97式中戦車改」の主砲では太刀打ちできなくなって行きます
●戦車部隊では、自軍の戦車の劣勢を認識し、その能力不足を補うために待ち伏せ攻撃や、掩体壕に身を隠す「ダックイン」戦法などにより対抗、連合軍戦車に少なくない損害を与えています
●ただし、日本は国力の関係から航空機、艦艇の生産が重点となっており、「97式中戦車」の後継車両の開発、生産は遅れ、終戦まで「95式軽戦車」「97式中戦車」が戦車部隊の主力として苦戦を繰り広げました
●その中で最大の攻撃力を持つ「97式中戦車改」は、対戦車戦闘の中核としての任に当たり、最期までその義務を果たしたのでした【 「日本陸軍 97式中戦車改 (新砲塔チハ)」のキット内容について 】
●この帝国陸軍の「97式中戦車改」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●「97式中戦車改」をタミヤタッチによりシャープに再現、車体表面の尖頭リベット、曲面表現、各部の視察口など、精密感高く同車の魅力が表現されています
●また、パーツ数は抑えられ、比較的簡単に組み立てることが可能で、初心者からベテランモデラーまで広く模型作りを楽しむことができる、タミヤMMシリーズの名作の一つに相応しい内容となっています
●タミヤ社製「日本陸軍 九七式中戦車 チハ」をベースとし、「97式中戦車改」を再現するための砲塔、車体上部を新規パーツへと変更したバリエーションキットとなります
●「97式中戦車改」は、砲塔、車体上部、車体下部の3ブロックで構成されています
●砲身は一体成型で、砲口部分は別パーツとなっています
・砲身基部の駐退器カバーは左右分割式です
・砲身は上下に可動します
●砲塔は、左右側面パネル、天板、後面パネルの4分割式となっています
・車長キューポラは上下分割式です
・車長ハッチ、砲手ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・対空機銃のパーツが付属、装備の有無が選択可能です
・砲塔は旋回可能となっています
●車体上部は、フェンダーも含めて一体成型されています
・ 操縦席、戦闘室部分は別パーツとなっています
・ 操縦手用の視察ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
●車体下部は、側面と底面とが一体成型され、これに前後パネルを貼り付ける構成となっています
・ サスペンションアームは車体パーツに一体成型されています
・ コイルスプリング、中央のサスペンション受け部分は別パーツです
・ 転輪、起動輪、誘導輪は左右分割式で、内蔵させるポリキャップなどにより回転可動します
・ 履帯は、ラバー製のベルト式履帯が付属しています
●マーキングは、6種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 戦車第7連隊所属車両 (ルソン島)
・ 戦車第1連隊及び戦車第13連隊所属車両 (中国)
・ 戦車第5連隊所属車両 (中国北東部・本土)
・ 戦車第9連隊所属車両 (サイパン島)
・ 戦車第10連隊所属車両 (中国北東部・ルソン島)
・ 戦車第11連隊所属車両 (千島列島 占守島)
●説明書の塗装例に基づく、部隊マーク、車輌名、指揮官表示などを再現したデカールが付属しています
●スポット生産アイテム