ソビエト BTR-60PU 装甲指揮車
「ソビエト BTR-60PU 装甲指揮車 (プラモデル) (トランペッター 1/35 AFVシリーズ No.01576 )」です
●冷戦時代におけるソ連軍の主力装輪式装甲兵員輸送車である「BTR-60PB」のバリエーションとなる防空指揮車型「BTR-60PU-12」及び指揮通信型「BTR-60R-145BM」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●「BTR-60PB」をベースとして指揮通信機材を搭載した指揮車防空指揮車型「BTR-60PU-12」及び指揮通信型「BTR-60R-145BM」を再現、多面形で構成された車体にアンテナを装備した特徴的なフォルムが表現されています【 「BTR-60」について 】
●第2次世界大戦時、ソ連軍はアメリカから大量に「M3 ハーフトラック」系列の装甲兵員輸送車を供与されましたが、膨大な兵員の輸送には不足し、戦車に跨乗させて戦闘に投入する「タンクデサント」という戦法を取り入れました
●しかしながら、この「タンクデサント」は、戦法としては有効なものの、車の被弾時に受ける兵員の損害が大きく、数多くの死傷者を出してしまう結果となります
●戦後、歩兵部隊の機械化に取り組んだソ連軍は国産初の兵員輸送車として「BTR-152」を開発します
●この「BTR-152」は「M3 ハーフトラック」のデザインを踏襲しながらも、ハーフトラック式ではなく装輪式へと変更をしています
●この一方で、ソ連軍では不整地踏破能力の高い装軌式の兵員輸送車の開発も行っており、「BTR-50」が制式化されますが、装軌車両で兵員輸送の全てを賄うのは財政的に困難であり、「BTR-152」の後継車両の開発が進められることになります
●このような状況の下で1959年に誕生した装輪式の兵員輸送車が「BTR-60」で、トラックに装甲板を付けたようなシルエットを持つ「BTR-152」と比べ、多面形で構成された洗練された車体デザインを持っており、このデザインは同時に優れた防御力を有する事につながっています
●また、装輪式の足周りも6輪式から8輪式へと変更、サスペンションの性能も向上し、不整地での走行性能を向上させることに成功しています
●「BTR-60」は当初、オープントップ式の「BTR-60P」が生産されていましたが、1966年に上部に「14.5mm機関砲」装備の銃搭を備えた密閉式の「BTR-60PB」が登場、このタイプが「BTR-60」シリーズの中核となり、事後この形式が後継車両に引き継がれました
●ソ連軍は1966年に制式化された装軌式の歩兵戦闘車「BMP-1」と、この「BTR-60PB」とを兵員輸送の柱として大量に配備、ソ連軍の機械化部隊の骨格となりました
●この「BTR-60PB」は、「BMP-1」と比べると車内のキャパシティが大きく、その大きさを活かして数多くの派生型が登場、これらの派生型車両との編成によりソ連軍の機械化部隊はその能力を高めることができました
●「BTR-60PU-12」はフレーム式アンテナを装備した防空指揮車型で、「BTR-60PB」の砲塔を撤去してアンテナ類を装備、高い通信能力を持っています
●「BTR-60R-145BM」は指揮通信車型で、同じく砲塔を撤去、「BTR-60PU-12」に付けられていたフレーム式アンテナは装備されていません
●「BTR-60」シリーズは、ガソリンエンジン式により炎上がし易いという弱点などを持っており、旧式化は否めませんが、装甲車両としての存在は貴重であり、現時点においても多数が運用されています【 「ソビエト BTR-60PU 装甲指揮車」のキット内容について 】
●このソ連軍の「BTR-60」装輪装甲車をベースとした車両である防空指揮車型「BTR-60PU-12」及び指揮通信型「BTR-60R-145BM」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●トランペッター社の1/35現用車両シリーズのフォーマットに則り、「BTR-60PU-12」及び「BTR-60R-145BM」を再現、現用車両ならではの細かな造りが細分化されたパーツ構成により表現されています
●トランペッター社製「ソビエト BTR-60PB 装甲兵員輸送車」をベースとして、「BTR-60PU-12」及び「BTR-60R-145BM」を再現するために、アンテナ類や車体上の細かな構造物の新規パーツを追加したバリエーションキットとなります
●防空指揮車型「BTR-60PU-12」と、指揮通信型「BTR-60R-145BM」とを選択して作製することができます
・ 外観上では「BTR-60PU-12」は大型のフレームアンテナを装備、「BTR-60R-145BM」はフレームアンテナが装備されず、側面に大型の収納箱を付けています
●エンジンルーム以外の車体内部が再現されており、車体内部構造、操縦席部分、指揮通信車としての無線及び通信装置類が細かく表現されています
●「BTR-60PU-12」及び「BTR-60R-145BM」は、「車体上部」「車体下部」の3ブロックで構成されています
【 車体上部 】
●車体上部は、操縦席前面パネル、エンジンパネル部を除いて一体成型されています
・ 乗員ハッチ、兵員ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 前部の視察ハッチは別パーツで、開閉状態の選択が可能、内側のガラス部はクリアーパーツが用意されています
・ エンジングリルのメッシュを再現するエッチングパーツが付属
・ 前照灯、サーチライトのガラス部はクリアーパーツとなっています
●防空指揮車型としての大型のフレームアンテナが付属しています
・ フレームアンテナは支柱部分とアンテナ本体とで構成されています
・ 支柱のベース部分はエッチングパーツにて再現
●車体上部の円筒状の構造物は左右分割式です
・ リール部分は別パーツで、配線は付属の銅線によって再現します
【 車体下部 】
●車体下部は、バスタブ式に一体成型され、前面と後面パネルは別パーツです
・ 各サスペンションユニットは3分割式によりダブルウィッシュボーン式サスペンションの構造が再現されています
・ 前4輪の操行装置は各3パーツで構成
・ ダンパー、ショックアブソーバーがパーツ化されています
・ ステアリングは固定式です
●タイヤはホイール部とゴム部とが別パーツとなっています
・ ゴムの部分はラバー製で、複雑なトレッドパターンが表現されています
・ タイヤは、内蔵させるポリキャップにより可動します
【 車体内部 】
●エンジンルーム以外の車体内部が再現されています
・ 操縦席、兵員室の床面、内部側面、エンジン隔壁がパーツ化
・ 兵員用のベンチシートが再現
●操縦席部が細かなパーツ構成で再現されています
・ 操縦席、助手席は各7パーツで構成され、ディテールが表現されています
・ 各種レバー、ペダル類が再現
・ メーターパネルはディテールが表現されており、メーター部分を再現するデカールが付属しています
・ ヒーターユニット、無線器などがパーツ化
・ ペリスコープはクリアーパーツとなっています
●兵員室内部が細分化されたパーツ構成で再現
・ 指揮車型として装備される各種通信機材が個別にパーツ化されています
・ 各通信機材のラック、収納箱なども細かく再現
●ペリスコープ、、視察ハッチやライトのガラス部分などを再現するクリアーパーツが付属
●エンジングリルのメッシュ、アンテナの取り付けベース、各部のディテールなどを再現するエッチングパーツが付属しています
【 塗装とマーキング 】
●「BTR-60PU-12」及び「BTR-60R-145BM」のマーキングは、ロシア軍仕様となる各1種類の塗装例が説明書に記載されており、塗装例に基づく、国籍マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています
●「ソビエト BTR-60PU 装甲指揮車」の完成時のサイズ
・ 全長 : 206mm
・ 全幅 : 80mm
●全620パーツ
●2013年 一部新金型