IS-2 スターリン重戦車
「IS-2 スターリン重戦車 (プラモデル) (ズベズダ 1/72 ミリタリー No.5011 )」です
●「IS-2 スターリン重戦車」です
●第2次世界大戦後期におけるソ連軍の重戦車「IS-2m (JS-2m)」を1/72スケールで再現したプラスチックモデル組立てキット
●強力な火力と装甲により大戦後期のソ連軍の攻勢においてその威力を発揮した重戦車「IS-2m (JS-2m)」を再現、長大な砲身と避弾経始に優れた車体形状が織り成す迫力あるフォルムを表現した内容となっています【 「重戦車 IS-2m (JS-2m) スターリン」について 】
●ソ連軍は独ソ戦の開戦時に重戦車として「KV-1」を保有、同車は当時としては破格の防御力を誇っており、ドイツ軍は苦戦を強いられました
●しかし、この「KV-1」は装甲の厚さから大重量の戦車であり、機械式トランスミッション(手動式)を後部に装備する関係から変速操作が極めて難しく、実質上の機動力はカタログデータよりも遥かに劣るものでした
●また、この重量過大から起因される機械的故障が多発、結果的には実際に撃破される車両よりも故障により放棄された車両数が上回ってしまいます
●このため、軽重量型の「KV-1S」が登場、これにより機械的信頼性は大きく向上しましたが、「KV-1」の長所であった装甲は減じられ、同じ攻撃力を持つ「T-34」を考慮すると存在意義が問われることとなり、ソ連軍の首脳部からは重戦車不要論まで噴出する有様となります
●このような事態を受け、重戦車の開発陣は危機感を持って後継の重戦車の開発を行い、まず「KV-1」と「T-34」の両方の後継車両となる汎用戦車「KV-13」が試作され、次いでこの「KV-13」と「KV-1S」を融合させる形で「JS-1」が開発されます
●この「JS-1」は「85mm砲」を搭載していましたが、「T-34」の「85mm砲」搭載型が開発されたことと、「85mm砲」ではドイツ軍の重戦車に対抗できないことにより、搭載砲を「122mm砲」に換装した「IS-2 (JS-2)」が1943年12月に登場しました
●この「IS-2 (JS-2)」は、ドイツ軍の「タイガー 1」や「パンター」よりもコンパクトな車体ながらも後輪駆動式により分厚い装甲を装備、更に避弾経始が考慮された形状から強靭な防御力を持っていました
●搭載する「122mm戦車砲 D25T」は、野砲を改造した砲であり、分離装薬のために発射速度が遅く、装甲貫通能力もそれほど高いものでありませんでしたが、大口径の砲弾による破壊力は大きく、この砲弾が命中すると、ほとんどのドイツ戦車は戦闘能力を喪失しました
●また、大戦後期では対峙するドイツ軍の機甲兵力は弱体化、そのため榴弾火力が大きい同砲は対人目標に威力を発揮しています
●さらに、砲塔上部に増設された「12.7mm重機関銃」は、機関銃としては威力が高いことから物陰に潜むドイツ兵に対して有効な兵器であり、大戦末期においてソ連軍戦車の最大の脅威となった近接対戦車兵器「パンツァーファースト」に対抗する火器として欠かせないものとなりました
●この「IS-2 (JS-2)」の攻撃力の大きさと優れた防御力は、重戦車不要論を払拭するのに充分なものであり、その後「IS-3 (JS-3)」「T-10」などの重戦車シリーズの先鞭的存在となっています
●当初「IS-2 (JS-2)」は、操縦席前面装甲に段差が有り、操縦手用のバイザーが取り付けられていましたが、この部分が防御上の弱点となったために、1944年8月からはこの部分の形状を斜めとしたタイプ「IS-2m (JS-2m)」が生産されました
●「IS-2 (JS-2)」及び「IS-2m (JS-2m)」は、独立親衛重戦車連隊へと配備、攻勢時の先鋒として戦いの先頭に立ち、その重装甲と、重戦車に対抗できる火力によりドイツ軍を圧倒、大戦後期におけるソ連軍の勝利に大きく貢献したのでした
【 「IS-2 スターリン重戦車」のキット内容について 】
●このソ連軍の重戦車「IS-2m (JS-2m)」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●接着剤不要の「スナップキット」としてパーツ数を抑えながらも、その内容は通常の組み立てキットと比べて全く遜色ないディテール表現で「IS-2m (JS-2m)」を再現した内容となっています
●細分化されたパーツ構成によりそのディテールを追求するものではなく、1/72というスケールに沿ってディテールのポイントを捉えて模型化するという、本来の模型の視点に立って「IS-2m (JS-2m)」を再現しており、戦車模型の楽しさを充分に味わうことができることでしょう
●また、実車のフォルムはもちろん、ディテール表現自体も1/72スケールとして優れたものとなっていますので、ストレート組みで楽しむことや、ディテールアップへの挑戦、スケールを活かしたコレクションや複数の車両を並べた展示、そしてジオラマ化など、戦車模型初心者からベテランユーザーに至るまで様々な楽しみ方が展開できるキットとなっています
●接着剤不要のスナップキットとなっています
●「IS-2m (JS-2m)」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」の3ブロックで構成されています
【 砲 塔 】
●砲塔は、パーツ数を抑えながらも、スリットが開口された車長キューポラ、無線機用の砲塔左側面の膨らみ、砲塔下部の手摺りなど、「IS-2m (JS-2m)」の特徴がモールドとパーツ化により再現されています
●「122mm戦車砲 D25T」の砲身は、マズルブレーキを含めて一体成型されています
・ 防盾は1パーツで構成
・ 防盾(砲身)は、完成後も上下可動とすることができます
●砲塔は上下分割式で、砲塔前部は別パーツとなっています
・ 砲塔下部の手摺りは下部パーツに一体成型、手摺り状に成型されています
・ ペリスコープと装填手ハッチはモールドで再現
・ 上部のベンチレーターは別パーツとなっています
・ 車長キューポラは下部が砲塔部に一体成型されており、上部は別パーツです
・ 車長ハッチは、キューポラにモールドされています
・ 後部機銃は、マウント部と機銃本体との2パーツで構成
●キューポラに装備された「12.7mm重機関銃」が付属しています
・ 機銃は、機銃本体と銃架、弾薬箱で構成されています
●オプションパーツとして、砲塔吊り下げフックと砲塔上部の手摺りを再現した接着式のパーツが付属、使用の有無を選択できます
【 車体上部 】
●車体上部は、「IS-2m (JS-2m)」としてのレイアウトを再現、エンジングリルのメッシュ、エンジンデッキのスリット構造、フェンダー支持架の薄さ、各部のボルトや吊り下げ環などが細かく表現されています
●車体上部は、前部のフェンダーを含めて一体成型され、後部パネル下部は別パーツです
・ 車体前部には、操縦手用のバイザー、跳弾板、ペリスコープがモールド、前照灯、固定機関銃口がパーツ化されています
・ エンジンデッキ部分にはメッシュがモールドされ、後部のスリットは開口処理済みです
・ フェンダー部分に装着される牽引フック、シャベル、雑具箱、ノコギリがパーツ化
・ 後部の牽引ワイヤーは固定具も含めて一体成型され、巻かれた状態となっています(牽引ワイヤーは1本タイプ)
・ 各予備燃料タンクは前後方向に3分割式で、固定バンドが表現されています
●オプションパーツとして、ホーンを再現した接着式のパーツが付属、選択して取り付けることができます
【 車体下部 】
●車体下部はバスタブ式に一体成型されています
・ サスペンションアームは別パーツとなっています
・ 起動輪、誘導輪、 転輪は左右分割式です
・ 予備履帯、牽引フック、排土板がパーツ化
【 履 帯 】
●履帯は弾力があるプラスチック素材による一体成型されたベルト式が付属しています
・ 裏表共細かなモールドとなっており、センターガイドも表現されています
・ 履帯パーツ中央の突起を転輪の軸の部分に取り付けて装着させて行きます
【 塗装とマーキング 】
●「IS-2m (JS-2m)」のマーキングとして、ベルリン戦時におけるソ連軍仕様の1種類の塗装例が説明書に記載されており、国籍マーク、車体番号、ベルリン戦時に描かれた砲塔の白色の識別帯などを再現したデカールが付属しています
・ 車体番号は0~9の数字が3つ付属しており、この数字を組合す方法となっています
●2013年 完全新金型
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【 「IS-2 スターリン重戦車」のワンポイント 】
●上記のように、このキットはスナップキットとしての手軽さとスケールモデルとしての精密さを兼ね備えた優秀なキットです
●プラスチック製のベルト式履帯など、ズベズダ社のオリジナリティに溢れていますが、模型としてのフォルムの捉え方やディテール表現はミニスケールユーザーだけではなく1/35スケールユーザーにも充分納得できるものと思います
●また、1/72スケールのスナップキットの第4弾として、より進化を遂げており、そのディテール表現と造形のセンスは通常の接着式のプラスチックモデルキットよりも優れている部分も多く存在しています
●パーツ数も抑えられていますので、コレクション性を重視するユーザーや、日頃の生活で模型作りになかなか時間が確保できないユーザーにもお勧めするキット内容となっています