ソビエト BTR-80 装甲兵員輸送車
「ソビエト BTR-80 装甲兵員輸送車 (プラモデル) (トランペッター 1/35 AFVシリーズ No.01594 )」です
●現用ソ連(ロシア)軍の主力装輪式装甲兵員輸送車である「BTR-80」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立てキット
●ソ連軍の装輪式装甲車の代表的かつ象徴的なデザインを持つ「BTR-60」シリーズの最終進化型である「BTR-80」を再現、多面形で構成される車体、先鋭的な前面形状をもったフォルムに、側面のハッチが大型化した同車の特徴を再現した内容となっています【 「BTR-80」について 】
●ソ連軍は、第2次世界大戦後に装甲兵員輸送車の本格的な開発を開始、装輪式装甲車としては「BTR-152」と「BTR-40」などを経て1959年に登場したのが兵員輸送車「BTR-60」です
●この「BTR-60」はオープントップ式でしたが、1966年に登場した「BTR-60PB」では密閉型となり、上部に「14.5mm機関砲」を装備した銃塔を搭載、このスタイルは後々まで続くソ連軍装輪式装甲車輌の基本デザインとなります
●しかし、この「BTR-60PB」は、車体前部に操縦席、中央部に兵員室、後部にエンジンというレイアウトを採用したことにより、兵員の乗降は車体上部のハッチしか使用できず、乗降時には兵員が露呈するという兵員輸送車としては致命的な欠点を抱えていました
●そこで、1972年に登場した「BTR-70」では、第2、第3タイヤの間に側面ハッチを増設、これにより側面から乗降が可能となり、「BTR-60PB」の欠点が改善されました
●ところが、このハッチは小型のために様々な装備を付けた兵士にとっては不便極まりなく、また「BTR-60PB」と同じガソリンエンジンを搭載したことで、引火しやすいという弱点も持っていました
●「BTR-70」は「BTR-60PB」と並んでアフガニスタン侵攻に参加、同地で実戦の洗礼を受けた両車は様々な問題点が噴出してしまいます
●まず、搭載している2基のガソリンエンジンは合計出力が180馬力であり、急峻な地形が多いアフガニスタンでは力不足が目立ち、更には被弾によって炎上し易いという欠点がありました
●車体上部からの出入りしかできない兵員は、乗降時の際に体を露呈し、最も弱い姿をさらしてしまうことから多くの兵士が死傷してしまうことになります
●また、装備している銃塔は、武装の仰角が不足、上部からの攻撃に対処できないという事態を招いています
●このため、両車は多くの損害を出し、ソ連軍将兵から「棺桶」扱いされてしまい、その信頼性は大きく低下してしまいました
●このアフガニスタンでの戦訓により、その欠点を改善したタイプとして1984年の登場したのが「BTR-80」です
●この「BTR-80」は、従来のガソリンエンジン2基から260馬力のディーゼルエンジン1基へと変更、起動性能と防御力が大きく向上しています
●側面ハッチも大型化され、兵員の迅速な展開と撤収が可能となり、銃塔の仰角も60度へと引き上げられました
●これらの改良により「BTR-80」は装輪式装甲車として一つの完成形となり、ソ連崩壊後もロシア軍や東欧諸国などで広く運用されています
●また、ロシアでは同車をベースとした民間型や極地調査型なども作られており、資本主義国ロシアとしての商魂の逞しさを示しています【 「ソビエト BTR-80 装甲兵員輸送車」のキット内容について 】
●このソ連(ロシア)軍の兵員装甲輸送車「BTR-80」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●「BTR-80」の複雑な面構成のボディ部分は同社の成型技術により一体成型としつつ、車体の各ディテールと各パーツは、エッジの立った細かな彫刻で再現した内容となっています
●エンジン以外の車体内部も再現されており、車体ハッチから覗く車体内部の様子など、兵員輸送車ならではの演出も楽しむことができるでしょう
●トランペッター社製「ソビエト BTR-70 装甲兵員輸送車 初期型」の足周りを一部流用しながらも、車体下部、車体上部などの主要部は新規に作り起こされたものとなっています
●「BTR-80」は、「銃搭」「車体上部」「車体下部」の3ブロックで構成されています
【 銃 塔 】
●銃塔は、その円錐形状を再現、後部に並んだ状態となるスモークディスチャージャーも表現されています
●「14.5mm 機関砲」の砲身は上下分割式で、スライド式金型により砲口が開口処理済みです
・ 砲身部の放熱口が彫刻されています
●銃搭の基本躯体は、本体、防盾の2パーツで構成されています
・ 表面の溶接跡が再現されています
・ 防盾は完成後も上下可動式とすることができます
・ 銃搭内部が再現され、機関砲、機関銃の機関部、照準器、操作ハンドル、砲手席などがパーツ化されています
・スモークディスチャージャーの基部は銃塔に一体成型されており、スモークディスチャージャー本体は個別にパーツ化
【 車体上部 】
●車体上部は、その複雑な形状を一体成型で再現、表面の溶接跡が繊細なモールドで彫刻されています
●車体上部は、一体成型となっています
・ 乗員ハッチ、兵員ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 側面ハッチは上部と下部とで分割されており、開閉状態が選択可能です
・ 前部の視察ハッチは別パーツで、開閉状態の選択が可能、内側のガラス部はクリアーパーツが用意されています
・ 各ペリスコープを再現したクリアーパーツが付属しています
・ エンジンデッキの各点検ハッチは別パーツとなっています
・ 前照灯、管制灯のガラス部はクリアーパーツです
・ 兵員室のガンポートは2パーツで構成
・ 前部のトリムベーンは、展開した状態と、畳んだ状態とを選択できます
・ 車体後部の湾曲したパネルはエッチングパーツにて再現(形状を作るための治具が付属)
【 車体内部 】
●エンジンルーム以外の車体内部が再現されています
・ 操縦席、兵員室の床面、内部側面、エンジン隔壁がパーツ化
・ 兵員用のベンチシートも詳細に再現
●操縦席部が細かなパーツ構成で再現されています
・ 操縦席、助手席は各2パーツで構成
・ 各種レバー、ペダル類が再現
・ メーターパネルはディテールが表現されており、メーター部分を再現するデカールが付属しています
【 車体下部 】
●車体下部はバスタブ式に一体成型され、後面パネルは別パーツです
・ 各サスペンションユニットは細分化されたパーツ構成により、複雑なダブルウィッシュボーン式サスペンションの構造を再現
・ ダンパー、ショックアブソーバーがパーツ化されています
●タイヤはホイール部とゴム部とが別パーツとなっています
・ ゴムの部分はラバー製で、複雑なトレッドパターンが表現されています
・ タイヤは、内蔵させるポリキャップにより可動します
●ペリスコープ、視察ハッチやライトのガラス部分などを再現するクリアーパーツが付属
●ハッチのメッシュ、後部のパネル、各部のディテールなどを再現するエッチングパーツが付属しています
【 塗装とマーキング 】
●「BTR-80」のマーキングとして、ロシア軍仕様となる3種類の塗装例が説明書に記載されており、部隊マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています
●全520パーツ
●「BTR-80」の完成時のサイズ
・ 全長 : 219mm
・ 全幅 : 82mm
●2013年 完全新金型 (足周りを除く)