T-34/85 1944 第174工場製 フルインテリアキット
「T-34/85 1944 第174工場製 フルインテリアキット (プラモデル) (AFV CLUB 1/35 AFV シリーズ No.AF35145 )」です
●第2次世界大戦時におけるソ連軍の中戦車「T-34/85 1944年型」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット。
●第2次世界大戦の最優秀戦車と評価できる「T-34/76」をベースとした火力増強型「T-34/85」の「1944年型」を再現、被弾経始を重視した車体に、長砲身の主砲を搭載した大型砲塔を装備したフォルムを再現した内容となっています。
【 T-34/85 1944 第174工場製 フルインテリアキット (AFV CLUB 1/35 AFVシリーズ AF35145) プラモデルの内容 】
●大戦中期以降、ソ連軍の主力中戦車として運用されていた「T-34/85 1944年型」を再現したプラスチックモデル組立キットです。
●AFVクラブが持つ実車の再現性を反映して「T-34/85 1944年型」を再現、細部のディテール再現に重点を置きながらも、同車を特徴付ける鋳造や圧延鋼板、そして溶接跡を繊細かつリアルに表現しており、同車の魅力を1/35スケールに凝縮した内容となっています。
●「T-34/85」のエンジン部分や砲弾ラックなども含めて詳細に渡り戦車内部を再現しており、ハッチを開放した状態で作成したり、内部構造にまで至る「究極のT-34」作りを目指したり、車内パーツを活かしたクラッシュモデルとしたりと、様々なシチュエーションで楽しむことができるでしょう。
・ 一方で外部を構成するパーツ数は少なめですので、単純に外側のみを組立てて「T-34/85 1944年型」のシルエットのみを楽しむこともできます。
●キットは、AFVクラブ社製「T-34/85 1944/45年 第174工場製」をベースに、クリアー成型だった砲塔、車体のパーツを成型色パーツ(グレー色)へと変更したノーマルバージョンになります。
●「T-34/85 1944年型」は、大きく「砲塔」「車体上部」「車体下部」の3ブロックに分割して構成しています。
■ 砲塔
●砲塔表面の鋳造肌をパーツ上に施した繊細なモールドで再現、「第174工場製」として大戦後期のソ連軍の戦車としては表面の仕上げの綺麗な状態を表現しています。
●「85mm戦車砲 ZiS-S-53」の砲身は金属製砲身が付属、砲口部分は開口した状態となっています。
・ 防盾は一体成型のパーツで再現。
・ 防盾(砲身)は、完成後も可動させることができます。
●砲塔は上下に分割したパーツ構成、天板部は別パーツ化しています。
・ 砲塔後部の小型のフック、ペリスコープ、ベンチレーターなどを別パーツ化して再現しています。
・ 装填手ハッチは別パーツで再現、開閉状態を選択することができます。
●車長キューポラは上下に分割したパーツ構成、下部は砲塔天板パーツに一体化して成型しています。
・ キューポラ周辺の視察装置はクリアパーツで再現、キューポラパーツに挟み込むようにして取り付けます。
・ 車長ハッチは別パーツで再現、開閉状態を選択することができます。
・ 前部のペリスコープの内部側をクリアパーツで再現しています。
■ 車体上部
●車体上部は圧延鋼板を再現、機銃マウント部や跳弾板の溶接跡、フェンダーの折り返し部分、エンジングリルのスリットなどが繊細な彫刻でモールドされています
●圧延鋼板で囲まれた車体上部のディテールを実車を反映して再現、機銃マウント部や跳弾板の溶接跡、フェンダーの折り返し部分、エンジングリルのスリットなどを繊細なモールドで再現しています。
●車体上部は、側面フェンダーと一体成型、前部フェンダーとエンジンデッキ部、後部パネルを別パーツ化しています。
・ エンジンデッキ部は、ブロックごとにパーツ化しており、グリル部分は、スライド式金型を使用してスリットの形状を再現しています。
・ 後部のエンジングリル部分の金網状のメッシュは、エッチングパーツで再現、プラスチックパーツはエッチングパーツに合わせて開口部をカット済、内側の整流板も別パーツ化して再現しています。
●車体上部は、側面フェンダーと一体成型、前部フェンダーとエンジンデッキ部、後部パネルを別パーツ化しています。
・ エンジンデッキ部は、ブロックごとにパーツ化しており、グリル部分は、スライド式金型を使用してスリットの形状を再現しています。
・ 後部のエンジングリル部分の金網状のメッシュは、エッチングパーツで再現、プラスチックパーツはエッチングパーツに合わせて開口部をカット済、内側の整流板も別パーツ化して再現しています。
・ 後部のドラム状の発煙装置は2パーツで構成され、固定バンドは付属のエッチングで再現しています。
●操縦手ハッチは別パーツ化、内部側のディテールも再現しており、開閉状態を選択できるようになっています。
・ 操縦手ハッチ上部の装甲カバーも別パーツ化、開閉状態を選択することができます。
・ ハッチのビジョンブロックはクリアパーツで再現。
●後部パネルは一体成型のパーツで再現、後部の点検ハッチを別パーツ化しています。
・ 点検ハッチを外した部分の後部パネル上のディテールも再現。
・ 排気管の先端部は開口した状態で成型、上下の溶接跡はモールド化して再現しています。
●円筒形の予備燃料タンクが3個付属しています。
・ 燃料タンク本体は、円筒状のパーツと上下の蓋のパーツで構成、前後の把手は別パーツ化して再現しています。
・ 燃料タンクの固定具は別パーツ化、固定バンドは付属のエッチングで再現します。
■ 車体下部
●車体下部は、クリスティーサスペンションと、そのサスペンションによる側面の2重構造を再現しています。
●車体下部は、後部パネルを除いたバスタブ状の一体成型のパーツ、床部分の配線はモールド化して再現しています。
・ サスペンションアームは別パーツ化して再現。
・ クリスティーサスペンションは実車構造を反映して再現、コイル式サスペンションを再現するために金属製のバネを同梱しています。
●転輪は前後に分割したパーツで構成、ゴムの部分とホイール部分とを別パーツ化しています。
・ ゴムの部分はラバー製で、側面部には特徴的な放射状のラインをモールドで再現しています。
・ 転輪のハブキャップは別パーツ化して再現しています。
■ 車内内部再現
●「T-34/85 1944年型」の内部構造を再現しており、その再現箇所は以下の通りとなっています。
●砲塔内部の再現内容
・ 砲尾は10個のパーツにて再現
・ 車長席、砲手席
・ 照準器
・ 機銃用の予備弾倉
・ 砲弾ラック
・ 操作ハンドル
・ 視察用ビジョンブロック
・ 砲塔旋回装置
・ ペリスコープ接眼部
・ 車内通話装置のターミナル
など
●車体内部について
・ エンジンは30以上のパーツで構成、細かなディテールを再現しています。
・ エンジンルーム後方のトランスミッション類も15以上のパーツで構成、「T-34」特有の大型のフィンも再現されています
・ 操縦席、前方機銃手席、及び周囲のメーター類、操向レバー、各種機器類もパーツ化
・ 前方機銃手席前の脱出ハッチは別パーツとなっています
・ 車体下部のバッテリーケース、側面の燃料タンク
・ 砲弾ラック
・ エアフィルター
・ ラジエター
など
■ 履帯
●履帯はプラスチック素材のベルト式履帯。
・ 履帯は、接着及び塗装をすることができます。
・ 500mm幅のワッフルパターンをつけた「M42型」履帯を再現しており、モデルカステン製「T34戦車 M42型 履帯」がこれに対応しています。
【 T-34/85 1944 第174工場製 フルインテリアキット (AFV CLUB 1/35 AFVシリーズ AF35145) 塗装とマーキング 】
●「T-34/85 1944年型」のマーキングとして、ソ連軍仕様となる3種類の塗装例が説明書に記載されています。
・ 第164戦車旅団 (ポーランド / 1944年)
・ 所属不明
・ 所属不明 (ドイツ / 1945年5月)
●説明書の塗装例に基づく、車体番号などを再現したデカールが付属。
●2013年 一部パーツ成型色変更アイテム。
【 ソビエト中戦車 T34/85 1944年型 について 】
●ソ連軍では1930年代後半に従来の「BT戦車」の後継車両として「T-34/76」を開発、同車は防御力の強化として傾斜装甲が大幅に採り入れられ、主砲も当時の戦車としては大きな「76.2mm戦車砲」を搭載していました。
●「T-34/76」は、「BT戦車」の流れを受けて後部にエンジンとトランスミッションを搭載、そのレイアウトは前面装甲を厚くできるというメリットを持っており、被弾経始を重視した傾斜装甲も相まって当時の戦車としては極めて強力な防御力を擁していました。
●また、サスペンションは「BT戦車」譲りの地形追従能力の高い「クリスティーサスペンション」を採用、幅の広い履帯により機動性能にも優れ、「T-34/76」は「走」「攻」「守」に優れた第2次世界大戦時での最優秀戦車と評されています。
●しかし、「T-34/76」は2人用の小型砲塔という欠点を持っており、車長、砲手、装填手という役割を2人で行わなければならず、その過大な役割から機能に優れた3人用の砲塔を採用したドイツ戦車に戦術的に苦杯を舐めさせられる結果となってしまいます。
●もっとも、ソ連軍の首脳部はこのような「T-34/76」の欠点を正確に把握していたものの、1942年頃までは戦況の関係から戦車数の確保に奔走され、生産の低下を招く改良型の開発は後回しとなりました。
●1943年に入ると、ソ連軍にとって戦況は余裕のあるものとなり、「T-34/76」の改良型である「T-43」の試作が開始されました。
●この「T-43」は大型の3人用砲塔が採用されましたが、この時期になるとドイツ軍は火力、防御力共にソ連軍戦車を凌駕する「タイガー 1」「パンター」といった新型戦車を戦線に投入しており、砲火力では既存の「T-34/76」と変わらない「T-43」を整備する必要性は低く、同車の量産は行われませんでした。
●しかし、この「T-43」の開発をベースとして「85mm高射砲」を車載化した「85mm戦車砲 ZiS-53」を搭載した砲塔が登場、同砲塔を装備した「T-34/85」が制式化されます。
●この「T-34/85」は、当初主砲である「85mm戦車砲 ZiS-53」の生産が間に合わず、その代わりとして「85mm戦車砲 D-5T」を装備したタイプが生産、このタイプは「T-34/85 1943年型」と呼ばれています。
・ この「T-34/85 1943年型」は防盾の砲身基部部分が円形となっているのが特徴となります。
●1944年に入ると、「85mm戦車砲 ZiS-53」の改良型である「85mm戦車砲 ZiS-S-53」の生産が順調に進み、同砲を搭載したタイプとして「T-34/85 1944年型」が登場しました。
●この「T-34/85 1944年型」は、1944年以降のソ連軍の主力戦車として活躍、戦車部隊の中軸車両としてその後のソ連軍の攻勢において重要な役割を果たしています。
●その後、「T-34/85」シリーズは更なる改良型として砲塔のベンチレーターを前後に配置した「T-34/85 1945年型」も登場しましたが、既存の「T-34/85 1944年型」も継続して使用が行われ、終戦時まで活躍、戦後においても朝鮮戦争や中東戦争などにおいて運用されています。