チャーチル歩兵戦車 Mk.3 ディエップ上陸作戦仕様
「チャーチル歩兵戦車 Mk.3 ディエップ上陸作戦仕様 (プラモデル) (AFV CLUB 1/35 AFV シリーズ No.AF35176 )」です
●第2次世界大戦時におけるイギリス軍の歩兵戦車「チャーチル Mk.3」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●1942年の「ディエップ上陸作戦」において歩兵の盾として活躍した「チャーチル Mk.3」を再現、渡渉水深能力を高めるために延長された吸排気管を装備した姿を再現した内容となっています【 「ディエップ上陸作戦」について 】
●1940年夏、フランスがドイツ軍によって席巻されると、その矛先はイギリス本土へと及びましたが、からくも航空決戦に勝利したイギリス空軍によってドイツ軍による本土上陸作戦は中止されました
●その後、独ソ戦が開始され、フランス戦によるダメージから回復したイギリス軍は北アフリカ戦線に兵力を投入する一方で、ドイツ占領下への奇襲作戦を実施します
●この奇襲作戦は基本的に小兵力による軍事施設などへの急襲が主であり、重要施設の破壊とレーダーなどのドイツ技術力の把握を目的としたものでしたが、大規模な奇襲作戦として立案されたのがフランスのディエップに上陸するという「ジュビリー作戦」です
●この「ジュビリー作戦」は、カナダ軍とイギリス軍が中心となる兵力6000名がディエップの海岸に上陸、内陸へと進出した後に撤収をするという威力偵察の意味合いが強いものでした
●「ジュビリー作戦」は1942年8月に決行されましたが、ドイツ軍は諜報活動によりこの作戦を事前に掴んでおり、上陸部隊は海岸に釘付け状態のまま砲火に曝され、投入兵力の2/3を失うという損害を受けて作戦は失敗します
●この作戦には支援用として約30両の「チャーチル Mk.3」が投入されたものの、海岸の砂利による機動力の低下やドイツ軍の激しい砲火により結果的に全滅してしまい、当初の目的である歩兵支援の目的は果たせませんでした
●しかし、遮蔽物が全く存在していない海岸において、残骸となった「チャーチル Mk.3」は兵士が身を隠せる場所として極めて重要な働きを見せ、この意外な働きは後のノルマンディ上陸作戦の貴重な戦訓として役立ったのです
●また、作戦全体としては全くの失敗でしたが、イギリス本土に近いディエップへの上陸という事実が「ヒトラー」を初めとするドイツ軍の首脳部に強烈な印象を植え付け、これがイギリス本土から遠い場所となるノルマンディ上陸作戦前後のドイツ軍対応に大きな影響を与えたのでした
【 「チャーチル歩兵戦車 Mk.3 ディエップ上陸作戦仕様」のキット内容について 】
●この「ディエップ上陸作戦」時におけるイギリス軍の歩兵戦車「チャーチル Mk.3」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●AFVクラブ社のディテール表現力により「チャーチル Mk.3」を再現、細分化されたパーツ構成により複雑な造りとなる足周り部分を中心とした同車の構造とディテールの細部再現に重きを置いた内容となっています
●転輪及びサスペンションは金属のスプリングによる可動式で、キットの連結可動式履帯により実車通りの足周りの動きを楽しむことができます
●キットは、AFVクラブ社製「チャーチル歩兵戦車 Mk.3」をベースとして、「ディエップ上陸作戦」時を再現するために上陸作戦用の吸排気管などの新規パーツを追加、履帯パーツを「重量型履帯」を再現した連結可動式履帯へと変更したバリエーションキットとなります
●「チャーチル Mk.3」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」の3ブロックで構成されています
【 砲 塔 】
●砲塔は角形となる「チャーチル Mk.3」の溶接式の砲塔を再現、ペリスコープ類は別パーツとなっています
●「6ポンド砲」の砲身は、金属製の砲身パーツが付属しています
・ 砲尾部分もパーツ化されています
・ 砲身は完成後も上下可動式とすることができます
●砲塔は、天板と側面板が一体成型され、これに各パネルを貼り合わせる箱組み方式です
・ 車長キューポラは嵌め込み式により回転可動します
・ 車長及び装填手ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ ペリスコープは2パーツで構成され、ガード部分は成型色パーツ、ペリスコープ本体はクリアーパーツです
・ 砲塔は、嵌め込み式により旋回が可能です
【 車体上部 】
●車体は、実車の複雑な構造に伴い、各装甲板パーツを組み合わせて行く構成となっています
●車体上部は、前面板、戦闘室前面板、前部の追加装甲、上面板などで構成されています
・ 操縦手用の前方視察ハッチは、5パーツにより詳細なディテールが再現され、開閉状態が選択できるようになっています
・ 前方機銃は、上下左右に可動させることが可能です
・ 操縦手ハッチ及び前方機銃手ハッチは、別パーツとなっており、開閉状態が選択できます
・ ペリスコープ部は別パーツで、ペリスコープ本体はクリアーパーツが用意されています
・ エンジンデッキの各ハッチは別パーツとなっています
●側面を後部の箱型の吸排気筒は一体成型で再現
・ 吸排気筒を繋ぐワイヤーがパーツ化されています
●エンジン上部の排気管は各1パーツで再現され、先端部分は開口処理されています
・ 排気管を繋ぐ金具がパーツ化
【 車体下部 】
●車体下部は、複雑な足周りの構造を再現、金属製のスプリングにより可動式となっています
●車体下部は、左右の足周りを形成した後、中央部分を挟み込むパーツ構成です
・ 各転輪に接続されるスプリングサスペンションは、1個ずつ別パーツとなっており、サスペンション部には金属製のスプリングパーツが用意されています
・ 転輪と接続するサスペンションアームは可動式で、サスペンションの金属製のスプリングにより転輪が動くようになっています
・ 履帯上部に位置するフェンダーは「ディエップ上陸作戦」時として、中央部と最後部のみとなっています
・ 車体側面に存在するエスケープハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
【 履 帯 】
●履帯は、1枚ずつが分割された連結可動式履帯が付属しています
・ 各履帯(履板)は、上下方向に3分割されており、中央部のパーツを挟み込んで上下パーツを接着、これを繋いで連結させる方式です
・ 履帯は、表面の凹凸が少ない「チャーチル」シリーズの「重量型履帯」が表現されています
●ペリスコープなどを再現する為のクリアーパーツが付属しています
●機銃やハッチ裏のディテール、携行缶の固定バンドなどを再現するエッチングパーツが付属
【 塗装とマーキング 】
●「チャーチル Mk.3」のマーキングとして、「ディエップ上陸作戦」時のカナダ軍仕様を中心とした6種類の塗装例が説明書に記載されています
・ カナダ第14戦車連隊 C中隊 13号車
・ カナダ第14戦車連隊 B中隊 6号車
・ カナダ第14戦車連隊 B中隊 7号車
・ カナダ第14戦車連隊 B中隊 10号車
・ カナダ第14戦車連隊 B中隊 9号車
・ ドイツ軍捕獲車両
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、部隊記号、車体番号、パーソナルネーム、車台番号などを再現したデカールが付属しています
●2013年 一部新金型