ソビエト SU-100 自走砲
「ソビエト SU-100 自走砲 (プラモデル) (トランペッター 1/16 AFVシリーズ No.00915 )」です
●第2次世界大戦後期におけるソ連軍の駆逐戦車「SU-100」を1/16スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●車両搭載砲としてソ連軍で最も装甲貫通能力に優れた「100mm砲D-10S」を搭載した駆逐戦車「SU-100」を再現、傾斜した装甲を身に纏い、長大な主砲を装備したマッシブな姿を表現した内容となっています
●車体内部までも再現したフルインテリアキットとなっています【 「SU-100」について 】
●1941年、独ソ戦が開始されると、薄い装甲しか持たないソ連軍の軽戦車、装甲車などは大きな損害を受けましたが、一方で「T-34「KV-1」などの新鋭戦車はドイツ軍戦車相手に有利な戦いを展開します
●この戦車戦における優位さはしばらく続いたものの、ドイツ軍は既存の戦車の改良により徐々にその能力を向上させており、更にドイツ軍の新型戦車の開発状況を把握していたソ連軍にとって、将来的には形勢が逆転することが予想されていました
●一方、ソ連軍はドイツ軍が開発した「突撃砲」に興味を持っており、戦車と異なり砲塔を持たず、戦闘室に直接主砲を搭載することにより、より大きな主砲を搭載できるという「突撃砲」のレイアウトは様々な強力な火砲を保有しているソ連軍にとって極めて魅力的な車両で、このレイアウトを参考として1942年末には「T-34」の車体に「122mm砲」を搭載した「SU-122」が開発されます
●この「SU-122」に搭載された「122mm砲」は、榴弾砲を車載化したもので、本来の「突撃砲」の任務性に準じた歩兵支援用車両でしたが、この「SU-122」はその後のソ連軍の自走砲、駆逐戦車の形態の素地となっています
●上記の通り、ソ連軍では将来の戦車戦を想定して新規車両の開発を急いでおり、この「SU-122」をベースとして主砲を「85mm対戦車砲 D-5S」へと変更した駆逐戦車「SU-85」を1943年8月に開発、早速戦場に投入され対戦車戦闘に活躍しました
●ただ、大戦後期になると「T-34」自体に「85mm砲」を搭載したタイプが登場、戦闘室に直接砲を搭載する方式により大型の火砲を装備するという「SU-85」の優位性が失われてしまいます
●そこで、「SU-85」をベースに、搭載砲を「100mm砲 D-10S」に変更した「SU-100」が登場、1944年9月から生産が開始されています
●この「SU-100」は、「SU-85」の全面装甲厚が45mmだったのに対して、75mm厚と大幅に防御力を強化、搭載する「100mm砲 D-10S」は、装甲貫通能力の点で「JS-2」などが搭載する「122mm砲」を上回る能力を持ち、量産されたソ連軍戦闘車両の中では最も強力な装甲貫通能力を擁していました
●しかし、「SU-100」は、肝心の「100mm砲 D-10S」の生産が遅れてしまったため、車体のみが生産されてしまう事態となり、結果的に同車が実戦に投入されたのは1945年に入ってからとなりました
・ 主砲の無い「SU-100」の車体は、従来の「85mm砲」が搭載され、この車両は「SU-85M」と呼ばれています
●「SU-100」は、ドイツ軍の最後の攻勢となったバラトン湖周辺の戦いなどにおいて、重装甲を持つドイツ軍戦車に対してその装甲貫通能力の高さを発揮して活躍、「SU-100」はその実績から戦後も生産が続けられ、中東戦争ではアラブ諸国側の戦闘車両としてイスラエル軍戦車激闘を繰り広げたのです【 「ソビエト SU-100 自走砲」のキット内容について 】
●このソ連軍の駆逐戦車「SU-100」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●「SU-100」を1/16スケールというビックスケールで再現、防盾及びカラー部の鋳造表現、車体各部の溶接跡、各エンジングリルのスリット部などがスケールを活かして詳細に再現されており、迫力と繊細さを兼ね備えた大型AFVモデルの魅力を楽しむことができる内容となっています
●トランペッター社製「T-34/76 1942年型」をベースとして、「SU-100」を再現するために、戦闘室部分、車体内部の一部を新規パーツへと変更したバリエーションキットとなります
●エンジンを含めて車体及び戦闘室内部を再現したフルインテリアキット、各部に装備された砲弾ラックとラックに装着する砲弾もセットされています
●「SU-100」は、「主砲部」「戦闘室」「エンジンデッキ部」「車体下部」の4ブロックで構成されています
【 主砲部 】
●長大な主砲が左右分割式で再現、防盾及び車体側のカラー部には鋳造表現が施され、大型の固定ボルトを使用した迫力ある構造が表現されています
●「100mm砲 D-10S」の砲身は左右分割式で、先端部分は別パーツです
・ 先端部分は開口処理され、内側にはライフリングが彫刻されています
・ 防盾は1パーツで再現され、防盾(砲身)は完成後も上下左右に可動式とすることができます
【 戦闘室 】
●「SU-122」譲りの直線的で避弾経始を重視した形状を再現、「SU-100」の特徴である円筒状の車長キューポラは細分化されたパーツ構成で表現されています
●戦闘室は側面のフェンダーを含めて一体成型となっており、前部フェンダー、後部パネルは別パーツです
・ 戦闘室裏面には、内装側の各パネルを貼り付けます
・ 操縦手ハッチ、戦闘室天板部の各ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ ベンチレーターは別パーツで、内部のファン機能も再現
・ 各ペリスコープは、車内側3パーツ、車外側1パーツの合計4パーツで再現
●車長キューポラは上下分割式で、各視察装置を挟み込んで接着します
・ 車長ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
【 エンジンデッキ部 】
●エンジンデッキ部は「SU-100」のレイアウトに沿って積み上げ式のグリル構造を再現、各グリル部はモールドによる表現ながらビックスケールを活かして詳細に再現されています
●エンジンデッキ部はフェンダーも含めて一体成型され、後部パネル、吸気グリル部、後部グリル部は別パーツです
・上部と後部パネル部の点検ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 後部グリル部のメッシュ部分はエッチングパーツにて再現、内部の整風板などがパーツ化されています
・ 排気管は左右分割式で、装甲カバーは別パーツです
●車体後部の予備燃料タンクとドラム形発煙装置は、上下及び左右の4分割式で固定バンドと前後の取手はエッチングパーツとなっています
●フェンダー部分に装備されるグローサーとその固定フックがパーツ化、固定バンドはエッチングパーツで再現されています
●牽引ワイヤーは、アイの部分がプラパーツ、ワイヤー本体は付属の銅製ワイヤーを使用します
【 車体下部 】
●車体下部は、「T-34」ベースとしてのクリスティーサスペンションを金属バネ等を使用することで再現、可動式のサスペンションアームによりその動きも楽しむことができます
●車体下部は、バスタブ式に一体成型され、後部パネルは別パーツです
・ クリスティーサスペンションのコイルスプリングは金属バネで再現、これを装着した個別の車体内部側パーツを取り付けることによりその機能を再現します
・ サスペンションアームは個別にパーツ化され、車体内部側に装着するポリキャップにより上下に可動します
・ 転輪はホイール部とゴムの部分とに分割され、ゴムの部分は軟質素材となっています
・ 起動輪、誘導輪、転輪は、完成後も回転可動式とすることができます
【 履 帯 】
●履帯は、1枚ずつが分割された接着連結式履帯が付属しています
・ 履帯は、表面中央部にワッフル状のパターンが付いた「T-34」用履帯が再現されています
・ 説明書では接着式として記載されていますが、構造的には嵌め込み式による連結可動式になると思われます
【 内部再現 】
●車体内部は、以下の構造と各種装備が詳細に再現されています
・ 砲尾
・ 閉鎖器
・ 防危板
・ 旋回ハンドル
・ 薬莢受け
・ 砲架
・ 照準器
・ 砲手席
・ 室内灯
・ 操縦席
・ 操行レバー
・ 各種レバー、ペダル類
・ 燃料タンク
・ サスペンションの内部機能
・ 各部砲弾ラック (固定バンドを含む)
・ 砲弾 (×39)
・ 隔壁
・ 車長席
・ 装填手席
・ 無線機
・ エアフィルター
・ エンジン
・ ラジエター
・ トランスミッション
・ クラッチ
など
●前照灯のガラス部を再現するクリアーパーツが付属
●エンジングリルのメッシュ、予備燃料タンク類の固定バンド、砲弾ラックの一部、各部のディテールなどを再現するエッチングパーツが付属しています
【 塗装とマーキング 】
●「SU-100」のマーキングとして、ソ連軍仕様となる3種類の塗装例が説明書に記載されており、親衛マーク、車体番号、スローガンなどを再現したデカールが付属しています
●「ソビエト SU-100 自走砲」の完成時のサイズ
・ 全長 : 583mm
・ 全幅 : 188mm
●全1100パーツ
●2013年 一部新金型