イタリア CV3/33 カーロ ベローチェ セリエ2 (初期型)
「イタリア CV3/33 カーロ ベローチェ セリエ2 (初期型) (プラモデル) (ブロンコモデル 1/35 AFVモデル No.CB35125 )」です
●第2次世界大戦初期におけるイタリア軍の小型戦車「L3/33(CV3/33) カーロベローチェ」の「セリエ2 (初期型)」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立てキット
●第2次世界大戦初期においてイタリア軍の戦車戦力の主力となった「L3/33(CV3/33) カーロベローチェ」を再現、豆戦車と称される2人乗りのコンパクトな姿を表現した内容となっています【 「L3/33(CV3/33) カーロベローチェ セリエ2 (初期型)」について 】
●第1次世界大戦において世界初の近代戦車を登場させたイギリスは戦後において戦車技術の最先端国となりました
●このイギリスにおいて1920年代中頃に開発された「カーデンロイド機銃車」は、戦車というよりは移動式の機銃座に近い車両でしたが、その調達価格の低さは、世界恐慌のあおりを受けて軍事費の縮小の必要性と、それに相反する戦車装備の必要性という各国の軍隊に広く支持され、ベストセラー戦車となります
●この「カーデンロイド機銃車」は各国の戦車開発に大きな影響を与え、その影響が最も顕著だったのがイタリアでした
●イタリアは、山岳地が多いという国の地勢から大型の戦車は運用に適さないと判断、また工業力自体も列強国の中ではかなり低く、そのような国情を背景として輸入された「カーデンロイド機銃車」は高い評価を獲得します
●当初、この「カーデンロイド機銃車」をベースとしてコピーしたタイプ「CV29」を生産、さらにこの「CV29」をベースに拡大型として1933年にイタリア独自に開発した戦車が「CV3/33 カーロベローチェ」です
●「CV3/33 カーロベローチェ」は、「カーデンロイド機銃車 (CV29)」の車体を大幅に拡大、半露出式の戦闘室は密閉型へと変更されましたが、それでも車内容積は狭く、戦闘室の天板には操縦手用と機銃手用のそれぞれの専用ハッチが設けられています
●武装は、最初の生産タイプである「セリエ1」では口径6.5mmの機銃1丁のみでしたが、次の生産タイプである「「セリエ2」では口径8mmの機銃を連装式に装備する方式へと変化されました
●車体後部は、イタリア独自の仕様となり、この様式は後の「L6/40」「M13/40」にも継承されています
●また、車体後部には突き出した形で機銃用の三脚架が装備されており、この三脚架は連装式の機銃への変更により不要となりましたが、その後も装備している車両が見られます
●この「CV3/33 カーロベローチェ」は、装甲の接合をリベット式へと変更した「CV3/35 カーロベローチェ」と合わせて2000両以上を生産、イタリア軍のみならず、各国にも輸出が行われました
●1938年にはイタリア軍の区分変更により「CV3/33 カーロベローチェ」は「L3/33 カーロベローチェ」に名称を変更(「L」は軽戦車、「3」は重量トン数を示します)しています
●この「L3/33 カーロベローチェ」シリーズは、第2次世界大戦の開戦時におけるイタリア軍戦車戦力のほとんどを占めており、1935年にはエチオピア進攻、1936年にはスペイン内戦、その後もソマリア進攻、エジプト進攻などの際にも「戦車」として投入されています
●しかし、小型過ぎる「L3/33 カーロベローチェ」は攻撃力、防御力共に「戦車」としては能力不足なのは1935年のエチオピア進攻の際に明らかとなっており、第2次世界大戦が開戦した1939年には戦場での運用が難しい第2線級兵器となっていました
●しかし、イタリアの工業力の関係から中戦車である「M11/39」「M13/40」への更新はなかなか進まず、北アフリカ戦線の緒戦(エジプト進攻)においてもこの「L3/33 カーロベローチェ」が戦車戦力の多くを占めていました
●1940年9月、リビアに展開していたイタリア軍はイギリス領のエジプトへと進攻、これが1943年5月まで続く北アフリカ戦線の始まりとなりました
●前述の通り、このイタリア軍の戦車戦力には多くの「L3/33 カーロベローチェ」が配備されており、その進攻緒戦においては活躍しましたが、イギリス軍の反攻時には多数が撃破されてしまいます
●特に、戦車戦においては「L3/33 カーロベローチェ」は成す術がない状態で、その後イタリア軍では同車を歩兵師団への直協部隊用の戦車として格下げし、機甲師団においては「M11/39」「M13/40」が主力戦車として用いられました
●「L3/33 カーロベローチェ」は、イタリア戦車史に残る存在でしたが、火力と装甲とを求められる第2次世界大戦においてはその両方の要因共に不足し、更に小型過ぎることから発展性にも乏しく、大戦中期以降は戦場から引き上げられ、対パルチザン戦などで活用されています
【 「イタリア CV3/33 カーロ ベローチェ セリエ2 (初期型)」のキット内容について 】
●このイタリア軍の小型戦車「L3/33(CV3/33) カーロベローチェ」の「セリエ2 (初期型)」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●ブロンコモデル社のディテール表現力と高い成型力により「L3/33(CV3/33) カーロベローチェ セリエ2 (初期型)」を再現、細かな造形とパーツの細分化により同車のフォルムとディテールとを表現した内容となっています
●キットは、「L3/33(CV3/33) カーロベローチェ セリエ2 (初期型)」の車内構造も再現、乗員用ハッチ、視察ハッチ、点検ハッチは別パーツとなっていますので、極めてコンパクトな車体に機能が凝縮された様子を楽しむことができます
●ブロンコモデル社製「イタリア CVL3/33 小型戦車 カーロ ベローチェ イタリア軍陸軍」をベースとして、「セリエ2 (初期型)」を再現するために、車体上部、車体側面パネル、後部パネルなどを新規パーツへと変更したバリエーションキットです
●「L3/33(CV3/33) カーロベローチェ セリエ2 (初期型)」は、「車体上部」「車体下部」の2ブロックで構成されています
【 車体上部 】
●車体上部は、「L3/33(CV3/33) カーロベローチェ セリエ2(初期型)」としての武装と、三脚架を装備した状態を再現、リベット、溶接跡などが繊細に彫刻されています
●車体上部は、「車体前部」と「エンジンデッキ部」とで構成
●「車体前部」は、フェンダーを含めて一体成型され、戦闘室前面パネルは別パーツです
・ 機銃は個別にパーツ化され、銃口部分は開口処理されています
・ 機銃マウントは5パーツで構成され、可動式とすることができます
・ 操縦手ハッチ、機銃手ハッチは別パーツで開閉状態が選択できます
・ 各ハッチのロック装置がパーツ化
・ 操縦手用の視察ハッチ、戦闘室後部の視察ハッチも別パーツで、開閉状態が選択可能です
・ 前照灯は本体とガラス部とで構成され、ガラス部はクリアーパーツです
・ 後方に装備される機銃用の三脚架は3パーツで構成され、固定バンドはエッチングパーツとなります
●「エンジンデッキ部」は、上面部分が一体成型されています
・ エンジン点検ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ ハッチのヒンジがパーツ化
・ 排気管は上下分割式で、装甲カバーは別パーツです
【 車体下部 】
●車体下部は、「L3/33(CV3/33) カーロベローチェ セリエ2(初期型)」特有のビームを装備したクラシカルな足周りを再現、一部連結式履帯は刻印まで彫刻されています
●車体下部は各パネルを貼り合わせる箱組み方式となっています
・ 後部パネルは細部が異なる2種のパーツが付属、選択して使用します
・ 各サスペンションユニットは、転輪も含めて11パーツで構成(全4ユニット)
・ 起動輪は本体とハブキャップとの2分割式で回転可動式とすることができます
・ 誘導輪は左右分割式です
・ 車体側面の雑具箱は1パーツにて再現
【 履 帯 】
●履帯は、一部連結式履帯が付属しています
・ 上部の直線部は繋がった状態のパーツ、前後の曲線部は1枚もしくは2枚に分割されたパーツとなります
【 内部構造について 】
●エンジンルームを含めた以下の車体の内部構造が再現されています
・ エンジン
・ ラジエター
・ トランスミッション
・ クラッチ
・ ドライブシャフト
・ 最終減速器
・ 後部の隔壁
・ 操縦席
・ 機銃手席
・ 操行レバー
・ 変速レバー
・ 各種ペダル
・ 燃料タンク
・ 弾薬ラック
・ 機関銃の機関部
など
●前照灯のガラス部を再現するクリアーパーツが付属
●フェンダー固定具、機銃開口部のガード、三脚架固定バンドなどを再現するエッチングパーツが付属しています
【 塗装とマーキング 】
●「L3/33(CV3/33) カーロベローチェ セリエ2(初期型)」のマーキングとして、3種類の塗装例が説明書に記載されています
・ サロ共和国軍 (RSI軍) 「Leoncello」戦闘団 (北イタリア / 1944年)
・ ドイツ軍捕獲車両 (イタリア / 1943年)
・ イタリア陸軍 第5軍 第23軍団 特別機甲旅団所属 (リビア / 1940年)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、部隊表示、車両番号などを再現したデカールが付属しています
●2014年 一部新金型