メルカバ Mk.2D
「メルカバ Mk.2D (プラモデル) (アカデミー 1/35 Armors No.13286 )」です
●イスラエル国防軍の主力戦車「メルカバ Mk.2D」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●「メルカバ Mk.2」をベースとして、砲塔全周部と操縦席前面にモジュラー装甲を装備、防御力を大幅に向上させた「メルカバ Mk.2D」を再現、「メルカバ戦車」シリーズ初期の形状を色濃く残しながらもモジュラー装甲により迫力を増したフォルムを表現した内容となっています
●アカデミー社製「I.D.F. メルカバ Mk.2」をベースとして、「メルカバ Mk.2D」を再現するために、転輪の一部を 「メルカバ Mk.4」のパーツを流用、砲塔、車体上部、サイドスカート、履帯などを新規パーツへと変更したバリエーションキットとなります【 「メルカバ Mk.2D」について 】
●イスラエルは、ユダヤ人発祥の地としてパレスチナ地域に新たに建国した国家であり、その建国時に同地に住んでいたアラブ人(パレスチナ人)を他の地へと排除する形となってしまい、周囲のアラブ国家との紛争が終始続いています
●このパレスチナの地は、荒涼とした大地が広がるために、装甲を装備した戦車の役割は大きく、建国当時は各国から戦車を掻き集めて必死に防戦を行いました
・ 周辺国への配慮から列強国からの戦車は禁輸されており、密輸もしくはパーツを集めて組み立てるという方法でした
●第1次、第2次中東戦争を経て、世界情勢の変化からイギリスから「センチュリオン」戦車を輸入することが可能となり、イスラエル独自に改造が行われた同車は1967年の第3次中東戦争においてイスラエル国防軍の機甲戦力の中核となり活躍、勝利の原動力となりました
●「センチュリオン」は、西側諸国の戦車では装甲が厚く、イギリス車輌ならではの堅実な設計による足周りの堅牢さは定評を得ていました
●そこで、イスラエル国防軍は、「センチュリオン」の後継としてイギリス軍が配備していた「チーフテン」の獲得を望み、イギリスと交渉を開始します
・ 「チーフテン」は、戦後第2世代戦車としては最も強力な防御力を持ち、搭載している「120mm ライフル砲」は当時では最大の火力を誇っていたため、イスラエルの国情に合った戦車でした
●しかし、イギリスは周囲のアラブ諸国の反発により、石油資源の輸入が困難となることを恐れてこれを拒否、イスラエルはこれまで自国で戦車を改造してきた経験を踏まえ、戦車の国産化の途を選びます
●この国産戦車の開発にあたっては、イスラエルの国情が大きく反映され、人口が少ない同国にとって人的損害は国の存亡に関わるものとして、徹底的に防御力の強化が考慮されました
●1979年、初めての国産戦車「メルカバ Mk.1」が完成、同車はエンジンを車体前部に搭載するという戦車としては極めて変則的なレイアウトを持ち、これは戦車の心臓となるエンジンですら乗員への防御材として活用するというイスラエル独自の設計思想のよるものでした
●砲塔は、前方に向かって斜めとなった楔形形状を採用、これも跳弾や装甲厚により、被弾時の損害を抑えるものとなっています
●1983年、イスラエル国防軍の市街戦での戦訓から、砲塔部を中心に追加装甲が施された「メルカバ Mk.2」が登場、「メルカバ Mk.1」が外装式の60mm迫撃砲を装備していたのに対して、「メルカバ Mk.2」では砲塔への内装式へと変化、車内からの装填が可能となりました
●その後、「メルカバ戦車」シリーズは、「メルカバ Mk.3」「メルカバ Mk.4」と進化し、さらに装甲が強化、その装甲の強化も「メルカバ Mk.1」が強く意識していた正規軍同士の戦闘における正面部分の被弾から変わり、対ゲリラ戦、市街戦に基づいた全周防御を考慮したものとなりました
●この防御思想の変化は、既存の車両にも適用され、「メルカバ Mk.2」をベースとした防御力強化型が「メルカバ Mk.2D」です
●「メルカバ Mk.2D」は、砲塔部分は全周式に、車体には操縦席前面部にモジュラー装甲が装着され、大幅に防御力が向上、主砲は正規軍同士の戦闘の可能性が低くなったために従来の「105mm戦車砲 L7」がそのまま装備されています
●「メルカバ Mk.2D」は、「メルカバ Mk.2」の本格的な改良型としてその性能と姿は大きく変化しましたが、現在「メルカバ戦車」シリーズは「メルカバ Mk.3」「メルカバ Mk.4」が主力を占めるようになっており、「メルカバ Mk.2」から「メルカバ Mk.2D」への改造は少数に留まっています
【 「メルカバ Mk.2D」のキット内容について 】
●このイスラエル国防軍の主力戦車「メルカバ Mk.2D」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●「メルカバ Mk.2D」の車体の基本躯体はスライド式金型を使用した一体成型を多用、追加装甲による複雑な形状と、イスラエル軍車両独特の表面上の細かなディテールをモールド表現を中心に再現、砲塔や車体後部のバスケット、砲塔上の機銃などは細分化されたパーツ構成により表現した内容となっています
●「メルカバ Mk.2D」の特徴である砲塔後部のチェーンカーテンは、スケールに沿った表現によるプラパーツが用意されています
●「メルカバ Mk.2D」は、「砲塔」「車体上部」「後部パネル」「車体下部」の4ブロックで構成されています
【 砲 塔 】
●砲塔は、「メルカバ Mk.2D」仕様となるモジュラー装甲を装備した複雑な形状を立体的に再現、表面のフック、ボルトなどが繊細なモールドで彫刻されています
●「105mm戦車砲 L7」の砲身は左右分割のパーツで構成、先端部と排煙器は別パーツとなっています
・ 砲口部分は開口されています
・ 排煙器は左右分割のパーツ
・ 防盾部は前後に分割されたパーツで、防盾上部の装甲部分は2パーツで構成されています
・ 砲身は上下に可動させることができます
●砲塔は、追加装甲も含めて上下分割のパーツで構成
・ 天板部のモジュラー装甲は別パーツ化されています
・ 砲手サイトは後部が砲塔に一体成型され、前面部、天板部、サイトの扉がパーツ化
・ 装填手ハッチは別パーツで、開閉状態を選択することができます
・ 砲塔左右のスモークディスチャージャーは前後に分割されたパーツで構成
・ 砲塔バスケットは各パネルを貼り合せる箱組み方式です
●車長ハッチ部分は、ハッチ式タイプとキューポラタイプとが付属、選択して使用します
・ ハッチ式タイプは上部のペリスコープがパーツ化され、ハッチは開閉状態が選択できます
・ キューポラタイプは、ベース部分、周囲のビジョンブロック、天板部で構成されています
●砲塔後部のチェーンカーテンは、各ブロックごとに成型されたプラパーツとなっています
・ チェーン部分は、リングによる連結がスケールに沿ったモールドで表現されています
●「M2重機関銃」は、左右分割式の機関部と銃身部とで構成
・ 銃口部分が開口処理されています
・ 機関部のカバーは別パーツとなっており、開閉状態が選択できます
・ グリップ部、コッキングハンドルなどがパーツ化
・ 銃架は5パーツで構成
●装填手ハッチ部分に装備される「7.62mm機関銃」は銃架が一体成型されています
・ 銃口部分は開口処理済みです
●車長ハッチ部分に装備され「7.62mm機関銃」は、機銃本体と3パーツで構成される銃架とで構成
・ 銃口部分は開口処理済みです
・ 銃架に装着されるサーチライトがパーツ化
【 車体上部 】
●車体上部は、「メルカバ Mk.2D」としての車体レイアウトとモジュラー装甲を再現、車体表面のボルト、上面の各グリル、スリットなどが繊細なモールドで表現されています
●車体上部は、主要部が一体成型され、側面パネルの一部と排気グリル部が別パーツ化されています
・ 操縦手ハッチは別パーツで、開閉状態を選択することができます
・ 排気グリル部のメッシュを再現するエッチングパーツが付属
・ 前照灯は別パーツで、ライトガードはエッチングパーツが用意されています
・ 操縦手用ペリスコープは別パーツで、クリアーパーツとなっています
●側面の装甲スカートは、通常装甲型と複合装甲型とが付属、選択して使用します
・ 装甲スカートは一体成型で、内側の取り付け部は別パーツとなります
【 後部パネル 】
●後部パネルは、「メルカバ戦車」シリーズ共通の後部にハッチが設けられた構造が再現されています
●後部パネルは、フェンダーを含めて一体成型となっています
・ 後部ハッチは、上部と下部とがそれぞれ上下分割式で、開閉状態が選択できます
・ フェンダー上の構造物は個別にパーツ化されています
・ 後部のバスケットは、フレームとパネルとを組み合わせて作製します
【 車体下部 】
●車体下部は、対地雷対策として若干舟型となった形状を再現、前面部にはドーザー取り付け用のベースが表現されています
●車体下部はバスタブ式で一体成型されています
・ 車体下部の追加装甲は別パーツとなっています
・ サスペンションユニットは各1パーツにて再現
・ 下部転輪は、ゴムの部分が太いタイプと細いタイプの2種が付属、選択して使用します
・ 下部転輪、起動輪、誘導輪は内蔵させるポリキャップにより回転可動します
【 履 帯 】
●履帯は、軟質素材によるベルト式履帯が付属しています
・ 履帯は焼き止め式で繋ぎます
●排気グリルのメッシュ、上部グリルのカバーなどを再現するエッチングパーツが付属しています
【 塗装とマーキング 】
●「メルカバ Mk.2D」のマーキングとして、イスラエル国防軍仕様となる1種類の塗装例と2種類のマーキング例が説明書に記載されており、マーキング例に基づく部隊表示、車体番号、シェブロンマークなどを再現したデカールが付属しています
●2014年 一部新金型