ソ連 ZiS-30 対戦車自走砲
「ソ連 ZiS-30 対戦車自走砲 (プラモデル) (Mirror Models 1/35 AFVモデル No.35202 )」です
●第2次世界大戦初期におけるソ連軍の対戦車自走砲「ZiS-30」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●小型の軽装甲トラクターに長砲身の対戦車砲を装備した「ZiS-30」を再現、いかにも急造兵器そのものであるアンバランスでトップヘビーな姿を再現した内容となっています
●ミラーモデル社製「ソ連 コムソモーレッツ 砲牽引トラクター 後期型 1938年後期型/1940年型」をベースに、対戦車自走砲「ZiS-30」を再現するために、「57mm対戦車砲 ZiS-2」とプラットフォーム部分の新規パーツを追加したバリエーションキットとなります
【 「対戦車自走砲 ZiS-30」について 】
●1941年6月、ドイツ軍は突如としてソ連領内に進攻を開始、ドイツ軍はソ連軍に壊滅的なダメージを与え、怒涛のように進撃を行いました
●このためソ連軍では戦時急造の対戦車自走砲を生産することを決定、その砲には「57mm対戦車砲 ZiS-2」が選ばれました
●この「57mm対戦車砲 ZiS-2」は、73口径という極めて長い砲身長を持つ対戦車砲で、その装甲貫通能力は中戦車「T-34」が搭載していた「76.2mm戦車砲」よりも遥かに強力でした
●車体には軽装甲トラクター「T-20 コムソモーレッツ」が使われ、車体後部の兵員スペースに簡単なプラットフォームと砲架を設置、その上に「57mm対戦車砲 ZiS-2」が取り付けられました
●この対戦車自走砲は「ZiS-30」という名称が付けられて101両が生産、本来の要求はより大量なものでしたが、「57mm対戦車砲 ZiS-2」自体が高コストで生産が控えられていたことと、「T-20 コムソモーレッツ」が生産が終了していたことにより、この生産数となっています
●1941年9月、ドイツ軍がモスクワ前面に迫ると、対戦車自走砲「ZiS-30」は戦場に投入され、その装甲貫通能力は全てのドイツ戦車の前面装甲を貫く能力を示し、ドイツ軍に対して大きな損害を与えました
●しかし、小型のトラクターに反動の大きな長砲身砲を装備したことにより、兵器としての安定性に欠き、反動を吸収しにくい問題点がありました
●また、最大の欠点は防御力が皆無に等しかったことで、兵士がほとんど身体を露出した状態で操作し、対戦車砲よりもシルエットは高いため、砲兵射撃はもとより小火器による射撃でも致命的となりかねませんでした
●モスクワ周辺を巡る激しい戦いの中、対戦車自走砲「ZiS-30」は1942年の夏までに全ての車両を全損、ソ連軍の首脳部はその活躍からさらなる増産を求めましたが、上記のように「コムソモーレッツ」の生産が終了していたため、車両が揃わずに断念されています
●対戦車自走砲「ZiS-30」は、装甲貫通能力の高さの点で、対戦車自走砲としては成功作となりましたが、その存在はドイツ軍はもとより操作するソ連軍兵士にとっても危ないものであり、増産されなかったのは幸いだったとも言えるのかもしれません
・ ドイツ軍の場合、このような大威力の対戦車自走砲はアウトレンジ射撃が基本となりますが、対戦車自走砲「ZiS-30」は57mmという小さな口径から、長距離射撃はその威力が大きく低下してしまうので、得策とは言えませんでした(照準器の性能も悪かったようです)
【 「ソ連 ZiS-30 対戦車自走砲」のキット内容について 】
●このソ連軍の対戦車自走砲「ZiS-30」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●細分化したパーツ構成で対戦車自走砲「ZiS-30」のディテール表現に重点をおいて再現した内容となっています
●高い成型技術を用いて各パーツは繊細かつシャープに造形されており、パーツ表面のモールドも繊細なタッチ、付属のエッチングパーツは最小限となっていますが、パーツ数の多さと組立の構成の点で中級者以上のユーザーを対象としたキットとなります
●対戦車自走砲「ZiS-30」は、「砲」「車体下部」「駆動装置」「操縦室部分」「プラットフォーム部」の5ブロックで構成されています
【 砲 】
●砲は、砲身、揺架、防盾の各ブロックで構成されています
●「57mm対戦車砲 ZiS-2」の砲身は左右に分割したパーツ構成となっています
・ 砲尾は左右に分割したパーツで再現
・ 閉鎖器は前後に分割したパーツ構成で、開閉状態を選択することができます
●揺架は、揺架の前方部分をベースとして、揺架の後部、左右に配置される平衡器、操作ハンドル、防危板、照準器などを取り付けます
・ 平衡器は左右に分割したパーツ構成でシリンダーとその前方の歯車を再現
・ 砲架は歯車状の構造が再現され、平衡器の前部に取り付けます
●防盾は、一体成型のパーツで再現、表側と裏側のリベットなどのディテールが彫刻で再現されています
・ 防盾パーツは、薄く成型されています
【 プラットフォーム部 】
●プラットフォーム部は、各パネルを貼り合わせて作製します
・ プラットフォーム上部に付く弾薬庫は、箱組み状に各パネルを貼り合わせて作製します
・ プラットフォーム左右に付く延長用のパネルは別パーツとなっており、展開した状態と折り畳んだ状態とを選択することができます
・ トラベリングロックは別パーツ化して再現しています
●車体後部は、エンジングリル部と後部パネルとで構成され、これに3枚で構成されたエンジングリルカバーを取り付けます
・ 車体後部に装備される弾薬箱が付属しています
【 車体下部 】
●車体下部は、箱組み状に各パネルを貼り合せて作製します
・ 左右のフェンダーは、それぞれ一体成型のパーツで再現されています
・ サスペンションユニットは転輪も含めて11パーツで構成 (全4ユニット)
・ 起動輪、転輪、誘導輪も一体成型のパーツで再現、ハブキャップは別パーツ化されています
【 駆動装置 】
●エンジン部分は21パーツで、エンジン本体、ラジエター、ファンベルト、冷却ファン、発電機、クラッチなどを再現
●車内を通る、ドライブシャフト、動力伝達装置、最終減速器などもパーツ化されています
【 操縦室部分 】
●操縦室部分は、箱組み状に各パネルを貼り合せて作製します
・ 前方機銃のマウントは5パーツで構成
・ 機銃マウントに装備される「DT機関銃」は、機関部も一体成型されており、ドラム式弾倉は別パーツとなっています
・ 上部ハッチは別パーツで、開閉状態を選択することができます
・ 視察ハッチは別パーツで、内部機能も再現されており、開閉状態が選択可能です
●操縦席内部は各座席、変速レバー、メーターパネルなどが再現されています
・ 操行レバー、ペダルなどはエッチングパーツにて再現
【 履 帯 】
●履帯は、1枚ずつが分割された接着連結式履帯が付属しています
・ 履帯は、肉抜き穴が開いた裏側のガイドが2枚となるシングルピン式履帯が再現されています
●操行レバー、各種ペダル、エンジングリル部分のディテールなどを再現するエッチングパーツが付属しています
【 対戦車自走砲「ZiS-30」の塗装 】
●説明書には、対戦車自走砲「ZiS-30」のソ連軍仕様となる2種の塗装例が記載されています
【 「ソ連 ZiS-30 対戦車自走砲」のパッケージ内容 】
・ ソ連軍 対戦車自走砲 ZiS-30 ×1
●2014年 一部新金型