M32 戦車回収車 陸上自衛隊仕様
「M32 戦車回収車 陸上自衛隊仕様 (プラモデル) (アスカモデル 1/35 プラスチックモデルキット No.35-029 )」です
●陸上自衛隊の戦車回収車「M32」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●「M4A1」をベースにした戦車回収車「M32」を再現、鋳造式の車体に大型のクレーンを装備した特徴的なフォルムを再現した内容となっています
●アスカモデル社製「アメリカ戦車回収車 M32B1」をベースに、陸上自衛隊仕様車を再現するため、キューポラ、後部補強板、後部のマッドガード、司令塔のカバーなどの新規パーツを追加したバリエーションキットとなります
【 「M32 戦車回収車」について 】
●戦車などの装甲車輌は、堅牢な装甲板で構成されるために構造が頑丈で、たとえ撃破されたとしても、よほど大きなダメージを伴わない限り、回収さえできれば修理した後に再利用することが可能です
●このため、撃破・破損・擱座した戦車を回収するためのトレーラーや牽引ハーフトラックなどの車輌が開発されましたが、回収の必要がある車輌は前線で取り残されている場合が多く、前線に進出する危険な任務のために、防御力に優れた戦車をベースにした車輌の開発が望まれす
●アメリカ軍は、当初「M3 中戦車」をベースとした戦車回収車「M31」を開発、主砲及び副砲を撤去(ダミーが取り付けられている)し、砲塔部分にクレーンを装備していました
●しかし「M3 中戦車」はアメリカ軍において短命に終わり、「M4 中戦車」シリーズが大量に装備され始めると、同戦車をベースとした回収車「M32」が登場します
・ 「M32」は「M4」の砲塔を撤去、「M31」よりも大型のクレーンを装備しているので高い懸架能力を持ち、横転やスタックした車輛を救助することができました
・ また、牽引用の「ドロウバー」を2種類搭載しており、故障車の牽引を行うことも可能でした
●また、「M32」に装備しているクレーンは、エンジンの交換や、砲塔部を吊り下げることも可能であり、回収作業の他に前線後方での車輌整備や修理にも使用され、アメリカ機甲部隊を陰から支えたのでした
●戦後暫くして発足した日本の陸上自衛隊は、アメリカから装備を供給され、戦車の供与に合わせて「M32」も一定数の供与が行われました
●1960年代に入ると陸上自衛隊では国産車両の開発が行われるようになりましたが、一方で防衛予算は限られていたため、戦車回収車などの支援車両の開発は遅々として進みませんでした
●1970年には、「61式戦車」をベースとした戦車回収車「70式戦車回収車」を開発、しかし、この「70式戦車回収車」は予算の都合から4両程度という極めて少数の生産に留まり、1970年代に至っても「M32」の運用が続くことになります
●ただし、陸上自衛隊では戦車回収車による戦車の回収作業が必要となる場合はほとんどなく、戦車がスタックした場合も複数の僚車があれば牽引が可能でした
●また、日本の土木機械の発達は目覚しいものがあり、1970年代後半になると民間用車両を転用した装輪式のクレーン車を戦車部隊に配備、使い勝手の良さからクレーンを必要とする作業には戦車回収車よりもこのクレーン車の方を頻繁に使っていました
●「M32」は「70式戦車回収車」と共に1980年代まで運用が続けられ、戦車部隊の部隊運用に貢献、「74式戦車」の本州への配備が進むと徐々に姿を消して行きました
・ 「M32」は1985年頃までは部隊に在籍しており、全車が退役したのは1980年代後期になるものと思われます
【 「M32 戦車回収車 陸上自衛隊仕様」 プラモデルの内容 】
●この陸上自衛隊で運用された戦車回収車「M32」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●アスカモデルの彫刻技術と実車への深い造詣、そして模型としての表現力により「M32」を再現、細やかな装備品を身に纏った特徴的な姿を高いレベルで再現した内容となっています
●戦車運搬車に次ぐ特異な存在である戦車回収車「M32」を再現、同車を利用した戦車の牽引や、クレーンを展開して回収や整備のシーンなど、インパクトの在る様々なジオラマシーンが演出することができるでしょう
●「M32」は、「司令塔」「車体上部」「車体下部」「クレーン部」の4ブロックで構成しています
【 司令塔 】
●複雑な形状の司令塔を再現、陸上自衛隊仕様としてビジョンブロックが付いた車長キューポラを装備した状態を再現しています
●司令塔は、各パネルを箱組み状に貼り合せて作製します
・ 車長キューポラは、成型色パーツとクリアパーツの2種をセット、選択して組み立てることができます
・ 車長ハッチは別パーツ化、開閉状態を選択して組み立てることができます
・ 司令塔内部の座席、装備品類を別パーツ化して再現しています
●「M2 重機関銃」が付属しています
・ 陸上自衛隊仕様車には「M2重機関銃」は装備しません
【 車体上部 】
●「M4A1」の初期型車体を使用した「M32」の車体レイアウトを再現、パーツ表面には鋳造肌を繊細なモールドで再現しています
●車体上部はエンジンルームを除き、一体成型となったパーツで再現
・ 操縦手ハッチ、前方機銃手ハッチは別パーツ化、開閉状態を選択して組み立てることができます
・ エンジンルーム天板部分と点検ハッチは別パーツ化して再現しています
・ 前照灯のガラス部はクリアパーツで再現
・ 後部のエアークリーナーは、角型のパーツを使用します
・ 車体後部の吸気口のメッシュは付属のエッチングで再現
・ 前部フェンダーは車体とは別パーツとなっています
・ 側面のサイドスカートを取り付ける基部のパーツが付属しています
・ 右側後部の吸気口は、穴を開口して付属のアセチレンボンベを取り付けます
●クレーン部は、本体のメインブームと、先端を支持するAフレームに分割したパーツ構成
・ メインブームは足掛け部分も含めた一体成型のパーツ、Aフレームは左右に分割したパーツ構成となります
・ クレーンは後部に折り畳んだ状態と、前部に展開した状態とを選択できます
・ クレーンのワイヤーには、付属の2種類の紐を使用します
【 車体下部 】
●車体下部は各パネルを箱組み状に貼り合せて作製します
・ デファレンシャルカバーは、丸みが付いたワンピースタイプを再現
●「VVSS」サスペンションは、リターンローラーの支持架が水平タイプの初期型を再現
・ 各サスペンションユニットは14個に分割したパーツで詳細に再現しています
・ サスペンションのアーム部分は可動することができ、内蔵させる特殊なラバーシートによりスムーズかつ反発性の有る動きを再現しています
・ サスペンション部は左右分割式で、サポートローラーと垂直式バネ、ゴムシートなどを挟み込み、これにサスペンションアームを取り付けるパーツ構成となっています
●転輪は、スポークタイプとソリッドタイプの2種がセットされており、選択して使用します
・ 起動輪、誘導輪、転輪、リターンローラーは回転可動とすることができます
●司令塔の開口部から見える部分の車体内部構造を再現しています
・ 戦闘室(作業室)底板、スポンソン部に設けられた道具箱などがパーツ化
・ ワイヤーによりクレーンに接続されるウインチドラムが再現、クレーンの位置によりカバーの開閉状態を選択します
【 履 帯 】
●履帯は接着、塗装が可能な素材によるベルト式履帯が付属しています
・ 履帯は、全鋼製の「T49」履帯を再現、モデルカステン製「M4シャーマン戦車用履帯 T49型 (可動式)」がこれに対応しています
【 アクセサリーパーツ 】
●アクセサリーパーツが付属
・ アセチレンボンベ ×1
・ 酸素ボンベ ×1
・ 鎖パーツ(1個ずつのリングに分割しています)
・ 救急箱 ×1
・ ホース ×2
●車長キューポラ、ペリスコープ、前照灯のガラス部などを再現するクリアパーツが付属
●吸気口のメッシュ、エンジン点検ハッチのメッシュなどを再現するエッチングパーツが付属しています
【 「M32 戦車回収車」の塗装とマーキング 】
●「M32 戦車回収車 陸上自衛隊仕様」のマーキングとして、陸上自衛隊仕様となる3種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 第12戦車大隊 本部管理中隊
・ 富士学校
・ 第7師団 第7武器隊
●説明書の塗装例に基づく国籍マーク、車両番号、部隊表示、車番表示などを再現したデカールが付属しています
【 「M32 戦車回収車 陸上自衛隊仕様」のパッケージ内容 】
・ 陸上自衛隊 戦車回収車 M32 ×1
・ エッチングシート ×1
・ デカールシート ×1
・ 紐 ×2
・ アクセサリーパーツ 一式
・ 組立て説明書 ×1
●2014年 一部新金型