イギリス ロイドキャリアー No.2 Mk.2 砲牽引型
「イギリス ロイドキャリアー No.2 Mk.2 砲牽引型 (プラモデル) (ブロンコモデル 1/35 AFVモデル No.CB35188 )」です
●第2次世界大戦時におけるイギリス軍の牽引トラクター「ロイドキャリアー No.2 Mk.2」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●火砲牽引車用に特化した小型の牽引トラクター「ロイドキャリアー No.2 Mk.2」を再現、非装甲のボディに、上部をオープントップ化した特異なフォルムを再現した内容となっています
【 「ロイドキャリアー」について 】
●1925年にイギリスで登場した豆戦車「カーデンロイド機銃車」は世界各国から大きな反響を受け、その後の戦車開発史に影響を与える存在となりました
●イタリア、日本、ポーランドといった国々では「カーデンロイド機銃車」は国産の軽戦車へと成長しましたが、本国であるイギリスでは戦車としては小さ過ぎると判断、兵員輸送車及び牽引車として発展して行きました
●その流れとして1940年に登場したのが「ユニバーサルキャリアー」で、オープントップの車体形状でありながら装甲化したボディを持ち、兵員輸送から強行偵察任務、火砲牽引と様々な用途で運用が行われています
●その名の通りに多目的で運用が行われた「ユニバーサルキャリアー」に対して、火砲牽引目的に特化して独自に開発を行ったのが「ロイドキャリアー」です
●「ロイドキャリアー」は、「カーデンロイド機銃車」を開発を担当した「ビビアン・ロイド」がイギリス陸軍の依頼により開発したものです
●「ロイドキャリアー」は、徹底的なコスト削減を目的として、パーツを民間用車両などから調達、あくまでも戦線後方での運用を前提としたために、ボディは軟鉄製で非装甲でした
●この「ロイドキャリアー」は1940年から生産が始まりましたが、同時期には「ユニバーサルキャリアー」が一定数揃っていたことと、非装甲の車両だったことから「ロイドキャリアー」は本来の火砲牽引よりも後方での兵員輸送が主な任務となりました
●大戦中期以降の「ロイドキャリアー」は、「6ポンド砲」専門の牽引車として運用、「ユニバーサルキャリアー」の性能には及びませんでしたが、操行装置の扱い易さによって将兵からは高い評価を獲得したのでした
【 「イギリス ロイドキャリアー No.2 Mk.2 砲牽引型」のキット内容について 】
●このイギリス軍の牽引トラクター「ロイドキャリアー No.2 Mk.2」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●細分化したパーツ構成と、高い成型力で細かな部分まで繊細に再現したパーツで「ロイドキャリアー No.2 Mk.2」の細部表現に重きを置いた内容となっています
●「ロイドキャリアー No.2 Mk.2」は、オープントップの状態、幌枠のみを付けた状態、幌を装着して側面を跳ね上げた状態、上部に幌を展開した状態の4種の状態から1種を選択して作製します
●「ロイドキャリアー No.2 Mk.2」は、ベースとなる「シャーシ」に、「エンジン」「車体上部」「各種装備品類」「幌」を取り付ける構成となっています
【 車体上部 】
●車体上部は各パネルを箱組み状に貼り合せて作製します
・ 各パネルには表面部だけではなく、裏面のリベット、フレーム構造などをモールドで再現しています
・ 前照灯は管制カバーの大きさの異なる2種のタイプをセット、選択して使用します
・ 車載工具類は、工具本体とエッチングパーツによる固定具で構成
・ 車体前面部の予備転輪ラックに装着する、予備転輪2種(スポークタイプ、プレスタイプ)、タイヤが付属、選択して取り付けます
●フェンダーは左右それぞれ一体成型のパーツで再現
・ サスペンションカバーもそれぞれ一体成型のパーツで再現しています
●操縦室部分は、座席、各種レバー、ペダル類、メーターパネルなどを再現しています
・ 操縦席は、上下に分割したクッション部と、前後に分割した背もたれ部との4パーツで構成
・ 操縦席両側部と後方に配置する座席(×3)が付属しています
【 エンジン 】
●エンジン本体は35パーツで構成、シリンダーヘッド、発電機、冷却ファン、ファンベルトなどを繊細なパーツで詳細に再現しています
・ ラジエターは前後に分割したパーツ構成となっています
・ 冷却ファンはエッチングパーツで再現しています
●エンジン部分のカバーは、各パネルを箱組み状に貼り合せて作製します
・ 前後面のメッシュ状のカバーは、エッチングパーツで再現
・ エンジン部分のカバーに装着する「ブレン軽機関銃」(×1)が付属
【 各種装備品類 】
●「ロイドキャリアー No.2 Mk.2」に搭載する各種装備品が付属、車体の各部に配置します
・ 「6ポンド砲」の砲弾ケース ×3
・ 大型収納箱 ×1
・ 中型収納箱 ×1
・ 小型収納箱 ×1
・ ブレン軽機関銃弾薬箱 ×1
・ タンク ×2
・ 雑嚢 ×4
・ 巻いたシート ×2
・ 携行缶 ×2
など
【 幌 】
●「ロイドキャリアーNo.2 Mk.2」は、オープントップの状態、幌枠のみを付けた状態、幌を装着して側面を跳ね上げた状態、上部に幌を展開した状態の4種の状態から1種を選択して作製することができます
・ 幌枠は1本ずつ個別にパーツ化、車体に取り付けます
・ 幌は、上面部分を1パーツで再現、これに畳んだ側面パーツ、もしくは展開した側面パーツを取り付けて作製します
・ 幌を固定するバンドはエッチングパーツ、幌の下部を固定するロープは付属の紐を使用します
【 シャーシ 】
●シャーシは、縦方向のフレームと横方向のフレームを組み合わせて作製します
・ 各フレームには固定用のボルトをモールドしています
・ 前部のデファレンシャルは6パーツで構成
・ 牽引装置はサスペンションも含めて11パーツで構成しています
●サスペンション部は細分化したパーツ構成で再現
・ サスペンション基部と軸の部分はプラパーツで、2重となったコイルスプリング部分は内側は軸パーツに彫刻、外側は付属の金属製バネで再現します
・ 転輪は、スポークタイプとプレスタイプの2種が付属、選択して使用します
・ 起動輪、誘導輪は前後に3分割したパーツで再現
【 履 帯 】
●履帯は、一部連結式履帯が付属しています
・ 上下の直線部は繋がった状態のパーツ、前後の曲線部は2枚ずつに分割したパーツで構成
・ 履帯は、ピッチが細かく2枚のガイドが付いた「ユニバーサルキャリアー」用の履帯を再現しており、モデルカステン製「ブレンガンキャリア用履帯 (メタル製起動輪付)」がこれに対応しています
●エンジンの冷却ファン、幌の固定バンド、エンジンカバー前後面のメッシュ、車載工具類の固定具、各部のディテールなどを再現するエッチングパーツが付属しています
【 「ロイドキャリアー No.2 Mk.2 砲牽引型」の塗装とマーキング 】
●「ロイドキャリアーNo.2 Mk.2 砲牽引型」のマーキングとして、イギリス軍仕様となる7種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 第3カパラチアライフル師団 (イタリア / 1943年夏)
・ 第49歩兵師団 (フランス / 1944年6月)
・ イレーヌ皇女旅団 (1944年9月)
・ イレーヌ皇女旅団 (1944年9月)
・ 第15スコットランド歩兵師団 (オランダ / 1944年10月)
・ イレーヌ皇女旅団 (1944年9月)
・ 第53歩兵師団 (オランダ / 1944年10月)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、部隊マーク、車台番号などを再現したデカールが付属しています
【 「イギリス ロイドキャリアー No.2 Mk.2 砲牽引型」のパッケージ内容 】
・ ロイドキャリアー No.2 Mk.2 ×1
・ エッチングシート ×1
・ 金属製バネ ×16
・ 紐 ×2
・ 搭載する装備品類 一式
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2015年 完全新金型(装備品の一部を除く)
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【 「イギリス ロイドキャリアー No.2 Mk.2 砲牽引型」について 】
●「ロイドキャリアー」は、「ユニバーサルキャリアー」(「ブレンガンキャリアー」という名前の方が馴染みがありますが、正式にはこの名称となります)の兄弟的な車両です
●しかし、「ユニバーサルキャリアー」は多種多様な任務で第一線で使われたのに対して、「ロイドキャリアー」は火砲牽引が主な任務で、どちらかといえば地味な存在です
●「ユニバーサルキャリアー」のキットとしては近年、リッチモデル社から「イギリス ユニバーサルキャリア Mk.1型 兵員輸送車 w/クルー」などがキット化、パーツ構成やディテール表現が似ているブロンコモデル社によるこの「イギリス ロイドキャリアー No.2 Mk.2 砲牽引型」のキットとの違いが気になるところです
●リッチモデル社の「イギリス ユニバーサルキャリア Mk.1型 兵員輸送車 w/クルー」は、細分化したパーツ構成で、サスペンション部分のコイルスプリングを金属製のバネを2重にして再現するという細部に凝った拘りをみせ、「究極のユニバーサルキャリアー」を目指しています
●ブロンコモデル社の「イギリス ロイドキャリアー No.2 Mk.2 砲牽引型」は、リッチモデル社の「イギリス ユニバーサルキャリア Mk.1型 兵員輸送車 w/クルー」と非常に似たパーツ構成とディテール表現となっています
●ただし、サスペンション部分は内側のコイルスプリングはモールド、外側は金属製バネとなっており、若干ながら組みやすさを考慮しています
●もっとも、このブロンコモデル社の「イギリス ロイドキャリアー No.2 Mk.2 砲牽引型」のキットもパーツ数は多く、かなりボリュームのある内容で、これも「究極のロイドキャリアー」を目指したものと言えるでしょう