ドイツ 3号潜水戦車H型 Pz.kpfw(T) Ausf.H
「ドイツ 3号潜水戦車H型 Pz.kpfw(T) Ausf.H (プラモデル) (ドラゴン 1/35 '39-'45 Series No.6775 )」です
●第2次世界大戦時におけるドイツ軍の「3号戦車H型」の「潜水戦車型」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●イギリス本土上陸作戦用として改造が行われた「3号戦車H型」ベースの「潜水戦車型」を再現、前方機銃や防盾に防水シールド用のステーなどを装備した特徴的な姿を再現した内容となっています
・ シュノーケルなどの潜水装置自体は含まれておらず、通常の地上戦用として使用している状態を再現しています
●サイバーホビー社製「ドイツ Sd.Kfz.141 3号戦車H型 初期生産型」をベースとして、「3号戦車H型 潜水戦車型」を再現するために、同社製「ドイツ 3号戦車G型 5cm砲搭載型 潜水戦車」の潜水戦車用のパーツを追加したバリエーションキットです
【 「3号戦車H型 潜水戦車型」について 】
●「3号戦車」は、「1号戦車」~「4号戦車」というドイツ軍の戦車シリーズの中で戦車戦力の中核となる主力戦車として開発が行われましたが、懸架装置の選定に手間取り、実質的な生産の開始は一番後となっています
●また、主砲としては「50mm砲」の搭載を予定していたものの、砲の開発が遅れたことから暫定的に「37mm砲」を搭載、このため主力戦車としては火力不足が否めませんでした
●そこで、「42口径 50mm戦車砲 KwK38」を搭載したタイプとして1940年10月から生産を開始したのが「3号戦車H型」です
・ この「3号戦車H型」では、主砲の変更に伴い防盾を外装式へと変更、車長キューポラはすっきりとしたデザインの新型となり、砲塔後部形状は従来の膨らみがあるものから1枚タイプへと変化しています
・ 初期型の「3号戦車」が抱えていた防御力の弱さも改善が図られることになりましたが、新規設計による変更が間に合わず、車体前部を中心に30mm厚の追加装甲が標準装備として生産時に取り付けていました
・ また、トランスミッションも新型へと変更、従来の前進10段変速式から前進6段変速式へと変わり、操縦手の負担も軽減しています
●一方、1940年6月フランス北部を席巻したドイツ軍は、次の目標としてイギリス本土への上陸を狙い、上陸作戦の準備に入ります
●対峙するイギリス陸軍は、フランスに派遣していた主力部隊は命からがら身一つで撤退してきた状態であり、火砲類はもとより、小火器の確保に奔走していました
●しかし、ドイツ海軍よりも遙かに優勢なイギリス海軍が存在する中、輸送船による増援が必ずしも順調に送れるという可能性は低く、ドイツ軍では上陸部隊への機甲戦力の随伴は欠かせないという判断を下します
●そこで、ドイツ軍では潜水によって戦車を上陸するという方法を考案、これは渡渉水深能力を大幅に引き上げて海底を自走するシステムでした
●もっとも、ドーバー海峡の海底を戦車で進むということは距離的に不可能ですので、運搬船が浅瀬へと近付き、そこから戦車を海底へと降ろして運用する方式となっていました
●この潜水式の戦車は、既存の戦車からの改造という方法が採られ、「3号戦車」では、「F型」「G型」「H型」の各形式から168両を潜水戦車に改造しています
・ 潜水戦車型には、各部の隙間に防水処理が行われ、砲塔の防盾部と、車体の前方機銃の部分には防水カバー用のステーを増設していました
・ 実際の潜水時には、吸排気用のパイプを海上に出すことによりエンジンへの吸排気を行い、潜水能力は水深15mまでが可能となっています
●このような準備を整えイギリス本土への上陸作戦を目論んだドイツ軍ですが、ドイツ空軍がイギリス本土への制空権を掌握できなかったことから、作戦は中止となります
●潜水戦車へと改造が行われた車両は、吸排気用のパイプを固定とするなどの改良を施して独ソ戦初期の「ブーク河」「ドニェプル河」の渡河作戦に投入、その後は通常の戦車と同様な運用が行われています
●なお、通常の地上戦時においては、防水カバー、吸排気用のパイプなどの潜水装置は取外していましたが、砲塔の防盾部と、車体の前方機銃には防水カバー用のステーが残っていましたので、潜水戦車へと改造した車両と判別することは容易です
【 「ドイツ 3号潜水戦車H型 Pz.kpfw(T) Ausf.H」のキット内容について 】
●このドイツ軍の「3号戦車H型」の「潜水戦車型」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●基本車体となる「3号戦車H型」及び潜水戦車としての装備を含め、細分化したパーツ構成とエッチングパーツで、同車のディテール再現に重きを置いた内容となっています
●「3号戦車H型 潜水戦車型」の地上時における状態を再現しており、潜水時用の吸排気用のパイプや防水カバーなどは付属していません
●「3号戦車H型 潜水戦車型」のような潜水戦車型は、生産数は少ないものの、通常型との違いから結構目立つ存在であり、「3号戦車」シリーズをコレクションしたいユーザーにとって欠かせないアイテムの一つと言えるでしょう
●「3号戦車H型 潜水戦車型」は、「砲塔」「車体前部」「戦闘室」「エンジンデッキ」「車体下部」、左右の「フェンダー」の7ブロックで構成しています
【 砲 塔 】
●ハッチ開口部の装甲の薄いところなど砲塔の特徴を再現、砲塔各部の溶接跡、砲塔天板部のネジ穴などのディテールをモールドで再現しています
●「42口径 50mm戦車砲 KwK38」は、一体成型のパーツで再現、スライド金型を使用して砲口部分は開口した状態となっています
・ 主砲基部の装甲スリーブ及び複座装置の装甲カバーは、前後方向に分割した3パーツで再現
・ 同軸機銃の銃口部分は開口した状態で、機銃の装着の有無を選択できます
・ 砲尾等も再現、閉鎖器は開閉状態を選択して組み立てることが可能です
●防盾は一体成型のパーツで再現、左右の視察クラッペは別パーツとなっており、開閉状態を選択できます
・ クラッペ内側の防弾ガラスはクリアパーツで再現
・ 防盾は、完成後も上下に可動させることができます
●砲塔は、上部、下部と前面パネルの3パーツで構成しています
・ 上部パーツには天板部のネジ穴をモールドで再現
・ 砲塔側面のハッチ、視察クラッペは別パーツ化し、開閉状態を選択して組み立てることができます
・ 視察クラッペ、ハッチ部の視察装置はクリアパーツで再現しています
・ 前面パネルに装着する、防水カバー用のステー、砲塔下部に装着する防水シールを再現したパーツが付属
●車長キューポラは上下に分割したパーツ構成、各視察口部分を挟み込むように接着します
・ 各視察口の開閉状態を選択して組み立てることが可能、防弾ガラス部分はクリアパーツで再現しています
・ 車長ハッチは別パーツ化しており、開閉状態を選択して組み立てることができます
●砲塔後部に装着するゲベックカステンも再現、砲塔への装着の有無を選択できます
・ ゲベックカステンの蓋は別パーツ化しており、開閉状態を選択して組み立てることが可能です
【 戦闘室 】
●戦闘室は、各パネルを箱組み状に貼り合せて作製します
・ 構成するパーツの内側にはガイド用のパーツを用意、確実に組み立てができるように工夫しています
・ 戦闘室前部の追加装甲は別パーツ化して再現
・ 側面のクラッペは別パーツとなっています
・ 操縦席の装甲バイザーは2パーツで再現、開閉状態を選択して組み立てることができます
・ 前方機銃は7パーツで構成、内部の機関部などを詳細に再現しています
・ 戦闘室側面の張り出し部を再現するエッチングパーツが付属
【 車体前部 】
●車体前部は、一体成型のパーツで再現
・ 点検用ハッチは別パーツで、開閉状態を選択して組み立てることが可能です
・ 車体前部の追加装甲も別パーツ化して再現しています
【 エンジンデッキ 】
●エンジンデッキ部は、一体成型のパーツで再現、側面の吸気口部分は別パーツとなっています
・ 潜水戦車としてのエンジングリル部の塞ぐ蓋のパーツが付属
・ 各点検ハッチは別パーツです
・ エンジンデッキ部に装備する牽引ワイヤーは、牽引ワイヤーと固定具とを一体成型化したパーツと、固定具のみのパーツとの2種が付属、選択して使用します
●スモークディスチャージャーは、本体とカバー部との2パーツで構成、各発煙装置は1本ずつ独立して別パーツ化しています
【 フェンダー 】
●フェンダーは、表面の滑り止めパターンを繊細なタッチで再現、フェンダー裏側の構造も再現しています
●フェンダー部は一体成型のパーツで再現、フェンダー支持架、後部のマッドフラップは別パーツです
・ フェンダー上の車載工具類は個別にパーツ化、それぞれ固定具をパーツとともに一体成型した状態となっています
【 車体下部 】
●車体下部は、実車の構造に沿って車内を通るトーションバーアームも再現しています
●車体下部は、後部パネルを除きバスタブ状の一体成型のパーツで再現
・ 車体前部の追加装甲は別パーツです
・ サスペンションアームは別パーツ、トーションバーもパーツ化しています
・ 各転輪及び起動輪は、前後に分割したパーツで再現
・ 誘導輪は前後方向に5分割となったパーツ構成で、誘導輪のリムはエッチングパーツで再現しています
・ 車体側面のハッチは別パーツで、開閉状態を選択して組み立てることができます
●車体後部パネルは一体成型のパーツで再現、追加装甲は別パーツとなります
・ 左右の排気管はそれぞれ一体成型のパーツで再現
【 履 帯 】
●履帯は、接着及び塗装が可能な軟質素材によるベルト式履帯が付属しています
・ 履帯は、表面部に滑り止めパターンのない40cm幅の「3/4号戦車車台」の「中期型」履帯を再現しており、モデルカステン製「3/4号戦車 中期型用履帯 タイプA (可動式)」がこれに対応しています
●視察口のガラス部などを再現するためのクリアパーツが付属
●誘導輪の内側、戦闘室側面の張り出し部、マッドフラップの内側などを再現するエッチングパーツが付属しています
【 「3号潜水戦車H型」の塗装とマーキング 】
●「3号潜水戦車H型H」のマーキングとして、ドイツ軍仕様となる3種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 第35戦車連隊 (1941年)
・ 第10戦車師団 第7戦車連隊 (1941年)
・ 第4戦車師団 第35戦車連隊 (1941年)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、部隊記号、車体番号、車台番号などを再現したデカールが付属しています
・ デカールのプリントはカルトグラフ社製
【 「ドイツ 3号潜水戦車H型 Pz.kpfw(T) Ausf.H」のパッケージ内容 】
・ 3号戦車H型 潜水戦車型 ×1
・ クリアランナー ×1
・ エッチングシート ×2
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2015年 バリエーションキット
・ サイバーホビー社製「ドイツ Sd.Kfz.141 3号戦車H型 初期生産型」をベースとして、同社製「ドイツ 3号戦車G型 5cm砲搭載型 潜水戦車」の潜水戦車用のパーツを追加したバージョン