ロシア T-72B/B1 主力戦車 コンタークト 1
「ロシア T-72B/B1 主力戦車 コンタークト 1 (プラモデル) (トランペッター 1/35 AFVシリーズ No.05599 )」です
●現用のロシア軍の主力戦車「T-72BV」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●「T-72」シリーズの装甲強化型「T-72B」をベースに、爆発反応装甲を装備した「T-72BV」を再現、低シルエットの車体に長大な砲身、そしてブロック状の爆発反応装甲を全面に取り付けた、マッシブで複雑なフォルムを再現した内容となっています
●トランペッター社製「ソビエト T-72B 主力戦車 Mod.1990」をベースとして、「T-72BV」を再現するために、車体上部やスカート、爆発反応装甲などを新規パーツへと変更したバリエーションキットです
・ 「T-72B1」は「T-72B」の一部装備を変更したタイプで、爆発反応装甲「コンタークト 1」を装備したタイプは一般的に「T-72BV」と呼ばれています
・ また、キットでは「T-72B」と「T-72B1」とのコンバーチブルキットのような表記ですが、作製できるのは基本的に「T-72BV」となります(塗装表示では「T-72B」と「T-72B1」の2種が存在するものの、レイアウト自体は同一となります)
【 「T-72BV 主力戦車」について 】
●ソ連軍は第2次世界大戦後に「T-54/55」やその拡大発展型となる「T-62」を開発しましたが、これらは第2次世界大戦時の戦車技術を発展させたものであり、新たな設計となる「T-64」を1960年代中頃に開発しました
●この「T-64」には「複合装甲」を採用し、装填手が不要の自動装填装置を搭載することで車体を低く押さえることに成功、従来のソ連軍戦車とは異なる画期的な戦車となります
●ただし、「T-64」は新たな技術を盛り込んだために高価な戦車となってしまい、ソ連軍としては戦車の量を確保したいことから、「T-64」の設計コンセプトを採り入れながらも各部の仕様を「T-62」のレベルへと落とした「T-72」に生産の主軸を置きました
●この「T-72」は、低コストながらカタログデータとしては戦後第2世代戦車の最強の存在となり、東側諸国を中心に広く配備が行われることになりました
●この「T-72」の改良型として1980年代初頭に登場したのが「T-72B」で、砲塔前面に複合装甲による追加装甲を施し、外観上、砲塔前面部が膨らんでいるのが特徴となっています
・ 「T-72B」は、その砲塔部の膨らみから西側では「ドリー・パートン」(胸が大きい女性歌手の名前)と呼ばれました
●1970年代、装甲自体が着弾時に爆発することで砲弾やミサイルの装甲貫通能力を減少させることができる爆発反応装甲(ERA)の理論が確立、これは当時の戦後第2世代戦車にとって脅威となっていた対戦車ミサイルに対する極めて有効な対抗方法として広く普及することになります
・ 爆発反応装甲は、対戦車ミサイルや対戦車榴弾などの化学エレルギー弾のエネルギーを拡散するもので、APFSDS弾などの運動エネルギー弾に対してはあまり効果がありません(最新タイプでは運動エネルギー弾に対しても一定の効果があります)
●1970年代後半から、西側諸国、東側諸国の両陣営がそれぞれ爆発反応装甲の開発を開始、ソ連軍で最初に登場したのが「コンタークト 1」というタイプです
●ソ連軍では、既存の車両にこの「コンタークト 1」を装備することを積極的に行い、1980年代中頃には「T-72B」に「コンタークト 1」を装備したタイプ「T-72BV」が登場しました
・ 後に爆発反応装甲は「コンタークト 5」へと発展、これを装備した「T-72B」は「T-72BM」と呼ばれています
●その後、「T-72」シリーズは湾岸戦争やイラク戦争で防御力の不足を露呈してしまい、評価は地に落ちてしまいますが、それでも「T-72」シリーズは戦後第2世代戦車の中でトップクラスの性能を誇っており、この防御力強化型である「T-72BV」は本格改良型である「T-90」と並んで、ロシア軍などの旧東側諸国の戦車部隊の主力として今後も運用が続くものと思われます
【 「ロシア T-72B/B1 主力戦車 コンタークト 1」のキット内容について 】
●この現用ロシア軍の主力戦車「T-72BV」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●車体下部、砲塔上部、エンジンデッキなどの基本躯体は一体成型のパーツで再現しながら、ディテール表現のために車体各所を細分化したパーツ構成とエッチングパーツとを交えて「T-72BV」を再現、砲塔の鋳造肌、独特の砲塔上部のパネル構造、特徴的なプレスライン、そして立体的に表現した爆発反応装甲などにより、凹凸を強調した独特のフォルムとメリハリの効いた車体ディテールとを再現した内容となっています
●「T-72BV」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」、左右の「フェンダー」の5ブロックで構成しています
【 砲 塔 】
●鋳造砲塔の上部にプレート状の装甲パネルを貼った「T-72B」をベースに、ボックス状の爆発反応装甲を装着した「T-72BV」の砲塔レイアウトを再現、砲塔には鋳造肌と装甲パネル、砲身にはサーマルジャケットのディテールなどを強弱を付けたモールドで再現しています
●「51口径 125mm滑腔砲 2A64M」の砲身は、上下に分割したパーツで再現、砲口部分は別パーツ化しています
・ 防盾は、防盾本体と先端のリング部分の2パーツで構成、リング部分はエッチングパーツで再現しています
・ 防盾は防塵カバーが付いた状態となっています
●砲塔は上下に分割したパーツで再現、
・ 「砲手ハッチ」は3層のパーツ構成でハッチ構造を再現、開閉状態を選択して組み立てることができます
・ 砲塔後部の各「収納箱」は各パネルを箱組み状に貼り合わせて作製します
・ 「スモークディスチャージャー」は1本ずつ個別にパーツ化、基部へと取り付けて組立てます
・ 後部の「灯火類」はステーの大きさが異なる2種をセット、選択して使用します
・ 「照準サイト」は2種をセット、各8パーツで再現しており、選択して使用します
●車長キューポラは砲塔とは別パーツ化して再現しています
・ 「ペリスコープ」「照準サイト」はクリアパーツで再現
・ 「車長ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択できます
・ 対空機銃は7パーツで再現、銃口は開口した状態となっています
・ 前面に取り付ける「シールド」を再現したパーツをセット、ウィンド部分はクリアパーツで再現しています
・ シールドは装着の有無を選択できます
●爆発反応装甲は、1個ずつ個別にパーツ化、砲塔の各部へと取り付けます
【 車体上部 】
●爆発反応装甲を前面に装着した「T-72BV」の車体上部レイアウトを再現、エンジンデッキのスリット、パネルライン、各部のボルトなどを強弱を付けたモールドで再現しています
●車体上部は一体成型となったパーツで再現、エンジンデッキは別パーツとなっています
・ 操縦手ハッチは別パーツ化、開閉状態を選択できます
・ エンジンデッキは前後に分割したパーツで再現
・ エンジングリルのメッシュを再現するエッチングパーツが付属
・ 前後の車幅灯が別パーツ化
・ 前照灯は、本体とガラス部分の2パーツで構成、ガラス部はクリアパーツです
・ ライトガードは1パーツで再現
●爆発反応装甲は、1個ずつ個別にパーツ化、車体前面に取り付けます
【 フェンダー 】
●特徴的なプレスパターンを施したフェンダー部を再現、雑具箱上のディテールも立体的な彫刻で再現しています
●フェンダーは左右それぞれ一体成型のパーツで再現、フェンダー支持架は別パーツ化しています
・ 右側のフェンダー上の「雑具箱」は5個並んだ状態で一体成型化して再現、後部パネルは別パーツとなっています
・ 左側のフェンダー上の「雑具箱」は前後に分割したブロックで構成しています
・ 前部の「フェンダー跳ね上げ具」は別パーツ化して再現
・ 「排気管」は4パーツで構成、先端部は開口した状態となっており、内側の整風板も再現しています
・ 各「雑具箱」の継ぎ目部分に貼られたカバーは付属のエッチングパーツで再現
・ 「サイドスカート」は左右それぞれ一体成型のパーツで再現
●爆発反応装甲は1個ずつ個別にパーツ化、サイドスカートへと取り付けます
・ サイドスカートの爆発反応装甲取り付け用のステーは1本ずつパーツ化しています
【 車体下部 】
●車体下部は、「T-72」シリーズの複雑な形状となる底部を再現、履帯は接着連結式が付属しています
●車体下部は、バスタブ状に一体成型となったパーツで再現、前部パネルと後部パネルは別パーツとなっています
・ 「サスペンションアーム」は別パーツ化しています
・ 「起動輪」「誘導輪」「下部転輪」は前後に分割したパーツで再現、内蔵するポリキャップにより回転させることができます
・ 後部パネルに装備する軟弱地脱出用の「丸太」が付属、固定バンドは付属のエッチングパーツで再現しています
・ 「牽引ワイヤー」のアイの部分はプラパーツ、ワイヤー本体は付属の銅製ワイヤーを使用します
・ 後部の「予備燃料タンク」はそれぞれ4パーツで構成、配管を再現する軟質素材製のチューブが付属しています
【 履 帯 】
●履帯は、履帯形状に沿った部分が滑り止めとなる「T-72」用のシングルピン式履帯を再現
・ 履板を1枚づつに分割し接着で連結する、プラスチック製の連結式履帯となっています
・ セットされている連結式履帯をより立体感ある履帯へと交換する場合には、モデルカステン製「T-72 用履帯」が対応しています
●エンジングリルのメッシュ、丸太の固定バンド、各部のディテールを再現するエッチングパーツが付属
●前照灯のガラス部、ペリスコープ、車長用シールドのウィンドなどを再現するクリアパーツが付属しています
【 「T-72BV 主力戦車 コンタークト 1」の塗装とマーキング 】
●「T-72BV 主力戦車 コンタークト1」のマーキングとして
・ ナゴルノ・カラバフ軍仕様 2種
・ モロッコ軍仕様 1種
・ ウクライナ軍仕様 6種
・ 南オセチア軍 1種
・ ロシア軍 2種
の合計12種類の塗装例がカラー塗装図に記載されており、国籍マーク、親衛マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています
●「T-72BV 主力戦車 コンタークト 1」の完成時のサイズ
・ 全長 : 289mm
・ 全幅 : 108mm
●パーツ数 : 1300点以上
【 「ロシア T-72B/B1 主力戦車 コンタークト 1」のパッケージ内容 】
・ T-72BV 主力戦車 ×1
・ ポリランナー ×1
・ エッチングシート ×2
・ 銅製ワイヤー ×1
・ 銅線 ×1
・ 軟質素材製パイプ ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
・ カラー塗装図 ×1
●2015年 一部新金型