ソビエト T-72B 主力戦車 Mod.1990
「ソビエト T-72B 主力戦車 Mod.1990 （プラモデル） (トランペッター 1/35 ＡＦＶシリーズ No.05564 )」です
●「ソビエト T-72B 主力戦車 Mod.1990」です
●現用のロシア軍の主力戦車「T-72BV」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●「T-72」シリーズの装甲強化型である「T-72B」をベースに爆発反応装甲を装備した「T-72BV」を再現、ソ連時代からの伝統である低シルエットに長大な主砲、追加装甲と爆発反応装甲を身に纏った複雑でマッシブなフォルムをスケールで再現した内容となっています【 「T-72BV 主力戦車」について 】
●第2次世界大戦後のソ連は、「T-54/55」という傑作戦車を生み出し、その後継車両となる「T-62」は実質的に「T-54/55」の拡大型として登場します
●続いて、これらの戦車の後継として革新的な戦車「T-64」が1960年代中頃に開発されます
●この「T-64」は、自動装填装置の採用による車内容量の減少（装填手が要らない）と、エンジンの小型化によって車体はコンパクト化、重量の増加を防ぐために複合装甲が採り入れられ、重量自体は「T-62」よりも軽いながらも防御力は大幅に強化されました
●また、改良型である「T-64A」からは従来の「115mm滑腔砲」から「125mm滑腔砲」へと変更、当時としては極めて強力な攻撃力と防御力を誇りました
●ただし、これらの改良により「T-64」の生産コストは「T-62」の2倍程となってしまい、さらに自動装填装置などの革新的な機能と小型化したエンジンは常に不調に曝されてしまいます
●当時、ソ連軍では、戦後の機甲部隊の運用方法としては、多くの戦車を戦線に投入して敵の戦線を突破、さらに後方に控えた第2悌隊の戦車部隊が敵が回復する暇を与えずに戦線後方へと進出するという、戦車を中心とした機甲部隊による浸透作戦を方針としていました
●この作戦は必然的に大量の戦車を必要とするため、「T-64」の生産コストの高さはソ連軍の戦術を瓦解させてしまう要因になりかねないものとして、「T-64」の生産は少数にとどまり、「T-64」を設計のベースとしながらも、「T-54/55」及び「T-62」のフォーマットを採り入れスペックダウンをした戦車「T-72」が1970年代初めに登場することとなります
●この「T-72」は、「T-64」のスペックダウン版ながらも「125mm滑腔砲」による強力な火力、低シルエットと分厚い装甲による強靭な防御力、そして良好な機動性能により戦後第2世代戦車としては当時の西側戦車を大きくリードする存在でした
●西側諸国では、当時この「T-72」を「T-64」の改良型と捉えており、その性能から地上戦における最大の脅威と見なし、「T-72」に対抗するために戦後第3世代戦車の開発に拍車が掛かりました
●「T-72」自体は、その性能からソ連軍のみならずワルシャワ条約機構軍や中東地域の親ソ国家に広く輸出、一部の国では国産化も図られ、東側諸国の主力戦車としての地位を占めるようになります
●その後、「T-72」は改良型の開発が進められ、「T-72A」を経て1980年代初頭に登場したのが「T-72B」です
●この「T-72B」は防御力強化型で、砲塔前面部に複合装甲による追加装甲が施され、外観上は砲塔前面部が追加装甲により膨らんでいるのが特徴となっています
・ 「T-72B」は、その砲塔部の膨らみから西側では「ドリー・バートン」と呼ばれました
●更に、1980年代中頃には対戦車榴弾や対戦車ミサイルなどの化学エネルギー弾に対する有効的な手段としてブロック式の爆発反応装甲が装備されるようになり、これを装備した「T-72B」は「T-72BV」と呼ばれています
●このように進化を続ける「T-72」シリーズは上記のように西側諸国にとって脅威の的でしたが、イスラエル軍によるレバノン侵攻時や湾岸戦争時においてカタログスペックには載らない被弾時の脆さなどの欠点を露呈、それにより酷評を受けるようになってしまいます
●しかし、「T-72」シリーズは戦後第3世代戦車には及ばないものの、戦車としての性能は優秀であり、現在においても旧東側諸国を中心に多数が運用され、更なる改良により今後も使用が続けられるものと見られています【 「ソビエト T-72B 主力戦車 Mod.1990」のキット内容について 】
●この現用ロシア軍の主力戦車「T-72BV」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●「T-72BV」の基本構造部分は一体成型を多用しながら、追加装甲や爆発反応装甲部などの同車特有の複雑な造りの構造については細分化したパーツ構成で「T-72BV」を再現した内容となっています
●トランペッター社製「ロシア T-90 主力戦車 鋳造砲塔」をベースに、「T-72BV」を再現するため砲塔及び爆発反応装甲を含む砲塔装備品の一部を新規パーツへと変更したバリエーションキットとなります
●「T-72BV」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」、左右の「フェンダー」の5ブロックで構成されています
【 砲 塔 】
●「T-72BV」の地肌部分にあたる砲塔表面部には鋳造肌が表現されており、砲塔表面に貼られた追加装甲も一体成型、追加装甲の固定ボルトはエッチングパーツで再現しています
●「51口径 125mm滑腔砲 2A64M」の砲身は、上下分割のパーツ構成、砲口部分は別パーツ化されています
・ 防盾は、防盾本体と先端のリング部分の2パーツで構成、リング部分はエッチングパーツです
・ 防盾は防塵カバーが付いた状態が表現されています
●砲塔は上下分割式で、これに1枚ずつパーツ化された爆発反応装甲を取り付ける構成となっています
・ 砲塔前部の爆発反応装甲は上下の2枚ごとがブロック化され、これを並べて装着します
・ 砲手ハッチは3層構造が再現され、開閉状態が選択できます
・ 砲塔後部の各収納箱は箱組み方式となります
・ 追加装甲のボルト部分（×93）を再現するエッチングパーツが付属
・ スモークディスチャージャーは個別にパーツ化されています
●車長キューポラは砲塔とは別パーツとなっています
・ ペリスコープ、照準サイトはクリアーパーツです
・ 車長ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 車長キューポラの内部が再現されており、車長用の照準装置などがパーツ化
・ 対空機銃は7パーツで再現され、銃口部分が開口処理されています
・ 車長用のシールド（？）が付属、上部の視察ウィンドーはクリアーパーツ、下部は軟質素材製となっています
【 フェンダー 】
●フェンダー部は特徴的なプレスパターンが表現され、雑具箱上のディテールも立体的な彫刻で再現されています
●フェンダーは左右各1パーツで再現され、フェンダー支持架は別パーツです
・ 右側のフェンダー上の雑具箱は5個並んだ状態で一体成型され、後部パネルは別パーツとなっています
・ 左側のフェンダー上の雑具箱は前後のブロックで構成されています
・ 排気管は5パーツで構成されており、先端部は4分割式に開口処理されています
・ 各雑具箱の継ぎ目部分に貼られたカバーはエッチングパーツにて再現
・ サイドスカートは左右各1パーツで再現され、上部のフック類は別パーツです
・ サイドスカートに装着されている追加装甲板は個別にパーツ化
【 車体上部 】
●車体上部は、「T-72BV」の車体レイアウトが再現され、基本躯体とされるパーツに追加装甲などを貼り付ける構成となっています
●車体上部は一体成型され、エンジンデッキは別パーツです
・ 追加装甲は各ブロックごとにパーツ化され、車体上部に装着させます
・ 操縦手ハッチは別パーツで開閉状態が選択できます
・ エンジンデッキは前後分割式です
・ エンジングリルのメッシュを再現するエッチングパーツが付属
・ 前後の車幅灯がパーツ化
・ 前照灯は、本体とガラス部分を再現するクリアーパーツとの2分割式です
・ ライトガードは1パーツで再現
【 車体下部 】
●車体下部は、「T-72」シリーズの複雑な形状となる底部を再現、履帯は接着連結式となっています
●車体下部は、バスタブ式に一体成型され、前部パネルと後部パネルは別パーツです
・ サスペンションアームは別パーツとなっています
・ 起動輪、誘導輪、下部転輪は左右分割式で、内蔵させるポリキャップにより回転可動式です
・ 後部パネルに装備される軟弱地脱出用の丸太が付属、固定バンドはエッチングパーツです
・ 後部の予備燃料タンクは各4パーツで構成され、配管を再現する軟質素材製のパイプが付属しています
・ 牽引ワイヤーのアイの部分はプラパーツ、ワイヤー本体は付属の銅製ワイヤーを使用します
【 履 帯 】
●履帯は、1枚ずつが分割された接着連結式履帯が付属しています
・ 各履帯（履板）は、側面のコネクターを含めて一体成型され、センターガイドは別パーツです
・ 履帯を組み立てるための治具が付属
・ 履帯は、履帯ピン部分に滑り止めパターンが付いたダブルピン式履帯が再現されています
●エンジングリルのメッシュ、追加装甲のボルト、丸太の固定バンド、各部のディテールを再現するエッチングパーツが付属
●前照灯のガラス部、ペリスコープ、車長用の照準器のガラス部などを再現するクリアーパーツが付属しています
【 塗装とマーキング 】
●「T-72BV」のマーキングとして、ロシア軍仕様となる4種類の塗装例が説明書に記載されており、国籍マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています
●「ソビエト T-72B 主力戦車 Mod.1990」の完成時のサイズ
・ 全長 ： 289mm
・ 全幅 ： 108mm
●全1290パーツ
●2013年 一部新金型
