アメリカ M6 重戦車 (鋳造車体)
「アメリカ M6 重戦車 (鋳造車体) (プラモデル) (ドラゴン 1/35 BLACK LABEL No.6798 )」です
●第2次世界大戦時におけるアメリカ軍の重戦車「M6」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立てキット
●大戦前の巨大重戦車の設計思想に基づいて開発が行われた重戦車「M6」を再現、巨大な車体に2連の足周りと幅広の履帯を装備した迫力溢れるフォルムを再現した内容となっています
・ 鋳造車体の重戦車「M6」を再現しています
●ドラゴン社製「アメリカ M6A1 重戦車」をベースに、重戦車「M6」を再現するため、車体上部を新規パーツへと変更、サイドフェンダーを追加したバリエーションキットです
【 「重戦車 M6」について 】
●第2次世界大戦前の1930年代、ヨーロッパでは戦争への気運が高まっていましたが、アメリカでは孤立主義から陸軍戦力の整備は低調で、戦車戦力としては軽戦車が少数と中戦車「M2」が数両存在する程度でした
●1939年に第2次世界大戦が開戦すると、ドイツ軍の電撃戦の影響からアメリカ軍は急速なスピードで新たな戦車の開発を開始、同軍としては初となる重戦車「T1」の開発も行われました
・ この重戦車「T1」は、大戦間に各国で開発が行われた多砲塔戦車の影響を受けながらも、砲塔は単砲塔を採用、主砲には「76.2mm戦車砲 M7」を装備し、同軸式に副砲として「37mm戦車砲 M6」を搭載しています
・ 防御力は、砲塔及び車体前面は83mm厚の装甲を持ち、当時の重戦車としては十分な能力をもっていました
・ また、その重量は57tを越えながらも、工業力に優れたアメリカらしく825馬力という大馬力エンジンの搭載により、最高速度35km/hという機動力を発揮、重戦車としては良好な能力を示しています
●鋳造の車体を持つ重戦車「T1」は1941年に完成、続いて同じ鋳造車体でトランスミッションを改良した「T1E1」「T1E2」、溶接車体としてトランスミッションをトルクコンバーターへと変更した「T1E3」が登場します
●この「T1E2」は「M6」、「T1E3」は「M6A1」として制式化、1942年末から量産を開始する予定でした
●しかし、この頃のアメリカでは「M4中戦車」シリーズを量産する体制となっており、部隊運用や輸送の面から「M4中戦車」の方が評価が高く、アメリカ軍にとって重戦車「M6」と「M6A1」は魅力の薄いものとなっていました
●このため、重戦車「M6」は8両、「M6A1」は12両で生産は終了、部隊配備も行われず、本国で試験や訓練に使われた程度となりました
●ところが、重戦車「M6」と「M6A1」はその巨体からプロパガンダとして用いられ、デモンストレーションで自動車を踏み潰す写真が新聞などで世界中に配布が行われて、アメリカの新鋭重戦車として広く認知、意外な部分でアメリカ軍に貢献したのでした
・ 特に、この「M6」と「M6A1」のプロパガンダは日本の軍部に大きな影響を与えており、「M4中戦車」を凌駕する重戦車として、大戦末期においても戦場への登場を危惧していました
【 「アメリカ M6 重戦車 (鋳造車体)」のキット内容について 】
●このアメリカ軍の重戦車「M6」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●ドラゴン社らしく車体前部などの細部表現を重視しながら、鋳造の砲塔や車体、内装式の防盾、車体前部造り、独特の足周りなど「M6」の特徴的なフォルムを1/35スケールのスマートキットに準拠するパーツ構成で再現しています
・ パッケージ内のパーツ数は抑えられており(277パーツ)、エッチングパーツ、クリアーパーツは含まれておらず、ドラゴン社製キットとしては比較的組立てやすい内容となっています
●キットは、砲塔部分に主砲の「76.2mm戦車砲 M7」と副砲の「37mm戦車砲 M6」、砲塔上部には「M2重機関銃」、車体前部には連装状に「M2重機関銃」を装備した状態を再現しています
●「M6A1」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」の3ブロックで構成しています
【 砲 塔 】
●砲塔は、鋳造となる独特の形状を再現、表面部分はアメリカ戦車らしい円滑な鋳造肌を繊細な彫刻で再現しています
●「76.2mm戦車砲 M7」の砲身は一体成型のパーツで再現、砲口部分は開口した状態となっています
・ 砲尾部分は上下に分割したパーツ構成
・ 副砲の「37mm戦車砲 M6」は一体成型のパーツで再現、砲口部分は開口した状態となっています
・ 副砲の砲尾部分も再現
・ 内装式の防盾は1パーツにて再現、照準口は開口処理されています
・ 防盾は上下方向に可動とすることができます
●砲塔は、上下分割のパーツ構成
・ ベンチレーターは砲塔上の彫刻で再現
・ ペリスコープ、後部のピストルポート、各フックは別パーツ化しています
●車長キューポラは砲塔とは別パーツとなっています
・ 車長ハッチは別パーツ化、開閉状態を選択して組み立てることができます
・ ハッチ部分のペリスコープとベース部分は別パーツ化して再現
●車長キューポラに装備する「M2重機関銃」が付属しています
・ 「M2重機関銃」は、機銃本体、グリップ部、揺架、銃架、弾薬箱後部の5パーツで構成
・ スライド金型を使用して銃口部分を開口しています
【 車体上部 】
●車体上部は、「M6」として鋳造の丸みを帯びた形状を再現、砲塔と同様にアメリカ戦車らしい円滑な鋳造肌を繊細な彫刻で再現しています
●車体上部は、車体前面パネル、フェンダー部分を除いて一体成型のパーツで再現
・ 複雑な形状となるアンテナ基部は別パーツ化しています
・ エンジングリル部は開口した状態となっています
・ 前部フェンダー、サイドフェンダーはそれぞれ一体成型のパーツで構成、支持架はモールドで再現しています
・ 前部ハッチは車体とは別パーツで、開閉状態を選択して組み立てることができます
・ エンジンデッキの点検ハッチ、給油口はパーツ上のモールドで再現
・ 車体後部のボックスは、本体と蓋とで構成
・ 前照灯は前後に分割したパーツで再現
・ ライトガードをパーツ化しています
・ 車載工具類は個別にパーツ化、それぞれ固定具をパーツとともに一体成型した状態となっています
●車体前面パネルは一体成型のパーツで再現、前部の視察装置、機銃マウントを彫刻で再現しています
・ 機銃架に装備する「M2重機関銃」は1本ずつ個別にパーツ化、銃口部分を開口した状態となっています
・ 防盾は一体成型のパーツで再現、防盾は任意の位置で固定します
【 車体下部 】
●車体下部は、車体部分は一体成型を多用しながら、各サスペンションは細分化したパーツで特徴的な2連式のサスペンションを再現しています
●車体下部はバスタブ状に一体成型となったパーツで再現、前部のデファレンシャルカバーと後部パネルは別パーツとなります
・ 各サスペンションユニットは、各ボギーと中央の水平スプリングパーツ(計5パーツ)とで構成、転輪を挟み込んで作製します(全16ユニット)
・ 起動輪は前後方向に3分割したパーツ構成、誘導輪は前後に分割したパーツで再現
・下部転輪は一体成型のパーツで再現しています
●側面の装甲スカートは1パーツで再現、片側のサスペンションユニットを接着して車体に取り付けます
・ 装甲スカート内部のスペーサーは1個ごとに個別にパーツ化
【 履 帯 】
●履帯は、接着及び塗装が可能な軟質素材によるベルト式履帯が付属しています
・ 履帯は、接地部分が突き出した重戦車「M6」用のダブルピン式履帯を再現しています
●牽引ワイヤーを再現するための金属製ワイヤーが付属しています
【 「M6 重戦車 (鋳造車体)」の塗装とマーキング 】
●「重戦車 (鋳造車体)」のマーキングとして、アメリカ軍仕様となる2種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 所属不明 (フォートノックス / 1942年)
・ 所属不明 (フォートノックス / 1942年)
●説明書の塗装例に基づく、車体番号、車台番号などを再現したデカールが付属しています
【 「アメリカ M6 重戦車 (鋳造車体)」のパッケージ内容 】
・ 重戦車 M6 ×1
・ 金属製ワイヤー ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2015年 一部新金型(ドラゴン社製「アメリカ M6A1 重戦車」をベースとして、車体上部を変更したバリエーションキット)