ドイツ タイガー 1 重戦車 後期型
「ドイツ タイガー 1 重戦車 後期型 (プラモデル) (アカデミー 1/35 Armors No.13314 )」です
●第2次世界大戦時におけるドイツ軍の重戦車「タイガー 1」の「後期型」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●絶大な主砲火力と分厚い装甲により防御力の高さにより連合軍戦車を圧倒した重戦車「タイガー 1」の「後期型」を再現、切り立った形状の車体と馬蹄形の砲塔を持ち、鋼製転輪を装備した、迫力あるフォルムを再現した内容となっています
●1997年にキット化したアカデミー社製旧「タイガー 1 後期型」をベースに、内装パーツを省き、砲塔、砲身、キューポラ、エンジングリルなどを新規パーツへと変更したリニューアル版となります
【 「タイガー 1 後期型」について 】
●1941年5月から開発が始まり、1942年末から戦線に投入が行われたドイツ軍の重戦車「タイガー 1」は、従来の「1号戦車」~「4号戦車」とは次元が異なる攻撃力と防御力を誇り、連合軍から恐れられる存在となりました
●しかし、戦訓から様々な問題点が発生し、これを改善する改良型として1943年7月から生産が行われたのが「タイガー 1」の「中期型」です
●この「中期型」では、車長キューポラをそれまでの塔型から、投射面積を小さくして間接式の視察装置を備えた新型タイプへと変更、破損して直ぐに使用不能となる外装式のエアフィルターは廃止となりました
●この「中期型」の登場によりほぼ完成形となった「タイガー 1」ですが、生産の効率化と耐久性の向上を図ったタイプとして1944年初頭から生産が始まったのが「後期型」です
●「タイガー 1」の「後期型」の最大の特徴は、転輪をゴム付きタイプから鋼製転輪へと変更したことで、これにより転輪の耐久性が向上しています
・ ゴムという戦略物資の入手が難しくなったドイツでは、ゴムの使用量を抑える鋼製転輪を開発、これはゴムの使用量の減少だけではなく、高い荷重でも耐えうる能力を持ちました
・ この鋼製転輪は全くゴムを使用しない訳ではなく、車軸との接続部にゴムを内蔵、全体のゴムの使用量は少なくなり、外装式のゴム付き転輪と比べてゴムの剥離が少ないという長所を持っていました
●さらに、この「タイガー 1」の「後期型」の生産時期には、その後継車両となる「キングタイガー」の生産が始まっており、部品の共通化を図るために、マズルブレーキを小型化した「最後期型」も登場しています
●「タイガー 1」の「後期型」は、1944年6月のノルマンディ戦頃から戦線に投入、この時期においてもその強力な攻撃力と防御力は圧倒的で、連合軍戦車を数多く撃破し、「タイガー1」は連合軍将兵にとって恐怖の代名詞ともなりました
●また、「キングタイガー」の登場後も「タイガー 1」は継続して運用が行われ、1945年4月のベルリン戦においても奮戦を続けたのでした
【 ドイツ タイガー 1 重戦車 後期型 (アカデミー 1/35 Armors No.13314) プラモデルの内容 】
●このドイツ軍の重戦車「タイガー 1」の「後期型」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●1/35スケールのオーソドックスなパーツ構成で「タイガー 1 後期型」のフォルムとディテールを再現した内容となっています
●「最後期型」のマズルブレーキと小型化された誘導輪を再現したパーツが付属、「後期型」と「最後期型」とを選択して作製することができます
●「タイガー 1 後期型」は、「砲塔」「車体」「後部パネル」の3ブロックで構成しています
【 砲 塔 】
●「タイガー 1」の特徴となる馬蹄形のフォルムの砲塔を始め、各部の溶接跡、ボルト穴、キューポラの溶接跡などのディテールを細かく再現しています
●「88mm戦車砲 KwK36」の砲身は、前後方向に3分割したパーツで構成
・ マズルブレーキは、大型のタイプの「後期型」と、小型タイプの「最後期型」の2種をセット、選択して使用することができます
・ マズルブレーキは、本体、中央の間仕切り、先端部の3パーツで構成、その内部構造も再現しています
・ 防盾は、双眼となる照準口のタイプと単眼の照準口のタイプの2種をセット、選択して使用します
・ 防盾は、前後方向の分割となる3層で構成、先端の装甲スリーブを別パーツ化しています
・ 防盾(砲身)は、完成後も上下に可動させることができます
●砲塔は、左右に分割したパーツ構成で、これに天板パーツを取り付けて作製します
・ 車長ハッチ、装填手ハッチは別パーツ化しており、開閉状態を選択して組み立てることができます
・ 装填手ハッチは、上部の膨らみの形状が異なる2種のパーツをセット、選択して使用することができます
・ ベンチレーター、後部脱出ハッチ、ピストルポート、側面の視察スリット部は別パーツ化して再現しています
・ 予備履帯の取り付け基部は1個ずつ独立してパーツ化しています
・ 車長キューポラに装備する対空機銃と機銃架が付属、対空機銃用の対空照門はエッチングパーツで再現しています
●砲塔後部のゲベックカステンは、本体と底面の2パーツで構成
【 車 体 】
●平面構成となる「タイガー 1」の車体レイアウトを再現、各部の溶接跡などを繊細なモールドで再現しています
●車体は、バスタブ状に一体成型となった車体下部パーツに各パネルを貼り合わせて作製します
・ 車体後部のエンジングリル部は、各点検パネルごとのパーツで構成、各パネルと点検ハッチとを貼り合せてエンジングリルを作製します
・ エンジングリル部のメッシュを再現するエッチングパーツが付属しています
・ 操縦手ハッチ、前方機銃手ハッチは別パーツ化しており、開閉状態を選択できます
●戦闘室前面パネルには、操縦手用クラッペ、前方機銃マウントをパーツ上に一体成型化して再現
・ 前方機銃は一体成型のパーツで再現
・ ボッシュライトは前後に分割したパーツ構成で、ベースのパーツに取り付けます
●車載工具類は、個別にパーツ化、それぞれ固定具をパーツとともに一体成型した状態となっています
・ 牽引ワイヤーはアイの部分がプラパーツ、ワイヤー本体は付属の紐を使って再現します
・ 履帯交換用ワイヤーは固定具を含めて一体成型のパーツで再現
●サイドフェンダーは左右それぞれ一体成型のパーツで再現しています
●サスペンションアームは車体とは別パーツとなっています
・ 起動輪、誘導輪、転輪は前後に分割したパーツで構成、内蔵するポリキャップにより回転可動させることができます
【 後部パネル 】
●車体後部パネルは一体成型のパーツで再現
・ 筒状の車間表示灯は別パーツとなっています
・ 排気管は上下に分割したパーツで構成、蓋を支える支柱は1本ずつ別パーツ化
・ 排気管カバーはプラパーツにて再現しています
【 履 帯 】
●履帯は、軟質素材によるベルト式履帯が付属しています
・ 履帯は、接地部分にハの字状の滑り止めパターンが付いた「タイガー 1」用の「後期型」履帯を再現しており、モデルカステン製「ティーガー 1型 戦車用履帯 (後期型) (可動式)」がこれに対応しています
・ 履帯のリング状への接続は焼き止めとなります
【 フィギュア 】
●ドイツ武装親衛隊の戦車兵を再現したフィギュアが1体付属しています
・ 車外に立ち、佇んでいるポーズとなります
・ 服装は、「戦車服」を着用してサスペンダーを装着、略帽を被った姿です
・ 服の皺の表現はスケールに沿った凹凸モールドで再現、服の縫い目などの細部は繊細なモールドで再現しています
・ フィギュアは、頭部、上半身、下半身、両腕、両靴に分割したパーツ構成
●エンジングリルのメッシュ、対空照門などを再現するエッチングパーツが付属しています
●ポリパテとブレードによりツィンメリットコーティングを再現するためのエッチング製のブレードが付属しています
・ ポリパテとブレードによりツィンメリットコーティングを再現する方法は、タミヤ社製「ドイツ 重駆逐戦車 エレファント」のページを参照して下さい
【 ドイツ タイガー 1 重戦車 後期型 (アカデミー 1/35 Armors No.13314) の塗装とマーキング 】
●「タイガー 1 後期型」のマーキングとして、ドイツ軍仕様となる10種類の塗装例が塗装図に記載されています
・ 第505重戦車大隊 312号車 (ロシア / 1944年7月)
・ SS第101重戦車大隊 007号車 (ノルマンディ / 1944年8月)
・ SS第101重戦車大隊 212号車 (ノルマンディ / 1944年7月)
・ SS第102重戦車大隊 221号車 (北フランス / 1944年8月)
・ 第503重戦車大隊 (ノルマンディ / 1944年7月)
・ 第505重戦車大隊 300号車 (ロシア / 1944年7月)
・ 第506重戦車大隊 (ウクライナ / 1944年春)
・ 第508重戦車大隊 (イタリア / 1944年7月)
・ SS第3戦車師団「トーテンコープフ」 (ポーランド / 1944年8月)
・ 「グロースドイッチュラント」装甲擲弾兵師団 (リトアニア / 1944年8月)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、部隊マーク、車体番号、フィギュアの徽章類などを再現したデカールが付属しています
・ デカールのプリントはDEFモデル社製
【 ドイツ タイガー 1 重戦車 後期型 (アカデミー 1/35 Armors No.13314) パッケージ内容 】
・ タイガー 1 後期型 ×1
・ フィギュア ×1
・ エッチングシート ×1
・ ツィンメリットコーティング用のエッチングシート ×1
・ デカールシート ×1
・ 紐 ×1
・ 組立て説明書 ×1
・ 塗装図(モノクロ) ×1
●2015年 一部新金型
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【 ドイツ タイガー 1 重戦車 後期型 (アカデミー 1/35 Armors No.13314) のワンポイント 】
●「タイガー 1」はAFVモデル中の最人気アイテムであり、キット化の話を聞くたびにその内容はドイツ軍ファンならずとも気になるところです
●本キットは、アカデミー社らしいエッチングパーツやコーティングブレード、そしてレジン製キットなどを展開するDEF社のプリントによるデカール等が付属した、一見すると豪華なキットに見えます
●ただ、商品を販売する立場であるエムズとしては言い辛いことなのですが、アカデミー社のこのキットはパーツをじっくりと眺めてみると他社の「タイガー 1」のキットの影(影響?)が見られるところがあります
●このキットのベースとなった旧「タイガー 1 後期型」のキットは、タミヤ社製「ドイツ重戦車 タイガー 1型 後期生産型」を参考としており、新たに追加したパーツを見るとドラゴン社製「Sd.Kfz.181 タイガー 1 後期型 (3 in 1 コンバーチブル)」を参考とした構成となっているのが分かります
●このため、タミヤのキットとドラゴンのキットの中間的な存在と言うこともできますが、アカデミー社としてのオリジナルな解釈が見られないキットでもあります
●ただ、付属のデカールは「タイガー 1 後期型」の有名車両を網羅しており、「後期型」の車両をコレクションする際には有用なキットであることも事実です