3号戦車 C型
「3号戦車 C型 (プラモデル) (ミニアート 1/35 WW2 ミリタリーミニチュア No.35166 )」です
●第2次世界大戦初期におけるドイツ軍の中戦車「3号戦車C型」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立てキット
●「3号戦車」の試作量産型に位置する「3号戦車C型」を再現、「3号戦車E型」以降のタイプよりも大型の車体に、リーフスプリングサスペンションによる複雑な足周りを装備した、独特のスタイルを再現した内容となっています
●ミニアート社製「3号戦車B型」をベースに、「3号戦車C型」を再現するために、サスペンションの一部、起動輪、車長キューポラなどを新規パーツへと変更したバリエーションキットです
【 「3号戦車C型」について 】
●ドイツ軍は、1935年のヒトラーによる再軍備化宣言によって本格的な戦車開発を開始、役割に応じた「1号戦車」~「4号戦車」という4つの車種の開発が始まりました
●「3号戦車」は、戦車部隊の主力となる中戦車として開発が始まり、戦車戦や歩兵支援など様々な用途に対応できる高い汎用性が求められました
●また、「3号戦車」は戦車部隊の主力を務めることを想定していたので、「走」「攻」「守」共に高い能力を要求されましたが、これは開発の遅れを生む原因ともなりました
●「3号戦車」は開発当初から車体と砲塔の基本レイアウトは定まっていましたが、問題となったのが足周りの選定でした
・ 「3号戦車」としての最初の量産型である「3号戦車A型」では、コイルスプリングを中心とした足周りを採用、大型の転輪を片側5個装備した姿は一見すると機動性能に優れていると思ってしまいますが、コイルスプリングのストロークが小さく、地形への追従性は低いものでした
・ 次に登場した「3号戦車B型」では、サスペンションをリーフスプリングサスペンションへと変更、これにより「3号戦車A型」と比べて機動性能が向上しましたが、剥き出し状態のサスペンションは防御上の大きな問題点を持っていました
・ 続く「3号戦車C型」と「3号戦車D型」は、この「3号戦車B型」のサスペンションを小改良したものであり、懸架装置の位置を変更してより機動性能の向上を図りましたが、性能上の大きな変化はありませんでした
・ もっとも、「3号戦車C型」では、排気管の位置の変更、「3号戦車D型」では車体後部の張り出し部やエンジン点検ハッチの増設、車長キューポラの仕様変更などの改良を図っており、その姿は確実に最初の量産型となる「3号戦車E型」に近づいています
●結局、「3号戦車B型~D型」で使用されたリーフスプリングサスペンションと小型転輪による足周りは、主力戦車としては能力不足と判断を下され、この3種も「3号戦車A型」と同様に試作量産型という位置付けに終わります
●このため、「3号戦車C型」は15両を生産した段階で生産を終了、続く「3号戦車D型」は「3号戦車」の初期のタイプとしては最も多い生産数となりましたが、それでも30両に過ぎませんでした
●1938年12月に登場した「3号戦車E型」では、当時の最新式の懸架装置となるトーションバーサスペンションを持ち、「3号戦車」としての基本スタイルを確立、以後主力戦車として確固たる地位を築いて行くことになります
●これにより「3号戦車C型」などの「3号戦車」の初期のタイプは、ポーランド戦に参加した以降、主に訓練用もしくは試験用の車両として用いられるようになりましたが、フィンランドなどの北欧地域では、一部の車両をそのまま実戦で運用され続けました
●「3号戦車C型」などの「3号戦車」の初期のタイプは、黎明期のドイツ戦車として戦歴も少なく、影が薄いのも事実ですが、それでも後のドイツ戦車の開発ベースとなった車両としてドイツ戦車史に欠かせない存在でもあるのです
【 「3号戦車C型」のキット内容について 】
●このドイツ軍の中戦車「3号戦車C型」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●ミニアート社が1/35シリーズなどで培った造形及び彫刻技術によって「3号戦車C型」を再現、細分化したパーツ構成とエッチングパーツを用いて、「3号戦車C型」の細部表現に重きを置いた内容となっています
●砲塔や車体の溶接跡、ボルト、リベット、そしてハッチ等のパネルラインは繊細かつエッジの立ったモールドで再現、装甲が薄く、華奢な構造を持つ「3号戦車C型」としての雰囲気を演出しています
・ 「3号戦車C型」のキットは、この2015年時点でインジェクションキットとして世界初であり、「3号戦車」初期のタイプに興味がある人、「3号戦車」シリーズの全車両を揃えたい人、そしてドイツ軍戦車を網羅したいユーザーなどにとって、とても貴重となるキットです
・ また、本キットは細分化したパーツ構成ながらレジン製キットよりも作りやすいのは事実であり、「3号戦車」シリーズのコレクションとして欠かせないアイテムとなることでしょう
●サスペンションと転輪類は細分化したパーツ構成で可動とすることが可能、履帯も連結可動式履帯となっており、複雑な構造を持つ足周りが「動く」姿を演出することが可能です
●キットは、車長キューポラを新型へと変更、排気管の配置を変更した「3号戦車C型」を再現しています
・ 新型のキューポラの採用は「3号戦車D型」からとなっている資料もあります
・ ただし、この「3号戦車C型」などの「3号戦車」の初期タイプは、一部のパーツや部位を他のタイプに流用している例が多いのも事実です
●「3号戦車C型」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」、左右の「フェンダー」の5ブロックで構成しています
【 砲 塔 】
●内装式の防盾に新型のキューポラを備えた「3号戦車C型」の砲塔形状を再現、各部は実車の構造に沿って薄く成型しており、ボルト穴や溶接跡、リベットなどの細部を繊細なタッチで再現しています
●「46.5口径 37mm戦車砲 KwK」の砲身は、一体成型のパーツで再現、スライド金型を使用して砲口を開口しています
・ 砲尾部分を再現、閉鎖器は開閉状態を選択して組立てることができます
・ 同軸機銃(通常型)は個別にパーツ化しており、銃口部分は開口した状態となっています
・ 内装式防盾は一体成型のパーツで再現、防盾の視察クラッペは別パーツ化しており、開閉状態を選択して組立てることができます
●砲塔は、上部、底部、前面パネルの3パーツで構成
・ 砲塔側面のハッチは別パーツとなっており、開閉状態を選択して組立てることができます
・ 砲塔側面のクラッペは別パーツ化して内部構造も再現、開閉状態を選択することができます
・ 砲塔上部の手摺り、信号灯、小ハッチなどを別パーツ化して再現しています
●車長キューポラは4層のパーツで構成
・ 視察装置は個別にパーツ化しています
・ 車長ハッチは別パーツで、開閉状態を選択して組立てることができます
●砲塔内部も再現、以下の構造を別パーツ化しています
・ 砲尾
・ 砲尾の防危板
・ 照準器
・ 砲の操作ハンドル
・ 砲の薬莢受け
・ 同軸機銃の機関部
・ 同軸機銃のドラム弾倉
・ 同軸機銃の薬莢受け
・ クラッペの内側構造
・ 砲塔バスケット
・ 車長席、砲手席、装填手席
・ 砲塔旋回装置
など
【 車体上部 】
●エンジンデッキ部分に多くのルーバーを設置した「3号戦車C型」の車体上部レイアウトを再現、ルーバー、エンジン吸気グリル、溶接跡などを繊細なモールドで再現しており、ルーバー部分は開口した状態となっています
●車体上部は、前部、戦闘室、エンジンデッキの3ブロックで構成しています
●前部は一体成型のパーツで再現
・ トランスミッション点検ハッチは別パーツ化、開閉状態を選択することができます
・ 前照灯は、通常のタイプと管制スリットが付いたタイプとをセット、選択して使用することができます
・ 通常のタイプのガラス部はクリアパーツで再現しています
・ 車体前部の牽引ホールドは一体成型のパーツで再現、フック脱落防止用のチェーンを再現するエッチングパーツが付属しています
●戦闘室は、戦闘室本体と前面パネルとの2パーツで構成
・ 操縦手用の視察クラッペと側面のクラッペは別パーツで、開閉状態を選択して組立てることができます
・ 前方機銃は、銃口部分を開口した状態となっています
・ 前方機銃の機関部、ドラム弾倉、薬莢受けなどを再現
・ 前方機銃は、完成後も上下に可動させることができます
・ 戦闘室上部の小さなフックは、ベース部分をモールドで再現、これにフック本体のパーツを取り付けて作製します
・ 戦闘室側面の対空機銃架には固定具を一体成型化しています
●エンジンデッキ部は一体成型となっており、点検ハッチ、側面のエンジングリル部は別パーツ化しています
・ 牽引ワイヤーは、アイの部分のみがパーツ化、ワイヤー本体は別売の金属製ワイヤーなどを使用します
・ 牽引ワイヤーの固定具はエッチングパーツにて再現
【 フェンダー 】
●フェンダーは、網目状となる滑り止めパターンを繊細なモールドで再現、前後のマッドフラップの固定具などは細分化したパーツで再現しています
●フェンダーは、それぞれ一体成型のパーツで再現、前後のマッドフラップは別パーツ化しています
・ 前後のマッドフラップは、降ろした状態と跳ね上げた状態とを選択して組立てることができます
・ マッドフラップの固定具は別パーツ化、一部はエッチングパーツとなります
・ フェンダー支持架は個別にパーツ化しています
・ フェンダー上の車載工具類は個別にパーツ化、それぞれ固定具をパーツとともに一体成型した状態となっています
・ ジャッキ台の固定具はエッチングパーツにて再現
【 車体下部 】
●「3号戦車C型」に備えたリーフスプリングサスペンションの複雑な構造を、細分化したパーツ構成で再現、車体前部の角型の点検ハッチ、デファレンシャルカバーのボルトなどを繊細なタッチで再現しています
●車体下部は、各パネルを箱組み状に貼り合わせて作製します
・ 各サスペンションは、リーフスプリングのパーツを中心にして、両側、もしくは片側にサスペンションアーム、上部に支持アームなどを取り付けて作製します
・ サスペンションアームは、内蔵させる軸パーツのみを車体に接着することにより、上下方向に可動とすることができます
・ 起動輪、誘導輪、転輪は前後に分割したパーツで再現、内蔵する軸パーツのみをサスペンションアームなどに接着することにより回転可動とすることが可能です
・ 起動輪、誘導輪、転輪には、ホイール部分の肉抜き穴も再現
・ 排気管は前後に分割したパーツで再現、先端部は開口した状態となっています
【 履 帯 】
●履帯は、1枚ずつに分割した連結可動式履帯が付属しています
・ 履帯は、両側から差し込むピンによって固定する方式で、可動式ならではの自然な弛みを表現することができます
・ 履帯を作製するための治具が付属しています
・ 各履帯(履板)は、センターガイドを履帯に一体成型化、スライド金型を使用してセンターガイドの肉抜き穴を開口しています
・ 履帯は、36cm幅となる「3号戦車」の初期型用履帯を再現しており、モデルカステン製「3号戦車 / 突撃砲 初期型用履帯 (36cm幅) (可動式)」がこれに対応しています
●前照灯のガラス部などを再現するクリアパーツが付属
●牽引ワイヤー固定具、クラッペの内側のステーなどを再現するエッチングパーツが付属しています
【 「3号戦車C型」の塗装とマーキング 】
●「3号戦車C型」のマーキングとして、ドイツ軍仕様となる6種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 第1戦車師団 (ポーランド / 1939年9月)
・ 第1戦車師団 (ポーランンド / 1939年9月)
・ 国防軍戦車学校 (ドイツ / 1940年~1941年)
・ 国防軍戦車学校 (ドイツ / 1940年~1941年)
・ 国防軍戦車学校 (ドイツ / 1940年~1941年)
・ 国防軍戦車学校 (ドイツ / 1943年)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています
【 「3号戦車C型」のパッケージ内容 】
・ 3号戦車C型 ×1
・ エッチングシート ×2
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2015年 一部新金型