日本海軍 航空母艦 加賀
「日本海軍 航空母艦 加賀 (プラモデル) (フジミ 1/700 特EASYシリーズ No.009 )」です
●太平洋戦争時における日本海軍の航空母艦「加賀」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●太平洋戦争初期において日本海軍空母機動部隊の中核として活躍した航空母艦「加賀」を再現、戦艦の船体に背の高い格納庫を擁した、複雑かつ威厳のあるシルエットを再現した内容となっています
【 「日本海軍 航空母艦 加賀」のキット内容について 】
●日本海軍の航空母艦「加賀」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●フジミ社製「特EASYシリーズ」として航空母艦「加賀」を再現、船体パーツは「加賀」を建造した海軍工廠に合わせたグレー、艦載機などのパーツは艦載機色となる濃いグリーン、というランナーごとに色分けをして成型、飛行甲板、リノリウム甲板、煙突のトップ部分、主砲塔の防水カバー部、カッターの甲板部などを再現したシールを使用することで、組み立てるだけで塗装を行わなくても実艦に近い雰囲気を楽しむことができる内容となっています
●飛行甲板を再現したシールは、木パネル1枚ごとに微妙に色を変化しており、質感高い仕上がりを楽しむことができます
・ 飛行甲板の鉄甲板部分は、グレーに着色したシートに各表示線をプリントしています
●フジミ社製「日本海軍 航空母艦 加賀」をベースに「特EASYシリーズ」として成型色を変更、シールを追加したバリエーションキットとなります
・ フジミ社製「日本海軍 航空母艦 加賀」をベースとしていますので、通常とおりに塗装を行うこともできますが、飛行甲板の表示線などを再現した「デカール」は付属していませんのでご注意下さい
●「加賀」は、飛行甲板上に大きな日の丸マークを描いていない、太平洋戦争開戦時の状態を再現しています
●艦体喫水線までの部分を再現した洋上モデルです
●「加賀」は、「船体」「上甲板」「飛行甲板」「艦橋などの上部構造物」「高角砲などの艤装類」を、それぞれブロック化して分割した構成となっています
●各ブロックをそれぞれ個別に組み立てて、上甲板、飛行甲板、構造物、艤装類を船体ブロックへと取り付けて完成させます
●船体は左右に分割したパーツで構成
・ 船体左右のパーツの張り合わせする際、接着の際に歪むのを防ぐため「桁パーツ」を挟んで組み立てるようになっています
・ 船体には、格納庫側面と主砲マウントを一体成型化しており、 格納庫前部は別パーツとなっています
・ 船体部には、バルジなどの基本構造の他、舷側の舷窓、フェアリーダー、塵捨管などの細部をモールドで再現
・ 舷窓上には繊細な凸モールドで雨樋再現しています
・ 洋上モデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属しています
●上甲板は、船首部分、船尾部分、そしてボート収納デッキの各ブロックで構成
・ 甲板上には、アンカーチェーン導板、リール、ボラード、ボート架台などのディテールをモールドで再現しています
・ 船首部分の甲板上のデッキに存在する武装(詳細は不明)を別パーツ化しています
●飛行甲板は一体成型のパーツで再現、エレベーター部分は別パーツ化しています
・ 飛行甲板前部にはカタパルト装着用の溝をモールドで再現しています(カタパルト自体は装着されることはありませんでした)
・ 飛行甲板上には、木甲板表現や遮風棚などを繊細な凹モールドで再現しています
・ 飛行甲板裏側の甲板を支える梁を甲板パーツと一体成型して再現
・ 飛行甲板後部下面に設置した複雑な支柱構造は別パーツ化して再現、9パーツで構成しています
●飛行甲板下部の支柱は、1本ずつ別パーツ化しています
・ 後部の支柱には特徴的な穴状の細部構造を再現
・ 前部の支柱は「4本」と「6本」とを選択して組み立てる事ができます
「加賀」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成しています
●艦橋
・ 艦橋は、上部と下部に分割したブロックで構成
・ 上部は2層、下部は左右に分割したパーツで再現、トップの「91式高射装置」は別パーツ化しています
・ 艦橋窓枠は、窓の部分を一段凹んだ状態で再現、艦橋窓枠の部分を再現したシールも付属しています
・ 艦橋下部には、舷窓などのディテールをモールドにて再現
・ 艦橋に装備する、「方位測定器」(×2)、「60cm探照灯」(×3)、「測距儀」(×1)などを別パーツ化
● 煙突
・ 煙突は上下に分割したパーツで再現、煙突内部の整流板も再現しています
●機銃用スポンソンはブロックごとにパーツ化しており、下面の補強板を1枚ずつモールドで再現しています
・ スポンソン部の支柱は別パーツ化、もしくは船体部分に一体成型化して再現
●主砲塔 「50口径 3年式 20cm単装砲」 ×10
・ 砲塔は砲身を含めて1パーツで再現、 砲身基部には防水カバーを再現しています
●高角砲 「40口径 89式 12.7cm連装高角砲」 ×8
・ 右舷後部の2門は煙突の煙除けのシールド付き(A1型改2)、左舷及び右舷前部の6門はシールド無しの状態(A1型)を再現
・ シールド付きの高角砲は、連装状に一体成型となった砲身部とシールド部で構成
・ シールド無しの高角砲は、連装状に一体成型となった砲身部と砲架部との2パーツで再現
・ 高角砲支筒は別パーツ化しており、複雑な形状を再現
●対空機銃 「25mm 連装機銃」 ×12
・ 機銃は1パーツで再現しています
●内火艇、カッターなど
・ 12m内火艇 ×2
・ 11m内火艇 ×1
・ 13m特型運搬船 ×2
・ 12m内火ランチ ×2
・ 大型カッター ×2
・ 中型カッター ×6
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 錨、副錨
・ 菊花紋章
・ パラベーン
・ 高射装置
・ 110cm探照灯 (クリアパーツ)
・ ラッタル
などをセットしています
●艦載機
・ 艦載機は、本体、キャノピー、脚、尾脚、プロペラのパーツ構成となっており、機種による爆弾類の武装(増槽)を別パーツ化
・ 各艦載機は濃いグリーンで成型しています
●艦載機内容
・ 零式艦上戦闘機 21型 ×2
・ 99式艦上爆撃機 ×2
・ 97式艦上攻撃機 ×2
●飛行甲板、上甲板部などのリノリウム貼り表現、艦橋窓枠、カッター類の甲板部、内火ランチのキャンバス部、煙突トップの黒い部分、探照灯のガラス部、旗竿に掲げられる軍艦旗、艦載機の日の丸マークなどを再現したシールが付属
・ 飛行甲板のシールは、甲板のラインに沿って3分割しており、木甲板表現、鉄甲板、エレベーター、滑走静止装置、着艦制動装置、探照灯の蓋、各種表示線、着艦標識などをプリントしています
●「日本海軍 航空母艦 加賀」の成型色
・ 船体、船底、飛行甲板、上部構造物、主砲など : グレー(佐世保海軍工廠色)
・ 艦載機 : 濃いグリーン
【 「日本海軍 航空母艦 加賀」のパッケージ内容 】
・ 航空母艦 加賀 ×1
・ 零式艦上戦闘機 21型 ×2
・ 99式艦上爆撃機 ×2
・ 97式艦上攻撃機 ×2
・ シールシート ×2
・ 組立て説明書 ×1
●2015年 成型色を変更、特EASY用シールをセットしたバリエーションキット (フジミ社「特EASYシリーズ」第9弾)
【 「航空母艦 加賀」について 】
●日露戦争後の海軍増強計画である「88艦隊」に基づき建造が始まったのが戦艦「加賀型」(「長門型」の拡大型)で、その1番艦である「加賀」は1920年7月に起工しました
●しかし、「ワシントン軍縮会議」において主力艦艇の削減を締結、建造中の「加賀型」(「加賀」「土佐」)は廃艦処分となることが決定します
●一方、同じ「88艦隊」計画により起工していた巡洋戦艦「天城」「赤城」は、「ワシントン軍縮会議」により航空母艦へと改造が決定、その改造工事を進めます
●ところが、1923年に関東大震災が発生し、横須賀で建造中の「天城」は船台から転落して修理不能な損傷を受けてしまい、この「天城」の代替艦として「加賀」を航空母艦へ転用することになりました
●これにより「加賀」は1928年に航空母艦として竣工、ただし、この時代の各国海軍における航空母艦の建造・運用は様々な試行錯誤を繰り返しており、「加賀」は「赤城」と同じ「3段式甲板」を持つ姿となりました
●日本海軍は他の列強国と比べて戦艦などの主力艦艇の数が少なく、その不利を補うために航空機による攻撃を世界に先駆けて研究していました
●この航空機の運用を念頭に置いた上で、世界最初の純粋の航空母艦「鳳翔」(それまでに存在した航空母艦は改造したもの)を建造、続いて「赤城」「加賀」「飛龍」「蒼龍」などの航空母艦が加わりました
●艦載機の性能も日進月歩で向上が行なわれ、当初の固定脚の複葉機から、単翼に、そして引き込み脚へと移り変わり、速度が増大、それにより航空母艦の飛行甲板も従来よりも長さが必要となります
●このようなテクノロジーの進歩に合わせるため「3段甲板」の「加賀」は、1934年に全通式の飛行甲板を持つ姿へと近代化改装が行なわれました
・ この改装により搭載機数は以前の60機から90機に増大しています
・ 「加賀」は戦艦をベースとした船体のために最高速度は27ノットと、30ノット以上の速度を持つ通常の正規空母と比べて速度が遅く、改装後は船体重量が増したものの機関を交換することで、28ノットに微増しています
・ 同様な改装を受けた「赤城」が旧型の「45口径 10年式 12cm連装高角砲」を6基搭載するのに対して、「加賀」は新型の「40口径 89式 12.7cm連装高角砲」を8基搭載しています
・ また、搭載方法も高い位置に設置され、反対方向への指向性を高めており、「赤城」と比べて対空能力は大幅に強力なものでした
●全通式の甲板を持った航空母艦「加賀」は、同時期に建造・改装が行なわれた「赤城」と共に「第1航空艦隊」に編入、その威容により日本海軍の2大空母として国民に親しまれました
●「第1航空艦隊」は、空母を集中して運用するという世界に先駆けた日本海軍の新しい考え方から発案されたもので、「第1航空戦隊」の「赤城」「加賀」、「第2航空戦隊」の「飛龍」「蒼龍」、「第5航空戦隊」の「翔鶴」「瑞鶴」、そして護衛艦艇を傘下に持ち、その艦載機による打撃力は、当時の列強国の艦隊とは比べ物とならない程の絶大な威力を誇っていました
●この「第1航空艦隊」は、1941年12月の真珠湾攻撃に参加し、多数の艦載機による攻撃力の大きさを世界に示すこととなります
●続く、ポートダーウィン攻撃などに参加、しかし、「加賀」はパラオにて座礁事故を起こしてしまい、その修理のためにその後のセイロン沖海戦には参加できませんでした
●一大決戦となった1942年6月のミッドウェー作戦では、「第1航空艦隊」は「第1航空戦隊」と「第2航空戦隊」の4隻の空母で参戦(「第5航空戦隊」は珊瑚海海戦による損害により不参加)、「大和」を主力とする砲戦隊の主力部隊の遥か前方に位置し、露払いの役割を務めます
●しかし、この作戦は暗号解読によりアメリカ側に筒抜けであり、アメリカ海軍は3隻の空母を動員して待ち受けていました
●「第1航空艦隊」は、ミッドウェー島のアメリカ軍の航空隊を殲滅する役割を持っており、当初は練度の高さと艦載機の性能により敵を圧倒していましたが、ミッドウェー島の攻撃とアメリカ軍の空母への攻撃とが錯綜してしまいます
●アメリカ軍の航空機による攻撃は直衛の「零戦」により尽く阻止していましたが、アメリカ軍の急降下爆撃機「ドーントレス」は、雷撃機への対処で低空に移動した「零戦」の間隙を突き、空母へ爆弾攻撃を行いました
●この攻撃により「加賀」は3発の爆弾を被弾、搭載する艦載機と積載準備中の爆弾、魚雷へと被害が広がって大破炎上し、その栄光の生涯を閉じたのでした