日本海軍 航空母艦 瑞鶴
「日本海軍 航空母艦 瑞鶴 (プラモデル) (フジミ 1/700 特EASYシリーズ No.010 )」です
●太平洋戦争時における日本海軍の航空母艦「瑞鶴」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●軍縮条約明けに設計が行われ、当時の日本の造艦技術の粋を集めなんの制限なく建造された大型空母「瑞鶴」を再現、均整の取れたスマートな船体に長大な飛行甲板を装備した姿を再現した内容となっています
●日本海軍艦艇の中では難易度の高い塗装作業となる、飛行甲板上に幾何学模様の迷彩パターンが描かれた戦争後期における航空母艦「瑞鶴」を再現したキットで、色分けしたランナーとシールで迷彩パターンを施された「瑞鶴」の姿を再現することができます
【 「日本海軍 航空母艦 瑞鶴 」のキット内容について 】
●日本海軍の大型正規空母「瑞鶴」を再現したプラスチックモデル組立キット
●フジミ社製「特EASYシリーズ」として航空母艦「瑞鶴」を再現、船体は戦争後期における迷彩色であるライトグリーン、艦載機などは艦載機色となる濃いグリーン、といった形でランナーごとに色分け、飛行甲板、船体の迷彩塗装、煙突のトップ部分、艦載艇の甲板部などを再現したシールを使用することで、組み立てるだけで塗装を行わなくても迷彩パターンを施した「瑞鶴」の姿を楽しむことができる内容となっています
・ 本キットは航空母艦「瑞鶴」の「レイテ沖海戦」時の姿を再現しており、この海戦前に塗装が行われたグリーンを基調とした迷彩を、色分けしたランナーとシールで再現しています
・ 舷側部の迷彩色の塗り分けはシールを使用します
●フジミ社製「日本海軍 航空母艦 瑞鶴 1944」をベースに、「特EASYシリーズ」として成型色を変更、シールを付属したバリエーションキットとなります
・ フジミ社製「日本海軍 航空母艦 瑞鶴 1944」がベースキットですので、通常とおりに塗装を行うこともできますが、飛行甲板の表示線などを再現したデカールは付属していませんのでご注意下さい
●太平洋戦争開戦後、「瑞鶴」は逐次対空兵装の強化を行っており、本キットでは「レイテ沖海戦」時における噴進砲などの対空兵装を増強した状態を再現しています
●艦体喫水線までの部分を再現した洋上モデルです
●「瑞鶴」は、「船体」「上甲板」「飛行甲板」「艦橋などの上部構造物」「高角砲などの艤装類」を、それぞれブロック化して分割した構成となっています
●各ブロックをそれぞれ個別に組み立てて、上甲板、飛行甲板、構造物、艤装類を船体ブロックへと取り付けて完成させます
●船体は左右に分割したパーツで構成
・ 船体には、「格納庫側面」を一体成型化しています
・ 左右の舷側を合わせる際に船体に歪が生じないよう、間に「桁」を挟み込んで組み立てます
・ 船体部には、「舷外電路」「舷側の舷窓」「フェアリーダー」「塵捨管」などの細部をモールドで再現しています
・ 舷窓には「雨樋」を繊細なモールドで再現
・ 洋上モデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属しています
●上甲板は、「船首部分」「船尾部分」「ボート収納デッキ」に3分割した構成
・ 甲板上には「アンカーチェーン導板」「リール」「ボラード」「ボート用架台」などの細かなディテールを繊細なモールドで再現しています
・ 上甲板に増設した「機銃台座」を再現、「滑り止めパターン」や「スポンソン側面」のディテールも再現しています
●飛行甲板は一体成型のパーツで再現、「エレベーター部分」は別パーツとなっています
・ 飛行甲板上には「木甲板」「甲板継ぎ手」「滑走制止装置基部」などのディテールをモールドで再現しています
・ 飛行甲板裏側にの独特の「梁構造」を立体感あるモールドにて再現
・ 甲板先端及び後端下に設置された「飛行甲板支柱」は、1本ずつ個別にパーツ化しています
・ 飛行甲板上の「遮風柵」は別パーツ化して再現しています
「瑞鶴」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成しています
●艦橋
・ 艦橋の主要部は上部と下部のブロックで構成、上部は3層、下部は左右に分割したパーツで再現しています
・ パーツ上には「舷窓」「扉」などのディテールを繊細なモールドで再現しています
・ トップの「21号電探」は別パーツ化して再現
・ 艦橋に装備する、「方位測定器」(×1)、「1.5m測距儀」(×2)、「60cm探照灯」(×4)などを別パーツ化しています
●マスト
・ マスト基部は三脚楼型、トップは単楼型で、4パーツに分割したパーツ構成で細かな構造を再現しています
・ マストに装備する、「13号電探」(×1)を別パーツ化
●通信マスト
・ 通信マストは、下部、ヤード、上部の3パーツで構成
・ 左舷前方の通信マストに装備する、「13号電探」(×1)を別パーツ化しています
● 煙突
・ 煙突本体は上下に分割したパーツで再現、トップは別パーツ化して再現しています
・ パーツ表面上には「緊急用排煙口」などのディテールをモールドで再現
・ トップは開口した状態となっており、 煙突内部の「整流板」も別パーツにて再現しています
●機銃用スポンソンはブロックごとにパーツ化、下面の補強板を1枚ずつモールドで再現しています
・ スポンソン部の支柱は別パーツ化、複雑な構造を再現しています
●噴進砲用スポンソンは左右それぞれ一体成型のパーツで再現、下面の支柱や上面の滑り止めを再現しています
・ スポンソン部の支柱は別パーツ化、複雑な構造を再現しています
●高角砲 「40口径 89式 12.7cm連装高角砲」 ×8
・ 右舷後部は煙突の煙除けのシールド付き(A1型改2)、左舷と右舷前部はシールド無しの状態を再現(A1型)
・ シールド付きの高角砲は、連装状に一体成型した砲身と、シールド部で構成しています
・ シールド無しの高角砲は、砲身部と砲架部との2パーツで構成
・ 高角砲支柱は別パーツ化、複雑な形状を再現しています
●対空機銃 「25mm 3連装機銃」 ×16、「25mm 3連装機銃(シールド付き)」 ×2
・ 機銃は一体成型のパーツで再現、シールド付きの機銃は銃身とシールドの2パーツで構成しています
●噴進砲 「12cm 28連装噴進砲」 ×8
・ 噴進砲は一体成型のパーツで再現
●飛行甲板上を飾る艦載機が付属しています
・ 零式艦上戦闘機 21型 ×2
・ 零式艦上戦闘機 52型 ×2
・ 97式艦上攻撃機 ×2
・ 艦上攻撃機 天山 ×2
●艦載機は、本体、キャノピー、脚、尾脚、プロペラに分割したパーツ構成
・ 増槽や爆弾類の武装は別パーツ化しています
・ 各艦載機は濃いグリーンで成型しています
●内火艇、カッターなど
・ 12m内火艇 ×6
・ 13m特型運搬船 ×2
・ 8m内火ランチ ×1
・ 中型カッター ×2
・ 小型カッター ×1
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 錨、副錨
・ 菊花紋章(前部フェアリーダー含む)
・ パラベーン
・ 舷梯
・ 係船桁
・ 94式高射装置
・ 110cm探照灯
・ 着艦表示灯
などをセットしています
●飛行甲板、舷側の迷彩パターン部、艦橋窓枠、カッター類の甲板部、内火ランチのキャンバス部、煙突トップの黒い部分、探照灯のガラス部、旗竿に掲げられる軍艦旗、艦載機の日の丸マークなどを再現したシールが付属
・ 飛行甲板のシールは、甲板のラインに沿って前後に分割しており、独特の迷彩パターン、表示線、エレベーター、滑走制止装置、着艦制動装置などをプリントしています
●「日本海軍 航空母艦 瑞鶴 」の成型色
・ 船体、船底、飛行甲板、艦橋、スポンソンなど : ライトグリーン(外舷21号色)
・ 上甲板、煙突、スポンソンの一部 : ダークグリーン(外舷22号色)
・ 機銃、内火艇など : グレー
・ 艦載機 : 濃いグリーン
【 「日本海軍 航空母艦 瑞鶴 v」のパッケージ内容 】
・ 日本海軍 航空母艦 瑞鶴 ×1
・ 零式艦上戦闘機 21型 ×2
・ 零式艦上戦闘機 52型 ×2
・ 97式艦上攻撃機 ×2
・ 艦上攻撃機 天山 ×2
・ シールシート ×3
・ 組立て説明書 ×1
●2015年 成型色を変更、特EASY用シールをセットしたバリエーションキット (フジミ社「特EASYシリーズ」第10弾)
【 「航空母艦 瑞鶴」について 】
●日本海軍は、世界初の新造空母「鳳翔」から始まり、「赤城」「加賀」に続く設計と運用に実験が繰り返され、「蒼龍」「飛龍」で空母としての形が出来上がりました
●しかし、「蒼龍」「飛龍」は軍縮条約の下での設計であり、全体に小ぶりで、防御面においても十分とは言えませんでした
●航空母艦「翔鶴型」は、1937年から建造が始まった新鋭艦で、それまでの空母運用と設計のノウハウをベースとしながら余裕を持って作られており、日本海軍の理想の空母を実現した姿で生まれました
●排水量は25,000トン、戦艦「大和」よりも大出力の160,000馬力の機関を搭載、それにより大型の艦ながら最高速度34ノットという高速性を持っています
●また、防御力は強力となり、主要部分の装甲を強化、船体は水雷への防御力も大幅に向上し、性能的には当時の世界最高水準を誇っていました
●「翔鶴型」の2番艦である航空母艦「瑞鶴」は1941年9月に竣工、同年8月に竣工した1番艦の航空母艦「翔鶴」と共に「第5航空戦隊」を編成、近々に予想された日米開戦に向けて急ピッチで乗員や航空機の搭乗員の練成訓練を実施します
●この「第5航空艦隊」を傘下に収める「第1航空艦隊」は、空母を集中して運用するという日本海軍の新しい考え方から発案されたもので、「第1航空戦隊」の「赤城」「加賀」、「第2航空戦隊」の「飛龍」「蒼龍」、「第5航空戦隊」の「翔鶴」「瑞鶴」、そして護衛の艦艇を隷下とし、その艦載機による打撃力は、当時の列強国の艦隊とは比べ物とならない程の絶大な威力を誇っていました
・ 当時それほど注目されなかったのは、航空機では戦艦などの強力な艦艇を沈めることはできないという大艦巨砲主義が蔓延していたからです
・ 「第5航空戦隊」は、性能的には「第1、第2航空戦隊」の空母を凌駕しており、真珠湾攻撃は同戦隊の戦力化を待って立案されたという説も有ります
●この「第1航空艦隊」は、1941年12月の真珠湾攻撃に参加し、多数の艦載機による機動打撃力の大きさを世界に示すこととなります
●「第1航空艦隊」は続く、ポートダーウィン攻撃、セイロン沖海戦などにも参加、特にセイロン沖海戦では海上で航行するイギリスの巡洋艦に対し、航空攻撃が80%以上の命中率を上げるなど移動目標に対して攻撃する練度の高さと、艦載機の優秀さを誇りました
●「第5航空戦隊」は、「第1航空艦隊」から分離する形でニューギニアの「ポートモレスビー」攻略の命を受けて世界初となる空母同士の戦いとなる「珊瑚海海戦」に参加、アメリカの大型空母「レキシントン」を撃沈、中型空母の「ヨークタウン」を中破させるという戦果を挙げます
●しかし、僚艦「翔鶴」が3発の爆弾を被弾、「瑞鶴」はスコールの雨の中に入り損害はありませんでしたが、航空機搭乗員を多く失ったために「翔鶴」と共に撤退、「ポートモレスビー攻略」も中止となりました
●この海戦による修理と補充の関係から、続く日本海軍が総力持って挑んだ「ミッドウェー作戦」には参加できませんでした
●「ミッドウェー作戦」の失敗により「赤城」「加賀」「蒼龍」「飛龍」という主力空母を失った日本海軍は、「翔鶴」「瑞鶴」を空母機動部隊の中核として位置付けしました
●そして、ガダルカナル島沖での「第2次ソロモン海戦」、「南太平洋海戦」など「翔鶴」「瑞鶴」は常にペアを組み死闘を繰り広げます
・ これは、性能が同じ艦で編成を組むと艦隊での行動や、航空機の運用が行い易いというメリットがあったためです
●これらの戦いにおいてアメリカ海軍の空母「ホーネット」を撃沈するなどの活躍をしましたが、僚艦「翔鶴」は4発の爆弾を被弾して大破、そして激しい戦いにより航空機とその搭乗員の消耗は激しく、以後は修理と航空機搭乗員の練成を行なうこととなりました
・ 「翔鶴」が度々被弾するのに対して「瑞鶴」は無傷で、この頃から武運に強い艦として見られるようになります
●しかし、南太平洋戦域での戦いに、練成中の航空隊が次々と引き抜かれて行くようになり、空母機動部隊としての運用ができない状態となってしまいます
●1944年6月に行なわれた「マリアナ沖海戦」では、日本海軍は9隻の空母を集中的に運用してアメリカ軍との一大決戦を挑みます
●「翔鶴」「瑞鶴」は、その中核となっており、活躍が期待されましたが、それまでの経緯から航空機の搭乗員の練成不足は明白で、往時の航空隊の能力と比べ物にならず、それに対してアメリカ軍は、練度が高く、航空機、兵器、空母もより強力となっていました
●「翔鶴」は、航空機隊の発艦時にアメリカ潜水艦の攻撃に遭い、4発の魚雷が命中、それに伴い気化した航空機燃料に引火、大火災が発生し、戦没してしまいます
●「瑞鶴」も艦橋付近を小破、はじめての被害を被りました
●この「マリアナ沖海戦」は、日本海軍側の一方的な敗北に終わり、彼我の航空戦力の差は如何ともし難くなりました
●1944年10月、アメリカ軍はフィリピン東部のレイテ島に上陸を開始、このフィリピンが一大決戦の地と見た日本陸海軍は、総力を掛けてアメリカ軍を叩くことを決意します
●ただし、日本海軍はもはや航空戦闘で勝利することは不可能で、空母機動部隊を「囮」として敵空母群を引き付け、海軍に残存している戦艦などの砲戦隊で敵上陸部隊などを撃破、アメリカ軍に大損害を与えるという苦肉の作戦を立てます
●「瑞鶴」は、その空母機動部隊「小澤艦隊」の旗艦となり、その他に航空母艦「瑞鳳」「千歳」「千代田」、航空戦艦「伊勢」「日向」などの艦が配備されました
●しかし、この空母群は少数しか艦載機を持たず、あくまでも敵を引き付ける役目としての能力しか持っていませんでした
●1944年10月「レイテ沖海戦」が行われ、「小澤艦隊」はフィリピン北方に、砲戦隊である「栗田艦隊」、「西村艦隊」、「志摩艦隊」はフィリピン中央部を突き進み、レイテ島沖へと突入しました
●10月24日、「小澤艦隊」は、数少ない艦載機を出撃させ、敵機動部隊の主力を引きつけることに成功、翌25日に敵機動部隊の艦載機による集中攻撃を受けます
●「瑞鶴」は3波に渡る攻撃により多数の爆弾や魚雷を被弾、艦隊の他の空母が次々と脱落して行く中、最後まで対空戦闘を行いますが、序々に戦闘力を喪失します
●浸水による傾斜が増したため、ついに「総員退艦」の命が下り、艦尾からゆっくりとその身を沈め、この任務の責任を果たしたのでした
●「レイテ沖海戦」は実質的に日本海軍最後の抵抗であり、「瑞鶴」はその最後を飾る戦いぶりを見せ、栄光の戦史に幕を閉じています