アメリカ M60 パットン
「アメリカ M60 パットン (プラモデル) (ドラゴン 1/35 Modern AFV Series No.3553 )」です
●1950年代末に登場した、アメリカ軍の主力戦車「M60」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●「M48」の後継として、そしてその後の「M60」シリーズの始祖となった主力戦車「M60」を再現、独特の舟形の車体に「M48」譲りの亀甲形の砲塔を搭載した、アメリカ戦車らしい骨太なフォルムを再現した内容となっています
●ドラゴン社製「アメリカ M60A2 スターシップ」をベースに、「M60」を再現するために、主砲、砲塔、銃塔などを新規パーツに変更したバリエーションキットです
【 「アメリカ M60 パットン」のキット概要 】
●ディテール再現に重きを置きながらも、ドラゴンのキットとしてはパーツ数及びエッチングパーツを抑えた内容
●「M48」とは微妙に異なる砲塔を再現
●防盾は、防塵カバーが付いた状態を再現
●乗員用ハッチは開閉状態を選択可能
●各ペリスコープや前照灯ユニット、投光器のガラス部を再現したクリアパーツが付属
●履帯は、ラバーシェブロンタイプの「T97E2」履帯、DS素材によるベルト式
●塗装例はアメリカ軍仕様1種、国籍マーク、車両番号などを再現したデカールが付属
【 「M60 主力戦車」について 】
●1952年、アメリカ軍は「M47」の後継車両として、主力戦車「M48」を開発、実戦配備を進めました
●しかし、1950年代中頃になるとソ連軍は「T-54/55」の大量生産を開始、この「T-54/55」は100mm砲を搭載しており、90mm砲を搭載する「M48」はスペック上の不利を指摘されるようになります
●これを受けてアメリカ軍は1956年に「M48」の後継車両の開発を開始、「M48」の設計を継承する形で開発が進み、約3年という短かい期間で「M60」を開発しました
●「M60」の砲塔は「M48」と準同型と言える形状で、主砲には西側の標準戦車砲となった「L7 105mm戦車砲」を装備、「M48」よりも火力は大幅に向上しています
●車体のレイアウトは「M48」を継承しながらも、鋳造を多用した「M48」に変わって溶接接合を多用、丸みを帯びた「M48」に対して、「M60」では全体的に角張った形状へと変化しています
●「M60」では、「M48」の戦訓から当初よりディーゼルエンジンを搭載、750馬力の出力で最大速度48km/hという機動力を有していました
●また、転輪やフェンダーにはアルミ合金を用いることで軽量化を実現、もっともこのアルミ合金の部分は従来の鉄製よりも被弾や損傷に弱いという欠点を持っていました
●「M60」は外観上では「M48」の改良型に見える車両でしたが、以後の「M60」の基本形を築き上げた存在でした
●ただし、ソ連軍の「T-54/55」を過大評価したことから、開発を急いだのも事実で、冷戦時代後期の西側の戦車部隊の主力が戦後第2世代戦車であったのに対して、アメリカ軍では戦後第1世代戦車の延長上である「M60A1」や「M60A3」を運用することになり、戦後第3世代戦車「M1 エイブラムス」の登場まで、戦車性能の空白期間が生じたのも否めませんでした
●もっとも「M60」は、「M60A1」~「M60A3」という冷戦時代のアメリカ戦車を代表する車両の素地となり、戦後のアメリカ戦車史を語る上で欠かせない存在となっているのです
【 「アメリカ M60 パットン」のキット内容について 】
●アメリカ軍の主力戦車「M60」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●ドラゴン社の現用車両シリーズのフォーマットにのっとり、ディテール再現を重視しながらもパーツ数を抑えて「M60」を再現した内容となっています
●「M60」は、「砲塔」「銃塔」「車体上部」「車体下部」「左右フェンダー」の6ブロックで構成しています
【 砲 塔 】
●アメリカ戦車らしい肌理の細かな鋳造肌をもつ「M60」の砲塔形状を再現、鋳造の刻印もモールドで再現しています
●「L7 105mm戦車砲」の砲身は、排煙器を含めて一体成型のパーツで再現、砲口を開口しています
・ 「防盾」は防塵カバーが付いた状態を再現しており、防盾本体と砲身基部の蛇腹部分と2パーツで再現
・ 「防盾」は接着及び塗装が可能な軟質素材製パーツで構成しています
・ 「投光器」は10パーツで再現、前面のガラス部は枠の部分も含めてクリアパーツで再現しています
●砲塔は上下に分割したパーツで構成
・ 「装填手ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択できます
・ 「ベンチレーター」部分は別パーツとなっています
・ 「ステレオ式レンジファインダー」は別パーツ化、ファインダー口を開口しています
・ 砲手用ペリスコープはクリアーパーツで再現、ペリスコープガードは上下2パーツに分割して再現
・ 後部バスケットは横のラインで分割しており、全体は5パーツで構成しています
・ 左右の手摺りはそれぞれ一体成型のパーツで再現
・ 「牽引ワイヤー」は、アイの部分はプラパーツ、ワイヤー本体は付属の金属製ワイヤーで作製します
【 銃 塔 】
●銃塔は上下に分割したパーツで構成
・ 銃身は一体成型のパーツで再現、銃口を開口しています
・ 「防盾」は一体成型のパーツで再現、完成後も上下に可動させることができます
・ 「車長ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択できます
・ 銃塔は、完成後も左右に旋回させることができます
【 車体上部 】
●車体上部は、装甲板表面の荒れを強弱をつけたモールドで再現しています
●車体上部は一体成型のパーツで再現、エンジングリル部は別パーツとなっています
・ エンジングリル部は後部パネルも含めて6パーツに分割して再現
・ 「操縦手ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択できます
・ 「操縦手用ペリスコープ」はクリアパーツで再現しています
・ 「前照灯ユニット」は、前後に分割したパーツで再現、前部はクリアパーツとなっています
・ 「排気管」は1パーツで再現、先端部は開口しています
【 フェンダー 】
●フェンダーは、本体、前後フラップ、フェンダー後部内側の4パーツで再現
・ フェンダー支持架は個別にパーツ化、肉抜き穴を再現しています
・ フェンダー上の「雑具箱」はそれぞれ一体成型のパーツで再現
・ 「エアクリーナー」は、各パネルを箱組み状に貼り合わせて作製します
【 車体下部 】
●「M60」シリーズの特徴となる車体下部の舟形の形状を再現、車体上部とは側面のバルジ部分のトップで分割しています
●車体下部は、バスタブ状になった一体成型のパーツで再現
・ 「サスペンションアーム」「ショックアブソーバー」「ダンパー」は別パーツ化しています
・ 「下部転輪」は、ホイール部分とホイールのリム部分を含めたゴムの部分に分割したパーツで再現
・ 「起動輪」は前後方向で4分割したパーツで再現
【 履 帯 】
●履帯は、表面にシェブロン状の滑り止めが付いたダブルピン履帯「T97E2」を再現しています
・ 履帯は、接着及び塗装が可能なDS素材によるベルト式となっています
●操縦手のペリスコープ、前照灯ユニットの前部、サーチライトの前面部などを再現したクリアパーツが付属
●銃塔のボルトなどを再現したエッチングパーツが付属しています
【 「M60」の塗装とマーキング 】
●「M60」のマーキングとして、アメリカ軍仕様となる1種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 第64機甲連隊 第2大隊 (1964年)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています
【 「アメリカ M60 パットン」のパッケージ内容 】
・ M60 主力戦車 ×1
・ エッチングシート ×1
・ 金属製ワイヤー ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2016年 一部新金型