日本海軍 重巡洋艦 高雄
「日本海軍 重巡洋艦 高雄 (プラモデル) (フジミ 1/700 特EASYシリーズ No.015 )」です
●太平洋戦争時における、日本海軍の重巡洋艦「高雄」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●日本海軍の主力艦として各海戦に参加した重巡洋艦「高雄」を再現、艦隊旗艦としての能力を有した巨大な艦橋構造と、強力な兵装を装備した、現代のイージス艦を連想させる重厚なシルエットを再現した内容となっています
【 「日本海軍 重巡洋艦 高雄」のキット内容について 】
●日本海軍の重巡洋艦「高雄」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●フジミ社製「特EASYシリーズ」として重巡洋艦「高雄」を再現、船体パーツは「高雄」を建造した海軍工廠に合わせたグレー、艦載機は濃いグリーンといったように、ランナーごとに色分けをして成型、リノリウム甲板、煙突のトップ部分、カッターの甲板部などを再現したシールを使用することで、塗装を行わず、組み立てるだけで色分けした「高雄」を完成させることができる内容となっています
●フジミ社製「日本海軍 重巡洋艦 高雄 1944年」をベースに「特EASYシリーズ」として成型色を変更、シールを追加したバリエーションキットとなります
・ 「日本海軍 重巡洋艦 高雄 1944年」のキットがベースになっていますので、通常どおりに塗装を行うこともできます
●太平洋戦争開戦後、「高雄」は対空兵装の増強を繰り返しており、本キットでは対空兵装を強化した1944年の姿を再現しています
●艦体喫水線までの部分を再現した洋上モデルです
●「高雄」は、「船体」「上甲板」「艦橋などの上部構造物」「主砲などの艤装類」のブロックごとに分割した構成となっています
●各ブロックをそれぞれ個別に組み立てて、構造物と艤装類を船体ブロックへと取り付けて完成させます
●船体部は、船体と船底部との上下に分割したパーツ構成
・ 船体には、「舷窓」「閉塞された舷窓」「舷外電路」「フェアリーダー」「ホースパイプ」などのディテールを繊細なモールドで再現しています
・ 魚雷発射管口は開口しています
・ 洋上モデルに欠かせない、船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属しています
●上甲板は、全通状に一体成型となったパーツで再現
・ 上甲板上には、主砲塔台座、リノリウム押さえ、滑り止めなどのほか、「リール」「ボラード」「昇降口」「天窓」「通風筒」などのディテールを凹凸あるモールドで再現しています
「高雄」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成しています
●艦橋
・ 艦橋は4層で構成、トップの「測距儀」「射撃指揮所」は別パーツ化しています
・ 艦橋の下層部(羅針艦橋より下部)は一体成型のパーツで再現、各面の「窓」「扉」などをモールドで再現しています
・ 「艦橋窓」は別パーツ化、窓ガラスにあたる部分を一段凹んだ状態で再現し立体感を演出しており、艦橋窓枠の部分を再現したシールも付属しています
・ 艦橋の上下部には「遮風装置」を立体感あるモールドで再現
・ 艦橋側面のラッタルをパーツ化しています
・ 艦橋に装備する、「91式高射装置」(×2)、「4.5m高角測距儀」(×2)、「方位盤」(×2)、「60cm探照灯」(×2)、「25mm連装機銃」(×2)、「22号電探」(×2)などを別パーツ化
●シェルター甲板
・ シェルター甲板は、一体成型のパーツで再現、シェルター甲板側面は船体パーツに一体成型化しています
・ シェルター甲板上には、前部にリノリウム押さえ、後部には滑り止めをモールドで再現しています
●航空機作業甲板
・ 航空機作業甲板は、本体部分と左右の側面部との3パーツで構成
・ 甲板上には、「滑り止め」「航空機軌条」「ターンテーブル」などをモールドで再現、「航空機軌条」は立体的なモールドとなっています
・ 「航空機運搬台」(×3)が付属
●メインマスト
・ メインマストは三脚檣型で、前後に分割したパーツで再現
・ マスト中央の「電探探信室」はマストに一体成型化しています
・ マストの装備する、「21号電探」(×1)、「13号電探」(×1)は別パーツ化
●煙突
・ 第1、第2煙突の本体部分は左右に分割したパーツで再現、 煙突トップの雨水カバー部、煙突内部の整流板は別パーツとなっています
・ 煙突周囲の「手摺り兼足掛け」をモールドで再現
・ 雨水カバーは開口しています
・ 前側面の「小煙突」は別パーツ化、それぞれの形状の違いを再現しています
●後檣
・ 後檣は三脚檣型、トップは1本の単檣となっています
・ 三脚檣部分は前後に分割したパーツで構成、上部の単檣とヤード部はそれぞれ1パーツで再現しています
・ 「クレーン」はスライド金型を使用して、側面だけではなく上部のトラス構造もモールドで再現しています
●探照灯台座、及び探照灯
・ 台座部分は細かなモールドで、トラス構造を彫刻で再現、トラス部の下部はヌケた状態で再現しています
・ 探照灯台座に装備する、「110cm 探照灯」を別パーツ化
●カタパルト 「呉式 2号5型射出機」 ×2
・ カタパルトは一体成型のパーツで再現、スライド金型を使用して射出機上部のディテールも再現しています
・ カタパルト側面のトラス構造を立体的なモールドで再現
●主砲塔部 「50口径 3年式 20cm連装砲 E型」 ×5
・ 砲塔は上下に分割したパーツで構成、砲身部分は1本づつ独立したパーツで構成しています
・ 砲身基部には防水カバーを再現
・ 砲身は任意の角度で固定できます
・ 「測距儀」を別パーツ化
・ 2番主砲塔に存在する「空中線支柱」は、前後に分割したパーツで再現
●高角砲 「40口径 89式 12.7cm連装高角砲」 ×4
・ 高角砲は砲架と砲身とに分割したパーツ構成、砲身は連装状に一体成型となったパーツで再現しています
・ 砲身の角度は任意の位置で固定します
・ 高角砲のスポンソンは一体成型のパーツで再現
・ 高角砲横に付けられる「射界限度枠」を別パーツ化して再現しています
●魚雷発射管 「92式 61cm 4連装発射管 1型」 ×4
・ 魚雷発射管は一体成型のパーツで再現
・ 次発魚雷もパーツ化しています
●対空機銃 「25mm 3連装機銃」 ×6、「25mm 連装機銃」 ×6(艦橋部含む)、「25mm 単装機銃」 ×20
・ 各機銃は一体成型のパーツで再現しています
●対空機銃座として
・ 煙突部 3連装機銃用 台座 ×2
・ 煙突部 連装機銃用 台座 ×4
・ 艦尾部 3連装機銃用 台座 ×2
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 11m内火艇 ×2
・ 12m内火ランチ ×1
・ 9mカッター ×2
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 錨、副錨
・ 応急舵
・ 菊花紋章
・ 舷梯
などをセットしています
●艦載機として
・ 零式水上偵察機 ×2
・ 零式水上観測機 ×1
が付属
・ 艦載機は、「胴体」「上部翼」「翼間支柱」「プロペラ」「フロート」に分割したパーツで再現しています
●リノリウム貼りの甲板部、艦橋窓、カッターの甲板部、煙突の黒い部分、探照灯のガラス部、旗竿に掲げられる軍艦旗、艦載機の日の丸マーク、識別帯などを再現したシールが付属しています
・ リノリウム貼りの甲板のシールは、甲板の表面部分の構造物に合わせてカット処理が行われています
●「日本海軍 重巡洋艦 高雄」の成型色
・ 船体、船底、上甲板、上部構造物、艤装類 : グレー(横須賀海軍工廠標準色)
・ 艦載機 : 濃いグリーン
【 「日本海軍 重巡洋艦 高雄」のパッケージ内容 】
・ 重巡洋艦 高雄 ×1
・ 零式水上偵察機 ×2
・ 零式水上観測機 ×1
・ シールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2016年 成型色を変更、特EASY用シールをセットしたバリエーションキット (フジミ社「特EASYシリーズ」第15弾)
【 「重巡洋艦 高雄」について 】
●1929年に竣工した重巡洋艦「妙高」は、列強の同クラスの重巡洋艦よりも強力な攻撃力を持つ傑作艦であり、この艦の登場により日本海軍は重巡洋艦のスタイルを確立します
●1932年に竣工した重巡洋艦「高雄」は、この「妙高型」重巡洋艦を改良した艦として建造が行われ、武装などの配置は「妙高型」を継承したものとなっています
●最大の相違点は艦橋構造で、「妙高型」が戦隊旗艦(4、5隻程度の旗艦)程度の旗艦装備しか持たないのに対して、艦隊旗艦(10隻から20隻程度の旗艦)の設備を持っており、艦隊司令部とその要員を収納するために、10層で構成される巨大な艦橋構造物を持つ姿となっています
・ この「城」を想像させる巨大な艦橋のシルエットは、戦前の国民に強いインパクトを与え、日本海軍を代表する艦の一つにもなりました
●また、魚雷兵装も「妙高型」の船体の側面に魚雷発射管を搭載する方式から上甲板上に設置された構造物に搭載する方式へと変更しており、被弾時の誘爆によって船体に直接被害を受けないように改善されています
●1938年、「高雄型」重巡洋艦4隻は近代化改装が行なわれることとなり、先んじて「高雄」と「愛宕」の2隻の改装を着手します
・ 1941年には、残る「鳥海」、「摩耶」の改装が予定されていましたが、開戦により中止となっています
●この改装にあたっては、従来の日本海軍の艦艇が兵装などの多さで艦の安定力を欠いていたことへの見直しが主眼となっています
・ 「高雄型」の巨大な艦橋構造物は、艦のトップヘビーを招いた典型的なものであり、艦橋のコンパクト化が行われました
・ 対して、対空兵装は増強が行なわれ、新造時には「12cm 単装高角砲」が4基だったところを「12.7cm 連装高角砲」4基へと倍増、機銃類も追加しています
・ そして、魚雷兵装も連装発射管4基を4連装発射管4基へと変更、魚雷攻撃力が格段に向上しました
・ このような兵装の増強により安定力の低下を防ぐために、船体側面にはバルジを設置、兵装とバルジにより、総排水量は2,000tも増加しています
●「高雄」は、太平洋戦争が開戦するとフィリピンなどの上陸作戦の支援を行い、続いてジャワ島近海において連合軍側の駆逐艦などの艦艇を撃沈する戦果を上げます
●1942年6月には「ミッドウェー作戦」の陽動としての「アリューシャン作戦」に参加、8月からはソロモン海域の戦闘に従事し、アメリカ軍艦艇との間で夜間戦闘による死闘を繰り広げ、「高雄」も少なからず損害を受けました
●1943年2月、日米の戦いの中心であった「ガダルカナル島」からの撤退が決定され、「高雄」は撤退の支援に参加、その後、ブーゲンビル島、トラック島、ラバウルのラインが日本軍側の最前線となります
●1943年11月、そのラバウルに進出していた「高雄」は、アメリカ軍艦載機の空襲を受け、2発の爆弾が命中して中破、内地へと帰還、そして修理を受けます
●修理が完了すると、フィリピン南方にて航空隊の練成訓練中の空母機動部隊へと合流、決戦に備えました
●1944年6月、「高雄」は日本海軍の艦隊航空戦力の全てを投入した一大決戦「マリアナ沖海戦」に参加、海戦自体は日本軍側の完全な敗北であり、戦力を消耗した艦隊航空戦力は再建の目途が立たない状態となります
●続く「レイテ沖海戦」では、日本海軍は艦隊航空戦力を持たないことから、空母を囮として砲戦隊で敵にダメージを与えるという作戦を実施、「高雄」はその攻撃力を期待され、主力部隊である「栗田艦隊」に加わっています
●1944年10月、「栗田艦隊」は決戦のためにブルネイ島を出発、フィリピン西部のパラワン島沖においてアメリカの潜水艦2隻の雷撃を受け「高雄」は2発の魚雷が命中し大破、一時は航行不能に陥りますが、何とか自力航行ができる程度に復旧し、戦線を離脱します
・ この一連の潜水艦の攻撃により、僚艦「愛宕」、「摩耶」は戦没してしまいます
●「高雄」はブルネイを経てシンガポールに入港し、修理を受けますが、「レイテ沖海戦」の後は、制空権、制海権を失った日本海軍は組織的な作戦を行なうことはできず、「高雄」はシンガポール防衛のための浮き砲台として運用されました
●1945年7月、イギリス軍の特殊潜水艇により、艦底部に爆弾が仕掛けられて爆発が発生、しかし、「高雄」自体の損傷は軽微でした
●「高雄」は終戦時に残存、戦後はイギリス軍に引き渡され、1945年10月に爆破処分が行われ、その栄光の生涯を閉じたのでした