T-44M ソビエト 中戦車
「T-44M ソビエト 中戦車 (プラモデル) (ミニアート 1/35 ミリタリーミニチュア No.37002 )」です
●1960年代に登場したソ連軍の中戦車「T-44M」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●戦後のソ連戦車の始祖となった中戦車「T-44」の改良型となる「T-44M」を再現、箱型にコンパクト化した車体の中央に砲塔を配置し、低シルエットで均整の取れたスタイルを再現した内容となっています
●ミニアート社製「T-44 ソビエト 中戦車」をベースに、「T-44M」を再現するため、起動輪、転輪、履帯、車長キューポラなどを新規パーツに変更したバリエーションキットです
【 「T-44M ソビエト 中戦車」のキット概要 】
●細部までも再現した多数のプラスチックパーツ、そして、クリアパーツ、エッチングパーツを交えた構成で「T-44M」を再現 (総数853パーツ)
●砲塔、車体内部も再現 (操縦席部分などは再現していません)
●砲塔の鋳造肌や車体各部のボルト穴などを繊細なディテールで再現
●キューポラ上の車長ハッチや車体上の操縦手ハッチなどは開閉状態を選択可能
●前照灯のガラス部やペリスコープはクリアパーツで再現
●エンジングリル上の異物防止ネット、予備燃料タンクの固定バンドなどを再現したエッチングパーツが付属
●履帯は「T-44」用のシングルピン式履帯、1枚ずつに分割した接着連結式
●マーキング指示はソ連軍仕様車4種、車体番号などを再現したデカールが付属
【 「T-44M 中戦車」について 】
●ソ連軍は、1939年末年に画期的な中戦車「T-34」を開発、この「T-34」は傾斜装甲による優れた防御力と、76mm砲という当時としては大口径砲による火力、そしてクリスティーサスペンションと幅広の履帯に支えられた良好な機動力と、「走」「攻」「守」に優れた戦車でした
●独ソ戦の緒戦では、ドイツ軍の優れた戦術・作戦と、ソ連軍の対応の悪さから「T-34」はその真価を充分に発揮できませんでしたが、戦況が落ち着くと、「T-34」はソ連軍の戦車部隊の中軸として活躍をするようになります
●ドイツ軍に国土を侵略されていた関係から、ソ連軍では「T-34」のような既存の車両の増産を重視し、新規開発や本格的な改良は後回しにされてしまいます
●しかし、ソ連の戦車開発陣は黙ってその状況に甘んじることなく細々と開発作業を続けており、1943年に「T-34」の後継車両となる新型戦車「T-43」を完成させます
●この「T-43」は、「T-34」の性能を受け継ぎながらも、その欠点を補う形となっており、最大の違いは「T-34」が2人用の砲塔を装備しているのに対して、「T-43」では砲塔を大型化した3人用砲塔となっていることでした
●この3人用砲塔を採用した理由は、「T-34」は優れた性能を持っていたものの砲塔には2人しか配置することができず、「車長」「砲手」「装填手」を配置した3人用砲塔を採用したドイツ軍戦車の方が効率よく操作を行うことができ、機能性の面でドイツ戦車に後塵を拝することが多々あったことに対する対応策だったのですが、「T-43」が搭載する主砲の口径は「T-34」と変わらず、ソ連軍は「T-43」の導入による効果は少ないと判断、結局「T-43」は採用されることはありませんでした
●「T-43」の開発陣は、続いて全くの新設計となる中戦車「T-44」の開発に着手します
・ 「T-44」では、車体両側面にスポンソンを設けていた従来の車体構造を見直し、完全な箱型に集約、車体側面部からフェンダーを突き出したレイアウトを採用しました
・ 前方機銃手は廃止となり、前方機銃の代わりに車体前部に固定機銃を装備、これは操縦手がその操縦に合わせて機銃を操作するようになっています
・ 「クリスティーサスペンション」は、2重の壁面を必要とすることから、コンパクトな「トーションバーサスペンション」に変更、これは「T-43」で採用された駆動装置を継承したものでした
・ 砲塔は、「T-43」の3人用砲塔をベースにしながら「T-34/85」に準じた砲塔を搭載、主砲も「T-34/85」と同じ「85mm戦車砲 ZIS-S-53」を装備しています
・ 同時に、砲塔の装甲は最大120mm厚に強化、コンパクト化された車体でありながら最大90mm厚という装甲を持ち、「T-34」よりも遥かに強力な戦車でした
●1944年7月、完成した「T-44」は制式採用となり、量産化が始まります
●しかし、量産の開始と部隊配備、そして習熟訓練という段階を踏むうちにドイツは敗北、結局「T-44」は実戦に参加することはできませんでした
●ただ、「T-44」はその後発展を続け、主砲を「100mm砲」へと変更し、これに合わせて砲塔を拡大した車両が「T-54」で、さらに1953年に改良を施し「T-54/55」の基本スタイルを確立しています
●この「T-54/55」の登場とその大量生産により、「T-44」は2線級の兵器となり、主に訓練用として運用が行われました
●1960年代、既存の「T-44」に対して、主砲の安定装置の装備などの改修が行われ、この改修後の「T-44」は「T-44M」と呼ばれています
●主だった改修点は次のとおり
• シャーシ部分を改良、起動輪、誘導輪、転輪を変更
・ エンジンを「V-44」から「V-54」へと変更、同時にエアクリーナーも変更
・ フェンダー形状を変更し、右フェンダー上に燃料用のタンクを3つ増設し、新型のツールボックスも設置
・ ヘッドライト・フロント・リアコーナーライト・シグナルなどを増設
・ ギアボックスとメインクラッチを改良
・ 車長キューポラの形状を変更
・ 弾薬収納数を増加
• 砲塔内の無線機を「R-113」へと換装
・ 暗視装置を「TVN-2」から「MK-4」へと変更
●もっとも、「T-44M」への改修は「T-44」の性能を大きく引き上げるものではなく、「T-44M」の立場はあくまでも訓練用の補助戦車に過ぎませんでした
●「T-44」シリーズは、「T-34/85」と同じ主砲を装備したことから、性能的に突出した戦車ではありませんでしたが、その設計思想は極めて先進的で、「T-54/55」「T-62」と続く東側の戦後第1世代戦車の始祖となり、この受け継がれた血統は、現在に至っても世界各地において第一線で使われる戦車の源流となっているのです
【 「T-44M ソビエト 中戦車」のキット内容について 】
●このソ連軍の中戦車「T-44M」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●徹底して細分化したパーツ構成と細部ディテールを再現したエッチングパーツ、そしてクリアパーツという組み合わせにより中戦車「T-44M」の細部再現に重きを置いた内容となっています
●さらに、エンジンルームを含めて車体内部も細分化したパーツをもって詳細に再現、通常の内部再現のキットでは省略されてしまうような、砲弾、機銃弾倉、無線機、乗員の携行火器などもパーツ化しており、まさしく「究極のT-44M」を目指したキットです
・ ただし、操縦席部分などは再現していません
・ パーツ数は多く、エッチングパーツも含まれていますので、中級者以上のユーザーを対象としたキットとなります
●「中戦車 T-44M」は、「砲塔」「車体」の2ブロックで構成しています
【 砲 塔 】
●「T-34/85」に類似した形状ながら装甲厚やベンチレーターなどが異なる「T-44M」の砲塔形状を再現、表面には鋳造肌を強弱を付けたモールドで再現しています
●「85mm戦車砲 ZIS-S-53」の砲身は一体成型のパーツで再現、砲口は開口しています
・ 「防盾」は一体成型のパーツで再現
●砲塔は4層のブロックで構成、砲塔本体のブロックは左右に分割したパーツ、他のブロックはそれぞれ一体成型のパーツで再現しています
・ 「装填手ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択することができます
・ 「ペリスコープ」は、ペリスコープ本体、ガード、蓋の3パーツで構成、ペリスコープ本体はクリアパーツで再現しています
・ 「吊り下げフック」「手摺り」「ピストルポート栓」などを別パーツ化して再現
●車長キューポラは上下に分割したパーツで再現
・ 「車長ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択することができます
・ キューポラの「視察装置」はクリアパーツで再現
・ 「ペリスコープ」は、ペリスコープ本体、ガードの2パーツで再現、ペリスコープ本体はクリアパーツとなっています
●砲塔内部を再現、以下のパーツで構成しています
・ 砲尾
・ 閉鎖器
・ 防危板
・ 照準器
・ 同軸機銃
・ 砲手席
・ 操作ハンドル
・ 砲塔旋回装置
・ 砲塔固定ハンドル
・ 無線機
・ 即応砲弾
・ 機銃弾倉ラック及び弾倉
・ 砲塔弾薬架
・ 砲弾
・ 車長席、装填手席
・ 工具入れ
・ 車載工具
・ ベンチレーター
・ ペリスコープ
・ ペリスコープハンドル
など
【 車 体 】
●ボックス形状の車体の左右にフェンダーを配置した「T-44M」の車体レイアウトを再現、ボルト穴、パネルラインなどを繊細かつシャープなモールドで再現しています
●車体は、各パネルを箱組み状に貼り合せて作製します
・ 「操縦手ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択することができます
・ 「前照灯」は、本体とガラス部の2パーツで再現、ガラス部はクリアパーツで再現しています
・ エンジングリル部分は開口しており、内部の整風板は1枚ずつ個別にパーツ化
・ エンジングリル上の異物防止ネットはエッチングパーツで再現
●フェンダーは、本体と前後のマッドフラップの3パーツで構成
・ 「フェンダー支持架」は、フェンダーパーツに一体成型化、最後部のみは別パーツとなっています
・ 「予備燃料タンク」は上下に分割したパーツで再現、把手と固定バンドはエッチングパーツで再現しています
・ 「雑具箱」は上下に分割したパーツで再現
・ 「予備履帯」の固定具は個別にパーツ化しています
・ 「排気管」は上下に分割したパーツで構成
●車体下部は、トーションバーサスペンションを採用した「T-44M」の足周り構造を再現
・ 「サスペンションアーム」は別パーツ化、可動させることができます
・ 「起動輪」「誘導輪」「転輪」は前後に分割したパーツで再現、ハブキャップは別パーツ化して再現しています
・ 「起動輪」「誘導輪」「転輪」は、内蔵する軸のパーツを接着しないことで、回転させることができます
●車体内部を再現、以下のパーツで構成しています
・ フロアパネル
・ 緊急脱出ハッチ
・ トーションバー
・ 車体弾薬架
・ 砲弾
・ 機銃弾倉ラック、及び弾倉
・ 隔壁
・ 消火器
・ エンジン(33パーツ)
など
・ 操縦席部分などは再現していません
【 履 帯 】
●履帯は、「T-44M」用のシングルピン履帯を再現しています
・ 履帯は、1枚ずつに分割した接着連結式履帯となっています
●難地脱出用の丸太を再現したパーツが付属
●ペリスコープ、前照灯のガラス部などを再現したクリアパーツが付属
●エンジングリルの異物混入防止ネット、各部のディテールなどを再現したエッチングパーツが付属しています
【 「T-44M 中戦車」の塗装とマーキング 】
●「T-44M 中戦車」のマーキングとして、ソ連軍仕様となる4種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 所属不明 (1960年代~1970年代)
・ 第24訓練戦車師団 第193訓練戦車連隊 (ラトビア / 1974年~1976年)
・ 所属不明 (1960年代~1970年代)
・ 「セルゲイ・キーロフ」戦車訓練連隊 (レニングラード地区 / 1970年代)
●説明書の塗装例に基づく、車体番号などを再現したデカールが付属しています
【 「T-44M ソビエト 中戦車」のパッケージ内容 】
・ T-44M 中戦車 ×1
・ エッチングシート ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2016年 一部新金型