日本海軍 航空母艦 大鳳
「日本海軍 航空母艦 大鳳 (プラモデル) (フジミ 1/700 特EASYシリーズ No.017 )」です
●太平洋戦争時における日本海軍の航空母艦「大鳳」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●飛行甲板に装甲板を装備し堅牢な装甲空母として建造された航空母艦「大鳳」を再現、エンクローズドバウの船体形状に大型の島型艦橋を装備した、均整の取れた力強いフォルムを再現した内容となっています
【 「日本海軍 航空母艦 大鳳」のキット内容について 】
●日本海軍の航空母艦「大鳳」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●フジミ社製「特EASYシリーズ」として航空母艦「大鳳」を再現、船体パーツは「大鳳」を建造した海軍工廠に合わせたグレー、艦載機は艦載機色の濃いグリーンといったように、ランナーごとに色分けをして成型、飛行甲板、リノリウム甲板、煙突のトップ部分、カッターの甲板部などを再現したシールを使用することで、塗装を行わず、組み立てるだけで色分けした「大鳳」を完成させることができる内容となっています
●飛行甲板を再現したシールは、木パネルラインごとに微妙に色調を変えており、質感高い仕上がりを楽しむことができます
・ 飛行甲板の鉄甲板部分は、グレーに着色したシートに各表示線をプリントしています
●フジミ社製「日本海軍 航空母艦 大鳳」をベースに「特EASYシリーズ」として成型色を変更、シールを追加したバリエーションキットとなります
・ フジミ社製「日本海軍 航空母艦 大鳳」がベースキットですので、通常とおりに塗装を行うこともできますが、飛行甲板の表示線などを再現したデカールは付属していませんのでご注意下さい
●「大鳳」は、飛行甲板が木甲板となっている状態を再現しています
・ 「大鳳」の飛行甲板はラテックス張りであった説もありますが、近年の考証では木甲板であったという説が有力のようです
●艦体喫水線までの部分を再現した洋上モデルです
●「大鳳」は、「船体」「上甲板」「飛行甲板」「艦橋などの上部構造物」「高角砲などの艤装類」を、それぞれブロック化して分割した構成となっています
●各ブロックをそれぞれ個別に組み立てて、上甲板、飛行甲板、構造物、艤装類を船体ブロックへと取り付けて完成させます
●船体は一体成型となったパーツで構成
・ 船体部には、各部の開口部などの基本構造の他に、舷側の「舷窓」「扉」「ボラード」「ホースパイプ」などの細部をモールドで再現しています
・ 洋上モデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属しています
●上甲板は、船首、船尾部分とボート収納デッキに分割しています
・ 甲板上には、リール、ボラード、ボート用架台などの細かなディテールをモールドで再現
●飛行甲板は、一体成型のパーツで再現、エレベーターと遮風装置は別パーツとなっています
・ 木甲板として木パネルのラインをモールドで再現
・ 飛行甲板上には、滑走制止装置基部、探照灯とクレーンの収納部などをモールドで再現しています
・ 飛行甲板下面の細かな梁構造も凹凸あるモールドにて再現
・ 飛行甲板には、側部の兵員用スポンソンを一体成型化、各スポンソンはスケールに沿った薄さとなっています
「大鳳」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成しています
●艦橋
・ 艦橋は3層となったパーツで構成
・ 艦橋は、スライド金型を使用して「窓」「扉」などのディテールを再現
・ 「艦橋窓」は窓ガラスにあたる部分を一段凹んだ状態で再現し立体感を演出、艦橋窓枠の部分を再現したシールも付属しています
・ 艦橋上部のマストは、前後に分割したパーツで再現
・ 艦橋に装備する、「方位測定アンテナ」(×2)、「94式高射装置」(×1)、「60cm探照灯」(×2)、「21号電探」(×2)、「1.5m測距儀」(×1)などを別パーツ化しています
●煙突
・ 煙突は左右に分割したパーツで再現、トップと整流板は別パーツ化しています
・ トップはヌケた状態で開口しています
・ 副管は1本ずつ個別にパーツ化
●通信マスト
・ 通信マストは、トップ、ヤード部、下部の各3パーツで再現
●高角砲、機銃用スポンソンはブロックごとにパーツ化しており、下面の補強板はスポンソンパーツにモールドにより1枚ずつ再現
・ スポンソン部の支柱は別パーツ化しており、その複雑な構造を再現しています
●高角砲 「65口径 98式 10cm連装高角砲」 ×6
・ 高角砲は、連装状に一体成型となった砲身と、シールド部の2パーツで構成
●対空機銃 「25mm 3連装機銃」 ×17
・ 機銃は一体成型となったパーツで再現
●艦載機
・ 艦載機は、本体、キャノピー、脚、尾脚、プロペラに分割したパーツ構成となっており、機種による爆弾類の武装(増槽)を別パーツ化しています
●艦載機内容
・ 零式艦上戦闘機 52型 ×2
・ 艦上爆撃機 「彗星」 ×2
・ 艦上攻撃機 「天山」 ×2
●内火艇、カッターなど
・ 12m内火艇 ×3
・ 13m特型運搬船 ×2
・ 12m内火ランチ ×3
・ 9mカッター ×4
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦尾旗竿
・ 錨、副錨
・ 菊花紋章
・ 94式高射装置
・ 110cm探照灯
・ ラッタル
・ パラベーン
・ クレーン
などを個別に別パーツ化して再現しています
●飛行甲板、艦橋窓枠、煙突トップの黒い部分、探照灯のガラス部、旗竿に掲げられる軍艦旗、内火艇の内枠や運搬船の覆い、艦載機の日の丸マークなどを再現したシールが付属
・ 飛行甲板のシールは、横方向の表示線の部分で分割しており、木甲板表現、鉄甲板、エレベーター、滑走静止装置、着艦制動装置、探照灯の蓋、各種表示線などをプリントしています
●「日本海軍 航空母艦 大鳳」の成型色
・ 船体、船底、飛行甲板、上部構造物、高角砲など : グレー(舞鶴海軍工廠色)
・ 艦載機 : 濃いグリーン
【 「日本海軍 航空母艦 大鳳」のパッケージ内容 】
・ 航空母艦 大鳳 ×1
・ 零式艦上戦闘機 52型 ×2
・ 艦上爆撃機 「彗星」 ×2
・ 艦上攻撃機 「天山」 ×2
・ シールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2016年 成型色を変更、特EASY用シールをセットしたバリエーションキット (フジミ社「特EASYシリーズ」第17弾)
【 「航空母艦 大鳳」について 】
●日本海軍は、「鳳翔」「赤城」「加賀」の3隻を建造することで航空母艦の仕様と運用のノウハウを獲得し、それを反映させた形で航空母艦「蒼龍」「飛龍」を建造、軍縮条約明けには日本海軍が理想とした大型空母「翔鶴」「瑞鶴」の建造を開始しました
●これらの航空母艦は、世界的に見てトップクラスの性能を持ちましたが、日本海軍の航空母艦は本格的な装甲が格納庫甲板に設けられており、飛行甲板や格納庫は被弾時の脆弱さが否めませんでした
●そこで、本格的な装甲を格納庫甲板から飛行甲板へと移し、堅牢な装甲で艦全体を覆った装甲空母として1941年から建造が始まったのが航空母艦「大鳳」です
・この装甲化にあたり、飛行甲板の全面に装甲を施すと艦の重心のバランスに支障が発生するために、装甲板は前後のエレベーター間を中心に装着され、必要最低限の発着艦の面積を確保しています
・また、飛行甲板だけではなく、弾薬庫や機関部などの対弾性の向上、主要部分を3重の構造として魚雷攻撃に対しての防御力も強化されるなど、装甲空母という名に相応しい能力を持っていました
・格納庫は、飛行甲板に装甲を張ったことで、重心が高くならないように容積を減し、「翔鶴型」航空母艦と同じ2層式ながら、搭載機数は53機と減少しています
・「大鳳」の艦首部分は、重心の問題により甲板が1段減らされている関係で乾舷が低く、波浪性を確保するために艦首と甲板とを一体化した「エンクローズド・バウ」を採用しています
●「大鳳」は、逼迫した戦況の中、予定より半年程度早い1944年3月に竣工、早速、日本海軍の空母機動部隊の主力である第1航空艦隊の旗艦として編入され、南方にて航空部隊の練成に従事します
●しかし、この頃ともなると、敵の潜水艦が跳梁跋扈する状況であり、発着艦時において風上に向かって直線行動を行なう航空母艦は格好の的となるために、訓練がままならず航空部隊の練度も思うように上がりませんでした
●1944年6月15日、アメリカ軍がサイパン島に上陸、このサイパン島の位置は日本の大部分がアメリカ軍の爆撃圏内となることから、絶対防衛ラインとして設定されており、日本海軍は総戦力を投入してアメリカ軍を迎撃することを決定、ここに「マリアナ沖海戦」が発生します
●当時、アメリカ海軍は大型の航空母艦「エセックス」級、小空母「インディペンデンス」級などの新鋭艦を続々と戦力化しつつあり、対する日本海軍は航空母艦に搭乗する艦載機とその搭乗員の不足に悩む状況であり、彼我の戦力差は開いて行くばかりでした
●そこで、日本海軍は艦載機の航続距離の長さを利用して一方的に敵を叩くという「アウトレンジ戦法」を立案、これにより戦況を有利に運ぶという目論見でした
●「大鳳」は、6月15日にフィリピンのギマラスを出航、一路マリアナ諸島沖を目指します
●日本海軍は「大鳳」をはじめ正規空母「翔鶴」、「瑞鶴」、改造中型空母である「飛鷹」、「準鷹」など計9隻の航空母艦含む大艦隊で戦いを挑みました
●対するアメリカ艦隊は15隻の航空母艦を中心に、大量の航空機と誘導のレーダーシステム、そして当時最新鋭の近接信管「VT信管」を装備する強力な対空火力を持って迎え撃ったのでした
●日本艦隊は、6月18日、19日とアメリカ軍の機動部隊を発見、当初の予定通りアメリカ艦隊よりも早く攻撃機を発進することができました
●しかし、必勝を期待した攻撃隊は敵の迎撃機の猛攻を受け、また目標にたどり着いた攻撃機も、これまでとはレベルの違う分厚い対空砲火により次々と撃墜、撃破されてしまいます
・ これは、アメリカ軍の強さだけではなく、消耗を繰り返し、以前とは比べ物とならなくなってしまった日本の艦載機搭乗員の錬度の低さも原因でした
●その頃「大鳳」は、第1次攻撃隊を発艦させた直後、アメリカ潜水艦「アルバコア」の攻撃を受け、潜水艦が放った6本の魚雷の中の1本を被雷してしまいます
●「大鳳」は上記のように魚雷による攻撃に対しても堅牢に作られており、その魚雷による直接の損害は軽微でしたが、衝撃により航空機燃料の貯蔵タンクが損傷、気化した燃料が漏れ出します
●艦内では、必死の換気作業が行われましたが、「大鳳」は防御力の強化にあたり、格納庫甲板を密閉型としたために開口部が少なく、気化燃料が格納庫内に充満して行きました
●そして、航空機を収容する際にエレベーターを上げた時点でより濃度が上り、引火して大爆発が発生、艦全体が炎に包まれて手を付けられない状態となり、被雷から8時間後にその短い生涯に幕を閉じてしまいます
●この「マリアナ沖海戦」では、日本海軍は「大鳳」を始め航空母艦3隻が戦没し、多くの航空機と搭乗員も喪失、この海戦以降、航空母艦を使った戦いを行うことは事実上不可能となってしまったのです