アメリカ中戦車 M4A1 チークアーマー砲塔 ラッキータイガー
「アメリカ中戦車 M4A1 チークアーマー砲塔 ラッキータイガー (プラモデル) (アスカモデル 1/35 プラスチックモデルキット No.35-035 )」です
●第2次世界大戦時におけるアメリカ軍の中戦車「M4A1」の「75mm砲搭載型」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●「M4A1」中戦車の前期型車体をベースとした「75mm砲搭載型」を再現、砲塔の装甲厚を確保するために砲手の位置する場所を膨らませた、「チークアーマー型砲塔」を再現した内容となっています
●本キットの「M4A1」は
・ 前方ハッチを縦置きにした「前期型車体」
・ 装填手ハッチが無く、後部が斜めになった「前期砲塔」
・ 主砲には「75mm戦車砲 M3」を装備
・ 砲塔の右側面が若干膨らんだ「チークアーマー型」
・ 砲塔左側面の「排莢ハッチ」を廃止したタイプ
・ 防盾は幅の広い「M34A1砲架」を装備
・ 車体には追加装甲を装着
・ デファレンシャルカバーは、先端部分が尖っていない「ワンピースタイプ」
・ 「VVSSサスペンション」はリターンローラーの支持架が平行となる「中期型」(標準型)
・ 起動輪は、肉抜き穴の無い「後期型」
・ 誘導輪、転輪は、プレス式の「デッシュタイプ」
・ 履帯には、フラットラバータイプの「T51」履帯を装着
という仕様となる、「M4A1」の「75mm砲搭載型」を再現しています
【 「アメリカ中戦車 M4A1 チークアーマー砲塔 ラッキータイガー」のキット概要 】
●アスカモデル社の深い造詣と高度な成型技術を用いて「M4A1 75mm砲搭載型」をハイクオリティな内容で再現
●細分化したパーツ構成ながらパーツ同士の勘合が良く、組み立てやすさにも充分配慮したパーツ分割となっています
●アメリカ製戦車特有の滑らかな鋳造肌や、工業力を反映した溶接跡、刻印などもスケールに沿った実感あるモールドで再現
●各ハッチは開閉状態を選択することが可能
●ペリスコープ、前照灯のガラス部などはクリアパーツで再現
●ライトガードはプラスチック製のパーツで再現
●車体後部のスリット状の吸気口は開口した状態で成型、異物混入防止用ネットはエッチングで再現
●VVSSサスペンションは、軟質パーツを挟みこみ可動させることができます
●履帯は接着及び塗装が可能な軟質素材によるベルト式履帯
●塗装例は、アメリカ軍仕様の4種、国籍マーク、部隊表示などを再現したデカールが付属
●アメリカ軍の戦車兵のフィギュアが1体付属
【 「アメリカ中戦車 M4A1 チークアーマー砲塔 ラッキータイガー」のキット内容について 】
●アメリカ軍の中戦車「M4A1」の「75mm砲搭載型」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●アスカモデル社のリサーチ力と実車への深い造詣、そして精度の高い成型技術を使い中戦車「M4A1 75mm砲搭載型」を再現、過度に細部重視に偏ることも無く、ディテールのポイントを押さえながらも、作りやすさにも配慮した非常にバランスの取れた高品質な内容となっています
●アスカモデル社のこだわりの金型成型技術を用いて細部のディテールを再現、砲塔と防盾の鋳造肌、シリアルナンバーなども繊細なモールドで再現しています
●また、ドラゴン社製「シャーマンシリーズ」のキットと比べるとパーツ数は抑えられ、アスカモデル社らしくカッチリとしたパーツの合いで組み上げやすいパーツ構成となっています
●「M4A1 75mm砲搭載型」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」の3ブロックで構成しています
【 砲 塔 】
●装填手ハッチが無く、後部上面が斜めになった初期型の「75mm砲搭載型」砲塔を再現、アメリカ製らしい滑らかな鋳造肌を繊細なモールド施して再現しています
●「75mm戦車砲 M3」の砲身は左右に分割したパーツで再現
・ 「防盾」は一体成型のパーツで再現
・ 「同軸機銃」は一体成型のパーツで再現、銃口及び放熱口を開口しています
・ 「防盾」は内蔵するポリキャップにより、完成後も上下に可動させることができます
●砲塔は、実車の鋳造構造の分割ラインに合わせて上下に分割したパーツ構成となっています
・ 「直接照準器」「アンテナマウント」などを別パーツ化
・ 「車長ハッチ」は別パーツとなっており、開閉状態を選択することができます
・ 「ペリスコープ」は、ペリスコープ本体と蓋の2パーツで再現、ペリスコープ本体はクリアパーツで再現しています
・ 「砲塔」は、組立後、車体へと差込むことで左右に旋回させることができます
●車長キューポラに装備する「M2 重機関銃」は、インジェクションキットとしては非常に高いレベルで再現しています
・ 「銃身」は、銃身交換用の把手が付いた状態と、付いていない状態とを選択して組み立てることができます
・ 「銃口」は開口しています
・ 特徴的な「放熱筒」は、スライド金型を使用して放熱口の位置を正確に開口、ヌケた状態で成型しています
・ 機関部の蓋は別パーツ化、開閉状態を選択して組み立てることができます
・ 「コッキングハンドル」は別パーツ化して再現
・ 「弾帯」のパーツも付属しています
【 車体上部 】
●鋳造により丸みを帯びた「M4A1」の車体形状を再現、高い工業技術を反映したアメリカ戦車らしいキメの細かな鋳造肌や溶接跡などを繊細なタッチで再現しています
●車体上部はエンジンデッキ部分除き、一体成型のパーツで再現
・ 「操縦手ハッチ」「前方機銃手ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択して組み立てることができます
・ エンジンデッキ部分は前後方向に2分割したパーツで構成
・ 「前照灯」は本体とガラス部の2パーツで再現、ガラス部はクリアパーツで再現しています
・ 「ライトガード」はプラパーツで再現
・ 後部の吸気口は開口しており、異物混入防止用ネットを再現したエッチングパーツが付属しています
・ 後部の「エアークリーナー」は、角型と円筒型の2種をセット、選択して使用します
・ 車載工具類は個別にパーツ化、それぞれ固定具をパーツとともに一体成型した状態となっています
【 車体下部 】
●車体下部は各パネルを箱組み状にを貼り合せて作製します
●「VVSSサスペンション」は、リターンローラーを後部へと配置、リターンローラーのアームのラインが水平となる「中期型」(標準型)を再現しています
・ 「サスペンション」は前後に分割したパーツ構成で、リターンローラーと垂直式バネ、ゴムシート、サスペンションアームなどを挟んで作製します
・ 「サスペンションアーム」は可動させることができ、内蔵する特殊なゴムシートの弾力を活かしてスムーズかつ反発性のある動きを再現することが可能です
・ 「サスペンションアーム」を固定化するスペーサーのパーツも付属しています
・ 「起動輪」は、前後に分割したパーツで構成
・ 「転輪」「誘導輪」は、それぞれ2パーツに分割して再現
・ 「起動輪」「誘導輪」は、内蔵するポリキャップにより可動します
【 履 帯 】
●履帯は、フラットラバータイプの「T51」型履帯を再現しています
・ 履帯は、接着、塗装が可能な軟質素材のベルト式となっています
・ より精密で立体感ある履帯に交換したい場合には、「M4シャーマン戦車用履帯 T51型 (可動式)」がこれに対応しています
【 フィギュア 】
●戦車長のフィギュアが1体付属しています
・ 両手をハッチ周囲に置いて佇んでいるポーズとなっています
・ 服装は、「HBTツナギ服」を着用、布製レギンスを履き、戦車ヘルメットを被った姿です
・ 服の皺の表現はスケールに沿った凹凸あるモールドで再現、服の縫い目などの細部は繊細なモールドで再現しています
・ フィギュアは、「頭部」「胴体」「両腕」に分割したオーソドックなパーツ構成
・ ゴーグル、ホルスター、マガジンポーチの装備品パーツが付属
【 アクセサリーパーツ 】
●アクセサリーパーツとして
・ 燃料用ジェリカン ×2
・ 水用ジェリカン ×2
が付属しています
●ペリスコープ、前照灯のガラス部などを再現したクリアパーツが付属
●吸気口の異物混入防止ネット、エンジングリル部のメッシュなどを再現したエッチングパーツが付属しています
【 「M4A1 75mm砲搭載型」の塗装とマーキング 】
●「M4A1 75mm砲搭載型」のマーキングとして、アメリカ軍仕様となる1種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 第7歩兵師団 パーソナルネーム 「ラッキータイガー」 (エビアイ島 / 1944年1月~2月)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、部隊表示、車体番号、パーソナルネームなどを再現したデカールが付属しています
【 「アメリカ中戦車 M4A1 チークアーマー砲塔 ラッキータイガー」のパッケージ内容 】
・ M4A1 中戦車 75mm砲搭載型 ×1
・ アメリカ戦車兵 ×1
・ アクセサリーパーツ 一式
・ エッチングシート ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
【 「M4A1 75mm砲搭載型」について 】
●「M4中戦車」シリーズは、大量生産を実現するために4種のエンジンと、それに合わせた5種の車体が用意され、この組み合わせから「M4」「M4A1」「M4A2」「M4A3」「M4A4」の型式に分類することができます
●「M4」と「M4A1」の両車は「ライト R-975-C1 星形空冷9気筒エンジン」を搭載、「M4A1」は大型の溶接設備を持たない工場向けの鋳造車体、「M4」は溶接車体となっている点が異なります
●「M4A1」は、「M4中戦車」シリーズの中では最も生産開始が早く、生産を始めた頃、既に北アフリカ戦線で枢軸軍と死闘を繰り広げ、新型戦車の投入を待ちわびていたイギリス軍へ優先的に供与が行われました
●このため、アルジェリアに上陸したアメリカ軍の戦車部隊は、軽戦車と前型式である中戦車「M3」が主体となってしまい、これはドイツ軍相手に苦戦する要因の一つとなっています
●「カセリーヌ峠の戦い」によって大打撃を受けたアメリカ軍は、新たに「M4A1」を配備するなど体制を整えて反撃を開始、兵力に勝る連合軍はチュニジア戦によってアフリカ大陸から枢軸軍を追い出すことに成功します
●その後、戦場は「シシリー島」、そして「イタリア半島」へ移って行きますが、「シシリー戦」が行われていた1943年の中頃になると生産ラインも安定し、戦訓を採り入れた「後期型車体」へと生産が移行します
●「後期型車体」の生産が始まる際、生産体制の見直しをして「M4A4」の生産を終了、他の型式では前方ハッチを大型化して、前部の張り出しのない(「M4A1」は張り出しが小さくなる)形状に改められています
●ただ、この「後期型車体」への移行は、全型式に対して一斉に行ったわけではなく、実施時期がまちまちであったことから、湿式弾庫やそれに伴う追加装甲の有無などに見られるような仕様の違いがありました
●「M4A1」の「後期型車体」の生産は1944年1月から始まり、従来の「75mm搭載型」は生産を終了、代わって「76mm砲搭載型」が生産されています
●しかし、極少数ながら「後期型車体」の「75mm砲搭載型」も生産が行われたようで、その戦場写真が存在しています
・ この「後期型車体」の「75mm砲搭載型」は、正確には「前期型車体」の最終生産分となるようです
●この「後期型車体」の生産開始以後も、従前からあった「前期型車体」はそのまま運用が続けられ、「M4中戦車」シリーズ全体では初期型となる「M4A1 75mm砲搭載型」も戦車部隊の主力として終戦まで活躍しています
●「M4A1」の鋳造車体は、避弾経始に優れた形状になっており、「M4」の「後期型車体」となる「コンポジットハル型」にも採り入れられましたが、乗員からは「狭い」という指摘もあり、評価の分かれる型式となっています
【 「ラッキータイガー」について 】
●「M4中戦車」シリーズを生産の始まった頃、まだドイツ軍戦車に対して性能的に優位に立つことができましたが、その後、ドイツ戦車は次々と改良型を投入し性能の向上をはかり、「M4」シリーズはドイツ戦車に対して苦戦を強いられることになります
●特に防御上の大きな問題となったのが、被弾後に砲弾が誘爆する事例が多かったことで、砲弾の弾庫に位置する部分を中心に追加装甲を装着して、これに対処していました
●また砲塔は、砲手が位置する場所に砲塔旋回装置を装備していたため、そのスペースを確保するために装甲厚が薄くなっており、その場所にも追加装甲を装着しています
●このような経緯により、生産当初からその部分の装甲厚を増した砲塔「チークアーマー型」も作られ、このタイプは砲塔右側面が若干膨らんでいるのが外観上の特徴となっています
●アメリカ陸軍第7歩兵師団隷下の「第767戦車大隊」に配備されたパーソナルネーム「ラッキータイガー」は、この「M4A1」の「75mm砲搭載型」の「チークアーマー型」の1両でした
・ 「第767戦車大隊」は軍直轄の戦車大隊で、正式には第7歩兵師団固有の部隊ではなく、作戦によって配属される部隊になります(結果的に固有のような部隊となることもあります)
●「ラッキータイガー」は1944年1月、日本海軍が1940年から水上機基地を構築していたマーシャル諸島のクェゼリン環礁にあるエビアイ島での戦いに参加、日本守備隊相手に奮戦し、アメリカ軍の勝利に貢献したのです