陸上自衛隊 10式戦車
「陸上自衛隊 10式戦車 (プラモデル) (タミヤ 1/48 ミリタリーミニチュアシリーズ No.088 )」です
●陸上自衛隊の主力戦車「10式戦車」を1/48スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●「90式戦車」を凌ぐ性能を持ちながら大幅な重量の低減を実現した「10式戦車」を再現、楔状のモジュラー装甲を身に纏った、尖鋭的なフォルムを再現した内容となっています
●「10式戦車」の最新バージョンとなる「C4仕様車」を再現しています
【 「陸上自衛隊 10式戦車」のキット概要 】
●タミヤ1/48MMシリーズのフォーマットを踏襲し、一体成型を多用してパーツ数を抑えた構成
●パーツ数は少ないものの、モールドにより現用戦車らしい細かな造りを質感高く再現、特徴的なラバー製のマッドフラップも素材の違いを感じる造型
●車長ハッチは開閉状態を選択可能
●半身像の車長フィギュア1体が付属
●履帯は、ラバー製パッドが付いていない状態を再現、プラスチック製の一部連結式履帯
●塗装例は陸上自衛隊仕様2種、部隊マークなどを再現したデカールが付属
●モデルに重量感を与える金属製のウェイトが付属、装着の有無を選択可能
【 「10式戦車」について 】
●陸上自衛隊は1950年代中頃から国産戦車の開発を開始し、「61式戦車」「74式戦車」「90式戦車」と、当時の世界の最新鋭戦車に追従する性能を持つ戦車を生み出してきました
●戦後第3世代戦車として開発された「90式戦車」は、複合装甲を採用して120mm滑腔砲を装備、1500馬力級のエンジンを搭載し、他の戦後第3世代戦車に充分対抗できるだけの能力を有するようになりました
●しかし、「90式戦車」で試みた性能の追及は、重量の増加を意味しており、「74式戦車」が38tなのに対して、「90式戦車」は50tという大重量に達してしまいました
●この50tという重量は、他の国の戦後第3世代戦車と比べると決して重くはありませんでしたが、国内の道路強度や輸送の問題などがあり、「90式戦車」は実質的に本州での運用が難しく、北海道に集中配備されることになります
●「90式戦車」などの戦後第3世代戦車の登場により、戦車としての性能の追求はほぼ限界点に達したかのように見えましたが、その後のコンピューター技術や通信網などの発達により、情報共有システム「C4I」が登場、従来の戦後第3世代戦車にこの「C4I」を搭載したタイプが次々に開発されました
・ 情報共有システム「C4I」は、車両間だけではなく、他の部隊の情報をも共有することができ、これまで小さな視察装置しか持たず、いわば「盲目」に近い状態で行動していた戦車にとって、敵と味方の位置を把握できることは極めて大きなことでした
●しかし、「90式戦車」は日本戦車の常としてタイトな設計となっており、スペースの関係から「C4I」を装備することができませんでした
●このような「90式戦車」が置かれた状況を鑑み、陸上自衛隊は1996年に新型戦車の開発を開始、2008年に試作車が完成、2010年に制式化されたのが「10式戦車」です
●「10式戦車」は、交換可能なモジュラー装甲を採用、被弾などで損傷した場合には、その装甲の部分のみを取り替えるだけで元の状態に復旧することができます
●主砲には、「90式戦車」と同じく120mm滑腔砲を装備、この主砲は新たに国産化したタイプとなり口径は同様なものの「90式戦車」の主砲よりも高い装甲貫通能力を有しています
●「90式戦車」の例から、装甲防御力を高めながらも重量は44tに抑えており、その分エンジンは1200馬力となりましたが、加速力は「90式戦車」を凌ぎます
●このように「10式戦車」は、「90式戦車」よりも各性能を高めた一方で、大幅な重量低減を実現、「C4I」も搭載し、軽量ながらも極めて高い戦闘能力を持っています
●また、行進間射撃能力も向上、「90式戦車」では不可能だったスラローム走行中の射撃も可能となり、行進間射撃でも停止射撃に匹敵する高い命中精度を誇ります
●「10式戦車」は、主に「74式戦車」と交代するように部隊配備が進んでおり、陸上自衛隊の主力戦車として世界に誇る存在となっているのです
●なお「10式戦車」は、生産開始後も逐次改良が行われており、現時点の最新バージョンは「C4」と呼ばれるタイプで、本キットもこの「C4仕様車」を再現しています
【 「陸上自衛隊 10式戦車」のキット内容について 】
●この陸上自衛隊の主力戦車「10式戦車」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●入念なリサーチと、1/35及び1/16スケールにおける製品化を下敷きに、1/48スケールという小さなサイズに「10式戦車」を凝縮化、ただ単に他のスケールのキットをスケールダウンするのではなく、1/48スケールならではの考え抜かれた造型とモールドにより「10式戦車」をスケールに沿って高いレベルで再現した内容となっています
●気軽かつ本格的に戦車模型を楽しめるという1/48スケールMMシリーズのコンセプトに従って、パーツ上に施されたモールドを主体としたディテール再現により、パーツ数を極力抑えています
●各所のモールドも、1/48スケールというサイズに沿いながら、一体成型を感じさせない立体感と部位ごとの質感表現に溢れたタミヤならではのタッチとなっており、1/48スケールに縮小した以上の充分な存在感を持っています
●タミヤ屈指のモールド表現が光る、小さいながらもタミヤの技術力が詰まった逸品として、そして気軽に楽しめる戦車模型として秀逸な内容となっています
●「10式戦車」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」の3ブロックで構成しています
【 砲 塔 】
●独特の楔状の前面装甲を持つ「10式戦車」の砲塔形状を再現、各フックやハンドルなどはタミヤタッチの繊細かつシャープなモールド、各部の滑り止めはスケールに沿って強弱を付けたモールドで再現しています
●「44口径 120mm滑腔砲」の砲身は一体成型のパーツで再現、砲口部分は別パーツとなっています
・ 「防盾」は前後に分割したパーツで再現
・ 「防盾」は、基部にポリキャップを内臓し、完成後も上下に可動させることができます
●砲塔は、各パネルを箱組み状に貼り合わせて作製します
・ 上下のパネルの接着用として、内側に大きめのダボ受けを設けており、確実に形になるようになっています
・ 「車長サイト」は上下に分割したパーツで再現
・ 「砲手サイト」は遮光カバーを出した状態を再現しており、本体、前面パネル、扉の3パーツで構成、扉のパーツは中央でカットすることにより開いた状態とすることができます
・ 前方の「レーダー感知器」は独立したパーツで再現
・ 「スモークディスチャージャー」は左右それぞれ一体成型のパーツで再現しています
・ 「車長キューポラ」は一体成型のパーツで再現
・ 「車長ハッチ」「砲手ハッチ」は別パーツ化、「車長ハッチ」は開閉状態を選択することができます
・ 「環境センサー」も一体成型のパーツで再現、前部のガードも左右それぞれ一体成型のパーツで再現しています
・ 「アンテナマウント」「マウントガード」は一体成型のパーツで再現
・ 「砲塔バスケット」は格子状となった各パネルを貼り合わせて作製します
●車長キューポラに装備する「M2重機関銃」が付属しています
・ 「M2重機関銃」は、本体とグリップの2パーツで再現、「弾薬箱受け」「空薬莢受け」「リンク受け」を別パーツ化しています
・ 「銃架」は一体成型のパーツで再現
【 車体上部 】
●ラバー製のマッドフラップの質感、エンジングリルの異物混入防止ネットの細かなパターン、立体的な各部のハンドル、繊細かつ存在感のある各部のボルト、そしてスケールに沿った凹凸のある滑り止めパターンなど、各部位の特徴を捉えたモールドにより、10式戦車の車体上の細部までも再現しています
●車体上部は、各パネルを箱組み状に貼り合わせて作製します
・ 各パーツの接合部分には、内側に大きな糊代やダボが設けられており、確実に形となるように工夫されています
・ 「前照灯」は一体成型のパーツで再現、天板と前面パネルとの間に取り付けます
・ 側面パネルには、サイドスカートと下部のラバー製のマッドフラップを一体成型化しており、マッドフラップは完成後にリアルさを演出する弛みを演出しています
・ 「前部マッドフラップ」は左右それぞれ一体成型のパーツで再現
・ 前部の「灯火ユニット」も左右とも一体成型のパーツで再現、ライトガードも一体成型のパーツで再現しています
・ 「操縦手ハッチ」はモールドにて再現、上部のガードは別パーツ化して再現しています
・ 車体後部に取り付ける「シャベル」を別パーツ化
【 車体下部 】
●車体下部は、各パネルを箱組み状に貼り合わせて作製します
・ 内側に取り付ける「桁」のパーツが付属、この「桁」沿ってパーツを組み合わせることで車体パーツの歪みを防ぎ、確実に形となるようになっています
・ 重量感を演出する棒状の金属製ウエイトが3本付属、装着の有無を選択できます
・ 「サスペンションアーム」は別パーツ化しています
・ 「起動輪」「転輪」は前後に分割したパーツで再現、「起動輪」は内蔵させるポリキャップにより可動させることができます
●後部パネルは一体成型のパーツで再現
・ 上部の「収納箱」はそれぞれ一体成型のパーツで再現
・ 「牽引ワイヤー」は固定具に巻いた状態を一体成型のパーツで再現しています
【 履 帯 】
●履帯は、ラバー製の接地パッドが付いていない状態の「10式戦車」用のダブルピン履帯を再現しています
・ 履帯は、プラスチック製の一部連結式になっています
・ 履帯の上下の直線部分は繋がった状態のパーツ、前後の曲線部分は1枚ずつ分割したパーツで再現しています
【 フィギュア 】
●車長を再現したフィギュアが付属しています
・ 車長フィギュアは半身像となります
・ 車長ハッチから上半身を出して、両手をキューポラ部分に置いているポーズとなっています
・ 服装は、「迷彩服2型」を着用、「戦車ヘルメット」った姿です
・ 服の皺の表現はスケールに沿った凹凸モールドで再現、ベルトやマガジンポーチは立体的なモールド、ポケットなどは繊細なモールドで再現しています
・ フィギュアは、頭部、胴体、両腕に分割したオーソドックスなパーツ分割となっています
【 「10式戦車」の塗装とマーキング 】
●「10式戦車」のマーキングとして、陸上自衛隊仕様となる2種類の塗装例がリーフレットに記載されています
・ 第1戦車大隊 第1中隊
・ 第8戦車大隊 第1中隊
●塗装例に基づく、部隊マーク、部隊表示、車体番号などを再現したデカールが付属しています
●実車の解説、塗装例などを記載したリーフレットが付属
【 「陸上自衛隊 10式戦車」のパッケージ内容 】
・ 10式戦車 (C4仕様車) ×1
・ 車長フィギュア ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
・ リーフレット ×1
●2016年 完全新金型
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【 タミヤ1/48ミリタリーミニチュアシリーズについて 】
●1/48スケールならではの凝縮された精密感、手頃な大きさにより、コレクションに最適です
●最近の1/35スケールのキットはパーツ数が多くなり、手軽にモデリングを楽しみたい場合やコレクション性を重視した模型作り、そして時間が限られる場合など、製作に着手すること自体が難しくなっているAFVファンが多くなっているかもしれません
●タミヤの1/48ミリタリーミニチュアシリーズは、AFVモデルの凝縮感を失うことなく、このスケールに実車ディテールを落とし込みながら、タミヤならではの時間と手間をかけた丁寧な設計でパーツ数を抑え、手軽に組み立てることができるシリーズとなっています
●また、短時間で組立てられるということは、単品作品だけではなく、ビネットやジオラマ展開などに挑戦する時間と精神的な余裕もでき、完成後のコンパクトなサイズを見ると複数の車両や同じスケールのエアモデルなどを交えたジオラマ作製にもチャレンジしたくなります
●AFVモデルの原点として、様々な楽しみ方に挑戦したくなるタミヤらしい秀逸な内容のシリーズとなっています