陸上自衛隊 3トン半 大型トラック
「陸上自衛隊 3トン半 大型トラック (プラモデル) (フジミ 1/72 ミリタリーシリーズ No.72M-008 )」です
●陸上自衛隊の大型トラック「3トン半トラック (新型)」を1/72スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●陸上自衛隊の新世代大型トラックとして各部隊を支える足となって活躍する「3トン半トラック (新型)」を再現、現在の民間用トラックに準じた近代的なフォルムを再現した内容となっています
●フジミ社製「陸上自衛隊 3トン半 大型トラック」のデカールを変更したリニューアルバージョンとなります
【 「陸上自衛隊 3トン半 大型トラック」のキット概要 】
●ミニスケールらしく、一体成型を多用したパーツ構成と、パーツ上に施したモールドを主体としたディテール再現により、パーツ数を抑えた内容
●キャビン上部のキャンバスと荷台の幌は装着の有無を選択可能
●車軸は金属製シャフトで再現
●フロントウィンドや各ウィンドを再現したクリアパーツが付属
●タイヤはプラスチック製パーツで再現
●マーキング例は陸上自衛隊仕様3種、ナンバープレートなどを再現したデカールが付属
【 「3 1/2t トラック(新型)」について 】
●1973年、陸上自衛隊はボンネット型の「2.5tトラック」の後継車としてキャブオーバー式の「73式大型トラック」を採用しました
●「73式大型トラック」は、240馬力のディーゼルエンジンを搭載、6輪駆動式の走行装置を備え、良好な機動性能を示し、3.5tの積載量を能力を有しています
●「73式大型トラック」は積載量を由来とした、部隊では「3トン半」という名称で呼ばれ、隊員、物資などの輸送に従事、ダンプタイプや対空ミサイル装備車輌などの派生型も多く作られており、陸上自衛隊の主力トラックとして運用されていました
●また、1980年代後半までは装輪式の装甲車輌は極めて少なく(「82式指揮通信車」ファミリーのみ)、一般の公道を走るのは同車と「73式小型トラック」がほとんどであり、陸上自衛隊の「顔」として認知されるようになりました
●1987年、「73式大型トラック」はマイナーチェンジが行われ、エンジンなどの駆動系を中心に改良が施されています
●しかし、「73式大型トラック」が採用された1973年から日本の自動車の技術は大きく進化しており、時代の流れから本格的な改良型が望まれました
●そこで、1999年に登場したのがフルモデルチェンジされた「73式大型トラック (新型)」で、旧型の基本スタイルを継承しながらも各部を改良、性能の向上が図られています
●全体の形状の変更と共に、エンジンを285馬力へとパワーアップ、トランスミッションも従来のマニュアル方式からオートマチック方式へと変更しています
●当初、同車は前記のように「73式大型トラック(新型)」と呼ばれていましたが、自衛隊内の装備名の変更により、現在では「3 1/2tトラック (新型)」という名称となっています
【 「陸上自衛隊 3トン半 大型トラック」のキット内容について 】
●この陸上自衛隊の大型トラック「3 1/2tトラック (新型)」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●フジミ社の1/72ミリタリーシリーズのフォーマットに従って「3 1/2tトラック (新型)」を再現、ミニスケールモデルとして省略化と一体成型化を進めながら、パーツ上に施したモールドを主体として、「3 1/2tトラック(新型)」としての特徴とディテールを再現した内容となっています
●「3 1/2tトラック (新型)」は、「キャビン」「荷台」「シャーシ」の3ブロックで構成しています
【 キャビン 】
●キャビンは一体成型のパーツで再現、後面パネルと上部のキャンバス部は別パーツとなっています
・ 上部のキャンバス部は、装着の有無を選択できます
・ 「フロントウィンド」の枠、「ワイパー」はキャビンパーツに一体成型化しており、ウィンド部分はクリアパーツで再現しています
・ 側面の「サイドミラー」を別パーツ化して再現
●キャビン内部を再現、以下のパーツで構成しています
・ 座席
・ メーターパネル (メーターを再現したデカールが付属しています)
・ 変速レバー
・ ハンドル
【 荷 台 】
●荷台は、各パネルを箱組み状に貼り合せて作製します
・ 側面の「ベンチシート」は別パーツ化、展開した状態を再現しています
●「幌」は、上部中央部分で分割した左右のパーツと、前面、後面の4パーツで構成
・ 「幌」は装着の有無が選択できます
【 シャーシ 】
●シャーシのメインフレームは一体成型のパーツで再現
・ 「リーフサスペンション」はそれぞれ一体成型のパーツで再現
・ 「デファレンシャル」は、前後それぞれ一体成型のパーツで再現、「ドライブシャフト」を一体成型化しています
・ 「車軸」は金属製シャフトで再現、デファレンシャルに通して組立てます
・ ステアリングは前方に固定した状態となります
・ 「排気管」は2パーツで再現し、先端部分は開口しています
●タイヤは、ホイールを含めた一体成型のプラスチック製パーツで再現、タイヤ表面にはトレッドパターンをモールドで再現しています
●フロントウィンドや各ウィンドを再現したクリアパーツが付属しています
【 「3 1/2tトラック (新型)」の塗装とマーキング 】
●「3 1/2tトラック (新型)」のマーキングとして、陸上自衛隊仕様となる1種類の塗装例と3種類のマーキング例が説明書に記載されています
・ 富士教導団 普通科教導連隊 第1中隊
・ 第1師団 司令部
・ 第10特科連隊 第3大隊 本部管理中隊
●説明書の塗装例に基づく、陸上自衛隊マーク、部隊表示、ナンバープレートなどを再現したデカールが付属しています
・ 説明書のマーキング例の他に、第7師団司令部付属や武器学校などのマーキングを再現したデカールも付属しています
【 「陸上自衛隊 3トン半 大型トラック」のパッケージ内容 】
・ 3 1/2t トラック (新型)×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2016年 「陸上自衛隊 3トン半 大型トラック」のデカールを変更したリニューアルバージョン
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【 「陸上自衛隊 3トン半 大型トラック」のワンポイント 】
●このキットのベースとなる「陸上自衛隊 3トン半 大型トラック」と同時期に、アオシマ社からも同車を再現した同スケールのキット「陸上自衛隊 3 1/2tトラック 3トン半 新型」が発売されました
●両キットの特徴を、パーツ状態で見た上で解説します
●フジミのキットは、同社の「ドイツ 軍用 3t トラック 救護車仕様」と同じテイストであり、このスケールキットでの標準的な仕上がりとなっています
●アオシマのキットは、フジミ版よりもパーツ分割によりディテール表現度が細かく(ただし、中国メーカーから比べると遥かにパーツ分割は抑えめ)、前照灯やウインカーなどがクリアーパーツ化されていて、全体的に細かに再現した印象を受けます
●ただし、フジミ版ではアオシマ版で省略されている幌を固定するフックなどが表現されており、一概にアオシマ版の方がディテールに優れているとも言えません
・ ただし、どのディテールを再現するかといった取捨選択は、実物をミニチュア化して再現するスケールモデルにおける表現方法の一側面に過ぎず、ディテールの「あり・なし」がキットの優劣を決めるものではありません
●以下に「アオシマ版」「フジミ版」それぞれの表現の主要な違いを列挙しますので、参考として下さい
・ 前述のように、アオシマ版は前照灯、ウインカー、フォグランプはクリアパーツ、フジミ版はモールドで再現しています
・ アオシマ版ではウィンドの枠はクリアパーツ上にモールドで再現していますが、フジミ版ではキャビン部分に一体成型化しています
・ アオシマ版はキャビン上部のキャンバスを一体成型化していますが、フジミ版は別パーツ化しており、取り外した状態とすることもできます(ただし、実車ではあまり見掛けない)
・ アオシマ版はキャビン上部の速度表示灯が無いタイプで、フジミ版は速度表示灯があるタイプ(実車では両タイプが存在)
・ 荷台のベンチシートは、アオシマ版では展開状態と収納状態とが選択できますが、フジミ版では展開状態の固定式(実車では、大量に荷物を積む時以外は展開状態)
・ 幌は、アオシマ版では後部を巻き上げた状態と降ろした状態が選択できるのに対して、フジミ版は下げた状態のみとなります(実車では、乗降しやすいように巻き上げられている場合が多いです)
・ 荷台後部パネルは、アオシマ版は上げた状態と下げた状態とを選択することが可能で、フジミ版では上げた状態のみとなります(実車では、走行時には上げた状態ですが、乗降時には必ず下げた状態となります)
・ タイヤは、アオシマ版ではホイール部分、トレッドパターン共に立体的な彫刻となっており、模型栄えがします
・ ただし、実車のトレッドパターンはフジミ版のように平坦なタイプが良く見られますので、フジミ版は実車に沿った表現とも言えます(これは、アオシマ版が同社「陸上自衛隊 73式大型トラック 3トン半」とパーツの共通化したためと推定できます)