陸上自衛隊 87式自走高射機関砲 高射教導隊
「陸上自衛隊 87式自走高射機関砲 高射教導隊 (プラモデル) (ピットロード 1/35 グランドアーマーシリーズ No.G-046 )」です
●陸上自衛隊の対空戦車「87式自走高射機関砲」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット。
●陸上自衛隊独自の車両として連装式に機関砲を搭載した「87式自走高射機関砲」を再現、 複雑な砲塔形状に独特なレーダー類、「74式戦車」をベースとしながらも全く異なる車体形状とディテールを備えた同車の特徴を再現した内容となっています。
●ピットロード社製「陸上自衛隊 87式自走高射機関砲 高射教導隊」の価格を変更したバリエーションキットとなります(キットの内容は同一です)。
【 陸上自衛隊 87式自走高射機関砲 高射教導隊 (ピットロード 1/35 グランドアーマーシリーズ G-46) プラモデルの内容 】
●陸上自衛隊の「87式自走高射機関砲」を再現したプラスチックモデル組立てキットです。
●車体上部の各種グリル類は繊細なモールドとエッチングパーツとで再現、ハンドルや把手類なども別パーツ化して再現しており、「87式自走高射機関砲」が持つ細かな構造を細分化したパーツ構成で再現した内容となっています。
●「87式自走高射機関砲」は「砲塔」「車体上部」「車体下部」「後部パネル」の4ブロックで構成しています。
■ 砲 塔
●複雑な形状の砲塔を4つに分割したブロックで構成、砲塔上の溶接跡や表面部分のディテールも繊細なモールドで再現しています。
●「エリコン 35mm対空機関砲 KDA」の砲身は、先端のフラッシュハイダーも含めて縦に2分割したパーツ構成。
・ 多角形状の砲身基部は3つに分割したパーツで再現、ハンドルなどの細部ディテールを別パーツ化して再現しています。
・ 砲身基部の小フックは、付属のエッチングパーツで再現。
・ 砲身は完成後も上下に可動させることができます。
●砲塔は上下に分割したパーツで構成、前後の装甲パネルは別パーツ化しています。
・ 上部ハッチは別パーツ化しており、開閉状態を選択することができます。
・ ペリスコープは、成型色パーツとクリア成型のパーツの2種をセット、選択して使用することができます。
・ 砲塔後部の「索敵」「追尾」2つのレーダーは、ポリキャップを内蔵しており可動させることが可能、組立後も「作動時」「非作動時」の状態を再現することができます。
・ 砲塔上に装備したアンテナ基部や砲塔バスケットなどのディテールを別パーツ化して再現しています。
・ 砲塔側面のスモークディスチャージャーは、3連装式の「旧型」と、4連式の「新型」の2種をセット、選択して使用することができます。
■ 車体上部
●車体上部は側面フェンダー部も含めた一体成型のパーツで構成、スライド式金型を使用して側面のグリルやパネルラインを細やかなモールドで再現しています。
・ 車体上の各部の滑り止めをモールド化して再現。
・ 側面の排気口グリルをスライド式金型を使用して繊細なスリット状のモールドで再現しています。
・ 車体上面の各グリルもスライド式金型を使用して繊細なスリット状のモールドを立体的に再現、グリル上にエッチング製のメッシュカバーを貼りつけます。
・ 操縦手用のペリスコープ部はクリア成型のパーツで再現。
・ 操縦手ハッチは別パーツ化しており、開閉状態を選択することができます。
・ 前照灯ユニットは一体成型の別パーツで再現、前照灯のガラス部はクリア成型のパーツ、ライトの保護カバーはメッシュ状のエッチングパーツで再現しています。
・ 車体上部の各点検ハッチの開閉ハンドルは別パーツ化して再現。
・ 牽引ワイヤーや車載工具類、予備キャタピラ、雑具箱等の装備品は別パーツ化しており、取り付け具も一体化して成型したパーツとなっています。
■ 後部パネル
●後部パネルは一体成型化したパーツで再現、点検ハッチや雑具箱は別パーツ化しています。
・ 後部に備えるバスケットは、プラスチック製の枠パーツにエッチング製のメッシュを貼り付けてディテールを再現しています。
■ 車体下部
●車体下部はサスペンションアームの位置を変えて組み立てることで、車高の上下を選択することができます。
●車体下部は、バスタブ状に一体成型化したパーツで構成。
・ サスペンションアームは別パーツ化して再現、標準車高時と低姿勢車高時とを選択して組み立てることができます。
・ 転輪・誘導輪は前後で2分割したパーツ、起動輪は前後で3分割したパーツで再現、起動輪はポリキャップを内蔵し可動させることができますが、転輪・誘導輪はサスペンション軸に直接接着するようになっています。
・ 牽引フックは、フックとベース部分との2パーツで再現
・ 前後のマッドガードも別パーツ化して再現しています。
■ 履 帯
●履帯は、履板1枚ずつに分割したプラスチック製の連結式履帯、履板を接着して組み立てます。
・ 側面のコネクターは、履板パーツに一体成型化して再現しています。
・ 履帯は、演習地用の鋼製履帯が表現されており、モデルカステン製「74式戦車用履帯」がこれに対応しています。
・ 付属の治具を利用して「標準車高時」の履帯のたるみを簡単に再現することができます。
●ペリスコープ、前照灯のガラス部などを再現したクリア成型のパーツが付属。
●各グリルのメッシュ、後部バスケットのメッシュ、前照灯のカバーなどを再現したエッチングパーツが付属しています。
【 陸上自衛隊 87式自走高射機関砲 高射教導隊 (ピットロード 1/35 グランドアーマーシリーズ G-46) 塗装とマーキング 】
●別紙「塗装&マーキングガイド」に基本塗装図と陸上自衛隊所属車輛の塗装例をカラーでプリントしています。
・ 塗装の際に使用する塗料の種類も記載しています (Mr.カラー)。
●「87式自走高射機関砲」の塗装・マーキング例
・ 高射学校 高射教導隊 第3高射中隊
・ 第2師団 第2高射特科連隊 第3高射中隊
・ 第7師団 第7高射特科連隊 第1高射中隊
・ 第7師団 第7高射特科連隊 第2高射中隊
・ 第7師団 第7高射特科連隊 第3高射中隊
・ 第7師団 第7高射特科連隊 第4高射中隊
上記6種の塗装・マーキング例のうち、いずれか1種を選択して再現することが可能です。
●塗装例に応じた、部隊マーク、部隊表記、車台番号、陸上自衛隊マークなどを再現したデカールが付属しています。
【 陸上自衛隊 87式自走高射機関砲 高射教導隊 (ピットロード 1/35 グランドアーマーシリーズ G-46) パッケージ内容 】
・ 87式高射機関砲 ×1
・ エッチングシート ×1
・ 真鍮パイプ ×2
・ デカールシート ×1
・ 組立説明書 ×1
【 陸上自衛隊 87式自走高射機関砲 高射教導隊 (ピットロード 1/35 グランドアーマーシリーズ G-46) 仕様 】
●パーツ成型色 : ライトグレー
●製品素材 : PS/PE
●「87式自走高射機関砲」完成時のサイズ
・ 全長:229.5mm
・ 全幅:91.5mm
・ 全高 : 126mm
●2016年 価格変更
●2012年 完全新金型
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【 陸上自衛隊 87式自走高射機関砲 高射教導隊 (ピットロード 1/35 グランドアーマーシリーズ G-46) のワンポイント 】
●本キットは、前述のように各グリル部カバーをメッシュ状のエッチングで再現しているため、カバーを通して下のスリットを視認できるハイディテールな構成となっています。
●ただし、エッチングの接着にはある程度の習熟が必要であり、中級者以上の人向けのキットとなります。
●車体上部のエッチングは瞬間接着剤を使用すると接着剤の付け過ぎによる目詰りや、失敗時のリカバリーが難しいので「エポキシ系接着剤」を点付けし、逆に車体後部のバスケットのメッシュは素早い接着強度が必要となるので「瞬間接着剤」で製作することをお勧めします。
【 陸上自衛隊 87式自走高射機関砲 について 】
●陸上自衛隊の発足当初は、火砲類はアメリカより供与もしくは貸与され、対空装備の高射機関砲はハーフトラックベースの「M16」と、「M24」軽戦車の車体を使用した「M19」を運用していましたが、これは後にハーフトラックベースの「M15A1」と、「M41」の車体を利用した「M42」へと移行します。
●アメリカ軍は、強力な航空戦力を保有していたため、対空兵器の開発は比較的低調であり、陸上自衛隊でもこの影響を受けてか積極的な開発は進められていませんでした。
●また、空戦兵器の戦闘機はジェットエンジンの搭載が当たり前になったため、対空機関砲では移動目標への追従が困難になり、対空兵器はミサイルを主力に据えるようになります。
・ 1990年頃までは、高高度用もしくは制空用として航空自衛隊が「ナイキ」ミサイルを、地上部隊防御用として陸上自衛隊が「ホーク」ミサイルを装備していました。
●ただ、ベトナム戦争の戦訓を受け、敵航空機から地上部隊を守る最終火器としての対空機関砲の有効性も再認識され、1969年にはレーダー照準装置を備えた「エリコン 35mm高射機関砲 L-90」を採用します
・ 「ホーク」は各方面隊直轄の高射特科群、「エリコン 35mm高射機関砲 L-90」は各師団の特科連隊内の高射特科大隊(規模は中隊程度)に配備されていました。
●しかし、ヘリコプターの性能が発達するにつれ地上襲撃用の攻撃専門ヘリコプターが各国で開発されるようになると、対空機関砲の有効性はますます高まり、機甲部隊に追従できる自走式の対空機関砲の必要性が唱えられるようになります。
・ 一瞬で攻撃、離脱を行う固定翼機(ジェット戦闘機)に対して、ヘリコプターは前線近くに布陣して地上部隊に密接した支援を行うことができるので、対地攻撃の主軸にまで想定されるようになっています。
●西ドイツ(当時)では、「レオパルド 1」戦車をベースとした対空自走砲「ゲパルト」を1973年に採用、自走対空ミサイル「ローラント」との組み合わせで遠・近をカバーする濃密な対空能力を備えるようになります。
●これを機に、陸上自衛隊でも1970年代後半から対空自走砲の開発が進められます。
●この対空自走砲の車体には、当初主力戦車としては能力不足となった「61式戦車」を予定していましたが、車格の問題から大型の砲塔は搭載することができなかったため、結局「74式戦車」の車体を利用することになりました。
●新型対空自走砲砲は1983年に試作車が完成、各種テストを受けて、1987年に「87式自走高射機関砲」として制式化されます。
●「87式自走高射機関砲」は、「ゲパルト」を開発の参考としたために、「エリコン 35mm対空機関砲 KDA」を砲塔の左右に装備するレイアウトを採用、索敵レーダーと追尾レーダーに関しては「ゲパルト」が特許を持っており、砲塔後部に集中配置されました。
●ただ、「87式自走高射機関砲」は、レーダー、センサー類が多くを占める関係上、調達価格が高価であり、最大年間8両、最低で年間1両という車両数しか生産されず、2002年までの合計52両の生産で終了しています。
●この52両の「87式自走高射機関砲」は、従来「M42」を装備していた第7師団の第7高射特科連隊、そして第2師団の高射特科大隊、富士学校の高射教導隊へと配備されています。
●このような地上からの対空装備の充実に対し、攻撃ヘリコプターもより性能を強化、高射機関砲の射程外から攻撃可能な長射程の対戦車ミサイルが装備されるようになります。
●そして、対空自走砲も対空ミサイル併用型が登場、ロシアでは「2K22 ツングースカ」、ドイツでは「ゲパルト」に「スティンガー」対空ミサイルを装備したタイプも試作されています。
●ただし、このようなシステムは更なる車輌の高コスト化となり、陸上自衛隊では「81式短距離地対空誘導弾」「93式近距離地対空誘導弾」などの対空ミサイル車輌を配備、開発されている都合上「87式自走対空機関砲」をアップデートする計画は今のところ無いようです。