オッター 軽偵察車
「オッター 軽偵察車 (プラモデル) (IBG 1/35 AFVモデル No.35019 )」です
●第2次世界大戦時におけるカナダ製の軽装甲車「オッター軽偵察車」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●カナダのCMP規格トラック「シボレー C15」をベースとして、装甲化したボディを装備した軽装甲車「オッター」を再現、戦時急造のような簡略化したボディ形状と、小型の銃塔を装備した英国風の無骨かつ特異な姿を再現した内容となっています
【 「オッター軽偵察車」について 】
●イギリスは、多くの植民地とオートラリアやカナダといったイギリス連邦という経済圏を持ち、これがイギリスの国力と工業力、そして軍事力を支えていました
●カナダはイギリス連邦の中で最も大きな工業力を擁していましたが、周囲に敵対国がない関係で軍事産業自体は極めて脆弱であり、第2次世界大戦が開戦するとトラックなどのソフトスキン車両を多く生産することでイギリス軍及びイギリス連邦軍の機械化に貢献するという方針を決めます
●世界各地に植民地を持つイギリス軍は、統治領内での治安を維持するために機動力に優れた装甲車の運用を重視しており、多くの装甲車を保有していました
●これらの装甲車は、第2次世界大戦が開戦すると偵察部隊用の本格的な装甲車と、工兵部隊などの支援兵科や後方部隊向けの軽装甲車の2タイプに分けられ、それぞれ開発と生産が行われます
●偵察部隊用の装甲車は基本的に専用のシャーシを使用し、装甲防御力と火力を重視するようになったのに対して、軽装甲車では、積極的に戦闘を行う車両ではないことから、トラックなどのシャーシを利用した簡単な構造を採用、武装も機関銃や対戦車ライフル程度の軽武装でした
●イギリスの「ハンバー」社では、軽装甲車である「ハンバー軽偵察車」を生産していましたが、同社では「ハンバー装甲車」などの他の装甲車を生産する必要が生じ、このため「ハンバー軽偵察車」の代わりの車両となる「オッター軽偵察車」の生産を「GMカナダ」社が請け負うこととなります
・ 「オッター軽偵察車」は、カナダの戦時規格で作られたトラック「シボレー C15」のシャーシを利用して、装甲ボディを搭載、その上部に簡単な構造の小型銃塔を装備しました
・ 銃塔には「ブレン軽機関銃」、車体部には「ボーイス対戦車ライフル」を装備しましたが、「オッター軽偵察車」は後方での活動が多く、実際には銃塔の機関銃のみを装備した状態が多かったようです
●「オッター軽偵察車」は、支援兵科や後方部隊用の装甲車として活躍、その任務性から華々しい戦果とは無縁でしたが、イギリス軍及びイギリス連邦軍を陰から支える存在となりました
●また、戦後も治安維持用の装甲車として世界各国で運用、堅牢な造りと機械的信頼性の高さから高い評価を受けたのでした
【 「オッター 軽偵察車」のキット内容について 】
●このカナダ製の軽装甲車「オッター軽偵察車」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●東欧系メーカーと思えない繊細でカッチリとした彫刻と、薄く成型されたパーツ、そして必要最小限のエッチングパーツによる構成で、「オッター軽偵察車」のフォルムとディテールを再現しています
・ 小型の車両としては細かく分割したパーツ構成により「オッター軽偵察車」の細部表現に重きを置いた内容となっています
●エンジンを含む車体内部を再現、ボンネットやハッチ(ドア)を開放した状態でメカニカルな構造をディスプレイすることができます
●「オッター軽偵察車」は、「銃塔」「ボディ」「シャーシ」の3ブロックで構成しています
【 銃 塔 】
●円錐状となった小型の1人用の銃塔を再現、特徴的な吊り下げ式の座席の構造も再現しています
●銃塔は、左右に分割したパーツで再現、下部のリング部は別パーツ化しています
・ 銃塔に装備した「ブレン軽機関銃」は、機銃本体と脚との2パーツで構成
・ 銃架は一体成型のパーツで再現
・ 銃塔の下部構造を再現、吊り下げ式の座席や側面の弾薬箱をパーツ化しています
【 ボディ 】
●面で構成した無骨なスタイルの「オッター軽偵察車」の車体形状を再現、表面のリベットやヒンジなどを凹凸ある繊細なモールドで再現しています
●ボディは、各パネルを箱組み状に貼り合わせて作製します
・ 視察ハッチ、側面の乗降ハッチは別パーツ化、開閉状態を選択して作製することができます
・ 前部のルーバーは、1枚ずつ個別にパーツ化したルーバーのフィンを4枚重ねて再現します
・ 前照灯は、管制カバーが付いた状態と、カバーが付いていない状態の2種のパーツをセット、選択して使用します
・ フェンダーはそれぞれ一体成型のパーツで再現
・ ボディ前方に装備する「ボーイズ対戦車ライフル」(×1)が付属
・ 車載工具類は個別にパーツ化、それぞれ一部の固定具をパーツとともに一体成型した状態となっています
・ 後部に装備するサンドチャンネルはエッチングパーツで再現
●車体内部を再現、以下のパーツで構成しています
・ フロアパネル
・ 操縦席、助手席
・ 各種レバー、ペダル類
・ メーターパネル
・ 弾薬箱
・ 携行缶
・ 無線機
・ バッテリー
・ 消火器
・ リー・エンフィールド ライフル ×2
・ 水筒 ×2
など
【 シャーシ 】
●シャーシのメインフレームは、縦方向と横方向のフレームを組み合せて作製します
・ リーフ式サスペンションは各1パーツで構成、取り付け基部は別パーツ化しています ・ 前部のデファレンシャルは15パーツ、後部のデファレンシャルは11パーツで再現
・ ステアリングは前方に固定した状態となっています
●エンジンは、基本躯体を各パネル箱組み状に貼り合わせて作製、これに発電機、冷却ファン、ファンベルト、排気管などを取り付けて完成させます
・ ラジエターは1パーツで再現
●タイヤは、前後に分割したパーツで再現、ハブキャップは別パーツ化しています
●サンドチャンネル、各部のディテールなどを再現するエッチングパーツが付属しています
【 「オッター 軽偵察車 」の塗装とマーキング 】
●「オッター 軽偵察車」のマーキングとして、2種類の塗装例が説明書に記載されています
・ イギリス陸軍 第7機甲師団 師団司令部 (イタリア / 1944年)
・ カナダ 第1歩兵師団 (イタリア / 1943年)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、部隊マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています
【 「オッター 軽偵察車 」のパッケージ内容 】
・ オッター 軽偵察車 ×1
・ エッチングシート ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2015年 完全新金型 (IBG社製「シボレー C15TA 装甲4輪トラック」と同時発売)