ソビエト KV-1 重戦車
「ソビエト KV-1 重戦車 (プラモデル) (タミヤ 1/48 ミリタリーミニチュアシリーズ No.035 )」です
●第2次世界大戦時におけるソ連軍の重戦車「KV-1」を1/48スケールで再現したプラスチックモデル組立キットで、「KV-1」の「1940年型」を再現した内容となっています
●独ソ戦初期において無敵の強さを誇った「KV-1」を再現、ソ連戦車らしいマシン然とした質素かつ凶暴さを持ったフォルムが表現されています【 「KV-1」について 】
●ソ連軍は、軟弱地が多い国内事情から重量の軽い「BT」系列や「T-26」などの軽戦車を多く保有し、それらは戦車戦力の中核となっていました
●しかし、第1次世界大戦の「陸上軍艦」という戦車思想も色濃く残っており、「T-28」「T-35」という多砲塔戦車を運用していました
・ 多砲塔戦車を大量に保有していたのはソ連軍のみです
●この「T-35」の後継車両の開発が行われ、1937年に「SMK」「T-100」という2種類の戦車が試作されます
●しかし、当時のソ連の指導者である「スターリン」は多砲塔式を嫌ったために、単砲塔型である「KV-1」が作られました
●この「SMK」「T-100」「KV-1」は、各種試験、そしてフィンランド戦での実戦テストの結果、「KV-1」の有効性が認められ、同車が1939年に重戦車として制式化されます
●この「KV-1」は、後部にトランスミッションを配置したために前面装甲を強化することができ、その最大装甲厚は75mmと、当時の戦車としては破格の防御力を誇りました
●主砲には「76.2mm戦車砲 L-11」を装備、この頃の戦車の主砲は37mmクラスだったのに対して、強力な攻撃力を持ち、まさに重戦車に相応しい攻撃力、防御力を持っていました
●「KV-1 1940年型」は、「KV-1」シリーズの2番目の型式で、装甲厚を90mmへと強化し、主砲は「76.2mm戦車砲 F-32」へと変更、更に強力な能力を擁しています
・ 「KV-1」は、その生産年から「1939年型」「1940年型」「1941年型」「1942年型」と4タイプに区分され、「1941年型」では主砲を「76.2mm戦車砲 ZIS-5」に、「1942年型」では装甲が最大120mmへと強化されています
●独ソ戦初期、「KV-1」シリーズは、その強靭な防御力によってドイツ軍を圧倒、当時のドイツ戦車の主砲では正面装甲どころか側面、後面装甲を貫通することはほとんど不可能であり、ドイツ軍は88mm高射砲による射撃か、急降下爆撃機の航空支援により対処することとなりました
●ただし、ソ連軍側は初期対応の稚拙さと補給の混乱により、「KV-1」の能力を活かすことができず、同車は各個に撃破されてしまいます
●また、「KV-1」は、その大重量と後部へのトランスミッションの配置から変速が極めて困難であり、低い機動力が最大の欠点となっていました
●このため、戦場に到達する前に機械故障によって放棄されてしまう車輌が続出、前線の将兵や用兵側にも不満の種となりましたが、一旦戦場に出るとその無敵振りを披露、ソ連、ドイツ両軍にとって深い印象を残す戦車となりました
【 「ソビエト KV-1 重戦車」のキット内容について 】
●このソ連軍の重戦車「KV-1」の「1940年型」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●「KV-1 1940年型」をタミヤタッチによりシャープに再現、1/48MMシリーズらしく精密感を保ちながらもパーツ分割は最小限に抑えられ、このスケールならではの凝縮感、戦車模型としての迫力とディテールを気軽に楽しむことができる内容となっています
●車体下部はサスペンションアームを含めたダイキャスト製パーツで再現、重量感在る仕上がりを楽しむ事ができます
●「KV-1」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」の3ブロックで構成されています
●砲身は一体成型で、砲口部分が開口処理されています
・ 防盾は1パーツで構成、基部に内蔵させるポリキャップにより上下に可動します
●砲塔は左右分割式で、これに前面パネル、後面パネル、天板を取り付ける構成です
・ 砲塔上部ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ ペリスコープ、後部機銃などがパーツ化
・ 砲塔は左右旋回が可能です
●車体上部は、フェンダーも含めて一体成型され、エンジンパネル部分は別パーツです
・ フェンダー支持架は別パーツにて再現
・ 前部ハッチ、エンジンデッキの点検ハッチは別パーツです
・ 排気管は各1パーツで構成、先端部が開口処理されています
・ ペリスコープ、前部視察ハッチ、アンテナ基部、ワイヤー固定装置などがパーツ化
・ 前方機銃はマウント部を含めて3パーツで構成
・ フェンダー上に装着する雑具箱が3個付属しています
●車体下部は、バスタブ式に一体成型されたダイキャスト製パーツとなっており、前面パネルと後面パネルはプラパーツです
・ サスペンションアームは、車体下部に一体成型されています
・ 転輪、起動輪、誘導輪は左右分割式です
・ 起動輪は内蔵させるポリキャップにより可動します
●履帯は、プラパーツによる一部連結式履帯が付属しています
・ 上下の直線部は繋がった状態のパーツ、前後の曲線部は2枚ずつが連結されたパーツとなっています
・ 上部のパーツには上部転輪による弛みが表現されています
●牽引ワイヤーは、先端のアイの部分がプラパーツ、ワイヤー本体は付属の糸を使用します
●マーキングは、ソ連軍仕様の2種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 所属部隊不明 (1942年)
・ 西部方面軍 第145戦車師団(ハリコフ攻防戦 / 1942年5月)
●説明書の塗装例に基づく、車体番号などを再現したデカールが付属しています
●2006年 完全新金型
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【 「ソビエト KV-1 重戦車」のワンポイント 】
●タミヤの「KV-1」といえば1/35スケール「ソビエト KV-1戦車 (C型)」が印象深いですが、同キットが再現しているのは「1942年型」となります
●ソ連軍の重戦車は、大戦後期における荒々しい鋳造肌というイメージが強いのですが、「KV-1」の「1940年型」では熟練工が生産しているために仕上げは綺麗ですので、表面上のテクスチャーを付け過ぎないほうが良いでしょう