ドイツ戦車 パンサー G 初期型
「ドイツ戦車 パンサー G 初期型 (プラモデル) (タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.170 )」です
●「ドイツ戦車 パンサー G 初期型」です
●第2次世界大戦後期におけるドイツ軍の中戦車「パンサー G 初期型」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立てキット
・ 「パンサー G型」の1944年3月から同年9月頃まで生産された「初期型」を再現した内容となっています
●大戦後期のドイツ戦車部隊において、その主軸となって活躍した「パンサー G型」を再現、傾斜装甲を持ち、長砲身の主砲を装備した、端整なフォルムを再現した内容となっています【 「パンサー G 初期型」について 】
●1941年に独ソ戦が開始されると、ドイツ軍は電撃戦により勝利を収めて行きましたが、強力な装甲と攻撃力を持つソ連軍戦車に苦戦しました
●特に、ソ連軍の新鋭戦車「T-34」は、当時の戦車の設計思想の数歩先を進む先進的な戦車であり、傾斜した装甲により良好な避弾経始を持ち、同車はドイツ戦車に大きな影響を与えることとなります
●それまでのドイツ軍戦車は、独ソ戦の開始時に開発が始まった重戦車「タイガー 1」を含めて避弾経始はほとんど考慮されておらず、基本的に垂直面と水平面で構成されていました
●「T-34」の出現により傾斜装甲を採り入れた新型戦車の開発が開始され、1942年末に「5号戦車 パンサー」が完成、最初の量産型となる「パンサー D型」が生産されます
●この「パンサー D型」は、前面装甲80mm厚を誇り、傾斜した装甲により強力な防御力を持っていました
●主砲には、新開発の「70口径 75mm戦車砲 KwK42」を搭載、同砲は75mmクラスの火砲としては最強の装甲貫通能力を誇り、連合軍の戦車を寄せ付けない「パンサー戦車」の強力な牙となっています
●また、機動力は高出力のガソリンエンジンにより最高速度46kmという性能を持ち、「走・攻・守」に優れた第2次世界大戦における最優秀戦車の一つとも言われています
●1943年7月の「クルスク戦」において初陣を飾った「パンサー D型」は、多大な戦果を収める一方、機械的トラブルが後を絶たず、その機械的問題点を解消した「パンサー A型」が1943年8月から生産されます
●ただし、「パンサー戦車」は、傾斜装甲により重戦車「タイガー 1」に匹敵する前面での防御力を持ちながらも、側面や上面の装甲の薄さから防御力の不備も指摘され、防御力強化型として1944年3月から生産が始まったのが「パンサー G型」です
●この「パンサー G型」では、以前のタイプが2段式だった側面装甲を1枚物へと変更、装甲厚も40mmから50mmへと強化されています
●防盾で跳弾した砲弾が車体上面を突き破ることへの対策として、車体前部の上面装甲厚も従来の16mmから40mmへと大幅に強化、また、車体前部のハッチも戦訓により跳ね上げ式へと変更されました
●これらの仕様変更により「パンサー G型」は「パンサー戦車」シリーズの中で最も洗練されたタイプとなり、ノルマンディ戦以降のドイツ戦車部隊の主力として活躍、「タイガー1」と並びドイツ戦車の強力さを象徴する存在ともなっています
【 「ドイツ戦車 パンサー G 初期型」のキット内容について 】
●このドイツ軍の中戦車「パンサー G 初期型」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●タミヤならではの優れた造形技術とシャープなモールドによって「パンサー G 初期型」を再現、当時のドイツの優れた工業技術を表すように直線的でエッジの立った彫刻、各部の装甲板の切断面や溶接跡の表現、そして微妙なバランスで成り立つ「パンサー G型」の模型として抜群なプロポーションの捉え方など、同社が培ってきたMMシリーズの集大成的なキット内容となっています
●また、タミヤ製キットらしく、パーツ数を抑えながらディテールポイントもしっかりと踏まえられており、パーツ同士の合いも良好で、戦車模型初心者からベテランモデラーまで「パンサー G型」の魅力を堪能できることでしょう
●「パンサー G 初期型」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」の3ブロックで構成されています
【 砲 塔 】
●砲塔は、パーツ数を抑えながらその特徴とディテール、そして表面構造などが表現されています
・ 「パンサー G 初期型」で見られる防盾部の円形パターンが、繊細なモールドにより再現
●「70口径 75mm戦車砲 KwK42」の砲身は、先端のマズルブレーキを含めて左右分割式となっています
・ 防盾は1パーツで構成され、基部を固定する金属ビスによって上下可動します
・ 砲尾部分も再現されており、防危板などがパーツ化
●砲塔は上下分割式で、後部パネルは別パーツです
・ 砲塔上部のペリスコープガード、「Sマイン発射機」、ベンチレーターカバーは別パーツです
・ ベンチレーターの前面のガード部は砲塔パーツにモールドにて再現
・ 後部ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます(裏側のアーム部分がパーツ化)
●車長キューポラは、砲塔とは別パーツとなっています
・ ペリスコープの装着部分は開口処理されています
・ 車長ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 対空機銃架のリング部分は下部のベース部分を含めてパーツ化
・ 対空機銃及び対空機銃架が付属しています
【 車体上部 】
●車体上部は、タミヤらしく一体成型を重視したパーツ構成となっており、装甲板の切断面の荒れ、溶接跡表現、そしてフェンダー部分の材質の違いなどが豊かに表現されています
●車体上部は、前部フェンダーを含めて一体成型されています
・ 前方機銃のマウント部は別パーツです
・ 操縦手ハッチ、前方機銃手ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ ペリスコープ及びペリスコープガードがパーツ化されています
・ エンジン点検ハッチは別パーツです
●車載工具ラックは、各ブロックごとに個別にパーツ化され、車載工具類は固定具も含めてパーツ化されています
・ クリーニングロッドケースは左右分割式で、蓋の部分は別パーツです
・ クリーニングロッドケースのパーツにはステー部分が一体成型され、車体側にはそのベース部分がモールドされています
・ 履帯交換用ワイヤーは付属のエナメル線を使用して再現します
・ 後部の予備履帯ラックは履帯装着のアーム部分を含めて一体成型されています
●側面のフェンダーは、左右各1パーツで再現されています
・ シュルツェン架は個別にパーツ化
・ シュルツェンは、左右各1パーツで再現
【 車体下部 】
●車体下部もパーツを押さえながらその複雑な足周りを再現しており、同社製キットらしく確実かつ強度を保ちながら組み上げることができます
●車体下部は、バスタブ式に一体成型され、後部パネルは別パーツです
・ サスペンションアームは別パーツです
・ 起動輪、誘導輪は内蔵させるポリキャップにより回転可動します
・ 後部の排気管は、単排気管タイプとなっており、排気管カバーが付属
・ 車体後部のゲベックカステンは、1パーツで構成され、蓋の部分は別パーツです
【 履 帯 】
●履帯は、接着及び塗装が可能な素材によるベルト式履帯が付属しています
・ 履帯は、接地部分に滑り止めパターンが付いた「パンサー戦車」用の「後期型履帯」が再現され、モデルカステン製「パンサー(パンサー)後期型 用履帯」、ブロンコ社製「ドイツ パンサー戦車用 後期型 可動キャタピラ」がこれに対応しています
【 フィギュア 】
●戦車兵のフィギュアが1体付属しています
・ フィギュアは、車外に立ち、片手を腰の位置において立っているポーズです
・ 服装は、戦車兵用の作業用ツナギを着用、略帽を被った姿です
・ 服の皺の表現はスケールに沿っており、服の縫い目などのディテールは繊細な彫刻でモールドされています
・ フィギュアは、胴体、左腕のパーツ構成です
【 塗装とマーキング 】
●「パンサー G 初期型」のマーキングとして、ドイツ軍仕様となる4種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 第5戦車師団 第31戦車連隊 117号車
・ SS第9戦車師団 135号車
・ SS第9戦車師団 411号車
・ 第1戦車師団 第1戦車連隊 522号車
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています
●1993年 完全新金型
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【 「ドイツ戦車 パンサー G 初期型」のワンポイント 】
●「パンサー G型」は1944年3月から生産が開始され、終戦時まで生産が継続された「パンサー戦車」シリーズの量産最終型となります
●一方、ドイツ軍では1943年9月から1944年8月まで生産された戦闘車両に関して対磁気地雷用の「ツィンメリットコーティング」が施されていました
●「パンサーG型」の「初期型」は1944年3月から1944年9月頃まで生産されたタイプとなっており、その多くが「ツィンメリットコーティング」が塗られています
●この「ツィンメリットコーティング」は、磁気を弱めるためとコーティングの剥離を防ぐために凹凸パターンが刻まれており、そのパターンは生産工場によって異なっているのが特徴となっています
●「パンサーG型」のコーティングの刻みパターンは、縦方向の細かなパターンに横、もしくは縦と横のラインが入ったタイプと、縦と横のラインのみのタイル状のタイプの2種類が存在しています
●キットの説明書には、コーティングの方法が説明されていますが、この「パンサーG型」の2種類のコーティングパターンは「タイガー1」や「4号戦車」などの横方向のパターンとな異なり、極めて難易度が高くなっています
●コーティングに挑戦する場合は、プラ板などを利用して習熟してから行った方が良いでしょう
●また、レジン製などのコーティングシートも存在していますので、それらを利用する手段もあります