ドイツ重戦車 キングタイガー (アルデンヌ戦線)
「ドイツ重戦車 キングタイガー (アルデンヌ戦線) (プラモデル) (タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.252 )」です
●「ドイツ重戦車 キングタイガー (アルデンヌ戦線)」です
●第2次世界大戦後期におけるドイツ軍の重戦車「キングタイガー」の「ヘンシェル砲塔型」を1/35のスケールで再現したプラスチックモデル組立てキット
●第2次世界大戦に登場した戦車の中で最強を誇る「キングタイガー」を再現、傾斜した車体に分厚い装甲、そして長砲身の「88mm砲」を装備した迫力かつ端正なフォルムが表現された内容となっています
●タミヤ社製「ドイツ重戦車 キングタイガー (ヘンシェル砲塔)」をベースとし、「アルデンヌ戦」仕様とするための新規パーツを追加したバリエーションキットとなっています【 「キングタイガー ヘンシェル砲塔型」について 】
●「キングタイガー」は、「タイガー 1」の火力強化型として「タイガー 1」が試作段階の時期から計画が進行していました
・ この計画により、「VK4502(P)」という車輌のプランが生まれています
●1943年1月、この計画に対して正式に開発命令が下され、同年11月に最初の試作車が完成します
●この試作車と初期の量産車の50両には、先行量産されていた「VK4502(P)」用の曲線形の「ポルシェ型砲塔」が装備されていましたが、その形状から被弾時の跳弾により車体上部に被害が及び易いことと、生産性の悪さから「ヘンシェル」社によって改良型の開発が行われました
●「ヘンシェル」社による砲塔は、形状を角型へと変更、装甲厚も増やされ、当時の戦車の中では最高の防御力を持っていました
●この「ヘンシェル型砲塔」を装備した「キングタイガー」は1944年6月から生産が開始、以後、ドイツ戦車の常として、生産性の向上や部品の共有、そして部隊での利便性などから、生産の時期により数々の改修が行われながら生産が続けられます
●同車は、当時としては最も装甲貫通能力が高い「88mm戦車砲KwK43」を搭載、砲塔前面装甲は180mm厚、車体前面装甲は150mm厚と、破格の攻撃力と防御力を誇り、まさに最強の戦車となりました
・ 「キングタイガー」に対抗できる連合軍戦車は存在しておらず、特にその前面防御力は尋常ではなく、装甲が貫かれたという戦闘記録は残っていません
●ただし、弱点はエンジンとトランスミッションの駆動系で、「キングタイガー」の68トンにもなる重量を動かすために負荷が大きく、長距離の自走時において火災が発生したり、戦闘行動時の負担でトランスミッションや最終減速装置(起動輪のデファレンシャル)が故障してしまうことが頻繁に発生しました
・ 「キングタイガー」といえば、機動力が低いというイメージがありますが、通常走行時の速度は低いものでは有りませんでした
・ 問題は、その大重量による戦略的機動力の低さで、故障した場合の牽引作業は中戦車とは比較にならず、軟弱な路面では走行に支障があり、渡河する場合は橋梁の強度も考慮しなければなりませんでした
●この「キングタイガー」は、ノルマンディ戦において初めて西側連合軍に姿を見せ、その強力さを知らしめましたが、参加したのは同戦の後期であり、戦いの流れを変えることはできませんでした
●ノルマンディ戦の結果、ドイツ軍の西部戦線は崩壊し、ドイツ国境付近まで敗走を行い、補給線の延び切った連合軍に対して何とか戦線を構築することが可能となります
●連合軍は、戦線の北部では「マーケットガーデン」作戦の失敗、南部では「ヒュルトゲンの森」においての消耗戦により、戦線は膠着状態へと変化しました
●「ヒトラー」は、この膠着状態を利用し、戦いの空白地帯となっていたアルデンヌ方面に大攻勢を行い、進撃によって連合軍を分断するという「賭け」を1944年12月に実行します
●この作戦には、ドイツ軍の予備戦力を投入、戦車師団を含む約20個師団が参加、「キングタイガー」を装備する2個重戦車大隊も参戦し、同戦車の名を知らしめる戦いとなりました
●その中の1個大隊である「SS第501重戦車大隊」(元SS第101重戦車大隊が改名された部隊)は、「キングタイガー」を約45両装備、「SS第1戦車師団」の中から編成された「パイパー戦闘団」に編入され、進撃を開始しました
・ 「パイパー戦闘団」は、「SS第1戦車師団」の戦車連隊を中心にして編成された部隊で、ドイツ軍の戦闘団の中では最強の戦闘力を持っていました
・ 同戦闘団は、映画「バルジ大作戦」のモデルとなっています
・ 森林に覆われ、地形的な障害物の多いアルデンヌ地域において、師団全体で行動することは難しく、ドイツ、アメリカ両軍共に師団を細分化した戦闘団(ドイツ軍は「カンプグルッペ」、アメリカ軍は「タスク・フォース」)により行動することが行われました
●「パイパー戦闘団」は、ドイツ軍の北翼を突き進み、ベルギーの要衝「リエージェ」に到達する役目を負いましたが、「SS501重戦車大隊」は前述のように戦略的機動力の問題から戦闘団の最後尾へと配置されます
●同戦闘団は、緒戦の戦いにおいて敵を撃破、大量の捕虜を獲得して進撃を続けます
●また、「キングタイガー」もその防御力と破壊力によってアメリカ軍を粉砕する活躍を見せました
●ただ、アルデンヌ地帯は、森林に覆われ、河川とそれに架かる橋梁が多く点在しており、拠点確保のために少しずつ兵力を残置しながらの前進となりました
●「SS第501重戦車大隊」の「キングタイガー」は、軟弱でカーブの多い道路により、故障や事故で次々と脱落、数両が同戦闘団に追従して、修理が完了した車輌は拠点防御戦力に組み込まれます
●当初は、快進撃を行い、アメリカ軍の補給所を強襲しながら突き進みますが、連合軍首脳部の素早い状況判断によりアメリカ軍の増援部隊が続々と到着、「リエージェ」への途上の「ラ・グレーズ」付近で進撃はストップします
●その直後、背後の橋梁がアメリカ軍の反撃により奪取され、「パイパー戦闘団」は包囲されてしまいました
●「パイパー戦闘団」は、数日の戦闘の結果、弾薬、燃料を使い果たし、兵員は徒歩で脱出、戦闘団の先鋒に追従した「キングタイガー」を含めて全ての車輌が失われることとなりました
●「SS第501重戦車大隊」の残存車輌は、その後も戦闘を継続しますが、攻勢作戦の行き詰まりは明らかであり、1945年1月に部隊はアルデンヌから引き揚げられ、ハンガリー方面の反撃作戦へと向かいました
●「キングタイガー」は、その後のドイツ国内を中心とする防衛戦に投入、最強の戦車として連合軍に対して奮戦し、「ハンガリー戦」、「ベルリン戦」など、ドイツ軍の大戦末期の戦いにおける機甲部隊の中核としての役割を担い、ドイツ軍と最期を共にしたのでした
【 「ドイツ重戦車 キングタイガー (アルデンヌ戦線)」のキット内容について 】
●このドイツ軍の重戦車「キングタイガー」の「ヘンシェル砲塔型」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●「キングタイガー ヘンシェル砲塔型」をタミヤタッチによりシャープかつ豊かに再現、タミヤならではのメリハリの有るモールドにより、当時世界最強を誇った同車のフォルムと質感を存分に表現した内容となっています
●また、「キングタイガー」の魅力とディテールを追求しながらも、タミヤMMシリーズの美点として過度に細部表現に拘ることなく、作り易さがしっかりと考慮されており、初心者からベテランモデラーまで模型としての「作る楽しさ」を感じることがでることでしょう
●「アルデンヌ戦」仕様のバリエーションとして表情豊かでストーリー性の高いフィギュアと、「DKW NZ350」オートバイが付属しており、フィギュアを絡ませることで戦車模型の表現力と楽しさを広げるというMMシリーズが目指す方向性と可能性を感じさせるキット構成となっています
・ このキットに簡単なベースを付けるだけでも十分に見所の有るジオラマシーンが楽しめます
●タミヤ社製「ドイツ重戦車 キングタイガー (ヘンシェル砲塔)」をベースとし、「アルデンヌ戦」仕様とするための段無しタイプの防盾、フィギュア3体、「DKW NZ350」後期型用のパーツを追加したバリエーションキットとなります
・ 「アルデンヌ戦」の「キングタイガー」の防盾は、段無しタイプと段付きタイプとが見受けられ、キットは塗装例の車輌に合わせて選択して使用します
●パッケージの表記は「アルデンヌ戦」となっていますが、同戦線に限定されることはなく、大戦末期の「キングタイガー」として広く使用できます
・ 付属する戦車兵のフィギュアについては、武装親衛隊の兵士が再現されていますので、国防軍として使用する場合には注意が必要です
●「キングタイガー」は、砲塔、車体上部、車体下部、後部パネルの4ブロックで構成されています
●砲身は、先端部のマズルブレーキを含めて左右分割式です
・ 砲尾部分も再現され、4パーツで構成
・ 砲身は、基部で締める金属ネジにより上下に可動します
●防盾は、「段無しタイプ」と「段付きタイプ」の2種類が用意され、選択して使用します
・ 防盾部分は、前後方向に3分割式となっています
●砲塔は、上部、下部、前面部の3分割式です
・ 車長ハッチ、装填手ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ ベンチレーターは、通常のタイプと防水カバーが付いたタイプとを選択できます
・ 対空機銃及び機銃架のパーツが付属し、装着の有無が選択可能です
・ 後部のエスケープハッチは別パーツで、裏側のディテールも再現され、開閉可動式となっています
・ 砲塔内部の後部に存在する砲弾ラックがパーツ化されています
●車体上部は、前部のフェンダーも含めて一体成型となっています
・ 車体上部には、サイドフェンダーの取り付けベースが一体成型されています
・ 前部の機銃マウント部は別パーツです
・ 操縦手ハッチ、前方機銃手ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ エンジンデッキ前部の手榴弾防止カバーは、枠の部分がプラパーツ、ネット部分は接着可能な素材によるメッシュパーツにより再現します
・ エンジン点検ハッチは別パーツです
・ サイドスカートは、左右各1パーツで構成されています
●車体下部は、バスタブ式に一体成型されています
・ サスペンションアームは別パーツで、車体側の固定ピンにより正位置に固定されます
・ 転輪は左右分割式で、中央のハブキャップ部分は別パーツです
・ 起動輪、誘導輪は内蔵させるポリキャップにより可動します
・ 履帯は、接着及び塗装が可能な素材によるベルト式履帯が付属しています
●後部パネルは、尾灯、エンジン点検口カバーなども含めて一体成型されています
・ マフラーは前後分割式で、中央のボルト取り付けベース部は別パーツです
●ドイツ軍の中型オートバイ「DKW NZ350」が1台付属しています
・ 「前期型」と「後期型」を選択して作製することができます
●「DKW NZ350」は、前輪部と本体部分の2ブロックで構成されています
●前輪部は、タイヤとフェンダーが一体成型された中央部分に、左右のフロントフォークを取り付ける方式となっています
・ 前照灯は前後分割式で、管制カバーが付いた状態が再現されています
・ メーターは、デカールにて再現
●本体部分は、後輪とフェンダーが一体成型され、左右分割式となっています
・ 左右のフレーム、マフラーは別パーツです
・ 座席、サイドバッグ、後部のナンバープレートなどがパーツ化されています
●「ドイツ重戦車 キングタイガー (ヘンシェル砲塔)」にセットされているものと異なった、オリジナルな戦車長のフィギュアが1体付属しています
・ インジェクションキットとして屈指の出来とも言える、高いクオリティを持ったフィギュアで、デッサン、顔の造形、服の質感表現など、フィギュアモデルとして極めて優れたものとなっています
●フィギュアは、武装親衛隊の戦車兵が再現されています
・ 車長キューポラから上半身を出し、両手で対空機銃用のレール部を持っているポーズです
・ 服装は、武装親衛隊で見られた「Uボートコート」を着用、将校帽を被った姿となっています
・ 服の皺の表現はスケールに沿っており、その質感までもが表現、服の縫い目などのディテールも繊細且つシャープな彫刻でモールドされています
・ フィギュアは、胴体、両腕のパーツ構成です
●「アルデンヌ戦」仕様の戦車兵2体と伝令兵1体の合計3体のフィギュアが付属しています
・ オリジナルキットに付属するフィギュアと並ぶクオリティの高いフィギュアで、緊迫感の有る顔の表情、服の皺の表現と各服の質感の違い、優れたポージングなど、フィギュアの持つ魅力が感じる逸品となっています
●フィギュアは3体共に武装親衛隊の兵士が再現されています
・ 服装は、戦車長と伝令兵のフィギュアは「Uボートコート」を着用、装填手のフィギュアは迷彩戦車服、もしくは戦車服を着用した姿となっています(迷彩戦車服と戦車服のデザインは同じです)
・ 服の皺の表現はスケールに沿っており、その質感までもが表現、服の縫い目などのディテールも繊細且つシャープな彫刻でモールドされています
・ フィギュアは、頭部、胴体、両腕、両足のパーツ構成で、戦車長のフィギュアは胴体と足が一体成型となっています
●各フィギュアのポージングについて
・ 戦車長のフィギュアは、車長キューポラから上半身を出し、戦車下の伝令兵からの報告を聞いているポーズ
・ 装填手のフィギュアは、装填手ハッチの縁の部分に腰を下ろし、戦車長と共に伝令兵の報告に耳を傾けているポーズです
・ 伝令兵のフィギュアは、「DKW NZ350」オートバイに跨った状態で両足を着地し、上方の戦車長に向かって報告しているポーズとなっています
●マーキングは、4種類の塗装例が説明書に記載されています
・ SS第501重戦車大隊 204号室 (アルデンヌ)
・ SS第501重戦車大隊 332号室 (アルデンヌ)
・ SS第501重戦車大隊 008号車 (アルデンヌ)
・ SS第502重戦車大隊 555号車 (オーデル河)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、車体番号、部隊記号、進撃路の表示などを再現したデカールが付属しています
●2002年 一部新金型