アメリカ 1/4トン 4×4 トラック & M4A1(76)W VVSS シャーマン
「アメリカ 1/4トン 4×4 トラック & M4A1(76)W VVSS シャーマン (プラモデル) (ドラゴン 1/72 アーマー シリーズ No.7412 )」です
●「アメリカ軍 1/4トン 4WD トラック & M4A1 (76) W VVSS シャーマン」を1/72スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●第2次世界大戦時における連合軍将兵の足となって勝利の原動力となった「1/4トン 4×4 トラック(ウィリスMB ジープ)」を再現したキットで、「M4A1 76mm砲搭載型」中戦車が付属しています
●「M4A1 76mm砲搭載型」は、同社「M4A1(76)W シャーマン VVSS」のキット内容と同一のものです
「ウィリスMB ジープ」について
●第2次世界大戦がヨーロッパで勃発すると、アメリカ陸軍は来るべき参戦を考慮し、各種兵器、車輌の開発を進めました
●この際に、導入が進められたのが小型の汎用車輌で、「バンタム」社、「ウィリス」社の2社が開発することになりました
・ この車輌に求められていた性能基準は当時としては非常に高いレベルで、納期は短期間に設定され、各社はそれをクリアすべく必死の開発が進められています
●最初に試作車を開発したのが「バンタム」社でしたが、「バンタム」社は自動車メーカーとしては弱小で、生産能力の問題から、軍は「フォード」社と「ウィリス」社にも「バンタム」社の設計を元に独自の車輌を開発するように指示、この3社の車輌は一定数が生産され、徹底的な各種のテストが行なわれました
●そして、大戦に参戦中の連合軍諸国に供与されて、実戦での試験も行なわれています
●その結果、最優秀とされたのが「ウィリス」社の車輌である「ウィリスMA」で、同車を元にした改良型「ウィリスMB」が本格的な量産型として決定、生産設備の整った「ウィリス」社と「フォード」社での生産が開始されました
・ 「フォード」社が生産したタイプは「フォードGPW」と呼ばれ、外観上は「ウィリスMB」とほとんど変わりません
●この「ウィリスMB」は、愛称として「ジープ」と呼ばれ、大戦中に64万両余りという膨大な量がつくられ、連合軍兵士の足として輸送、偵察、連絡、搬送などあらゆる任務をこなし、連合軍の勝利の一因を作ったとされています
●この「ウィリスMB ジープ」を再現したキットです
●キットは、同車をシャープ且つ繊細に再現、ディテールを追及しながらも一体成型されたボディ、シャーシが用意され、ミニスケールらしく作りやすい内容となっています
●また、「ジープ」の持つフォルムが的確に再現されており、凝縮されたその姿を楽しむことができることでしょう
●ボディは一体成型となっており、フロントグリル、側面、後面も成型されています
・ フロントグリルとボンネットとの段差も表現
・ 座席、ハンドル、各種レバー、メーターパネルは別パーツで再現されています
・ 前照灯のガラス部、フロントシールドはクリアーパーツとなっています
・ ホーン、サイドミラー、シャベル、斧が別パーツです
・ 後部の幌の支柱は3分割式
・ 後部のジャリカン、予備タイヤは別パーツにて再現
●シャーシのメインフレームは一体成型となっており、バンパー、サスペンションも再現されています
・ デファレンシャル部などの動力伝達装置、マフラー部が別パーツとなっています
・ タイヤは一体成型で、トレッドパターンが表現されています
●フロントシールド、前照灯のガラス部を再現するクリアーパーツが付属
●マーキングは、2種類の塗装例が説明書に記載されています
・ アメリカ陸軍(西部戦線 / 1944年)
・ 第101空挺師団 第401グライダー歩兵連隊(フランス / 1944年)
●説明書のマーキング指示に基づく、国籍マーク、部隊表記、車台番号などを再現したデカールが付属しています
・ デカールのプリントはカルトグラフ社製
「M4A1 76mm砲搭載型」について
●「M4 中戦車」シリーズは「M4」、「M4A1」、「M4A2」、「M4A3」、「M4A4」のタイプが作られ、その違いは主に搭載エンジンの違いによるものでした
・ 「M4A1」は「M4」の鋳造車体バージョンで、「M4」と「M4A1」とは同じエンジンでした
●「M4 中戦車」シリーズはアメリカ軍のみならず、イギリス連邦軍やソ連軍に供与されて活躍しますが、その戦訓により防御力が向上された後期型車体が1944年初頭ごろから生産されます
●「M4A1」の後期型車体は前面形状が若干変化しており、装甲厚が増やされ、砲弾の収納箱には湿式弾庫が採用されています
●また、後期型の「M4A1」は「76mm砲」搭載型に絞られ(極少数が「75mm砲」砲塔を搭載)、生産されました
●搭載する「76mm砲」は、装甲貫通能力に優れていましたが、榴弾の威力としては「75mm砲」に大きく劣り、そのため現地部隊では敬遠されており、しばらくは後方の兵器デポに置かれたままの状況でした
●しかし、ノルマンディ戦が始まると強力なドイツ戦車部隊に苦戦、特に装甲の厚い「タイガー」や「パンター」が出現すると、装甲貫通能力の低い「75mm砲」では太刀打ちできなくなります
●そこで、急遽投入されたのが、この「M4A1 76mm砲搭載型」で、ノルマンディ戦の後期の「コブラ作戦」から登場、その「76mm砲」は「タイガー」や「パンター」に対しては力不足では有りましたが、優れた装甲貫通能力により、以降のアメリカ戦車部隊の中核となって活躍しました
●この「M4A1 76mm砲搭載型」を再現したキットです
●キットは、同車をシャープに再現、ドラゴン社のディテール表現力により細部を詳細に再現しながらも、ミニスケールらしく一体成型が多く図られ、その姿を気軽に楽しむことができる内容となっています
●砲身は一体成型で、砲口が開口処理されています
・ 不要パーツとしてマズルブレーキ付き砲身、砲身リング付き砲身も付属しています
●防盾は、一体化された本体部分と、内側のパーツ2個とで構成、防盾は上下可動式です
・ 防盾部分には側面上部のフック、照準口、機銃口が再現されています
●砲塔は上下分割式となっています
・ 車長キューポラは、砲塔と一体成型されています
・ 装填手用のキューポラは別パーツで、機銃架の位置を自由に選べます
・ 車長ハッチと装填手ハッチは別パーツで開閉状態が選択できます
・ ハッチ部分のペリスコープはハッチに一体成型されており、ペリスコープカバーは別パーツです
・ 排莢ハッチは別パーツです
・ 後部のフックは別パーツで、プラパーツとエッチングパーツとが用意されています
●「12.7mm 重機関銃」は、細かく表現されており、握把の部分は別パーツとなっています
・ 機関部のディテール、放熱口、コッキングハンドル、銃身の把手部分などが表現されています
・ 機銃架、弾薬箱は別パーツにて再現
●車体上部は、一体成型となっており、前部フェンダー、吸気口部分が別パーツです
・ トラベリングロック、ベンチレーター、車体前後のフック、前方機銃は別パーツとなっています
・ 操縦手及び前方機銃手のハッチは別パーツで開閉状態が選択可能、ペリスコープ部と、ペリスコープガードとが別パーツで再現
・ 車載工具類は車体に一体成型されており、シャベルとクランクハンドル、クリーニングロッドが別パーツとなっています
・ ライトガードは、プラパーツとエッチングパーツとが用意され選択して使用します
・ 吸気口部分のメッシュを再現するエッチングパーツが付属
・ 後部の荷物ラックは、プラパーツとエッチングパーツとの選択式です
●車体下部は、側面と底面とが一体成型されており、デフカバーと後面パネルが別パーツです
・ VVSSサスペンションは、転輪も含めて4パーツで構成
・ 転輪パーツには、片側のボギー部が一体成型されています
・ 履帯は、接着及び塗装が可能なDS素材によるベルト式となっています
●ライトガード、吸気口のメッシュ、後部の荷物ラックなどを再現するエッチングパーツが付属しています
●マーキングは、3種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 第2機甲師団(フランス / 1944年)
・ 第3機甲師団 第32機甲連隊 第1中隊(フランス / 1944年)
・ 第2機甲師団 第66機甲連隊 D中隊(フランス / 1944年)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、部隊表記、車台番号などを再現したデカールが付属しています
・ デカールのプリントはカルトグラフ社製
●2011年 ジープランナー完全新金型
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●同スケールの「ジープ」は戦車などの添え物としての扱われる場合が多く、現在の目で見ると形状や細部表現に不満に思うものが有るのが事実です
●このキットの「ジープ」の表現力は完全に「主役」であり、ストレートに組んでその素性を楽しんだり、そのフォルムを生かしてディテールアップや、改造を楽しむのも面白いでしょう