大阪商船 貨客船 報国丸
「大阪商船 貨客船 報国丸 (プラモデル) (ピットロード 1/700 スカイウェーブ W シリーズ No.W148 )」です
●太平洋戦争開戦前、海外への定期航路に就航した貨客船「報国丸」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●1930年代から太平洋戦争開戦時までの間、世界有数の海運国家であった日本において、その花形的存在であった定期航路用の貨客船「報国丸」を再現、船体中央部に構造物を集中し、その前後に船倉を設けたスタンダードなスタイルが表現されています【 「貨客船 報国丸」について 】
●日本は、その島国という状況から、他国への貿易が不可欠であり、日露戦争頃から艦艇を自国で建造するようになりましたが、同時に通常の造船技術も発達しました
●一方、海運業自体は、国の後押しや「日清・日露戦争」による特需により発展を続け、大正時代には世界有数の規模へと拡大します
●日本は、第1次世界大戦に参戦したものの、直接の被害は皆無に等しく、戦後の国際条約によりドイツ領を獲得したことで国としての利が大きいものとなりました
●領土以外に最大の恩恵を受けたのが海運業であり、大戦の影響から欧米の通常の船舶はヨーロッパへと引き抜かれた結果、その市場は大きく日本へと移ることとなりました
・ 第1次世界大戦時のドイツ軍の「潜水艦 Uボート」の戦果は、その有効な対策が確立されていなかった関係で第2次世界大戦の比ではなく、多数の船舶がその犠牲となり、連合国側の造船能力よりもその損害数が上回ったことにより、ヨーロッパ以外の地域から船舶が掻き集められました
●これにより、日本はイギリス、アメリカに次ぐ世界第3位の船舶数を保有する大海運国へと飛躍、日本の輸出入も増加し、日本から各国を繋ぐ定期航路も多く確立され、その定期航路に就航する貨客船は海運業の花形となります
●ところが、世界恐慌の後遺症から世界は列強国によるブロック経済へと移行、閉鎖的となった市場から日本は植民地を求め中国へと進出、このことからアメリカ、イギリスとの関係が悪化し、戦争の気運が高まって行きました
●そこで、日本政府は、将来の戦争に備えて「優秀船舶建造助成制度」を採用、これは速度などの優秀な性能を示す船舶に関しては造船費の一部を政府が負担し、有事の際には軍が徴用するという制度でした
●「報国丸」は、この「優秀船舶建造助成制度」を利用し、大阪商船によって建造された10,000tクラスの高速貨客船で、1940年6月に完成、南アフリカ航路に就航します
●同船は、従来の就役船に比べ船質、性能が各段に向上、1等50名、特3等48名、3等304名を収容できる能力を持ち、開放式ベランダや1等喫煙室などは日本式にまとめられ、「奈良」と名付けられた特別室は当時最高級のものでした
●しかし、戦争への足音が近づくと、政府の指示によりその損失を恐れて遠方への航路から外され、中国の大連航路へと移されます
●1941年8月、「報国丸」は海軍に徴用、特設巡洋艦として使用されることとなり、各種の艤装が付け加えられました
●太平洋戦争が開戦すると、南方へと派遣、通称破壊に従事しましたが、1942年11月にタンカーを追撃中に護衛の掃海艇の砲撃を受け炎上、そのまま海に没したのでした
【 「大阪商船 貨客船 報国丸」のキット内容について 】
●この貨客船時代の「報国丸」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●同社が長年培ってきた艦船モデル技術により「報国丸」をシャープかつ表情豊かに再現、貨客船としての優美なスタイルとそのディテールが表現されています
●ピットロード社製日本海軍特設巡洋艦 報国丸 1942」をベースとし、煙突などを新規パーツへと変更、船倉ハッチ、貨客船時のカッターなどを追加したバリエーションキットとなります
●「報国丸」は喫水線ラインまでを再現したウォーターラインモデルと、艦底部までを再現したフルハルモデルとを選択して組立てることが可能です
●「報国丸」の船体は、舷側部分が一体成型された「船体」と「船底部」「各甲板部」とで構成されています
●船体部は一体成型となっており、フェアリーダー、舷側の舷窓、ホースパイプがモールド再現されています
・ 上部構造物の側面部が一体成型されています
●船底部は、フルハルモデルとして、側部のビルジキール、後部のデッドウッド、プロペラシャフトなどが一体成型されています
・ プロペラ(スクリュー)、舵は別パーツ化にて再現
・ フルハルモデルとして飾るための展示台(黒色)が付属しています
・ ウォーターラインモデルとして作製する場合には、船底部は使用しません
●甲板部は、上甲板が1パーツで再現、シェルター甲板は各甲板パーツを積み重ねるパーツ構成となっています
・ 上甲板パーツには、木甲板表現、ボラードなどがモールドされています
・ 船倉ハッチは別パーツです
●甲板上の構築物となる「船橋部」「煙突部」「マスト部」などを個別にブロック化して構成、それぞれを甲板上に取り付けて完成させます
「報国丸」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●船橋
・ 船橋は2層で構成
・ 船橋窓枠はモールド再現されています
● 煙突
・ 煙突は一体成型となっており、煙突トップ内部は別パーツ化
・ 煙突の表面には「大阪商船」を表すラインがモールドされています
●マスト
・ 各マストは、中央部のマスト本体、マスト台座、前後のデリックで構成されています
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ カッター ×10(カッター上部にキャンバスが張られている状態を再現)
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 船首、船尾旗竿
・ リール
・ 錨
・ 予備錨
・ 通気筒
などがセットされています
●船尾の日章旗(なびいているタイプ)、船首の「大阪商船」旗、煙突の「大阪商船」マーク、船体の日章旗マーク、船体の白色のラインなどを再現したデカールが付属しています
●全長 : 230mm
●2012年 一部新金型