陸上自衛隊 73式小型トラック (無反動砲装備)
「陸上自衛隊 73式小型トラック (無反動砲装備) (プラモデル) (ファインモールド 1/35 ミリタリー No.FM036 )」です
「自衛隊 73式 小型トラック (無反動砲装備) (ファインモールド 1/35 ミリタリー FM036)」です
●陸上自衛隊の汎用4輪駆動小型車輌「73式小型トラック」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●陸上自衛隊の「顔」というような存在だった旧「73式小型トラック」を再現、対戦車部隊用の車輌、「73式小型トラック」の荷台部分に「106mm無反動砲」搭載したタイプを再現した内容となっています
【 「旧73式小型トラック(1/2t トラック) 無反動砲装備型」について 】
●陸上自衛隊は、1970年代前半に装備体系の見直しと、装備の更新が実施され、小型汎用車として運用されていた「1/4t トラック」は大型化してパワーアップ、「73式小型トラック」として制式化されます
●この「1/4t トラック」は、アメリカ軍の「ジープ」をノックダウン生産していたものであり、その汎用性から様々な任務を与えられており、「73式小型トラック」としての大型化により、更に多くの役割を担うことになりました
●「73式小型トラック 無反動砲装備型」は、アメリカ軍が装備していた「106mm無反動砲 M40」をライセンス生産した「60式 106mm無反動砲」を搭載、対戦車車輌として開発、配備されました
●当初、同車は師団直轄の対戦車隊(中隊規模の部隊)に配備され、同隊は「64式対戦車誘導弾」を搭載した「73式小型トラック」との混成編成となっていました
・ この対戦車隊では、中距離から遠距離を「64式対戦車誘導弾」が担当、約1000m以内の近距離を「60式 106mm無反動砲」が担当し、それぞれの欠点を補う方式となっていました(対戦車ミサイルは、近距離の目標への誘導ができません)
●その後、1990年代に陸上自衛隊の編制が変更、対戦車隊は廃止となり、その戦力は普通科連隊に吸収され、「73式小型トラック 無反動砲装備型」は普通科中隊の対戦車小隊、もしくは師団直轄の偵察隊に週数が配備されました
●しかし、「64式対戦車誘導弾」の後継装備が続々と登場、更に個人携行用の対戦車装備も導入が進み、無反動砲の存在意義が徐々に失われてしまい、現在においては極少数が運用されている程度となっています
●ただ、無反動砲を装備した「73式小型トラック」の存在感は大きく、演習時において偽装に身を包み、風景と一体化しながらその一撃を見舞おうとする姿は、当時の陸上自衛隊を印象付ける存在でもありました
【 「陸上自衛隊 73式小型トラック (無反動砲装備)」のキット内容について 】
●この陸上自衛隊の「73式小型トラック 無反動砲搭載型」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●ファインモールド社の実車への熱意に裏付けられたリサーチ力により「73式小型トラック 無反動砲装備型」を再現、ディテールのみを追求するのではなく、スケールモデルとしての省略や表現力により、模型本来の作る楽しさを感じることができる内容となっています
●「無反動砲装備型」仕様となる本キットでは、「60式 106mm無反動砲」を装備し、同車輌用の中央部分が切り取られたフロントシールド、前方に移動された予備タイヤなどが表現されています
●ファインモールド社製「自衛隊 73式 小型トラック (機関銃装備)」をベースとして、「無反動砲装備型」を再現するためにフロントシールドや予備タイヤの取り付け基部などの新規パーツと、AFVクラブ社製「106mm TOW対戦車砲」の無反動砲ランナーを追加したバリエーションキットとなります
●「73式小型トラック 無反動砲搭載型」は、「シャーシ」「ボディ」「フロントグリル」「無反動砲」の4ブロックで構成されています
●シャーシのメインフレームは、後部のバンパーも含めて一体成型となっています
・ 前後のデファレンシャルは各1パーツで構成、リーフ式サスペンション、ショックアブソーバーは別パーツです
・ タイヤは、本体部分と裏側内部の2分割式です
●ボディは、後部パネル、ボンネット部を除いて一体成型されています
・ フロントシールドは別パーツで、起倒状態が選択できます
・ フロントウィンドーはクリアーパーツです
・ バックミラー、サンバイザーがパーツ化、ワイパーはフロントシールドに一体成型されています
・ 側面部の予備タイヤの支持架は1パーツで構成
・ 尾灯類、ウィンカーは成型色パーツです
●フロントグリルは、グリル本体とラジエターの2パーツで構成されています
・ 前照灯のガラス部はクリアーパーツとなっています
・ 前照灯のガードはプラパーツにて再現
●車体内部が細かく再現されています
・ 前部座席は3パーツで構成、後部座席は下部のクッション部と背もたれ部分の2分割式です
・ 無反動砲の射手用の座席のパーツが付属、クッション部と背もたれ部分に2パーツで構成されています
・ メーターパネルは1パーツで構成、各メーター類を再現したデカールが付属しています
・ 操縦席部分の各ペダル、レバー類、ライフルラックがパーツ化
・ 車内に装備されるジェリカン及びラックが再現、4パーツで構成され、ジェリカンに描かれる「軽油」と「火気厳禁」の文字などを再現したデカールが付属しています
●「60式 106mm無反動砲」は、「砲身」「砲架」「スポッティングライフル」の3ブロックで構成されています
・ 砲身は左右分割式です
・ 砲尾部分は6パーツで構成、閉鎖器は開閉状態が選択できます
・ 砲架は6パーツで構成され、砲身は完成後も上下、左右に可動することが可能となっています
・ スポッティングライフルは1パーツで構成、銃架部分は別パーツです
●フロントウィンドー、前照灯のガラス部を再現するクリアーパーツが付属しています
●「73式小型トラック 無反動砲搭載型」のマーキングとして、陸上自衛隊の4種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 第33普通科連隊 所属車両 (久居駐屯地)
・ 第15普通科連隊 所属車両 (善通寺駐屯地)
・ 第11偵察隊 所属車両 (真駒内駐屯地)
・ 普通化教導連隊 所属車輌 (滝ヶ原駐屯地)
●説明書の塗装例に基づく、陸上自衛隊マーク、部隊表記、ナンバープレートなどを再現したデカールが付属しています
●2012年 一部新金型
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【 「陸上自衛隊 73式小型トラック (無反動砲装備)」のワンポイント 】
●本キットは、前述の通り1970年代から2000年頃までの陸上自衛隊の「顔」となる「73式小型トラック」を再現したもので、その中でも強力な装備を持つ「無反動砲装備型」となっています
●同車は、戦車以外に有効な対戦車装備を持っていなかった時代の陸上自衛隊の貴重な対戦車車輌で、「64式対戦車誘導弾装備型」と双璧を成していました
・ 1980年代後半からは「カールグスタフ」が配備されるようになり、さらに「パンツァーファースト3」や「中MAT」などが導入されるようになります
●このため、同車は東西冷戦時代の自衛隊を象徴するかのような存在であり、旧型迷彩服の自衛隊員と同車の取り合わせは、その最たるものでした
●残念ながら、旧型迷彩服の陸上自衛隊員のフィギュアは現在のところ皆無であり、その姿を再現することは困難でが、同車だけでも、地形を再現したベースに固定し、ジオラマ化しても面白いですし、そのまま単品作品として仕上げるのも良いでしょう
●フィギュアは、同時代のアメリカ軍兵士フィギュアを再現したタミヤ社製「アメリカ 迫撃砲兵セット」、「アメリカ M151A2 フォードマット ケネディジープ」のフィギュアを改造するという方法もありますが、少々難易度が高いのも事実です