帝国陸軍歩兵 行軍セット
「帝国陸軍歩兵 行軍セット (プラモデル) (ファインモールド 1/35 ミリタリー No.FM037 )」です
●太平洋戦争時における帝国陸軍の兵士6体を再現したプラスチックモデル組立てキットです
【 「帝国陸軍の服装と装備」について 】
●帝国陸軍は、1930年に詰襟式の野戦服「昭5式軍衣」を制定、当時の各国の軍隊では予算の関係から野戦服と制服とが兼ねられており、「昭5式軍衣」も帝国陸軍を代表する服装として広く使用されました
●ただ、この「昭5式軍衣」は第1次世界大戦前のヨーロッパの制服を起源としたデザインとなっており、詰襟のため機能的とは言えず、1938年に制定されたのが開襟式の「98式軍衣」です
●「98式軍衣」は全軍への支給が目指されましたが、戦時を迎えて急速に兵員数が増えた結果、供給が追いつかず、一部の部隊では従来の「昭5式軍衣」も併用されています
・ 「昭5式軍衣」は機能性の問題はあったものの、そのデザインと古参兵を示すものとして好む兵士も多く、「98式軍衣」が支給されながらもそのまま継続使用している場合も多かったようです
●一方、兵士達が主武装とした「38式小銃」は1908年から配備された口径6.5mm、装弾数5発のボルトアクションライフルです
●この「38式小銃」は、当時としては世界的に見て標準的な威力で、同口径のライフルを使用する国も多かったのですが、日中戦争において威力不足と旧式化が指摘されるようになります
●そこで、口径を7.7mmへと変更、全長を短縮化したのが「99式小銃」で、1939年に採用されてから順次同銃へと装備が変更される予定でした
●ところが、この装備変更が進まないうちに太平洋戦争が開戦してしまい、帝国陸軍は6.5mmと7.7mmという2種類の口径の兵器を運用せねばならず、このことは生産、補給に支障を生じさせ、帝国陸軍の足枷となってしまったのでした
【 「帝国陸軍の機械化」について 】
●太平洋戦争前における日本は、その国土の小ささと産業発達度の低さからモータリゼーションが発展しておらず、自動車メーカーの生産体制とその品質は現在と比べると極めて脆弱なものでした
・ 当時の国産トラックは性能が低く、輸入されたアメリカ製のトラックが好まれていました
●また、国力自体が低かったために帝国陸軍の予算も列強国と比べて少なく、機械化(自動車化)は進まずに火砲などの牽引は馬曳きが主体となっていました
●このような前提があったため、歩兵部隊の輸送用としてのトラックの割り当ては充分とは言えず、その行軍は徒歩に頼らざるを得ませんでした
●当時の写真や映像を見る限り、歩兵は徒歩で行動している場合が多く、戦車や車輌の脇を歩兵が行軍しているシーンを良く見かけます
・ 帝国陸軍は太平洋戦争の緒戦における勝利によって、多くの連合軍のトラックを捕獲しており、機械化不足を補うべく、これらの車輌はその後有効に活用されることになります
・ またトラックの不足を補うため、輸送手段として「自転車」を南方に送っており、これらの自転車を装備した部隊を「銀輪部隊」と呼んでいました
・ ただし、自転車は不整地での走行はできず、輸送量も限られているため、その使用頻度はあまり多くありませんでした
【 「帝国陸軍歩兵 行軍セット」のキット内容について 】
●この帝国陸軍の兵士を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●日本の軍装及び装備について深い造詣を持つファインモールド社によって帝国陸軍の兵士を再現、軍装表現のポイントを押さえながら、当時の日本人らしい体型、そして表情が表現されています
●日本軍のフィギュア、特に歩兵のフィギュアは極めて希少であり、本キットでは車輌などと並べ易い行軍中のポーズとなっていますので、車輌と一緒に並べたり、進撃中のシーンなどジオラマやビネットなどにおいて様々な演出に活躍することでしょう
・ パッケージ表記は「歩兵」となっていますが、服装は他の兵科も同様であり、歩兵に限らず帝国陸軍の兵士として広く活用が可能です
・ 特に砲兵などは多くの兵士を擁し、その移動は徒歩(馬曳きの火砲の横で砲兵が徒歩で行軍する)でした
・ 日本軍車輌はキット化が進むものの、共に活用できるフィギュアが少なく、車輌と歩兵とのシーンを構成することが難しかったのですが、本キットによって手軽にそのシーンを作製することができると思われます
●また本キットにセットされている装備品類は、ファインモールド社がナノドレッドシリーズで培った技術力を存分に発揮、小銃類だけでなく装備品各種をシャープかつ繊細に再現、従来の日本軍アイテムを上回る再現性、表現力を兼ね備えたアクセサリーパーツとなっています
●フィギュアが持つ小銃は、「38式小銃」と「99式小銃」の2種が付属しており、選択して使用することができます
・ 前述のように帝国陸軍では「38式小銃」と「99式小銃」とが混合使用されていましたが、一つの部隊内で2種の小銃が存在することは少なく、どちらかの小銃で統一した方が良いと思われます
「帝国陸軍歩兵フィギュア」について
●フィギュアは、前線後方において行軍中のシーンが表現されています
●各フィギュアは、右もしくは左肩でに銃を背負いながら背筋を伸ばして歩いているポーズとなっています
●フィギュアは、頭部、胴体、両腕、両足に分割されたパーツ構成となっています
●服装は、「98式軍衣」を着用、ゲートルを巻いた姿です
・ 2体は略帽を被った状態、4体はヘルメットを被った状態です
・ 略帽、ヘルメットは別パーツとなっており、同パーツは余分にセットされていますから、頭部にモールドされている顎紐を削ったり、プラペーパーなどで追加することで、6体共に略帽とヘルメットとを選択することができます
・ ゲートルの巻き方は、3体がクロス状、3体が中央部で巻き込んだものとなっています(この2つの方法が正規の巻き方と言われています)
●服の皺の表現はスケールに沿っており、ゲートル、ポケット、装備品の負い紐などの細部がエッジの立ったモールドで彫刻されています
「付属するアクセサリー類」
●帝国陸軍の階級章を再現したデカールシートが付属しており、「98式軍衣」の襟の部分の階級章は同デカールにセットされているものを使用します
●付属している装備品類
・ 38式小銃 ×6
・ 99式小銃 ×6
・ 略帽 ×8
・ 90式鉄帽(ヘルメット) ×8
・ 14年式拳銃 ×4
・ 拳銃用ホルスター ×4
・ 小銃用マガジンポーチ(前盒) ×12
・ 小銃用マガジンポーチ(後盒) ×6
・ 銃剣 ×8
・ 雑嚢 ×8
・ 水筒 ×8
・ 飯盒 ×2
・ 円匙(携帯シャベル) ×2
・ 背嚢 ×2
・ ガスマスクケース ×6
など
●2012年 完全新金型