日本海軍 特設潜水母艦 平安丸
「日本海軍 特設潜水母艦 平安丸 (プラモデル) (ハセガワ 1/350 Z帯 No.40082 )」です
●帝国海軍の特設潜水母艦「平安丸」を1/350スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●北米定期航路に就航していた貨客船を徴用、特設潜水母艦として潜水戦隊を支えた「平安丸」を再現、戦前の貨客船の優美なデザインに、前後に備砲を搭載した姿が表現されています【 「特設潜水母艦 平安丸」について 】
●明治維新以後、日本は艦船の建造技術の向上を目指し、国策として重工業を発展させて行きます
●また、資源に乏しい国情から日本の近代化には貿易が欠かせず、保有船舶は増加の一途を辿り、貿易額の拡大と共に第1次世界大戦後には世界第3位の海運国へと躍進しました
●北米への定期航路は、海運国日本にとっては重要な航路で、比較的性能の優秀な船が就航しており、アメリカやカナダの海運会社との競走が行われていました
●「氷川丸級」貨客船は、この北米航路用としての1920年代の後半から建造が始まった中型の貨客船で、3隻が建造され、3番船の「平安丸」は1930年に竣工します
●この「氷川丸級」は、排水量11,600t、乗客数330名、最高速度18ノットという性能を持ち、客船としては突出したものではありませんでしたが、その乗客用設備とサービスの優秀さは日本、アメリカ共に評判になりました
●一方、満州国設立や日中戦争などにより日米関係が悪化、1941年に入るとその関係は決定的となり、「平安丸」は8月のシアトル航路を最後として日本へと引き上げます
●戦争の準備段階となった帝国海軍は1941年10月に「平安丸」を徴用、特設潜水母艦としての運用が決定され、改装工事が行われました
●潜水母艦とは、潜水艦への補給、兵員の休息などを行う潜水艦の移動基地であり、平時には必要性は低いものの、戦時においては遠方まで進出する帝国海軍の潜水艦部隊にとっては欠かせない存在となります
・ 「平安丸」はその客室設備からこのような任務に適しており、改装後は補給物資として150本の魚雷を搭載する能力を持っていました
●「平安丸」の改装工事は1941年12月に完了、同艦は第1潜水戦隊に配備され、前線に進出します
●「平安丸」は、本来の潜水母艦としての任務だけではなく、輸送任務にも従事し、1943年7月には「キスカ島撤退作戦」にも参加しています
●しかし1944年2月、「平安丸」は帝国海軍の南方での最大の要衝「トラック島」に寄港中、アメリカ艦載機による同島への大空襲に巻き込まれてしまいます
●この空襲に先立ち、連合艦隊の主要艦艇は危機を察知してパラオなどに退避を行いましたが、「平安丸」を始めとする補助艦艇が攻撃に曝され、極めて多くの損害を受ける結果となりました
●2日間に渡る空襲により「平安丸」は被弾して転覆、その最期を遂げています
【 「日本海軍 特設潜水母艦 平安丸」のキット内容について 】
●この帝国海軍の特設潜水母艦「平安丸」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●ハセガワの1/350艦船モデルのフォーマットにより「平安丸」を再現、大スケールを活かして舷側部の外板の継ぎ目などが繊細に表現され、フルハルの艦船モデルの魅力を楽しむことができる内容となっています
●キットは、ハセガワ社製「日本郵船 氷川丸 (ハセガワ70周年記念キット)」をベースとし、兵装及びその架台、カッターなどの新規パーツと専用のエッチングパーツをセットしたバリエーションキットとなります
●「氷川丸級」の2番船「日枝丸」として作製することも可能です
・ 同船用の対応パーツが付属
●喫水線以下も再現されたフルハルモデルです
●「平安丸」の船体は左右分割式で、これに甲板部を接着、そして上部の各デッキを積み上げて行く方式となっています
●船体部には、プロムナードデッキ部の壁面、ビルジキールが一体成型されています
・ 船体には、舷窓、ホースパイプ、外板の継ぎ目がモールドされています
・ プロムナードデッキの窓は開口処理済みです
・ 船体の歪みを防ぐための桁のパーツが付属しています
・ 推進軸の張り出し部、舵、スクリュー、錨がパーツ化
●甲板部は、船首楼甲板、船首甲板、船尾甲板、ボートデッキ、ボートデッキハウスの5分割式です
・ 甲板部には、木甲板の表現の他に、波除け板、船倉扉、ボラード、リール、天窓、通気口などのディテールが再現されています
・ アンカーチェーンは、付属の金属チェーンにより再現します
●プロムナードデッキ部は、デッキ床面と船室部の壁面で構成されています
・ デッキ床面には木甲板表現がモールド
・ 船室部の壁面は、各パネルを貼り合せる方式です
・ 船室部壁面には、窓、扉がモールドされています
・ 船室部壁面の歪みを防ぐ桁のパーツが付属
●船橋部は各パネル、床面を貼り合せる箱組み方式です
・ 船橋の窓が開口処理されており、窓はクリアーパーツとなっています
・ 船橋内部の舵輪、コンパスなどがパーツ化
・ 船橋上部に設置された方位測定器(×1)、測距儀2種(×各1)、13mm連装機銃(×2)、110cm探照灯(×1)がパーツ化されています
●煙突は前後分割式で、トップは別パーツです
●マスト
・ 各マストは一体成型となっており、横桁は別パーツです
・ 前後のデリックは各1パーツ構成
●備砲 「15cm単装砲」 ×4
・ 「15cm単装砲」は、砲身、シールド部、砲架の3パーツで構成されています
・ 砲身基部には防水布が表現されています
・ 船首、船尾の備砲の台座は上下2分割式です
●機銃 「13mm連装機銃」 ×2(船橋部)
・ 機銃は、連装式に一体成型された銃身部と銃架との2分割式です
●探照灯「110cm探照灯」 ×1、「90cm探照灯」 ×1
・ 探照灯は、前後方向に3分割されており、ガラス部はクリアーパーツです
・ 台座は、トラス部分とベース部分とで構成
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 13m運貨船 ×1
・ 12m内火ランチ ×1
・ 通船 ×1
・ 運貨船と内火ランチは上下分割式で、上部の構造物、舵は別パーツです
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 錨
・ 通気筒
・ ラッタル
・ ウインチ
・ 船首、船尾旗竿
などがセットされています
●展示用のスタンドが付属しています
●「平安丸(「日枝丸」)」専用のエッチングパーツが付属しています
●エッチングパーツの内容は「平安丸」独自の形状を再現
・ 船体各部の手摺り(上部デッキ部、備砲台座、探照灯台座など)
・ デッキ部の備砲用ベース
・ 梯子
・ 探照灯台座トラス部
・ ボート架台
・ 内火ランチ、運貨船のディテール(舵、舵輪、旗竿など)
などとなっています
●このほか、フルディテールアップをする際には、ハセガワ社製「氷川丸」用のディテールアップパーツ「氷川丸 エッチングパーツ ベーシック」、「氷川丸 エッチングパーツ」、「氷川丸 木製甲板」をご利用下さい
●キットの縮尺に合わせたカラーの塗装図、及び主要張線参考図が付属しています
●掲載されている塗装図は
・ 第1潜水戦隊旗艦 特設潜水母艦 平安丸 (3色迷彩) (1942~43年)
・ 第8潜水戦隊旗艦 特設潜水母艦 日枝丸 (3色迷彩) (1942~43年)
の2種となっています
●船尾旗竿の軍艦旗(直線タイプとなびいているタイプ)などを再現したデカールが付属
●2012年 一部新金型
●限定品