日本陸軍 一式砲戦車
「日本陸軍 一式砲戦車 (プラモデル) (タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.095 )」です
●帝国陸軍の自走砲「1式砲戦車」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●太平洋戦争後期のフィリピン戦などで活躍した「1式砲戦車」を再現、日本戦車としては大口径の砲を搭載した力強いフォルムが表現されています【 「1式砲戦車」について 】
●1939年、ヨーロッパで第2次世界大戦が勃発、ドイツ軍は電撃作戦により短期間でポーランドを占領し、その作戦の妙は世界中の軍隊に影響を与えました
●日本の帝国陸軍でも、戦車部隊に随伴して火力支援を行う砲兵の必要性が唱えられ、早速自走砲の開発が進められました
●これにより1941年5月に試作車が完成、「1式砲戦車 ホニ1」として制式化されます
●「1式砲戦車」は、「97式中戦車」の車体をベースとして、中央部に戦闘室を設けて「90式 75mm野砲」を搭載する構造となっています
・ この「90式 75mm野砲」は、師団砲兵の主力野砲でしたが、初速は速いものの、砲身命数が低いのが欠点でした
・ ただし、自走砲は牽引砲と比べて継続射撃を行う時間が短く、砲身命数の低さは問題になりませんでした
●「90式 75mm野砲」は、前述のように初速が速い関係で、装甲貫通能力も大きく、この「1式砲戦車」は、対戦車自走砲と、自走榴弾砲の両方の性格を持つのが特徴でした
●そのため、対戦車自走砲として、ベースとなった「97式中戦車」よりも防御力が強化されており、車体部には16mmの装甲板を追加、防盾部分は50mmの装甲となっています
●一方、「1式砲戦車」は、105mm榴弾砲を搭載されたタイプも生産されており、これは「1式砲戦車 ホニ2」と呼ばれ、対戦車戦闘を前提とはしていないので、装甲の強化は行われていません
・ 「砲戦車」は戦車部隊の機甲科の名称であり、砲兵科では自走砲と呼称されており、「ホニ2」は配備の状況から「1式 10cm自走砲」と呼ぶ方が正確となります
●「1式砲戦車」は、各戦車連隊の砲戦車中隊に配備され、連隊の火力支援に用いる予定でしたが、太平洋戦争が開戦すると、兵器の生産は航空機、艦艇が中心となり、生産は遅延してしまいます
●結局、同車の生産は2年以上遅れた1943年の後半から開始されることとなり、各戦線での戦車部隊は優勢な連合軍戦車に対し、苦しい戦いを強いられてしまいました
●当時の日本の戦闘車両では最も強力な火力を持った「1式砲戦車」は多くが本土決戦用とされており、少数がビルマ、フィリピンに送られて実戦参加しています
●特に、フィリピンのルソン島に送られた戦車第2師団隷下の機動砲兵第2連隊の4両の「1式砲戦車」は、経験豊富な指揮官の指示により、アメリカ軍の絶対的な制空権下の中、秘匿行動を繰り返しながら直接射撃や間接射撃により多くの敵に損害を与え、アメリカ軍を苦しめます
●また、対戦車戦闘でもアメリカ軍の「M4中戦車」を正面から撃破、アメリカ軍戦車にとって最大の脅威となります
●アメリカ軍の連日の攻撃により、戦車第2師団の主力が損耗して行くにつれて機動砲兵第2連隊も損害が目立つようになり、「1式砲戦車」も徐々に失われてしまいました
●しかし、アメリカ軍では「1式砲戦車」の能力と運用方法を高く評価し、砲爆撃によって地中に埋没した同車を発掘、その姿は現在でもアメリカのアバディーン博物館で飾られています【 「日本陸軍 一式砲戦車」のキット内容について 】
●この帝国陸軍の「1式砲戦車」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●「1式砲戦車」をタミヤタッチによりシャープに再現、日本の戦車らしい車体のボルト、オープントップ式の戦闘室とメカニカルな砲尾部など、同車の魅力が表現されています
●また、タミヤMMシリーズの定番キットに相応しく、モールドの切れ、作り易さ、そして模型としての表現力を兼ね備えており、初心者からベテランモデラーまで広く楽しむことができる内容となっています
●タミヤ社製「日本陸軍 九七式中戦車 チハ」をベースとし、「1式砲戦車」を再現するために、戦闘室部分を新規パーツへと変更したバリエーションキットです
●「1式砲戦車」は、砲身部、戦闘室、車体上部、車体下部の4ブロックで構成されています
●砲身は左右分割式で、砲口部分は別パーツとなっています
・ 砲尾は2パーツで構成、閉鎖器は別パーツです
・ 揺架は左右分割式です
・ 砲架は左右分割式で、これに照準器、操作ハンドルなどを取り付ける構成となっています
・ 砲身は、左右上下に可動します
●戦闘室は各パネルを貼り合わせる方式です
・ 戦闘室を構成するパネルは、端に向かって薄く成型されており、実車の薄さを表現しています
・ 側面の視察ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 戦闘室前面の防盾部は、砲身の動きに合わせて上下に可動します
・ 戦闘室内部の底板、隔壁、運転席がパーツ化されています
●車体上部は、フェンダーを含めて一体成型されています
・ 操縦席、戦闘室部分は別パーツとなっています
・ 操縦手用の視察ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
●車体下部は、側面と底面とが一体成型され、これに前後パネルを貼り付ける構成となっています
・ サスペンションアームは車体パーツに一体成型されています
・ コイルスプリング、中央のサスペンション受け部分は別パーツです
・ 転輪、起動輪、誘導輪は左右分割式で、内蔵させるポリキャップなどにより回転可動します
・ 履帯は、ラバー製のベルト式履帯が付属しています
●戦車兵のフィギュアが2体付属しています
・ 砲手と装填手が表現されています
・ 砲手のフィギュアは、閉鎖レバーを持っているポーズ、装填手のフィギュアは、両手で砲弾を持ち、薬室に砲弾を装填しようとしているポーズです
・ フィギュアの服装は、作業衣にゲートルを巻き、戦車帽を被っている姿です
・ フィギュアは、胴体、両腕のパーツ構成となっています
●「1式砲戦車」と共に使用することができるアクセサリーパーツが付属しています
・ ヘルメット ×2
・ 水筒 ×2
・ 拳銃ホルスター ×2
・ 銃剣 ×2
・ 空薬莢 ×6
・ 砲弾2種 ×各1
●マーキングは、4種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 少年砲兵学校所属
・ 戦車第2師団 機動砲兵第2連隊 第2中隊 (ルソン島)
・ 戦車第14連隊 整備中隊所属 (ビルマ)
・ 第4陸軍技術研究所所属
●説明書の塗装例に基づく、部隊記号、車体番号、ナンバープレートなどを再現したデカールが付属しています