ドイツ 駆逐戦車 ヘッツァー 前期型
「ドイツ 駆逐戦車 ヘッツァー 前期型 (プラモデル) (アカデミー 1/35 Armors No.13278 )」です
●第2次世界大戦後期におけるドイツ軍の軽駆逐戦車「ヘッツァー」の「初期型」を1/35のスケールで再現したプラスチックモデル組立てキットです
●大戦後期においてドイツ機甲戦力の一画を占めた「ヘッツァー 初期型」を再現、一切の無駄を削ぎ落とした直線的でマッシブなフォルムを再現した内容となっています【 「駆逐戦車 ヘッツァー」について 】
●第2次世界大戦中期になるとドイツ本国への連合軍機の爆撃が本格化し、「3号突撃砲」を生産していた「アルケット」社の工場も甚大な被害を被ってしまいます
●当時「3号突撃砲」は、ドイツ機甲兵力の重要な一画を占めていたことから、このことはドイツ軍の首脳部に大きな衝撃を与え、その代替兵器の開発が各メーカーに指示されます
●チェコの「BMM」社はこれに応え、自社開発された「38(t)n.A.戦車」(「38(t)戦車」をベースとした偵察戦車)をベースとした駆逐戦車の計画案を提出、これが認可されて駆逐戦車「ヘッツァー」として開発が行われました
●この「ヘッツァー」の開発にあたっては、「BMM」社の工場の能力から18t以上の重量の車両を生産できないことから小型軽量が前提となり、避弾経始を重視したデザインと無駄な部分を極力削り、良好な防御力を擁するために前面装甲には重点的に装甲厚が強化されています
●搭載する主砲は「48口径 75mm対戦車砲 Pak39」で、当時の主力戦車である「4号戦車」と同じ攻撃力を持ち、従来の対戦車自走砲とは比較にならない防御力の高さと主砲の威力により、小型ながらも理想的な駆逐戦車となりました
●ただ、当初は軽戦車をベースとしたことから機動性能も重視されていましたが、装甲などによる重量増加により機動性能は諦められ、その速度は通常の戦車と同様程度となっています
●「ヘッツァー」は、低コストと量産性が高いながらも性能に優れ、ドイツ軍から最優先生産車輌として指定、1944年4月の生産開始から終戦までに2584両が作られ、大戦後期のドイツ機甲戦力の一翼を担いました
●同車は、軍直轄の戦車駆逐大隊のみならず、各歩兵師団(擲弾兵師団)内の戦車猟兵大隊にも牽引式の対戦車砲を更新する形で配備、戦車などを持たない歩兵師団において貴重な機甲戦力として活躍しています
●しかし、「ヘッツァー」は戦闘室が狭い上、車内からの視察装置も最低限しか装備しておらず、他の乗員から車長のみが離れた位置(車体右後方)に配置されるなどの点から乗員には不評でしたが、当時の逼迫した戦況ではこのようなコストが安く、生産性が高い車輌が必要とされ、搭乗する戦車猟兵たちは戦術の妙により同車の欠点を克服しながら戦ったのでした
●ドイツ軍戦車は、戦訓と生産効率などの点から生産の途中において細かな仕様変更が行われるのが常であり、「ヘッツァー」もこの例に漏れず、その仕様変更により大別して「初期型」「中期型」「後期型」の3タイプに分けられています
●「ヘッツァー」の「初期型」は、生産当初から1944年8月ごろまでに生産されたタイプで、防盾がエラが付いた重量型、排気管は横置き、操縦手の視察装置が直接式、そして誘導輪の肉抜き穴が多数となっているのが特徴となります
【 「ドイツ 駆逐戦車 ヘッツァー 前期型」のキット内容について 】
●このドイツ軍の軽駆逐戦車「ヘッツァー 初期型」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●細部ディテール表現を重視しながらも実車のシンプルな構造に沿って「ヘッツァー 初期型」を再現、現在のニューキットと比べて全体のパーツ数が抑えられた内容となっています
●アカデミー社製「ドイツ 駆逐戦車 ヘッツァー 後期型」をベースに、「ヘッツァー 初期型」を再現するために、防盾、カラー部、誘導輪、履帯などを新規パーツへと変更したバリエーションキットとなります
●「ヘッツァー 前期型」は、「砲身部」「車体上部」「車体下部」の3ブロックで構成されています
【 砲身部 】
●砲身は一体成型となっており、砲口が開口処理されています
・ 防盾は2パーツで構成
・ 砲尾部分の「カルダン式砲架」を再現、砲身は上下左右に可動します
【 車体上部 】
●車体上部は、前部フェンダーも含めて一体成型されており、エンジンデッキパネルは別パーツとなっています
・ エンジン点検ハッチは別パーツです
・ 車長ハッチ、装填手ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ エンジングリルのメッシュ及びカバーを再現するエッチングパーツが付属しています
・ 照準器カバー、照準器、砲隊鏡、ペリスコープがパーツ化
・ 照準器ガード、ペリスコープガードはプラパーツにより再現
●上部のリモコン式機銃は10パーツで構成されています
・ 「MG34」は、銃口部分が開口処理され、銃身部分の放熱口が細かなモールドで再現
●側面のシュルツェンは、左右とも一体成型のパーツで再現されています
・ シュルツェン架は個別にパーツ化
【 車体下部 】
●車体下部はバスタブ式に一体成型され、後部パネルは別パーツとなっています
・ 前後の牽引用のプレート部は別パーツです
・ 各サスペンションユニットは5パーツで構成(全4ユニット)
・ 起動輪、誘導輪は表裏の2分割のパーツ構成となっています
【 履 帯 】
●履帯は、プラパーツによる一部連結式履帯が付属しています
・ 上下の直線部は繋がったパーツ、前後の曲線部は1枚づつが分割されたパーツとなっています
・ 履帯は、「ヘッツァー」の前期型履帯「Kgs35/140」が表現されており、モデルカステン製「ヘッツアー用履帯 (可動式) (初期~中期型用)」がこれに対応しています
【 フィギュア 】
●戦車兵を再現した2体のフィギュアが付属しています
・ 装填手ハッチから上半身を出した戦車兵と、その後方の車外から指示を与える戦車兵が表現されています
・ 服装は、デニム地の戦車服を着用、上半身を出したフィギュアは将校帽、車外のフィギュアは規格帽を被った姿です
・ フィギュアは、頭部、胴体、両腕、両足のパーツ構成です
●エンジングリルのメッシュ、カバーなどを再現するエッチングパーツが付属しています
【 塗装とマーキング 】
●「ヘッツァー 前期型」のマーキングとして3種類の塗装例が説明書に記載されており、国籍マーク、チェコ捕獲仕様マークなどを再現したデカールが付属しています
●2013年 一部新金型